おいしいコーヒーの未知なる可能性をもとめて[COFFEE CREATOR’S FILE 20 植田恵美] | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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おいしいコーヒーの未知なる可能性をもとめて[COFFEE CREATOR’S FILE 20 植田恵美]

「一杯のコーヒーができるまで」…そこにはUCCのコーヒークリエイターたちの「おいしい事実」があります。

学生時代は生命科学を学んだリケジョながら、入社してからはマーケティング本部に最も長く在籍し、さまざまな製品の企画や開発などに携わってきた植田。現在はR&D本部に所属し、機能性コーヒープロジェクトの推進リーダーとして、研究チームとマーケティングチームを取りまとめ、健康飲料としてのコーヒーの新たな可能性を追求しています。

コーヒーに新しい付加価値を

「&Healthy」は、毎日楽しむコーヒーを通して、健康的な生活に貢献したい…そんな想いから生まれた機能性表示食品です。2022年にまず「ワンドリップ」タイプのコーヒーを発売して、現在ではレギュラーコーヒーの粉製品や夏季限定の水出しコーヒーなど、4種類を販売しています。

「&Healthy」を世に出すにあたっての私の役割は、“研究チームとマーケティングチームをまとめる橋渡し”とでも言えばいいんでしょうか。UCCではもともとコーヒーの機能性に着目した研究をしていましたが、「&Healthy」はその研究成果をもとに、「コーヒーメーカーとしてどんなことができるだろう」…という私たち社員の思いがひとつになったことで生まれた商品なんです。

この数年でコーヒーの飲まれ方は変わってきています。コロナ禍の影響もありますが、お客さまが求める味の幅も広がっていますし、「おいしさ」以外の部分も求められるようになってきていると感じています。

今後は機能性を重視したコーヒーも増え、お客さまの選択肢も増えていくと思いますが、実は、日本茶製品の市場では、すでに機能性商品が全体の約20%もあるのに対し、コーヒーはまだ1%にも満たないぐらい。

私が所属しているR&D本部では、「コーヒーにどうやって新たな付加価値をつけるか」というチャレンジを続けるために、コーヒーの「おいしさ・機能性・環境・新技術」などを中長期に渡って研究していて、コーヒーの機能性にフォーカスした成果のひとつが「&Healthy」でした。

コーヒーの可能性を広げる研究を核としながら、マーケティングやおいしいコーヒー作りといった各分野のノウハウを繋ぎ合わせて、お客さまの手に製品を届けるまでを設計すること。そして、新しい価値体験を届けてゆくこと。それが私の仕事だと思っています。

ターニングポイントは全力を出し切った「DRIP POD」の立ち上げ

UCCの研究施設「イノベーションセンター」でプロジェクトリーダーを務めながら、「リーダーというか、私にできることは何でもやっている感じですね」と笑う植田。理系出身の植田は、入社直後こそ研究職に就きましたが、その後は製品企画や開発を行うマーケティングの部署に長く配属されました。

マーケティングに異動になった時は右も左もわからず、「私がマーケティング…?」と思っていたのですが、15年近くお客さまのことを考えながらマーケティングの仕事をした経験が今は本当に役立っています。

振り返ってみて、ひとつのターニングポイントだったなと思うのは、2013年に立ち上がった「DRIP POD(ドリップポッド:UCCのカプセル式のドリップコーヒーシステム)」のプロジェクトリーダーに抜擢いただいたことですね。

当時はまだまだカプセル式のドリップコーヒーシステムの市場も小さかったのですが、できることは全部やって、チーム総力で世に送り出せたのかなと思っています。開発に携わった初代「DRIP POD」は「グッドデザイン賞」や「レッド・ドット・デザイン賞※」をいただくことができました。

(※レッド・ドット・デザイン賞=年に1度、ドイツで開催される国際的なデザイン賞。毎年世界中の国・地域の企業、組織、デザイナーから約2万件の応募があると言われる、権威ある賞)

研究者とマーケター、二刀流の“コーヒー人”として

2020年から配属されたR&D本部では、プロジェクト配下の研究チームとマーケティングチームをまとめ、新しい市場を生み出そうと推進していくのが主な仕事に。

研究者とマーケターって、同じコーヒーを相手に仕事をしていても、互いに使う言語や時間軸が結構違ったりするので、間に通訳をする人間がいた方が、意思の疎通がスムーズなんですね。

ましてやチームごとの取り組みが同時進行しているので、メンバーにそれぞれの言葉で方向を示して、まとめる役割が重要だと思っています。

私は研究のことも少しわかるし、マーケティングにも長くいたので、そんな重要な役割をさせていただいています。

“二刀流だね”と言ってくれる人もいますが、一言でいうと“何でも屋”かもしれません。プロジェクトを成功させるためには、マーケティングの仕事を通して培った幅広い人脈を駆使して助けてもらいますし、わからないことがあれば詳しいメンバーにとことん聞いたり、社外の専門家の方に教えていただいたりもします。

目標に向かって…“遊び”から学ぶことも大切に

マーケティング本部からR&D本部へ異動して、見える景色はずいぶん変わりました。そして「景色」といえば、コーヒー鑑定士の資格を取るために、海外研修の地で見た景色も忘れられません。

ブラジルのほか、中米、ジャマイカ、アメリカ、ベトナムなど10か国ほどを巡ったのですが、ちょうど「コーヒーは旅人です」というナレーションで始まるCMを流していた頃でした。コーヒーに携わる人々が働いているのを間近に見て、世界がコーヒーで繋がっていることを実感したというか、コーヒーの世界を俯瞰で見れるようになった気がしました。

研修中に、多くのコーヒー関係者にお会いすることで、改めて「コーヒーの仕事って素敵だな」と思えたんです。

コーヒーは嗜好品ですから、極端な話、なくてもいいもの。でも、「あったらいいな」と思うし、何より、人生を豊かにしてくれるものじゃないかなと。

そして、「コーヒーは自由な飲みもの」でもあります。おいしく飲んでいただくことはもちろんですが、おいしさだけではない様々な価値や魅力も伝えることで、コーヒー産業全体の持続的な発展につながるはずだと思っています。「健康のために飲む」ことが、コーヒーが好きな理由、選ぶ理由のひとつになっていくと嬉しいですね。

新しいことをやっているので、迷いもありますし、不安になることもありますが、研究でもマーケティングでも、面白がりながらいろいろ探索的にやってみることがとても大事だと感じています。だから「目標に向かって突き進みながらも、“遊び”から学ぶことも大切にしたい」が私のモットーです。きっと道はいくつもあるはずですし、持ち前の粘り強さで、これからも一歩一歩前進していきたいと思います。

愛用のコーヒーグッズは

当時のプロジェクトメンバーがプレゼントしてくれた、世界にひとつしかないカラーリングとデザインの「DRIP POD」マシン。

心に残る、最高のコーヒーは?

子供の頃、目覚めると家の中に漂っていたコーヒーの香り。コーヒー好きの両親が毎朝淹れるレギュラーコーヒーの香りで目覚めていました。今の私の原体験ですね。

R&D本部 研究開発部 機能性コーヒープロジェクト リーダー
植田 恵美(うえだ えみ)
2003年入社。研究職としてR&Dセンター(現在のR&D本部)に配属されたのち、同年、マーケティング本部に異動。レギュラーコーヒーなどの嗜好品カテゴリのマーケティング・製品企画・開発などを担当し、13年には「DRIP POD」(2015年発売)の開発プロジェクトにリーダーとして加わる。16年よりブランドマネージャーとしてUCC製品のブランド育成に携わり、2020年よりR&D本部に異動し、現在は、機能性コーヒープロジェクトの推進リーダーとして活躍している。

(部署名・役職は取材当時の情報です)

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