第一線のサービスマンとして世界のプロたちの想いをつなぐ[ COFFEE CREATOR’S FILE 02 土井克朗 ] | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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第一線のサービスマンとして世界のプロたちの想いをつなぐ[ COFFEE CREATOR’S FILE 02 土井克朗 ]

「一杯のコーヒーができるまで」…そこにはUCCのコーヒークリエイターたちの「おいしい事実」があります。

UCCコーヒーアカデミーで働くという使命

コーヒー専門教育機関であるUCCコーヒーアカデミーには、非常勤講師を含め、17名の講師がいます(2022年4月現在)。その中で「ハンドドリップの抽出に関しては一番上手にできる自信があります」と胸を張るのは、ハンドドリップの抽出競技大会で、日本チャンピオンにも輝いた土井克朗。

私はいまUCCコーヒーアカデミーの講師として、多くの受講生の方に接しています。
日本初のコーヒー専門教育機関であるUCCコーヒーアカデミーには、初心者からコーヒーを仕事にしたい人まで、いろいろな方が学びに来られます。セミナーに参加される受講生の皆さんは非常に熱心ですので、こちらも常にアンテナを高く掲げて、コーヒーの知識やサービスに関するあらゆる情報を提供できるように万全の準備をしています。

先入観をもたずに、コーヒーに接してほしい

講師としてとくに熱心に教えているのが「抽出」 です。コーヒーの抽出方法はじつにさまざま。ペーパードリップやネルドリップなどの「ハンドドリップ」や、マシンを使って高圧で抽出する「エスプレッソ」など、数多くの種類があります。
でも、コーヒーの淹れ方には正解がない、どれが“正しい”とは言えない。なぜなら、コーヒーの味は、抽出の方法だけでなく、焙煎や豆の挽き方、温度など、いろいろな要素が複合的に組み合わさることで決まっていくものだからです。

もちろん知識も大切ですが、知識に振り回されると、コーヒーを楽しめなくなるし、新しいことに挑戦できなくなる。たとえば、鉄瓶で沸かしたお湯を使ってコーヒーを淹れるバリスタもいます。コーヒー豆によっては、鉄分などの作用から口に含んだ触感がよりまろやかになって美味しくなるという理由からです。これも、ドリップポットを使うのが当然、という先入観があってはなかなか出てこない発想ですよね。ですので、なるべく固定観念をなくして、自由に柔らかい頭でコーヒーに接してもらえたらいいなと思っているんです。

第一線の現場で学んできたことを共有できれば

コーヒーを学ぶ受講生の皆さんに対しては、自分の知識や技術を押し付けるのではなく、それぞれのライフスタイルに合った情報を提供してあげることが大切と考えています。
講師になる前は店舗にいたのですが、そこで得た経験、UCCの社内研修で世界各地の農園を廻って感じたこと、抽出競技大会で身についた技術や知識など、第一線の現場で学んできたことを、受講生の方たちへ共有することで、それができればいいですね。

サービスマンとしての理想の所作と経験値

学生時代にレストランでアルバイトをしている時、接客をするサービスマンに憧れ、将来は飲食業界で働きたいと思ったんです。
新卒でUCCグループの外食事業を運営するUCCフードサービスシステムズ株式会社へ入社しまして。異動で配属になった「上島珈琲店」には、驚くほど所作・姿勢のきれいなベテランの女性スタッフがいました。聞けば、バレエの経験もある方で、レジに立っているだけで絵になる。新人の頃にそんな方からサービスのイロハを教えてもらいましたので、いまでも手先の所作だけでなく姿勢や歩き方にもこだわっています。

入社後は、グルメな先輩や同僚に触発されて食べ歩きをするようになったのですが、そのうち異業種のサービスマンからも多くのことが学べることに気づきました。
たとえば、お辞儀の仕方や、お客さまにお声をかけるタイミング。それから、レストランでは、コーヒーとのペアリングだけでなく、アレンジコーヒーのヒントを発見することもありますし、素材への火入れと焙煎の共通点など、自分が成長していくヒントが身近に転がっています。

人にコーヒーを楽しむポイントを伝えるためには、コーヒー以外の経験も積む必要があると考えるようになりました。ですから、一種の自己投資だと考えて、バーテンダーさんや料理人さんの勉強会にも積極的に参加させてもらったりしています。

土井は、上島珈琲店の旧御成門店(現在のフラッグシップ店である「上島珈琲店No.11」)で店長として働いていた2014年に、権威ある抽出競技大会「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ」で見事に優勝しました。そして、現在ではその経験を活かして、UCCコーヒーアカデミーの講師だけでなく、全国でコーヒーの講習会やセミナー、後進育成のためのコーヒー競技会の審査員にも携わっています。

ハンドドリップの抽出競技大会で日本一に

抽出競技大会に出場したきっかけは、店長兼エリアマネージャーをしていた当時、 コーヒーが好きでUCCグループに入社してくる若い子たちにもっとコーヒーを好きになってほしかったんです。
「僕も出るから一緒に挑戦してみようよ」という感じですね。私は予選で落ちてもいいと思っていたのですが、予選を通過したら欲が出てきてがんばってしまいました(笑)。

抽出競技大会で使用した、グアテマラ エルインヘルト農園の豆は、スロトベリーのような独特の甘い香りがする豆です。その甘みを最大限に引き出してやろうと焙煎や豆の挽き方、ドリップ方法やお湯の温度にも徹底的にこだわったところ、優勝することができました。

その後、UCC社内の認定資格である「UCCコーヒーアドバイザー」を取得。さらに生産国での海外研修を経て、ブラジルのコーヒー鑑定士などの資格を取得。コーヒーに関する知識と技術を蓄えて、2016年からはUCCコーヒーアカデミーの講師として働いています。

コーヒーのプロたちの想いを「つなげる」ために

講師として働く上で気をつけているのは、“常にわかりやすく伝えること”。いまはインターネットで簡単に情報を手に入れられる時代ですが、逆に情報過多になっていて、うまく整理できていない方も少なくありません。本当は情報量ではなく、お客さまそれぞれのライフスタイルに合わせた情報や価値を提案してあげることが大事なんです。私は長年お店でサービスマンを経験して、抽出にもこだわってきた人間です。

ですから、細かな条件の違いによってコーヒーの味がどう変わるのかを受講生の皆さんに伝えることができます。また、収穫の現場も見た経験から、熟成による味の変化も説明できますし、生産者の人たちがどういう想いで作っているのか、彼らの苦労話や情熱を伝えることもできる。さまざまな現場の技術や想いを伝えることで、受講生の皆さんにつなぐことができると考えています。 

セミナーやクラスが終わった後に、「コーヒーってこういう楽しみ方ができるんですね。新しい発見でした」と言われることがあります。そういう小さな感動をどんどん増やしていくのが私の仕事かなと思っています。

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あなたの心に残る、最高のコーヒーは?

優勝した抽出競技大会で、私が感動し、使用したコーヒーです。パカマラ特有の甘みを引き出すために、出場時には「クラストキープ法」と言って、コーヒーを蒸らした後、雑味を混ぜないように注ぐ新しい抽出方法を披露しました。「口に入れる前から飲み終わるまで続く甘さを楽しんでほしい」、その思い通りのクリアーな味わいを提供することに成功した、思い出深いコーヒーです。

UCCコーヒーアカデミー講師
土井 克朗(どい かつろう)

2005年入社。上島珈琲店の店長やエリアマネージャーを経験しながら、2014年にハンドドリップの技術を競う「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ」で優勝。その後、商品開発にも携わりながら、UCC社内の認定資格である「UCCコーヒーアドバイザー」を取得。2016年より現職。UCCコーヒーアカデミーでセミナーを受け持つほか、全国で講習会などを受け持つ。 

(部署名・役職は取材当時の情報です)

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