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煎茶の香り、『お茶つぶダックワーズ』(高柳製茶)
今回ご紹介するのは静岡県「高柳製茶」の『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』。さくっとかじった瞬間、驚くのはその「お茶らしさ」。もっちりした生地となめらかなクリームから感じるほろ苦さ、そして豊かな香りが、まるで濃いめに淹れたお茶そのものなのです。
表面は優しい薄緑、断面は深く鮮やかな緑色で、爽やかな風が吹き抜けるお茶畑が目に浮かぶようです。
高柳製茶は、1902年(明治35年)、静岡の牧之原にて創業。深蒸し茶の製法を、いち早く取り入れたことでも知られています。1988年(昭和63年)には店舗をオープンし、お菓子の開発にも力を入れるようになりました。
中でも2010年に生まれた『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』は、「お茶つぶクッキー」と並ぶ一番の人気商品です。発売当初は「お茶つみ」だった名前は、今「お茶つぶ」に。茶葉をまるごと使用し、その砕けた葉が粒になって入っていることが由来だそうです。しかも使われているのは牧之原台地産の深蒸し煎茶。メレンゲ生地とクリームの両方にたっぷり練り込まれています。
高柳製茶の『ダックワーズ』にはさまざまな味のバリエーションがありますが、「緑茶」は、「お茶本来の味がもっとも強く感じられる」と、国内だけではなく海外のお客さまにも愛されているそうです。
「一番摘み」×「深蒸し茶」の魅力がたっぷり
牧之原といえば、お茶。温暖な気候、さんさんとふりそそぐ太陽が、良質なお茶を育てるのです。お茶の葉は1年に数回芽を吹きます。最初は4〜5月ごろで、この時期に摘まれた新芽からできるお茶は「新茶」「一番摘み」「一番茶」などと呼ばれ、もっとも品質が高いと言われています。お茶の木が冬の間にゆっくり休みながら、栄養や旨み成分をしっかりと蓄えているためです。
そして「深蒸し茶」とは、摘まれた茶葉を、普通の煎茶より2~3倍長く蒸して渋味を緩和させ、コクや旨みを十分に引き出したものです。昭和20年代に開発された製茶法で、抹茶に比べても栄養成分や香りがはるかに優れているのだとか。
『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』には、「一番摘み」の「深蒸し茶」がたっぷり。そのまま砕いて入れることで残ってしまう渋みは、工夫を重ねてほかの材料との配合バランスで解決したそうです。
濃いお茶を淹れたときのような、爽やかで心地よいほろ苦さと甘み旨みのバランスは、自然の力と人の力のコラボレーションから生まれているのですね。
ダックワーズは、フランスと日本から生まれたスイーツ
ところで、ダックワーズとはそもそもどんなお菓子なのでしょうか。名前のもとになっているのはフランス南西部の町、ダクス。ここで19世紀に作られていた「アンリ4世」というお菓子が原型で、フランスでは「ダコワーズ」。アーモンドプールとメレンゲ、砂糖と小麦粉を使用し、主に丸いケーキの底の生地などに使われていましたが、ある日本人シェフが和菓子の最中をヒントに小判型にしたものを考案し「ダックワーズ」という名前で売り出したところ、今度はフランスから来たシェフがその作り方を習いに来たのだとか。
今ではフランスでも小判型のものが売られています。
「常温保存できて、割れないお菓子」をめざして
「高柳製茶ならではのお茶の魅力が生きたお菓子を」、そんな思いとともに『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』が誕生したのは2010年(平成22年)の秋。でもその発売に至るまでには、さまざまな試行錯誤があったそうです。
それまで作っていたお菓子はほとんどが冷蔵・冷凍を必要とするもので、遠方への手土産にするには難しく、発送するにしてもコストがかかっていました。「常温保存するには」と考えた末、出来上がったのがマカロンをヒントにした最初の商品。好評だったものの、今度は「割れてしまう」という問題に直面します。
そこから2年悩んで出会ったのがダックワーズでした。でもここにもうひと手間、高柳製茶ならではの工夫が重ねられます。実は小麦粉ではなく米粉を使っているのです。表面のポコポコした感じがちょっとひなあられのようで、外はさっくり、中はもっちり。それは米粉を使っているからなのですね。米粉は100%国産。お茶とお米という、日本の魅力が詰まったお菓子の完成です。
常温保存できることもあって、発売と同時に大ヒット商品となりました。
【コーヒーマリアージュ】
『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』には、深炒りで力強い味わいのアイスコーヒーを
ここからは、UCCのR&Dセンターで味わいに関するデータ分析の担当者が解説します!
それではコーヒーマリアージュ、してみましょう!
『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』の魅力は、茶葉のほろ苦さがほどよく活かされた大人の味わいです。そんなお菓子には、深炒りで苦味のあるコーヒーがぴったり。とくにこの季節は湿気も増してくるので、アイスコーヒーですっきりしてみてはいかがでしょうか。
アイスコーヒーには深炒りで力強い味わいのコーヒーがよく使われます。冷やすことで感じにくくなりがちな、コーヒーの香ばしい香りや、すっきりとした苦みを存分に楽しむためです。氷を入れる場合はとくに、氷が溶けて薄まっていっても損なわれにくい味と香りの力強さがほしいですよね。
また、甘みや酸味が主役になっているお菓子ではなく、『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』のように、甘みの中にも爽やかな苦みが生きているお菓子と合わせるならなおのこと、コーヒーにも香ばしさや苦みがある方が、お互いの個性が重なり合い、深め合うことができるでしょう。両者それぞれの風味とコーヒーの冷たさで、すっきり心地よく過ごせると良いですね。
『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』のベストパートナーは『UCCゴールドスペシャル アイスコーヒー 無糖 1000ml』
『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』にぴったりの、深炒りで力強い味わいのアイスコーヒーは『UCCゴールドスペシャル アイスコーヒー 無糖 1000ml』です。豆の個性を最大限に引き出す「単品焙煎」で、冷たくても深いコクと香りが楽しめます。
リキッドコーヒーなので、コーヒーを淹れる手間もなく、思い立ったらすぐにコーヒータイム。『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』と合わせれば、いつもの時間がちょっと特別になりますよ。
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ライバルをベストカップルにするマリアージュ
温暖な気候の牧之原とはいえ、上質なお茶の木を育てるのは大変なこと。常に病害虫の発生を防ぎ、肥料をやり、天候の心配をし、冬には敷き草を施して霜などの影響を受けないようにしなければなりません。高柳製茶は、そんな忙しい農家をとても大事にしています。
また、製茶の機械を製造する会社も大切にしています。スタッフが使いやすく、高い品質を維持でき、かつ無駄のない製造ラインにするために何度も話し合いを重ねていくのだそうです。
コーヒーもそうですが、お茶もまた、自然の恵みを受け、脅威からは守られ、そこからおいしさを引き出されるために、多くの人の力が必要なのですね。
疲れてちょっとひと息つきたい時間、「コーヒーにしようかな、お茶にしようかな」なんて迷うこと、ありませんか。そんなときは『お茶つぶダックワーズ(緑茶)』と『UCCゴールドスペシャル アイスコーヒー』で、両方味わってはいかがでしょうか。コーヒーとお茶、ライバルのように思えますが、これならベストカップルになれる組み合わせです。
農家からお皿まで、農園からグラスまで、何人もの愛情と手間のリレーがつくったマリアージュ。爽やかなほろ苦さ、旨み、食感や口当たりで、ほっこり、すっきりしてください。皆さんの今日の忙しさや大変も、きっとどこかで誰かの「ほっこり」や「すっきり」につながっているはずです。
参考文献:猫井登、「お菓子の由来辞典」、幻冬社出版、2016、p.104、p.105、(ISBN 9784344029811)
ご紹介した 静岡県の銘品 「お茶つぶダックワーズ」は以下でお買い求めいただけます。 高柳製茶 オンラインショップ
半澤 拓(はんざわ・たく)
2011年入社。UCCの研究施設イノベーションセンターにて研究開発業務に携わる。
2016年にコーヒーと食べ物の食べ合わせを分析する「フードマッチングシステム」を開発。コーヒーの味や香り、食べ合わせに関する研究報告やセミナーなど多方面で活躍。
UCCの「フードマッチングシステム」ほか、おいしい!を極める技術について興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。
▼コーヒーマリアージュについての記事はこちら
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