教えて、コーヒーアカデミー!「コーヒーの木を育ててみよう!収穫する日を目指して」 | My COFFEE STYLE MAGAZINE

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教えて、コーヒーアカデミー!
「コーヒーの木を育ててみよう!収穫する日を目指して」

コーヒー豆を育む「コーヒーの木」は、艶やかで美しい葉を持ち、観葉植物としても多くの人から愛されています。4月はコーヒーの木を育て始めるのに最適な時期!上手に栽培できたら白い花や赤い実を見ることもできるかもしれませんよ。

艶やかな緑の葉が美しい!実は観葉植物としても愛される「コーヒーの木」

みなさん、コーヒーの木を見たことはありますか?
飲用に用いられるコーヒー豆は、コーヒーの木から採れるコーヒーの実の種の部分。多くのコーヒーの木は「コーヒーベルト」と言われる、赤道を中心に南緯25度から北緯25度の暖かい地域で栽培されています。
日本はコーヒーベルトの範囲外なので、大規模なコーヒーの栽培には向いていません。けれど、温度や水やりなどに気を配れば、家でもコーヒーの木は育てることができるのです。

1年中艶やかな美しい緑の葉を楽しめる常緑樹であり、また崩れにくい樹形を持つコーヒーの木はインテリアにも取り入れやすく、観葉植物としても愛されてます。

白い花、赤い実。そして自家製のコーヒーを飲む夢!

コーヒーの木の種を植えて、環境を整えながら上手に育てると、やがて白く小さな花を見ることができます。そして花が受粉すると「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤い小さな実をつけることも!

もともとコーヒーが自生するようなコーヒーの木の育成に適した生産国であれば、2~3年で1m程の高さに成長して花も見られるようになります。
しかし日本ではもう少し時間がかかり、温室のようなところで育てて5~6年、長ければ10年くらいかかることもあり、環境によっては花がみられない場合も。けれど、自分で育てたコーヒーの木から豆を収穫し「完全自家栽培のコーヒーを飲む」、愛飲家ならそんな夢を抱いてしまいますよね?

我が子の記念日に育て始めたコーヒーの苗木が、子供の成長とともに大きくなって、成人するころに実が収穫でき自家栽培のコーヒーを親子で味わった…。そんな心温まるお話を聞いたことがあります。長い時間をかけて育てるコーヒーの木に、特別な魅力を感じずにはいられません。

暖かい場所で育てよう。コーヒーの木の育て方 -基本-

コーヒーの木の育て方は難しくはありません。気温や水やり、適度な植え替えをしながら上手に育ててあげましょう!

コーヒーの木に適した育成環境や気温、水やり頻度


◉ 気温
コーヒーの木は寒い場所が苦手です。
気温としては15〜24℃くらいが理想的です。育てる空間は、10℃より下にならず、かつ30℃を超えないように調節してあげましょう。日本(本州)でいうと4月、5月、6月、10月はちょうどいい気温。7月、8月、9月は暑すぎるので屋外の涼しい場所に置くか、クーラーで適温になった室内に置くのが良いでしょう(エアコンの風には当たらない場所に)。
冬は室内で、窓から離して外の冷気が当たらないように、また少し高い場所に置いてください。

日差し
気温は高い方がいいのですが、コーヒーの木への直射日光は厳禁!
西日にも注意が必要で、強い日差しに当たるとすぐ萎えてしまいます。生産国ではコーヒーの木の周りに「シェードツリー」としてバナナの木などを植えて、強い風や日差し除けにしているほど。
日本でも春なら外に出してもいいかもしれませんが、その場合でも風通しのいい日陰を選んでください。室内の明るい場所、日光もレースのカーテン越し程度が適しています。

水やり
目安として、生育期にあたる4月、5月、6月には、4~5日に1度水をやりましょう。
冬場は1週間に1度くらい。水をあげるときには、植木鉢の下から水が出るくらいたっぷりとあげてください。気温や湿度によっても状態は変わるので、完全に土が乾く前に水やりをするのがちょうどいい頻度です。もし水やりを忘れると、コーヒーの葉っぱがしんなりと垂れてきます。
その段階で水をあげれば、半日ほどで復活しますが、しんなりしたまま1日を過ぎてしまうと復活はできません。毎日1度はコーヒーの木の様子を見てあげましょう。

土・肥料・害虫について


◉ 適した土・肥料
わかりやすいのはブルーベリー用の培養土で、窒素、リン酸、カリウムなど必要な栄養分がバランスよく配合されています。自分で土を配合するときは、ピートモス・パーミキュライト・赤玉土を2:2:6の割合(容積比)で配合します。土の中の栄養素バランスが、窒素・リン酸・カリウム=7:4:4(例として100g中に7g:4g:4g)が理想。

それぞれが不足すると
・窒素が不足すると葉の色が薄くなる
・リン酸が不足すると花が咲きにくくなる
・カリウムが不足すると根の成長が悪くなる

という不具合が出やすくなります。

◉ 害虫について
茎や葉について真っ白なワタのように見えるカイガラムシがつくことがあります。観葉植物の汁を吸って成長し、排泄物に糖度があるので葉がベタベタしてきます。見つけたら、綿棒や歯ブラシを水で浸してきれいに拭き取りましょう。また専用の薬を葉に散布するのも有効です。

※参考写真:レモンの葉についたカイガラムシ

また、土や水垢などからコバエが発生することもあります。気になるときはモクサク液を100倍から200倍に薄めたものを散布するといいでしょう。雑草対策にもなります。

木を蘇らせるカットバック

育てていると、下の方の葉が落ちてしまって、ひょろひょろと貧相な木に見えてしまうこともあります。環境が悪かったり、植え替え頻度の問題で土の入れ替えができていなかったり、肥料の問題であったり要因はいろいろですが、残念ながらコーヒーの木は、一度落ちてしまった部分からはもう葉は生えてきません。

茂った状態に戻すには「カットバック」という方法で木を蘇らせてあげる必要があります。この「カットバック」、土から30cmくらいのところで木をパツンと大胆に切るので初めはかなり緊張します。が、思い切ってカットすると数か月で小さな葉が出てきて、勢いが戻ってきます。木が貧相になってしまったときには試してみましょう。樹勢のある春に行うのがおすすめです。

写真左はカットバック直後のもの、6月末に切り、右は8月半ばの写真です。

買ったらまず植え替えを。コーヒーの木の植え替え方法

コーヒーの木は、小さい苗などをグリーンショップ等で手に入れることができます。ちなみにUCCコーヒーアカデミー東京校でも販売していますので、近くにお越しの際には講師までお声がけください。

販売しているこちらの苗木。輸送用の小さい鉢に入っているため、購入後はすぐに植え替えをしてください。4月は植え替えに適した季節です。

手順を詳しくご紹介しますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

植木鉢を用意します

まず、ひとまわり大きい植木鉢を用意します。
植木鉢は大きすぎると水が溜まりすぎて根腐れの原因になるのでNG。1号か2号上のサイズを用意して、コーヒーの木の成長にあわせながら1年に1度くらい植え替えしていくといいでしょう。

植木鉢から取り出して、軽く根をほぐします

輸送用のポットの中に入っているコーヒーの苗木を取り出します。
傾けて優しくポットを握り、土ごと取り出しましょう。そして窮屈になった植木鉢の中で縮こまっていた根を優しくほぐします。環境変化をさせないで植え替えたい場合は余計な土を少し落とす程度で、元の土を残してもかまいません。

石・土を入れてコーヒーの木を植えます

植木鉢の底に鉢底ネットを敷いて、水捌けをよくするための鉢底石を入れます。
その上にコーヒーの木に適した土(前項参照)を入れてコーヒーの木を植え付けていきます。木が植木鉢の真ん中にくるように設置し、根に土がかぶさるように詰めていきましょう。土は植木鉢の上縁ギリギリまで詰めず、水やりの時に溢れてしまわないよう、少し内側までにしましょう。

たっぷりと水をあげましょう

土を入れ終わったら、新しい環境に根をなじませるためにも、底から水が溢れるくらいたっぷりと水をあげましょう。


長い年月で育てる我が子のような存在

今回教えてくれたのは、自宅でもコーヒーの苗木を育てているという、UCCコーヒーアカデミーの大澤講師。コーヒーの木の魅力を聞きました。

この2年間、コロナで家にいる機会が多くなって、家にあるコーヒーの木と向き合う時間も増えました。コーヒーの木は繊細ながら、とても素直。水が足りないとすぐに萎れてしまいますが、ちょっとくらいの萎れは急いで水をあげると復活するんです。

出勤する時もコーヒーの木の様子を見てから出勤して…僕にとっては、声をかけてあげると育ってくれる我が子のような存在です。
コーヒーは飲んで美味しいけれど、育てても楽しい。そして10年後もし花が咲いたら、実がついたら、きっと感動すると思いますね。こんな嬉しいことはない!

長い年月をかけて、成長を楽しみにしながら育てていける。
コーヒーの木の魅力はそんなところにあると思っています。

4月はコーヒーを育て始めるのに最適な季節!
みなさんもぜひ、チャレンジしてみてくださいね♪


コーヒーを見つめるまなざしが優しい大澤講師

大澤講師の解説はこちらでもご覧いただけます。
あなたは「コーヒーの木の花言葉」を知っていますか?答えはYouTubeでチェック!

大澤 優二  Yuji Osawa
UCCコーヒーアカデミー講師
・UCCコーヒーアドバイザー
・UCCコーヒー抽出士
・(アメリカ)CQI認定Qアラビカグレーダー
「UCCコーヒーアカデミー」で会いましょう!
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