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おつまみのようなスイーツ。『いぶりがっこちーず「け」』(川口屋)
今回ご紹介するのは秋田県秋田市にある「川口屋」の『いぶりがっこちーず「け」』です。見た目は平たいおまんじゅうですが、もっちりした生地は甘さ控えめ、そして中のクリームチーズには、なんと燻製干しのたくあん漬け「いぶりがっこ」が細かく刻まれて入っているのです。シャリシャリと噛み締めると、ほのかな塩味とともにスモーキーな余韻が広がり、おつまみにもなりそうな未体験のおいしさです。

「川口屋」は今から130年ほど前、川口政治(まさじ)氏によって創業されました。お店のある秋田市大町はかつて「大工町」と呼ばれ、大工さんなどが多くいた職人の町。「川口屋」も創業当時は力仕事が多い職人さんのために餅をつき、餅菓子を中心に販売をしていたそうです。今は5代目の川口正信さん、息子さんでもある6代目の川口雅也さんのおふたりが代表となり、「お菓子を通して秋田を楽しむ」をモットーに、餅菓子だけではなく秋田の素材を使用したさまざまな和菓子を販売しています。
『いぶりがっこちーず「け」』が誕生したのは2012年のこと。秋田の名産品「いぶりがっこ」を使った商品を作ってみようというアイデアから生まれたそうです。発売に至るまでは苦労もあったとのことですが、今ではスイーツにもおつまみにもなると人気商品に。秋田の方言をとりいれたユニークなネーミングも好評で、お土産としても愛されるようになりました。
秋田の風土、生活の知恵から生まれた「いぶりがっこ」
秋田県の代表的な名産品「いぶりがっこ」。「いぶり」は「燻した」、「がっこ」は秋田の方言で「漬物」を意味します。今では秋田全域で作られ、1年を通して楽しまれていますが、その起源は室町時代、秋田県内陸部の農家で作られるようになったのが始まりだそう。
秋田の冬は足早で、冬の食卓を支える大根の天日干しが終わる前に訪れてしまいます。そこで人々は家の囲炉裏の上で大根を干すようになったのだとか。熱と煙で燻製の香りを帯びた大根は、米ぬかや塩などに漬け込まれてゆっくりと発酵し、旨みと保存性を備えていくのです。
2種類のいぶりがっこを包むのは、あきたこまちのもちもち生地
こうして生まれたいぶりがっこは、家によりそれぞれ受け継がれてきた味わいがあるそうですが、『いぶりがっこちーず「け」』には2種類のいぶりがっこがブレンドされています。ひとつは燻し度合いが強く薄味のもの、もうひとつは燻し度合いがやや弱めで味のしっかりしたもの。この2種類をチーズと合わせることで、もっともバランスの良い風味が完成するのだそうです。
このお菓子の地元の素材へのこだわりは、いぶりがっこだけではありません。生地には秋田県大潟村産あきたこまちの米粉を使用。小麦粉とはひと味違うもちもち感、クリームチーズとの一体感も魅力です。

「け」にこめられた、秋田らしいおもてなしの心
さらに『いぶりがっこちーず「け」』というネーミングも秋田ならでは。とくに印象的な「け」というひと文字は「ちーず」に続くことで「ケーキ」も想起させますが、「来て」や「食べて」を意味する秋田の方言だそう。川口屋の秋田愛と「お菓子を中心に会話が生まれ、その場が楽しくなるように」という願いをのせて生まれたユニークな名前ですが、地元の人のあたたかい「こっちゃ、け」(こっちにおいで)、「これ、け」(これ、食べてみて)を想像するだけで、ほっこり和んで会話もはずみそうですね。

【コーヒーマリアージュ】
『いぶりがっこちーず「け」』には、甘い香りとまろやかな風味を持つコーヒーを
ここからは、UCCのR&Dセンターで味わいに関するデータ分析の担当者が解説します!

それではコーヒーマリアージュ、してみましょう!
『いぶりがっこちーず「け」』はチーズのコクと発酵感のある芳醇な香り、いぶりがっこのスモーキーな香り、スパイシーな酸味が絶妙なバランスで組み合わされた、他ではなかなか味わえないお菓子です。これには甘い香りとまろやかな風味を持ったコーヒーがぴったりです。いぶりがっこの独特の個性とぶつかることなく包み込むことで味わいのまとまりが生まれ、クリーミーな口当たりとも融合するので、どこかほっとするような気持ちになれるでしょう。

『いぶりがっこちーず「け」』は冷やして食べるのもおすすめだそうで、中には一度冷凍して少し溶け始めたころをみはからって食べるという方もいらっしゃるのだとか。温かいコーヒーと合わせれば、温冷のコントラストもプラスされて楽しみが広がります。ぜひ試してみてくださいね。

『いぶりがっこちーず「け」』のベストパートナーは『UCC ゴールドスペシャル まろやかブレンド』
『いぶりがっこちーず「け」』にぴったりの、甘い香りやまろやかな風味を持ったコーヒーは『UCC ゴールドスペシャル まろやかブレンド』です。

コーヒー豆を産地や銘柄ごとに最適な火加減で「単品焙煎」してからブレンドするというロースターのこだわりが息づくゴールドスペシャルシリーズ。『まろやかブレンド』はそのマイルドな風味で『いぶりがっこちーず「け」』を優しく包みこみながら引き立ててくれるでしょう。
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信じて、出会いを引き寄せて、扉を開くマリアージュ
今では秋田全域で作られ、加工品も増えて日本中で認知が高まっているいぶりがっこ。2017年には「秋田県いぶりがっこ振興協議会」が設立され、2019年にはいぶりがっこがGI(地理的表示)に登録されました。生産者たちは、材料、燻製や漬け込み方法、熟成期間などに基準を設け、品質の向上と普及に取り組んでいます。
ですが川口屋の「お菓子に使う」というアイデアは、最初からすんなり受け入れられたわけではなかったそうです。「売れないんじゃないか」とはっきり言われてしまいショックを受けたことも。でも6代目の川口雅也さんは、自分たちを信じて販売に踏み切ったのだとか。そしてその魅力をまず見出してくれたのは、意外にも他県の人たちでした。全国紙でも紹介され、やがて県の内外問わず人気を獲得していったのです。
独特の個性と斬新なアイデアを信じて開いた扉。その魅力を見出したり引き立てたりしてくれる存在との出会いも大きかったでしょう。個性派のみなさん、思い切った提案をためらっているみなさん、まさにそんな組み合わせである『いぶりがっこちーず「け」』と『UCC ゴールドスペシャル まろやかブレンド』のマリアージュを楽しんでみてはいかがでしょうか。この夏、新たな出会いとともに次の扉が開けるかもしれません。
ご紹介した秋田県の銘品『いぶりがっこちーず「け」』は以下でお買い求めいただけます。
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半澤 拓(はんざわ・たく)
2011年入社。UCCの研究施設イノベーションセンターにて研究開発業務に携わる。
2016年にコーヒーと食べ物の食べ合わせを分析する「フードマッチングシステム」を開発。コーヒーの味や香り、食べ合わせに関する研究報告やセミナーなど多方面で活躍。
UCCの「フードマッチングシステム」ほか、おいしい!を極める技術について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
▼コーヒーマリアージュについての記事はこちら
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