【珈作しよう】愛らしい「コーヒー盆栽」作りに挑戦 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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【珈作しよう】愛らしい「コーヒー盆栽」作りに挑戦

珈作シリーズ第2弾。今回は「コーヒー盆栽」です。

かつて開催されたUCCコーヒー博物館のコーヒー盆栽ワークショップでは、大人も子どももとても上手に仕上げていました。
テーブルの上の小さな農園風景が長く楽しめますので、材料が手に入ったらぜひ挑戦してみてください。

コーヒーって日本で育つの?

コーヒーはそのほとんどが輸入品。コーヒーの栽培に適していると言われる「コーヒーベルト(コーヒーゾーン)」から日本は外れた位置にあるため、国内で流通しているコーヒーはほとんどが海外の生産国で栽培されたものです。

しかし、小笠原や沖縄など、国内でも一部の温暖な地域には農園がありコーヒー栽培も行われています。赤道近くの熱帯で育つイメージのコーヒーですが、寒い冬に暖かい室内においてあげれば立派に育てることができます。

コーヒー盆栽作りに挑戦!

揃えるもの

・コーヒーの苗木
・苗木のサイズに合う鉢
・底穴用の網
・針金
・土、水
・飾り用の小石、苔など
・針金を切るペンチ、ピンセットなど

作業の流れ

① 鉢とコーヒーの苗木を選ぶ
② 鉢の準備
③ 苗木の準備
④ 樹形を決める(針金かけ)
⑤ 苗木を鉢に固定→ 土を入れる
⑥ 飾り付け(化粧砂・石・苔)

作ってみましょう!

① 鉢とコーヒーの苗木を選ぶ

鉢の形や色で、その印象もガラリと変わります。盆栽を置くお部屋の雰囲気に合わせて選んでも良いですね。コーヒーの苗木を取り扱っている園芸店は多くはないかもしれませんが、ネット通販などでも入手することができます。

② 鉢の準備

木を鉢に固定するために鉢の底穴に針金をつける、盆栽ならではの重要な工程です。針金網を針金で固定してから、少量の土を入れてください。

③ 苗木の準備

今回のコーヒーの苗木は、流通しやすいようミズゴケに植えてあるものを使います。根を傷めないようにミズゴケを取りのぞき、傷んだ根や葉を取り除きます。土などに植えられているものも同様です。

④ 樹形を決める(針金かけ)

盆栽の世界では次のような代表的な樹形があります。その木の持つストーリーをイメージして、お気に入りの樹形を選びましょう。

イメージした樹形になるよう幹に針金を巻いていきます。幹に対して45度の角度でぴったりと巻き付けていきましょう。

⑤ 苗木を鉢に固定→ 土を入れる

針金で鉢と苗木をしっかりと固定したら、余分な針金はカットします。土を鉢の8分目までしっかり詰めたら、水をかけます。

⑥ 飾り付け(化粧砂・石・苔)

ピンセットを使い、化粧砂や小石、苔など、バランスよく置いて行ってみましょう。

綺麗に飾り付けたら完成です!

コーヒー盆栽の育て方・お手入れ

① 温度と日当たり

コーヒー(学名は「コーヒーノキ」)は熱帯原産で、日陰を好む植物です。寒さと直射日光に注意して、置く場所で調整してください。コーヒー盆栽は風通しの良いところに置き、夏場は「蒸れ」に注意してください。

季節 時期 置く場所
栽培適期 4~6月
10~11月
・屋外の明るい日陰
・屋内の明るいところ
盛夏 7~9月 ・屋外の日陰(半日陰、明るい日陰)
・屋内(窓辺の強い直射日光に注意)
冬季 12~3月 ・屋内(玄関や出窓は寒さに注意)
10℃以上が望ましく5℃以下は枯れる可能性あり

② 水やり

盆栽は鉢が小さいため、乾燥に注意が必要です。夏場は毎朝1回、その他の季節は2~3日に1回の水やりが目安です。

普段の水やりは盆栽を水に沈めてしっかり吸水させてください。 鉢の底から水が流れるまでたっぷりと水をやり、洗面器などに水を張り、そっと盆栽を沈めます。泡が出なくなったら水から上げて受け皿に戻します。

長期間留守にするときは、洗面器に浅く水を張り、盆栽を1/4ほど水に浸けた状態にしてください。

③ 肥料

薄めにした液体肥料を2週間に1回ほど与えてください。冬季や植替え後など成長の遅い時期は必要ありません。

④ 病害虫対策

病害虫の予防には、市販の木酢液を500~1000倍に希釈し、ときどき散布するのが効果的です(希釈倍率は木酢液の説明書の指示に従ってください)。

⑤ 植え替え

2~3年に1回、4~5月頃に植替えを行いましょう。

《手順》
1. 針金を外して鉢から取り出し、根をほぐす
2.鉢の底に少し土を入れる
3.鉢のサイズに合わせて根を切る
4.鉢に木を入れて、針金で固定する
5.鉢の9分目まで土を入れ、中に空洞ができないように棒で土を詰める
6.洗面器などに水を張り、鉢ごと水に浸けて吸水させる
7.お好みで、土の表面に苔を張って完成

⑥ コーヒーノキの調子が悪いときは

葉がしんなりとして戻らない場合は、木を休ませるために、傷んだ葉や調子の悪い葉を剪定して、様子をみてください。調子が戻ってきたら、新芽がまた出てきます。

冬季で気温が低い場合は、置く場所を検討してみてください(玄関や出窓は特に注意が必要です)。

飲むだけじゃない。長く愛せるコーヒー

いかがですか?小さな鉢に植えられた木が醸し出す世界観は、眺めていると心を鎮め穏やかにしてくれるような気がします。

コーヒー盆栽は、手順がわかれば、作るのはそれほど難しいものではありません。また、植え替えをしながら木を大きくしていくと、やがて花が咲き、実を付けることも。上手くいけば、国産かつ我が家産のコーヒーが収穫できるかもしれません。

材料が手に入ったら、ぜひ、挑戦してみてくださいね。


今回『コーヒー盆栽』を教えてくれた人
UCC上島珈琲株式会社 農事調査室 研究員 長田 光司

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UCCイノベーションセンターで、レギュラーコーヒー製品の研究開発および品質評価を担当。その後、農事調査室で、希少なコーヒー品種の探求のほか、コーヒーの栽培や栽培技術に関する調査研究を行っている。現在も世界各国の研究機関と連携して、魅力的なコーヒーの製品化に向けて活動中。

取得資格:UCCコーヒーアドバイザー、CQI認定Qグレーダー、クラシフィカドール(コーヒー鑑定士)

協力:BONSAI KUMI

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