世界有数のコーヒー「キリマンジャロ」が生まれる地「タンザニア」−コーヒーベルト・コレクション− | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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世界有数のコーヒー「キリマンジャロ」が生まれる地「タンザニア」−コーヒーベルト・コレクション− 

コーヒーの木は、赤道をはさんで北緯25度・南緯25度の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯で栽培され、生産国は60カ国以上に上ります。生産地ごとに異なるさまざまなブランドや、その特徴や味わいについてご紹介します。

生産国としての基本情報

アフリカ大陸東部のタンザニア連合共和国(以下、タンザニア)は、コーヒー産地として有名な諸外国と南北に隣接しています。北にはエチオピアやケニアが、その他にウガンダやルワンダ、ブルンジ、ザンビアなどの隣国がコーヒー産地として知られています。また、赤道直下のケニアの南に位置していることから、タンザニアは南半球の国でもあります。

19世紀後半にドイツによる支配を受けたのち、第一次世界大戦後はイギリスによる支配を受けました。その後1961年にタンガニーカ国が、1963年にザンジバル(アザニア文化を有する)がそれぞれイギリスから独立し、1964年4月に「タンガニーカ=ザンジバル連合共和国」となったあと、同年10月に「タンザニア連合共和国」となりました。国名は両国のタンガニーカとアザニア文化が語源となっています。

国民の85%以上が農業に携わる農業立国

国土は日本の2.5倍、総人口は6,100万人。首都はドドマですが、東部にある都市・ダルエスサラームが経済の中心地となっており、最も栄えています。公用語はスワヒリ語と英語、宗教はキリスト教やイスラム教のほか、土着宗教が根付いています。

また、国民の85%が農業にかかわっていると言われるほどの農業立国です。その中でも、コーヒーは主要輸出品の一つです。ただし鉱物資源も豊富で、タンザニアで外貨獲得に最も貢献している品目は金です。

野生動物の楽園、タンザニア

そしてタンザニアと言えば、浮かぶのは大草原「サバンナ」。国内には豊かな自然が残されていますが、中でも「ンゴロンゴロ自然保護区」は沖縄本島3個分以上もの大きさを誇ります。1979年に国内初の世界遺産として登録された、野生動物の楽園です。

民族文化が根付いているタンザニアの代表的な楽器はマリンバです。また、民族舞踊もよく知られています。加えて160万年以上前の現代人の祖先とされる「アウストラロピテクス類」の人骨が発見されたことから、人類発祥の地とも言われています。

コーヒーの歴史など

タンザニアのコーヒー栽培の歴史は、一説によれば16世紀まで遡ります。当時、ヴィクトリア湖西岸の都市・ブコバにカネフォラ種ロブスタが持ち込まれ、ハヤという部族が栽培を始めたとされています。19世紀末には宣教師によってアラビカ種が持ち込まれました。

その後はドイツの植民地支配のもと、ブコバを含めて広く栽培されるようになりました。ブコバでは、今でもアラビカ種とロブスタ種の両方が栽培されています。

タンザニアでは、政府機関であるTCB(Tanzania Coffee Board)が流通を管理しています。特別なライセンスが無い限りは、北部の都市・モシで行われるオークションや、モシコーヒーエクスチェンジを介して価格が決定され、他国に販売されます。

またコーヒー生産者の9割は小規模農家です。近年タンザニアでは、小規模生産者の農業流通共同組合制度AMCOS(Agricultural Marketing Cooperative Society)が導入され、各地域のAMCOSごとに品質管理と販売が求められるようになっています。

採れるコーヒーの特徴

ジャマイカの「ブルーマウンテン」、アメリカの「ハワイコナ」と並び、世界三大コーヒーの一角として知られています。

ブランド名「キリマンジャロ」は、タンザニアの北東部、標高5,895mを誇るアフリカ大陸の最高峰「キリマンジャロ山」から名付けられました。

キリマンジャロ山麓やヴィクトリア湖周辺で栽培

国土の大半が標高1,000mを超える高原地帯で、比較的涼しく、雨季と乾季がはっきりと別れています。

キリマンジャロ山麓地域のアルーシャやモシ、ヴィクトリア湖周辺が主な栽培地域となっているほか、中部のンゴロンゴロ、南部のキゴマ、ムベヤ、ムビンガでも生産されています。

国内全土では、アラビカ種の中でもブルボン種から派生した品種が多く植えられています。ブランドとしては「キリマンジャロ」が有名ではあるものの、カネフォラ種も多く栽培されており、生産量の比率はアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)で7:3となっています。

雨季に花が咲いて実が育ち、乾季に熟して収穫されます。

味わい・等級

イギリス植民地時代の名残で、果肉を取り除き水洗したのちに乾燥させる「ウォッシュドプロセス」が主流です。一方、輸出規格外の低級品を、コーヒーチェリーの果肉を付けたまま天日乾燥させる「ナチュラルプロセス」で処理することが一般的であるため、現地生産者は「ナチュラルプロセス=低級品」のイメージを持っています。

しかしながら、タンザニアは雨季と乾季がはっきりと別れた気候のため、適切な管理をすることで品質の良いナチュラルプロセスのコーヒーを生産できることから、一部の生産者はナチュラルプロセスにも取り組んでいます。

国内で栽培される品種の多くがブルボン種です。やや強い酸味のある柑橘系のフレーバーで、深炒りにすると、特徴である上質な苦みが際立ちます。野性味あふれる味わいが多くの愛好家から支持されています。

等級は、ふるいにかけてコーヒー豆の大きさを決める「スクリーンサイズ」で格付けされます。最高等級はAA、その次がABです。

農事調査室から「現地支援を再開!これからも高品質なキリマンジャロコーヒーを皆様へお届けするために。」

タンザニアのコーヒー栽培は歴史がとても古く、現地の人々の生活と切っても切り離せない関係です。一方で生産者の営農技術は、それぞれのAMCOS(国が認めた農協)の自助努力によるところが大きく、地域によっては十分な管理をされていない農園が多く見られます。

そこでUCCでは、2018年、2019年と現地の調査を行い、生産性向上と環境負荷軽減の観点から課題を抽出し、必要な支援を行ってきました。例えば枝が伸びっぱなしになっている木の剪定指導や、シェードツリー(日光に弱いコーヒーの木のために日陰を作る高木)の苗木を育てるための施設の寄贈などです。

2020年からは、新型コロナウィルス感染症拡大のために現地での支援が難しくなっていましたが、今年からようやく再開することができます。日本人にとっても馴染み深い産地ですので、日本が持続的に高品質なキリマンジャロコーヒーを買い続けられるよう、現地生産者の皆さんと協力してコーヒー栽培を盛り上げていきます!


UCC 農事調査室
主要原産地に出向き、コーヒーの栽培状況などを調査・研究しています。
担当
日比 真仁、中平 尚己、井上 隆裕 

生産地ごとのコーヒーを味わってみたくなった方へ
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「UCCカフェメルカード」は、全国で22店舗(2023年1月現在)を展開しているUCCのコーヒー専門店です。お店のテーマは「MEET YOUR BEANS 私好みのコーヒーに出会う場所」

UCC直営農園産のコーヒーや、コンテスト入賞ロット、産地・農園指定のコーヒー、UCCの知恵と技術を駆使して創作するブレンドコーヒーなど、良質で個性豊かなコーヒーを幅広く取り揃えています。

年間通して、世界各国のコーヒーをお求めいただける店舗ですので、こちらの記事を読んで産地ごとの違いを味わってみたくなった方は、ぜひ店頭にも足を運んでみてください。コーヒー選びに迷っても、知識豊富なスタッフが丁寧にアドバイスしますよ!

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