兵庫県「神戸牛のミートパイ」×「ゴールドスペシャル リッチブレンド」コーヒーの、おいしい恋活 vol.4 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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兵庫県「神戸牛のミートパイ」×「ゴールドスペシャル
リッチブレンド」コーヒーの、おいしい恋活 vol.4

日本各地の銘菓や特産品を、相性ぴったりのコーヒーとともに楽しんでいただく、「コーヒーの、おいしい恋活」。今回は兵庫県へ。ドイツにルーツを持ち、激動の時代を歩んだ洋菓子店のパイと、おいしさを深め合うコーヒー。おやつにも軽食にもなる贅沢なマリアージュをお楽しみください。

兵庫県、素材の味が引き立つ『神戸牛のミートパイ』(ユーハイム)

今回は日本創業100周年を迎えた「ユーハイム」の『神戸牛のミートパイ』をご紹介します。「え、ユーハイムといえば『バウムクーヘン』では?」そう思う人も多いかもしれませんが、実はこのミートパイも、創業時からあるもうひとつの名品なのです。

とにかくリッチなのに軽やか!サクサクのパイからはバターの豊かな香りがふわっとたちのぼりますが、まったくしつこくありません。フィリングは、肉の旨みを大切にしたシンプルな味付けで、刻んだゆで卵が味と食感をまろやかに。量も主張しすぎず、パイとフィリング、両方が主役です。でも、このおいしさを今に伝えるユーハイムには、驚きの歴史がありました。

創業者は、ドイツ人の菓子職人、カール・ユーハイム(1886~1945)です。カールは、ドイツの租借地だった中国の青島で喫茶店に就職した後、1909年に自らの店を始めました。でも第一次世界大戦が始まり、カールは青島を占領した日本の捕虜となってやがて広島に収容されます。転機となったのは、捕虜たちの作った物品を展示・販売する催しでした。カールが青島で看板メニューだった『バウムクーヘン』を出品したところ大評判に。そこでカールは戦後も日本に残ることを決心し、1922年、横浜に日本1号店「E・ユーハイム」をオープンしたのです。

翌年、関東大震災にみまわれて店が倒壊してしまったため、ユーハイムは神戸に拠点を移し、今も本社は神戸にありますが、今回の100周年は、横浜での創業から数えたものです。

添加物に頼らず「自然をそのまま」

ユーハイムが大切にしているのは、カールから受け継いだ、ドイツ菓子の「自然に逆らわない」、つまり「添加物に頼らず、自然をそのままいただくことが、本当の美味しさである」という考え方です。そのおいしさを多くの人に届け、笑顔をもたらす存在になることをめざして、2020年には「純正自然宣言」も行ったユーハイム。『神戸牛のミートパイ』の味わいも、そんな理念に支えられているのです。

創業時代から変わらないレシピ

『神戸牛のミートパイ』を食べたとき、最初に感動するのはパイ生地の食感でしょう。北海道産低水分バターを練り込み、なんと432層にもなっているとか!フィリングにはスネのひき肉を使用し、玉ねぎと粗くつぶしたゆで卵を加えています。そしてオーブンでじっくり焼くこと50分。そのレシピは、創業時代から変わっていないとのことです。

さらなるおいしさを求めてフィリングを神戸牛に

青島での創業から100年後の2009年、ユーハイムはさらなるおいしさを求めて、レシピはそのまま、フィリングに使用するひき肉を、神戸牛へと変更しました。
日本三大和牛のひとつに数えられる神戸牛は、但馬牛の肉の中から厳しい審査を通過した牛肉にだけに与えられる呼び名。その甘みと香りは今や日本のみならず、海外でも熱い注目を集めています。しかもユーハイムが使用しているのは、明治4年創業、神戸で初の牛肉販売店となり、宮内庁御用達の歴史も持つ大井肉店の神戸牛。
素材は上質に。味付けはシンプルに。これが「リッチなのに軽やか」を両立する秘密なのかもしれませんね。

【コーヒーマリアージュ】『神戸牛のミートパイ』には、リッチなコーヒーを

ここからは、UCCのR&Dセンターで味わいに関するデータ分析の担当者が解説します!

それではコーヒーマリアージュ、してみましょう!
ユーハイムのミートパイの魅力は、良質のバターがふんだんに使用されたパイ生地、シンプルな味付けだからこそ滲み出る、牛肉の旨み、玉ねぎと卵のコクです。とくにしっかり煮込まれた牛肉からは、奥ゆかしさと複雑さのある風味が醸し出されます。 

このようなフードには、やはり複雑で芳醇なコクのあるコーヒーをおすすめします。中深炒りで、果実のような酸味をほのかに残しながらも、苦味と香ばしさがしっかりと引き出されたコーヒーです。パイと合わせれば、バターの香りがコーヒーの苦味ですっと引き締まり、深みが増します。フィリングとも、お互いの力強く複雑な味わいを引き立たせ合いながら、幾層にも重なる香りと味で、奥行きのあるハーモニーを奏でます。

『神戸牛のミートパイ』のベストパートナーは『ゴールドスペシャル リッチブレンド』

苦味、香ばしさ、コク。複雑で芳醇な味わい。そんな個性を兼ね備え、『神戸牛のミートパイ』とベストカップルとなるコーヒーは、『ゴールドスペシャル リッチブレンド』です。
100万とおりからベストな焙煎レシピを選び抜き、しかも豆を産地や銘柄ごとに、火加減を秒単位でコントロールしながら焙煎する。そんなロースターのこだわりが生きた「ゴールドスペシャルシリーズ」。中でも「リッチブレンド」は優雅な香りと深みのある味わいが特徴で、『神戸牛のミートパイ』と楽しむひとときを、より魅力的なものにしてくれるでしょう。

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平和への願いをこめて

ユーハイムが創業以来、「自然に逆らわない」という考え方とともに大切にしている、もうひとつのこと。それは「お菓子には世界を平和にする力がある」という信念です。
実は1923年の関東大震災から神戸で再起をはかった後も、ユーハイムの試練は終わりませんでした。第二次世界大戦が始まったのです。新しい店は空襲で焼失。カール自身も終戦前日に病でこの世を去りました。でも愛弟子たちが資金を持ち寄り、それまで店の発展に大きな貢献をしながらもドイツに強制送還されたカールの妻エリーゼを呼び寄せ、ユーハイムは見事によみがえったのです。

最初は敵対する立場だった日本に祖国の味をおしみなく伝え、愛弟子たちに職人の誇りと、平和への願いをたくした創業者カール。そして戦争や災害に翻弄されながらも屈することなく、それらを受け継いできたユーハイム。なんだか胸が熱くなりますね。

コーヒーもまた激動の歴史をたどり、いまこうしてカップにそそがれています。異なる背景を持つものが違いを引き立てあって融合する幸せを感じながら、そして平和を祈りながら、ゆっくりと味わいたいマリアージュです 。

ご紹介した兵庫県の銘品「神戸牛のミートパイ」は以下でお買い求めいただけます。 
ユーハイム プレミアムオンラインショップ

半澤 拓(はんざわ・たく)
2011年入社。UCCの研究施設イノベーションセンターにて研究開発業務に携わる。
2016年にコーヒーと食べ物の食べ合わせを分析する「フードマッチングシステム」を開発。コーヒーの味や香り、食べ合わせに関する研究報告やセミナーなど多方面で活躍。

UCCの「フードマッチングシステム」ほか、おいしい!を極める技術について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

▼コーヒーマリアージュについての記事はこちら


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