第3回は、雅な趣をたたえる初夏のマリアージュ。薫風が良縁を運んでくれそうです。
INDEX
貝殻の中に息づくやわらかな新緑、『貝合せ(抹茶あん)』(甘春堂)
今回は京都の老舗「京菓匠 甘春堂」の『貝合せ(抹茶あん)』をご紹介しましょう。
使われているのは本物の蛤の貝殻。そっとひらくと、抹茶の餡が半透明の葛に包まれて納まっており、なんとも秘めやかな美しさ。口に含むと、みずみずしい葛の中から抹茶の奥ゆかしい風味が広がり、心も新緑の古都へといざなわれます。

京都の鴨川沿い、豊臣秀吉とゆかりの深い「方広寺」近くに本店を構える「甘春堂」。公式な創業は1865年(慶応元年)ですが、初代の藤屋清七氏はそれ以前から宿屋を営み、そこでお菓子を提供していたそうです。川幅が今より広く橋もない時代。船や肩車による川渡しを待つ人々で、宿は活気に満ちていたことでしょう。
その後、幕末の動乱を機に菓子業に専念。「甘春堂」という屋号は、甘くておいしいものを表す「甘露」に、「めぐりゆく季節、春から順においしいお菓子をお届けしていきたい」との想いを込めてつけられたと伝えられています。
「甘春堂」から『貝合せ』が誕生したのは25年ほど前の春。現在の当主、6代目木ノ下善正氏が、ある料理屋で食事をした際、椀物に使われた蛤の殻が捨てられているのを見てもったいなく思い、ひな祭りのお菓子に活かそうと発案。宮中行事の雅な世界観を取り入れて『貝合せ(桜あん)』を作ったのが始まりだそうです。

やがて「春だけで終わらせるのは惜しい」との声から、季節ごとの餡で作ることになり、新緑と新茶の時期に選ばれたのが「抹茶」でした。桜の季節におとらず初夏も美しい京都。その景色を彷彿とさせる『貝合せ(抹茶あん)』もまた、多くの人に愛されています。
平安時代から伝わる宮中行事、蛤を使った「貝合わせ」
平安時代の宮中で楽しまれていた「貝合わせ」。もともと貝殻の多様な個性や美しさを題材にした歌を詠み競う遊びでしたが、貝殻の内側に彩色し、和歌を書いて左右に分け、合う組み合わせを見つける「貝覆い」もいつしか「貝合わせ」と呼ばれるようになったのだとか。蛤は合う貝殻がふたつとないので、こうした遊びが楽しめるのですね。またこの特徴から、蛤は良縁や夫婦円満の象徴ともなり、今も縁起物として親しまれています。

繊細に、奥深く…こだわりが叶えるバランスと食感
『貝合せ(抹茶あん)』の餡には、目を閉じてじっくり堪能したくなる深みと抹茶らしさが感じられます。お店の方によれば、餡にも味の濃いもの、薄いものがあり、濃すぎるものを使うと抹茶の個性が隠れてしまい、薄すぎると今度は全体に頼りない印象になってしまうのだそうです。
甘みの調節も大切とのこと。餡が甘すぎると抹茶の渋みや風味が消えてしまいますが、抹茶が強すぎると餡そのものの味わいが損なわれてしまうからです。このおいしさは、餡の種類、糖度、抹茶の渋み、甘み、風味などを見極めながら行き着いた境地なのですね。

また餡を包む葛にもひと工夫が。葛だけでは冷やすと固くなってしまうため、砂糖を加えてしっかり練り上げれば冷やしても固くならない「わらび粉」を配合しているそうです。ぷるんとほどよい弾力のある食感が心地よく、薄絹の向こうに若葉が見えるような色合いもまた優雅ですね。
家紋には、縁起の良い「上がり藤」を
甘春堂の歴史と想いは、暖簾や包装紙からも伝わってきます。家紋に用いられているのは桐と藤。「桐」は、甘春堂とも縁の深い豊臣家が天皇から賜ったという「五七の桐」から。「藤」は甘春堂の前身となった宿屋の屋号「藤屋」に由来しますが、本来垂れ下がって咲く藤が上を向いていることにお気づきでしょうか。
これは「下がる(落ちる)」形を避け、縁起を担いで「上がり藤」にしたためと伝えられています。幸運を願う贈り物としても安心して選ぶことができますね。

【コーヒーマリアージュ】
『貝合せ(抹茶あん)』には、優しく甘い香りとほのかな苦味、あっさりした口当たりを持つアイスコーヒーを
ここからは、UCCのイノベーションセンターで味わいに関するデータ分析の担当者、半澤 拓が解説します!

それではコーヒーマリアージュ、してみましょう!
涼やかでやわらかな葛・わらび餅。口にすると抹茶餡の味わいが口の中に広がり、最初の甘い風味から抹茶らしい奥行のある苦味の余韻まで、変化も楽しめるお菓子です。こちらには、まろやかで甘い香りとほのかな苦味、あっさりした口当たりを持つアイスコーヒーを合わせてみましょう。

コーヒーの甘い香りと抹茶餡の風味が重なり合い、広がりを感じさせます。アイスコーヒーのあっさりした口当たりとほのかな苦味も、抹茶餡の後味とバランスよく調和して、次のひと口を新鮮な気持ちで楽しむことができますよ。
甘春堂さんによれば『貝合せ(抹茶あん)』は冷やして食べるのもおすすめで、「冷やすことで、ひんやりとした冷たさと葛とわらびのぷるんとした食感を体験していただければ」とのこと。アイスコーヒーなら、そのひんやり感、ぷるんとした食感もより引き立てることができるでしょう。
『貝合せ(抹茶あん)』のベストパートナーは『UCC Cold Brew BLACK』
『貝合せ』にぴったりのまろやかで甘い香りとほのかな苦味、あっさりした口当たりを持つコーヒーは『UCC Cold Brew BLACK』です。

『UCC Cold Brew BLACK』は、低温で淹れる「水淹れ」という抽出法により、雑味のないおいしさを生み出したアイスコーヒー。ペットボトルの手軽さながら、コーヒーらしい苦味と、優しく甘い香り、爽やかな飲み心地を兼ね備え、『貝合せ(抹茶あん)』とともに夏の始まりを明るく優雅に彩ってくれるでしょう。

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特別な出会いは、人生の宝物
京都に和菓子文化が栄えた大きな理由は、水脈に富んだ清涼な地下水に恵まれていたからと言われています。それは豊かな農作物をはぐくみ、四季を描き、美味と風情を愛する人々を魅了してきました。そんな京都で一瞬の季節をうつしとり、美しく重なる貝殻に、そっとしまった『貝合せ』。

恋愛や結婚はもちろん、仕事や趣味でも「これがあってこそ」「この人がいてくれるから」と思える出会いは、日々を豊かにしてくれますね。京都の水と大地のように、互いを支え合う関係は尊いものです。蛤の貝殻のように呼吸がぴたりと合うならきっと運命。
そして『貝合せ(抹茶あん)』と『UCC Cold Brew BLACK』のように、一見何もかも違うように見えて自然と溶け合う関係もまた、お互いを高め合いながら幸せの輪を広げていきます。
緑の美しい季節、新しく何かを始めてみたいという方も多いことでしょう。このマリアージュを味わうことで良きご縁が訪れて、豊かに育っていきますように。
今回のマリアージュでご紹介した『貝合せ』は以下でお買い求めいただけます。
オンラインショップ
半澤 拓(はんざわ・たく)
2011年入社。UCCの研究施設イノベーションセンターにて研究開発業務に携わる。
2016年にコーヒーと食べ物の食べ合わせを分析する「フードマッチングシステム」を開発。コーヒーの味や香り、食べ合わせに関する研究報告やセミナーなど多方面で活躍。
UCCの「フードマッチングシステム」ほか、おいしい!を極める技術について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
▼コーヒーマリアージュについての記事はこちら
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