現在90店舗(2025年3月28日現在)ある「上島珈琲店」のコンセプトは「失われつつある日本の喫茶文化を大切にした、懐かしく温かで、しかしかつて何処にもなかった珈琲店」。 それぞれロケーションに合わせた趣向を凝らして展開しています。
まだ「上島珈琲店」へ行ったことのない方にも、その魅力をもっと伝えたい!…そんな想いでこちらの連載がスタート。9回目となる今回は東京の「広尾店」を訪ねました。
INDEX
待ち合わせにも最適、地下鉄「広尾駅」からすぐ
「上島珈琲店 広尾店」は日比谷線の広尾駅からすぐ、「広尾散歩通り」にある広尾商店街の始まりとも言える場所にあります。広尾には大きな公園や図書館、大使館、学校、病院などもあり、街全体が明るく洗練された雰囲気をまとっていますが、このエリアには同時にどこか懐かしくあたたかい魅力があります。ここで商店街としての活動が始まったのは1948年(昭和23年)5月からだそう。長い年月、人々の生活を支えてきた場所なのですね。
「上島珈琲店 広尾店」がオープンしたのは2009年10月。上島珈琲店の店舗が大きく増えた時期ですが、やはり立地面の魅力が大きかったと言います。なんといっても駅から近いので負担なく来られ、待ち合わせにも便利ということで、幅広い年齢層の方にさまざまな目的でご利用いただけるようになりました。
もうひとつのダイニングやリビングのように
近隣の方が仕事や勉強、家事や買い物など、日常生活の中でのちょっとしたくつろぎやリフレッシュを求めて来られることが多い「広尾店」。心掛けているのは、地域の方を大切にし「暮らしの一部に溶け込む」場所になることです。
朝ふらりとコーヒーを飲みに行ったり、訪ねてきた友人をおもてなししたり…そんな風に「もうひとつのダイニングやリビング」という感覚で利用できる、上質でありながらアットホームな喫茶店が近くにあるというのはうれしいですよね。
オープンから16年。気持ちあらたに感謝とともに
オープンから16周年を迎えた「広尾店」は、長年の感謝とこれからもより豊かな時間を紡いでいけたらという願いをこめて、今年(2025年)の1月に改装を行いました。長年ご愛顧くださっているお客さまも多くいらっしゃるので、これまでの上島珈琲店らしさ、広尾店らしさはそのままに、今の街の風景やこれから来られるお客さまにも寄り添うことができるよう、細かい配慮を反映したそうです。
新しい看板で、お客さまをお迎え
広尾駅の2番出口を出て右に行くとすぐに「上島珈琲店」の看板が見えてきます。この看板も今回の改装にともない新しくなりました。見やすさはもちろんのこと、広尾の街にふさわしい上品さを持ちながら、ここから始まる商店街の懐かしさやあたたかさともマッチする看板です。

視覚的にも部屋のような落ち着きを
「広尾店」は2階建て、席数は74席です。
1階の入り口を入ると右側が注文カウンター、左側に席がしつらえてあります。通りに面した窓際の席でガラス越しに街路樹や往来を眺めるのも気持ちよさそうです。一方、突き当たりの階段横にあるソファ席は少し奥まっていることもあり、とても落ち着けます。

電源つきのカウンター席は1階にはあえて設けていないそうです。リビングでくつろいでいるような気持ちになれるのは、そのような視覚的な配慮もあるからなのですね。でもパソコンを使われる方や、商談される方のために、電源のある席も数か所はご案内できるとのこと。必要なときは聞いてみてくださいね。
一服したい方には、加熱式たばこの席も
雑踏を忘れて静かに過ごしたい方には2階もおすすめです。
階段を上がると手前は禁煙席、その奥にはガラスの仕切りでしっかり分煙された加熱式たばこ専用スペースが設けられています。こちらには電源つきのカウンター席も。飲食店の多くが禁煙という昨今、「一服しながらコーヒーを飲みたい」という方にとってしばしほっとできる場所になっているようです。
ワンランク上のくつろぎを、インテリアにも
改装にあたり、インテリアもほんのりアップデートして、よりゆったりとリラックスできるようになりました。
さらなる快適空間へ、パーソナルスペースを1.5倍に
リラックスするために大切なのがパーソナルスペースの確保です。「広尾店」ではさまざまな面におけるパーソナルスペースを改装前の1.5倍弱に広げているとのこと。たとえば新たに導入された椅子。見た目はすっきりしていますが、座面を含め今までのものよりひとまわり大きく、座ってみるとたしかにゆとり感があり、それだけで過ごす時間が少しグレードアップするような気がします。

ラグジュアリー感を演出するカーペット
足元にもちょっとした贅沢が。階段もふくめ全体にカーペットが敷いてあるのです。カーペット自体は以前からありましたが、改装とともに新調し、色も変更。シックな色調は上島珈琲店らしいウッディなインテリアや大谷石の柱などともよく似合います。ふかっとした感触の階段を靴のまま上がっていくと、なんだか海外の家に招かれたような気分になりますね。

アットホームな場所で、上質な味わいを
上島珈琲店の看板商品といえば「ダブルネルドリップコーヒー」。まるで家にいるかのようなくつろいだ雰囲気の中で、その特別感を味わえるのも「広尾店」の魅力です。
店長もおすすめ、「ブルボンヴァニラの無糖ミルク珈琲」
「ダブルネルドリップコーヒー」は、フランネルという布のフィルターを使い、上島珈琲店独自の方法で抽出されたコーヒー。しっかりしたコクがありながら雑味はなく、飲み心地もひときわ滑らかで、ミルクとの相性も抜群です。(詳しくはブランドサイトでも紹介しています)

実際、「広尾店」ではこの「ダブルネルドリップコーヒー」を使ったドリンクを注文される方がとても多いとのこと。店長の村山さんにおすすめを聞いたところ、『ブルボンヴァニラの無糖ミルク珈琲』という答えが返ってきました。
定番のミルク珈琲に、フランスにあるレユニオン島の希少なヴァニラからとれたエッセンスで香り付け。コーヒーの奥深さと華やかに香り立つ甘いヴァニラの組み合わせは、広尾店の雰囲気にもぴったりです。「無糖のまま香りを楽しんだ後、少しグラニュー糖を入れると今度はキャラメルのような味わいに変化するんですよ」とのこと。これは試してみる価値がありそうです。
また、四季折々のメニューも見逃せません。春は『珈琲香るミルク紅茶』『関山桜のミルク珈琲』『苺ミルク』を期間限定※でお楽しみいただけます。

※『珈琲香るミルク紅茶』『関山桜のミルク珈琲』は4月上旬まで、
『苺ミルク』は5月上旬まで。なくなり次第終了。
かたわらに『塩マドレーヌ』を添えて
スイーツの中では『塩マドレーヌ』が人気だそうです。ロレーヌ産岩塩をアクセントに蜂蜜を使用した、しっとり生地のマドレーヌです。手軽で食べやすく、大きめに見えますが甘すぎず軽やかで、コーヒーと語らいのよきパートナーになりそう。レジの前に置いてあるのでぜひ手にとってみてくださいね。

ランチタイムにはパスタも
「広尾店」は、定番のサンドイッチに加え、ランチタイムにはパスタも楽しめる店舗です。お昼には食事を目的に来られるお客さまも多いそうです。『自家製 大葉ジェノベーゼソースのスパゲティ』『喫茶店のナポリタン』、いずれもしっかりしたボリューム感で、午後のもうひと仕事、もうひと歩きを支えてくれるでしょう。

ホスピタリティにもアットホームなあたたかさを
ゆったりと時が流れる「広尾店」ですが、回転率は意外にも高めです。午前7時の開店から午後8時の閉店まで、入れ替わり立ち替わり、お客さまが途切れません。そんな「広尾店」が大切にしているホスピタリティについて聞いてみました。
あたたかい笑顔と気配り、さりげない会話で和やかに
「広尾店」では、ときにお客さまとスタッフがにこやかに会話を交わしている様子も見受けられ、それが店全体に和やかな雰囲気を広げています。聞いてみると、とくに地域密着型の店舗ということもあり、常にあたたかい笑顔や気配り、さりげない会話を心がけているとのこと。カウンターからも見える「広尾散歩通り」は、春には桜、初夏には新緑などが楽しめる場所。季節やお天気によっても違う表情を見せる景色も、話のよいきっかけになるようです。
上島珈琲店では「for You プログラム」による人財育成に取り組んでおり、「エキスパート」への資格試験も設けています。その中で大切にされているのは、基本的なノウハウに加えて、自主性や柔軟性。「広尾店」での和やかなやりとりも、そのプログラムを通して育まれたことのひとつです。
お客さまのお顔を覚えて、すみやかにご提供
常連のお客さまも多い「広尾店」。こんなエピソードを聞くことができました。
休日の朝によく来店し、必ず同じメニューを注文されるご夫婦が来られたある日、お顔を覚えていたスタッフが、いつものドリンクを会計と同時にすっとお出しするとうれしそうに驚かれ「こんなにたくさんのお客さまが来られるのに、覚えていてくださってありがとう」とおっしゃったそうです。
お客さまにとって家でくつろいでいるかのような時間、それはエクステリアやインテリアと同時に、スタッフの接し方からも生まれているのですね。
担当者が語る「広尾店」の魅力とは
今年16年目を迎えた「広尾店」。その魅力とそこにこめた想いを、店長の村山侑哉さんに聞きました。

ダブルネルドリップコーヒーに魅せられて
私はコーヒーと接客が好きだったので、最初は当時UCCのグループ会社だった珈琲館のアルバイトから始めましたが、2014年に上島珈琲店の社員になりました。お店の雰囲気はもちろん、ダブルネルドリップコーヒーが大好きなんです。クリアな味わいで、でもしっかりしたコーヒーのコクも感じられる、本当においしいコーヒーだと思います。
まず「中目黒店」、そこから「大門店」に移って店長を任せていただき、その後「虎ノ門店」を経て2022年の7月から「広尾店」の店長をつとめています。
▼ 虎ノ門店の記事はこちら
「虎ノ門店」での経験が今に生きています
「虎ノ門店」では2022年1月のオープニングから携わりました。ちょうどコロナ禍で、ディスタンスの取り方、換気のことなど、いろいろな基準や様式が変わり大変でしたが、何もないところからお店ができ上がる過程はとても勉強になりました。コロナでお客さまが増えず辛い時期もありましたが、それだけに今こうしてたくさんの方にご来店いただけていることは当たり前ではないのだなと感謝を噛み締めています。
また、お客さまが戻られてからの「虎ノ門店」では、ビジネス街という場所柄、気配りにも提供にもスピードが求められました。「広尾店」はゆったりした時間を大切にする店舗ですが、忙しくなる時間帯にはそのときの経験も活かせているのではないかと思います。
自分が働く姿勢を通して、育成に尽力したい
今はスタッフの育成にも力を入れています。基本的なこと以外「これをやりなさい」という伝え方はあまりせず「自分がされてうれしいことを考えてみて」と話していますが、いきなりは難しいと思うので、まずは「for You プログラム」のエキスパートを取得した先輩たちの、柔軟でスムーズな対応を見てもらうことが大事かなと。そして少しずつ「こうすればいいんだ」「こうしてもいいんだ」と、自分なりの方法を見つけていってくれたらと思います。
スタッフがのびのびと学ぶことは、きっとお客さまの笑顔にもつながっていくと思うので、私もいいお手本でいられるように心がけていきたいです。
30周年へ、大切な居場所としてのミッション
「広尾店」は近隣の方の暮らしの一部になるような店舗であるよう心がけていますが、そのような空間はきっと他の街から来られた方にも心地よいと思うんです。広尾に遊びにいらした際は、ぜひこちらでゆったりした時間をお過ごしいただければと思います。
同時に、暮らしの一部になるということには責任もともないます。もしもなくなってしまったら、お客さまの大切な居場所が消えてしまうということになりますよね。そうならないよう運営をしっかり持続させることもミッションのひとつです。ここを愛してくださるみなさまと一緒に良い形で30周年が迎えられるよう、これからも努力していきます。
家に戻ったようなくつろぎを味わえる「広尾店」。近くにはショッピングを楽しめる場所も数多く、春から初夏にかけては散策にも良い季節です。スタッフ一同、おいしいコーヒー、和やかなおもてなしとともに、みなさまのご来店をお待ちしております!
上島珈琲店では、未経験の人でもやる気次第で活躍の場が開けます。また採用している独自の「for Youプログラム」は、将来違う分野に勤める方にも役に立つ人財育成プログラムです。上島珈琲店での仕事に興味のある方は、こちらの募集要項をご覧ください。
「上島珈琲店 広尾店」へのアクセス、詳しい店舗情報はこちら
上島珈琲店 広尾店
東京都渋谷区広尾5-5-1田中ビル1・2F
TEL 03-5789-2175
営業時間 平日 7:00~20:00 / 土日祝 7:00~20:00
定休日 なし
→上島珈琲店ブランドサイトはこちら
「本当においしい珈琲」をあなたのおうちでも
「上島珈琲店」ラインナップ
心地よい空間と、豊かなひとときが楽しめる大人のためのコーヒー専門店「上島珈琲店」を、いつでもお楽しみいただけるのが、こちらのおうちで楽しめる「上島珈琲店」です。

レギュラーコーヒーは、コーヒー豆タイプ(5種類)、コーヒー粉タイプ(3種類)、ワンドリップタイプ(5種類)。またドリンクタイプには、そのまま飲めるPETボトルタイプ、たっぷり楽しめる1000mlの紙パックタイプをラインアップ。
味わいなどをテーマにアイテムごとに描かれた、目をひくタッチのイラストが目印。店頭で見かけた際には、ぜひ手に取ってみてくださいね。UCCオンラインショップでもお求めいただけます。
もっと身近に、もっと手軽に「上島珈琲店」自慢のおいしさをお楽しみください。
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→ おうちで楽しめる「上島珈琲店」 ブランドサイトはこちら
監修:UCC COFFEE MAGAZINE編集部