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エチオピアの村からパナマに伝わり有名に
Q. 「ゲイシャ」という名前が印象的ですね。どこが発祥のコーヒーなのですか。
A. もともとエチオピアの「ゲシャ・ビレッジ」という村に自生していたことから、「ゲイシャ」と呼ばれるようになったと言われています。華やかな個性のあるコーヒーなので、芸者さんと何か関係があるのかと思われがちですが、そうではないんですよ。
Q. いまは中南米のさまざまなところで栽培されているようですが、どのようにして世界に知られるようになったのですか。
A. エチオピアで発見されたゲイシャはやがてパナマに渡ります。そこに至る厳密な背景やルートは文献によっても違って明確にはわからないんですが、ケニアやコスタリカを経由したのではないかと思われます。ゲイシャは栽培が難しいのですが耐病性が比較的高いということで、さび病などの病気に困っていたパナマのコーヒー農園が仕入れて栽培を始めたと言われています。
世界的なブレイクのきっかけになったのは、2004年にパナマで開催された、国際的なコーヒーの国際品評会とオークション「ベスト・オブ・パナマ」でしょう。パナマのエスメラルダ農園が出品したゲイシャが審査員の高評価を得た後、歴代最高の落札価格を記録したことで、一気に注目されるようになったんです。
コーヒーだけれどコーヒーじゃない?!ひときわ華やか、フルーティーな個性
Q. 歴代最高の落札価格などと聞くとなおのこと気になります。どんなコーヒーなのでしょう。
A. 豆は少しとがった形状で、やや硬めです。淹れたときの個性は、農園によっても少しずつ違うのでひと口では語りにくいのですが、全体的に言えるのは、とにかく華やか。フルーティーでフローラルな香り、ワインのような芳醇さ、柑橘系のさわやかさ、はちみつのような甘みなどが融合していて、「コーヒーだけど、コーヒーじゃない」なんて表現する人もいるくらいです。
Q. なぜ高価なのですか。
A. 育つ環境も限られるし栽培にも手間がかかる、でもそのわりに収穫量が少ないんです。ゲイシャは「アラビカ種」に属します。スペシャルティコーヒーはほとんどが「アラビカ種」ですが、中でもゲイシャは栽培が難しく、生産量が限られているんです。最適な栽培環境は標高の高い土地の斜面ですし、手摘みが中心。
さらに1本あたりの収穫量は、他品種の半量ほどです。今ではいろいろなところで栽培されるようになり、中には少し安価なものも出てきましたが、やはり「理想の条件下で栽培・収穫されたゲイシャ」はどうしてもその希少性から値段が高くなってしまうんですね。
Q. 専門家のみなさんの間でも人気がありますか。
A. そうですね。私たちも良質なゲイシャと聞くとやはり飲んでみたくなります。また、これだけ華やかな個性とインパクトがあるコーヒーなので、「この良さを伝えたい!」という想いを持って、競技会で使う人も多いんですよ。
Q. ゲイシャの魅力が活かされる精製方法、焙煎度はありますか。
A. 精製方法に関しては、一般的にウォッシュドであればクリーンになり、ナチュラルであれば果肉の香りが活きるとは言われますが、適切な精製方法がとられていれば、どちらでもゲイシャの魅力は活かされると思います。
焙煎度は、浅炒り〜中炒り。基準が人によって違うので難しいですが、少なくとも深炒りではないほうがよいと思います。深く焙煎することで出てくる苦みが、本来ゲイシャが持っている華やかさや果実感をしのいでしまうからです。
Q. ゲイシャの魅力を引き出すには、どんな淹れ方がおすすめですか。
A. 抽出方法によって引き出せる魅力の質が細かく変わるので、どんなコーヒーがお好みかによりますよね。たとえば「ゲイシャのフルーティな個性を活かしつつ、すっきりクリーンに淹れたい」という場合、僕だったら、中細挽き、ペーパードリップ、加水量は少し多めに、お湯の温度は前半は少し高めの94℃前後、後半は少し下げて、ゆっくりめに抽出するかな。
ゲイシャは豆が硬めで焙煎も浅めなので、高温で少しゆっくり目に淹れたほうが、香りや風味の成分がしっかり出てくれます。とはいえあまり時間をかけすぎても嫌な味がでてしまうのでほどほどに、後半は少し温度を落として、かつドリップポッドの位置を動かさずに静かに注いであげると雑味が抑えられると思います。
加水量を多めにするのは、濃くなりすぎると風味がわかりづらくなるからです。少しお湯を多めにすることで、ゲイシャらしい明るさが際立ってくれると思います。
ちょっと贅沢に、豆でも、缶でも?!
家で楽しむゲイシャコーヒー
Q. ゲイシャが飲みたくなりました!どこで買えますか。
A. はい、UCCの公式オンラインストアに『UCC MOUNTAIN MIST ガテマラ サンタクララ農園 ゲイシャ 』というコーヒー豆があります。サンタクララ農園はUCCの契約農園で、グァテマラのアカテナンゴ山とフエゴ山という2つの火山の西側斜面にあるんです。標高1,800mということで、冷涼な気候と水はけのよい火山灰土壌の中で育った良質のゲイシャです。フルーティーで優しい酸味と甘みの余韻が楽しめますよ。
Q. 惹かれます!でもまずはもう少し気軽にゲイシャの魅力に触れられる機会があればうれしいです。
A. そうですよね。実はこの秋、UCC BLACK無糖30周年を記念して『UCC BLACK無糖 ゲイシャブレンド』という缶コーヒーが10月7日に発売されました。サンタクララ農園のゲイシャを51%使用していて、合わせているコーヒーもゲイシャの魅力を損なわずに引き立てるものを選んでいるので、きっと楽しんでいただけると思います。こちらも店頭ほか、UCCの公式オンラインストアで販売中です。期間限定なので、気になる方は早めにチェックしてみてくださいね。
気軽に手にとっていただくことで、今までコーヒーの品種にまでは注目していなかったという方にコーヒーの楽しみ方を深めていただけたら、またゲイシャの魅力を知って世界を広げていただけたらうれしいです。
→UCC UCC BLACK無糖 ブランドサイトはこちら
→UCC公式オンラインストアでのご購入はこちら
ゲイシャを缶コーヒーに使用したことで話題の一本、この機会にぜひ飲んでみてください。
さらに本格的に楽しみたくなったら、ぜひ豆から淹れてみてください!特別なコーヒーが秋のリラックスタイムをひときわ華やかに彩ってくれるでしょう。
今回教えてくれたのは・・・
藤井昭彦 Teruhiko Fujii
UCCコーヒーアカデミー講師
1996年入社。10年以上にわたり業務用営業を担当した後、2009年からUCCコーヒーアカデミーの専任講師となり、現在は神戸校の責任者を務める。UCCコーヒーアドバイザー、コーヒー抽出士、コーヒー鑑定士、SCA認定トレーナー(AST)、CQI認定Q アラビカグレーダー、マイルドコーヒークオリティコントロールスペシャリスト(コロンビア)など、数多くの資格を取得し、オールジャンルの知識と技術を誇る。
(部署名・役職は取材当時の情報です)
「UCCコーヒーアカデミー」で会いましょう!
→ UCCコーヒーアカデミー のサイトへ
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