山口県「夏蜜柑丸漬」×「上島珈琲店ブレンド」コーヒーの、おいしい恋活 vol.29 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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山口県「夏蜜柑丸漬」×「上島珈琲店ブレンド」
コーヒーの、おいしい恋活 vol.29

日本各地の銘菓や特産品の魅力をご紹介しながら、相性ぴったりのコーヒーをご提案する「コーヒーの、おいしい恋活」。vol.29となる今回は山口県へ。城下町の景色と花の香りを想像しながら味わいたいマリアージュです。

堂々たる姿と爽やかな余韻。『夏蜜柑丸漬』(光國本店) 

今回ご紹介するのは山口県萩市「光國本店」の『夏蜜柑丸漬』。箱を開けるとそこには堂々とした夏蜜柑。「丸漬」というだけあり、本当に大きな夏蜜柑そのままの姿をしています。切り分ければ中には白い羊羹。ほどよい歯応えを持つ皮のほろ苦さと、なめらかな餡に練り込まれた柑橘系の香りが、なんとも爽やかな余韻を残します。 

実は「光國本店」の始まりに関しては詳細な記録が残っていないとのこと。創業年を1858年(安政5年)、創業者を当時の店主、初代光國作右ェ門氏としているのも、この年に描かれた城下町の絵に光國本店が登場しているからだそうで、お店はそれ以前から存在していたのかもしれません。 

でも夏蜜柑のお菓子作りにおいて、初代光國作右ェ門氏の功績はとても大きなものでした。萩で夏蜜柑の栽培が始まった明治時代、その皮を美味しいお菓子にするという難題に光國作右ェ門氏は4年もかけて取り組み、ついに成功させたのです。 

そして3代目となる光國義太郎氏がその技を活かして1916年(大正5年)に完成させたのが『夏蜜柑丸漬』です。今では義太郎氏の娘さんにあたる4代目の良子さんのもと、「光國本店」のみならず萩を代表する銘菓となり、全国にファンがいるとのことです。 

大日比に流れつき、萩を救った夏蜜柑 

時は江戸時代半ば。山口県長門市の大日比(おおひび)に流れ着いた果実の種から、最初の夏蜜柑の木が育ちました。これを広めたのが萩藩士、小幡高政です。明治維新後に失業して困窮していた士族たちを見かね、1876年(明治9年)、廃屋のようだった武家屋敷の土地に夏蜜柑を植えたのです。水はけの良い土壌と温暖な気候も手伝って、夏蜜柑が生み出す収益はぐんぐん伸び、やがて萩の町いっぱいに夏蜜柑畑が広がりました。 

そんな夏蜜柑を、山口県ではとても大切にしています。「県の花」は夏蜜柑の花。なんとガードレールの色まで橙色なのだそうですよ!  

『夏蜜柑丸漬』に使われている夏蜜柑はすべて萩産。光國本店が設けたサイズと質の基準をしっかりクリアした果実には、萩を救った英雄の風格が漂っていますね。 

1日に作れる数は80個。それでも守り抜く手作り製法 

誕生から100年以上経つ『夏蜜柑丸漬』ですが、当時からその製法は変わっていないそうです。果実の中身をくり抜き、皮はあく抜きして糖蜜で煮込みます。この蜜は『夏蜜柑丸漬』が誕生した大正5年から注ぎ足されている秘伝のものだとか。 

そこに硬さや甘さ、果汁の配合にこだわりを極めた白羊羹を流し込み、グラニュー糖をまぶして出来上がります。すべてが手作業で、製造に5日もかかるため、1日80個しか作れないとのこと。それでも光國本店はこの製法をずっと守り続けています。 

トキジクの木の実の如くかほるお菓子

包装紙や箱のレトロな魅力も心をくすぐります。このデザインは大正時代末から使用されているとのこと。かつては白黒でしたが、昭和50年代に一部カラーになったそうです。夏蜜柑の絵を描いたのは、このお菓子の発明者である3代目の光國義太郎氏。そこに書かれている和歌は、萩藩の人材育成を担ってきた明倫館の2代目校長であり、郷土歴史家でもあった安藤紀一氏によるものだそうです。

なんと書いてあるのでしょう?​ 「これもまた萩の自慢か夏蜜柑(トキジク)の木の実の如くかほるお菓子は」です。「古事記」に登場する不老不死をもたらす「非時香果(ときじくのかぐのこのみ)」とは橘、つまりミカンのことをさすという説が有力です。そう思って食べるとなんだか元気が湧いてきますね! 

【コーヒーマリアージュ】
『夏蜜柑丸漬』には、すべてが緻密にデザインされたコーヒーを 

ここからは、UCCのR&Dセンターで味わいに関するデータ分析の担当者が解説します!

それではコーヒーマリアージュ、してみましょう!
『夏蜜柑丸漬』は、白餡のやわらかい甘味に夏蜜柑のフレッシュな香りが添えられ、ひと口ごとに味わいの変化を楽しむことができるお菓子です。そんな『夏蜜柑丸漬』に合わせるなら、コクや香りが十分に堪能でき、かつほのかにフルーツのような甘い香りも隠し味として感じることができるコーヒーがおすすめです。 

そのように多様な個性が緻密にデザインされたコーヒーであれば、夏蜜柑の香りと甘味に、さらに複雑なコントラストを付けて、味わいを深めてくれる組み合わせになります。 

また『夏蜜柑丸漬』は見た目のインパクトもありながら、切った時にも美しさを感じるお菓子。箱から出し、切り分けてお皿に乗せるプロセスも楽しめると思うので、コーヒーもミルをお持ちの方は豆を挽くところから始めてはいかがでしょうか。 

​​​​​気忙しいときこそ、あえて豆を挽いてからドリップする時間も丁寧に楽しむことで、夏蜜柑やコーヒーの香りもより感じられ、気持ちも整うかもしれません。 

『夏蜜柑丸漬』のベストパートナーは『上島珈琲店シリーズ 上島珈琲店ブレンド』 

『夏蜜柑丸漬』にぴったりの、すべてが緻密にデザインされたコーヒーは、『上島珈琲店ブレンド』です。 

「日本のコーヒーの父」と呼ばれた創業者の情熱を受け継いで、現代のプロフェッショナルたちが開発した特別なブレンドです。香ばしく豊かな香りと、心地よい甘い余韻、バランスの良い味わいが口いっぱいに広がります。多様な個性が絶妙なバランスで融合しているので、『夏蜜柑丸漬』と合わせれば、深みも爽やかさもある素晴らしいハーモニーが完成するでしょう。 

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初夏に咲く、白い花たちのマリアージュ 

目を閉じて萩に旅をしてみましょう。新緑の中、城下町を眺め、吉田松陰、高杉晋作といった明治維新志士たちの足跡をたどる…そんなロマンに満ちた想像に、ぜひ町を包み込む香りも加えてください。1926年(大正15年)5月、後に昭和天皇となる当時の皇太子がお越しになり「この町には香水がまいてあるのか」と言われたとか。2001年(平成13年)には全国の「かおり風景100選」にも選ばれた、この素晴らしい香りの正体こそ夏蜜柑の花です。 

果実は、幕末ごろたまたま夏に収穫して食べてみたところ美味しかったことから「夏橙(ナツダイダイ)」、今も「夏蜜柑」と呼ばれますが、夏についた実が冬を越して次の夏に美味しくなることから1年を通して見ることができるのです。でも花の色と香りは初夏の風物詩。 

コーヒーの花が咲くのもこの季節です。白く可憐で雪や星を連想させるところも夏蜜柑の花とよく似ていますね。やがてそれぞれ赤い実、黄色い実となり、違う香りを纏うに至ったふたつのマリアージュ。豆を挽き、切り分けるプロセスを楽しみながら、真っ白な花を思い浮かべれば、より爽やかなコーヒータイムになることでしょう。 

ご紹介した山口県の銘品「夏蜜柑丸漬」は以下でお買い求めいただけます。
オンラインショップ

半澤 拓(はんざわ・たく)
2011年入社。UCCの研究施設イノベーションセンターにて研究開発業務に携わる。
2016年にコーヒーと食べ物の食べ合わせを分析する「フードマッチングシステム」を開発。コーヒーの味や香り、食べ合わせに関する研究報告やセミナーなど多方面で活躍。

UCCの「フードマッチングシステム」ほか、おいしい!を極める技術について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

▼コーヒーマリアージュについての記事はこちら


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