『ハルのコーヒー』Vol.6 コーヒーを挽く。いろいろなミル | My COFFEE STYLE MAGAZINE

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『ハルのコーヒー』Vol.6 コーヒーを挽く。いろいろなミル

実家を出てひとり暮らしをはじめたコーヒー初心者の「ハル」。おいしいコーヒーを淹れられるようになる!を目標に、回り道しながらも日々奮闘しています。コーヒーのスペシャリスト、「天の声」に見守られながら歩むハルのコーヒー道。はじまりはじまり。

前回のおさらい

みなさんこんにちは、ハルです!
前回コーヒーの保存、ちゃんと!では、コーヒーの保存方法がいかに大切か知りました。おしゃれなガラス容器で陽の当たる場所にディスプレイしていた自分を反省!そして粉より豆の方が長持ちするってことも学んだので、そろそろ私も豆デビュー♪けど、豆を買うなら豆を挽かなくちゃいけない!・・・ということで今回の天の声からいただいたミッションは「ミルの種類を調べてみる」でした。

ミルって「ハンドル回してガリガリ豆を潰す道具(?)」というくらいしか認識がなかったけれど、種類を調べるっていうことはいろいろあるってことですよね、きっと。ということで調べてみたら…

ミルといっても形いろいろ、価格いろいろ!

コーヒーミル、いろいろありすぎ。クラシックないい感じのデザインものがあれば、スタイリッシュな金属のものや、ミキサーっぽいもの、やけに大きな機械のものも。価格も1000円くらいから、5万円のもあったりして!豆を粉にする機械でしょ?そんなに差が出るものなの?
素敵なのがあれば買ってしまおうかと思ったけれど、わからなさすぎて手が出ません(涙)

ミル、いろいろ見てみたけれど、ミルミル自信を喪失…って言葉遊びをしてる場合じゃなく(!)、初めてなのでまずは安価なミルでいい気もするけれど、安もの買いの銭失い、になりたくないし(やりがち)、こまった〜
助けてください、天の声さーん…

ミルの役割は淹れ方にあわせて豆を挽くこと

(天)こんにちはハルさん。本日はもうひとりの天の声Bから。たくさんあるミルに気付けたことがまず第一歩です!おつかれさまです。確かにコーヒーミルはいろいろなものがあって初めは何を選ぶか迷ってしまいますよね。

(ハル)こ、こんにちは!はじめまして。天の声Bさん?!…よろしくおねがいします!

(天)まず選ぶ前に、ミルの役割についてちょっと整理しておきましょう。ハルさんご存知のように、コーヒーは粉にお湯を注いで抽出する飲み物。コーヒーの粉は豆を挽いたもので、コーヒー豆を挽く道具のことをコーヒーミルと言います。

挽きたての豆の香りも、コーヒーの醍醐味のひとつ

(天)実はコーヒーは、粉にした時に一番香りが立つのです。手元にミルがあるということは、豆が砕けた瞬間に出てきたコーヒーの香りを存分に楽しめるということ!コーヒーの保存で学んだように、コーヒーは豆のままの方が粉の状態にしてしまうよりも鮮度が保てますよね。毎回飲む時に使う分だけ豆を挽くといいですよ。鮮度のいい豆ほどいい香りがします。ほら、ハルさんどうですか?

(ハル)わ、本当に!とってもいい香り〜うっとりしちゃう。

(天)うふふ。うっとりしちゃいますよね。
コーヒーの香りって、香ばしいだけじゃなく、酸味や苦味や…豆のコンディションまでも伝わってきて、ミルでコーヒーを挽いているとコーヒーと対話をしているような気分になります。

(ハル)コーヒーと対話!…天の声Bさん、ステキです!

(天)そして家の中がコーヒーの香りで満たされていくのがなんとも幸せ♡コーヒーの香りを嗅ぐと、脳の中ではリラックスするアルファ波も出ているという研究結果もあります。

(ハル)へえ〜!でもなんだかわかる気がします。コーヒーを淹れている時の香りととはまた違う香りで、肩の力が抜けていくような癒し効果を感じる香りですね。

自分で粒度を変えられるのもミルのいいところ

(ハル)そういえば、以前、豆を買いに行った時に「挽き方はどうしますか?」ってお店の人に聞かれて焦ったことがありました。「ペーパーフィルター用で」って言えば大丈夫ですよって教えてもらいましたけど、挽き方ってそんなにいろいろあるんですか?

(天)挽き方、いろいろあります。使う器具によって粒度を決めるのが基本です。ペーパーフィルターなら「中挽き」か「中細挽き」。と言ってもどのくらいの細かさかわかりませんよね。「グラニュー糖くらいの粗さ」と覚えておくといいかと思います。

(ハル)細かすぎたりすると、どうなるんですか?

(天)細かくしすぎると、ドリップしたときにコーヒーの成分が出過ぎてしまうんです。えぐみとか、渋みとか、イガイガする味のような…必要ない味まで出てきやすくなってしまうんですね。また粗くしすぎると、今度はコーヒーの粉のとお湯が接触する時間が短くなり、コーヒーの苦味が引き出しきれないまま抽出が終わってしまって、物足りない感じの軽くて薄い味になってしまうことも。淹れ方に適した粒度で挽くのが大切なのですよ。

(ハル)なるほど〜粒の大きさでも味というか、抽出の具合って変わってくるんですねぇ。

(天)変わりますね。そして、抽出と言えばもうひとつ…
ハルさん、この抽出の感じ見てください。これが新鮮な挽きたての豆ならではのふくらみです。ふわってなってますよね。

(ハル)わ、ふわっていうか、ぷっくり!すごい!!

(天)抽出の「蒸らし」をして出てきたガスがふくらむんですよね。ふっくらとかわいらしい。

(ハル)蒸らし、ですか…!?

ミルの種類を知ろう

それではミルの種類を見ていきましょう。まずハルさんが見てきてくれたいろいろなミル、なかなかバランスよく見てきてくれたと思いますよ。それぞれこういうタイプのミルでした。

手動ミルはどんなミル?

(ハル)自分の手で挽くか、電気の力で挽くか…

(天)そうですね。選ぶときにはまずその違いがポイントになります。

手でハンドルを回すタイプのミルは、手動ミルと言って、ミルのタイプによって回すハンドルの重さが違います。ゴリゴリ感が手に伝わってきて自分で挽いている感じが楽しめるのは、電動式の機械にはない魅力です。
インテリアとして飾りたくなるような雰囲気のあるデザインのものも多いですね。

(ハル)わかります!カッコいいデザインだと飾りたくなっちゃう。

(天)ふふふ。オシャレなもの、多いですよね。

ただ、挽いてみるとわかりますが、時間がかかって意外と力も必要!
1杯分のコーヒーを挽くのに2分くらいかかることも。なので手動ミルは、時間にゆとりがあってそれを楽しめる人にオススメしたいミルですね。
お子様向けのコーヒーセミナーでミルを使うと、喜んで顔を真っ赤にしてガリガリしてくれて、見守る親御さんがほっこり笑顔になる、なんてことも。お手伝いで挽いてもらってます、という親御さんもいらっしゃいましたし、コーヒーを囲んでの家族団欒にも一役買ってくれそうです。豆を砕く部分の性能差がお値段に反映されていて、安価なものから高価なものまで、値段は実にさまざま!

いろいろある電動ミルの種類

(天)次は電動ミルについてです。

(ハル)電気の力を借りるやつですね!便利そう〜

(天)そのとおり。電動ミルのメリットとしては、楽なことと早いこと!

何と言っても力を使わないで挽けるのが大きな魅力。素早く挽けるので平日の忙しい朝なんかは、電動ミルがあると楽ですね。ただ電動式にはいろいろな種類があって、刃の形によって特徴や機能がだいぶ違います。プロペラみたいなものや、臼のような形状で豆を砕いていくタイプとか…どんなタイプがあるか理解してから、自分に合ったものを選ぶといいですね。
ここでは大きく3種類の説明をしますね。

  • 臼式(コーンミル)
  • プロペラ式
  • ディスクミル

ポイントは、挽いたコーヒーの粒の大きさが揃うこと(安定した粒度)と、摩擦などで熱が発生しないこと。熱が加わるとコーヒーの風味が損なわれてしまう可能性があるのです。

プロペラ式

ジューサーのプロペラのように回転する刃がついていて、豆を切るようにして細かくするプロペラ式のミル。刃がオープンになっているものが多いので、電動ミルにありがちな「熱」の発生をそれほど気にしなくて良いのと、サッと拭いて手入れがしやすいのはメリットと言えそうです。比較的小型なものが多く、保管の場所も取りませんが、刃の当たりによって挽くので、粒度を揃えるのはなかなか難しいミルではあります。

臼式(コーンミル)

手動式のミルのように歯の部分が臼式で、臼を電気で動かしてすり潰すタイプのミル。電動で臼を高速で動かすので、豆を砕く時に摩擦で熱が加わってしまう懸念がありますが、粒度が均一になりやすいのが大きなメリット。いろいろなデザインのものがあり、自分の好みで選ぶのも楽しいでしょう。定期的にパーツを外し、ミルブラシなどでお手入れをして使います。

ディスクミル

ディスク(円形の刃)によるカッティング方式のミル。臼式よりは熱が発生しにくく、熱による味の変化を防ぐことができます。また粒度は均一になりやすいですね。臼式よりも重量があり大きいので保管スペースを取られること、また値段も他の2つのタイプと比較して高価です。使用頻度の高い方、味の微調整をしたい方にお勧めのミルです。

ハル、ミルを買う!

説明を聞いてミルにはいろいろな種類があるのがわかりました。でも本当のところは使ってみないとわからないことも多い気がして、まずは買ってみました(勢い)。だって、あの、挽きたてのなんとも言えない香りを楽しみたいもの!

まずはひとり分をちゃんと挽ければいいし、ちょっと小ぶりなミルを買ってみました!
うれしい〜〜ということで説明書を読まずに組み立ててガリガリガリガリ。とあれ?!なんかうまくいかない(汗)

(天)ハルさん、説明書を読んでください(笑)
挽き目を調節すればちゃんと自分の挽きたい粒度で挽くことができますよ。

(ハル)はい!ちょっと慌ててしまいました。でもいろいろな挽き目で挽くことができると、粒度の違いで味がどう変わるのか試してみることができますね。これは楽しみかも〜。

次回は「蒸らし」について

そしてもうひとつ、今回すごく気になっているのは、あの抽出のときの「ぷっくり」の写真。「蒸らし」をして出てきたガスって天の声さん言ってたけれど…コーヒーって蒸らすんですか!?

(天)はい、蒸らしますねえ。
ハルさん、そうしたら今度は「蒸らし」についてお話ししましょうか。上手な「蒸らし」ができると、抽出がグッと本格的になりますよ。ということで次回までのミッションはこちら。

(ハル)わかりました!まずはやってみる、ですね、得意です(笑)自分なりに「蒸らし」やってみたいと思います。めざせぷっくり〜


次回のハルのコーヒーは、「コーヒーの理想的な「蒸らし」を知る」。
なぜコーヒーを蒸らす必要があるのか、ちょうどいい蒸らしの目安はどのくらいなのか、わかりやすくお届けします。どうぞ次回もお楽しみに!

今回の天の声

UCCコーヒー博物館 スタッフ UCCコーヒーアドバイザー

堀江 美穂

99年よりUCCコーヒー博物館勤務。2020年からUCCコーヒーアカデミー専任講師として授業を担当。


▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!