INDEX
前回のおさらい
みなさんこんにちは、ハルです!
前回こんなに味が違うの!?コーヒーの深炒り・浅炒りでは、コーヒーの焙煎の違いで味わいが大きく違うことを知りました。浅炒りコーヒーの味わいには特にびっくり… !そして「天の声」からいただいたミッションは「コーヒーの保存方法を考えてみる」というものでした。
コーヒーの保存…あえてそう言われるとちょっとドキッとする感じ。袋入りおせんべいの袋を閉じるくらいの感覚で、買ってきたままの袋の口をクリップどめしてはいたけれど、ちゃんとしたコーヒー用の容器とかは持っていません!
…コーヒー入れる容器ってカッコイイ&かわいいモノがいろいろありますよね。実は少し気になっていました。
コーヒーの見せるディスプレイ、かわいい
ということで買ってきました、おしゃれなガラスのキャニスター♡
早速コーヒーを入れて棚に置いてみたら・・・うん、いい感じ♪お店みたいでかわいい〜 憧れてたのこういうの!
あまりにステキなので、梅ちゃんに写真送ってみた(自慢)ら、返事がきた♪
(梅ちゃん)おお~いいね〜オシャレ!あ、今気づいたけどさ。オレ昨日から袋開けっぱだった。ほらこんな。
(ハル)わ、袋の口、パカーンって開いてる!ホコリとか入っちゃいそう。
(梅ちゃん)入るよね(笑)
(ハル)それになんかしけちゃいそうじゃない?
(梅ちゃん)うん…でもさ、どうせお湯とかに浸すんだから別に多少水分含んでも大丈夫そうじゃない?
(ハル)あ、確かにそうかも…?
コーヒーってデリケート 「生鮮食品」だと思って欲しい
(天)ハルさん、梅ちゃん、保存のこと意識してくれて嬉しく思います。が、多少水分含んでも大丈夫、ではないです!!
コーヒーはデリケートな食品で、保存状態が悪いとすぐに風味や香りが悪くなってしまいます。新鮮なコーヒーを手に入れたら、生鮮食品を扱うみたいな意識で保存してほしいのです。
繊細なコーヒーを4つの宿敵から守ってください
(ハル)せ、生鮮食品!じゃあ梅ちゃんの開けっ放し事案は、お店で買ってきたお肉を、そ、そのまま置いてあった的な…
(天)お肉!そうですね。肉と同じにしていいかは分かりませんが(笑)
コーヒーの保存を考えるうえで、コーヒーの宿敵は4つあって、それらから守ってあげる必要があるのです。
●コーヒーを劣化させる4つの要素 1.空気 コーヒーは酸素に触れると酸化して風味が落ちてしまいます。 2.水分(湿気) 湿気によって成分が流出してしまって、香りを損ねる原因になります。 3.日光 日光や紫外線を浴びると劣化の原因に。 4.温度 コーヒーの成分の流出は温度が高くなるほど早くなります。
(梅ちゃん)空気もダメだし水分もダメだなんて…ドリップの時お湯を注ぐんだから水分はOKって思ってたけど。全然違ったんだな。
(ハル)それに日光もダメって…むっちゃ日の当たる場所にディスプレイしてたよT^T
容器を選ぶなら「密閉性」と「遮光性」をチェック
(天)ということで、4つの敵からコーヒーを守るためには、保存に適した容器を準備してほしいところ。ポイントは「密閉性」と「遮光性」です。
(ハル)遮光性…わたし透明のガラスのキャニスター買っちゃったんですけど、ガラスじゃない方がよかったのかな…
(天)ガラスのキャニスターでもしっかりと密閉できるなら大丈夫ですよ。そうそう、ハルさん、粉や豆を袋から出してキャニスターに移していましたが、入れ方は、袋のままが正解なんです。
(ハル)ええっ
(天)袋はちゃんと遮光性があるので、袋のままキャニスターに入れれば、ガラス製のものでも光は遮られます。
(ハル)なるほど〜。あ、そういえば実家にあったこれ持ってきちゃってたんですけど、じゃあもしかしてこれってコーヒーの保存にぴったりだったりします?
(天)それ、とってもいいです! 買ってきたコーヒーの袋の口を輪ゴムなどでしっかり閉じて外気に触れないようにしてからキャニスターにいれてください。
(ハル)ダブルで密閉性を確保、ですね! …にしても、なんだぁ。最適なキャニスターがもともと手元にあったんだ〜買わなくてよかったのか。
(梅ちゃん)ハル、キャニスターたくさんでうらやましい!オレ1つもないよ。
(天)梅ちゃんさん、ジッパー付ビニール袋は持ってますか?キャニスターがお手元にすぐない人は、袋をしっかり止めてからジッパー付ビニール袋に入れるのでもだいぶ違います。
もしくはタッパーのような密閉できる容器があれば!
(梅ちゃん)なるほど、それならすぐできます!
置き場所の理想は冷蔵庫
(天)そして、それを置く場所が大切。基本は冷暗所。理想的なのは冷蔵庫ですね。
(ハル)冷蔵庫ですか!本当に生鮮食品と一緒ですね。
(天)また冷蔵庫の中でも置き場所はちょっと気をつけて欲しくて…コーヒーは多孔性といって細かい穴(孔)の空いた構造になっているので、強い匂いを吸ってしまうのですね。
だから例えばチーズのような香りの強いモノのそばには置かないようにしてください。
(ハル)なるほど!隣のモノに影響を受けてコーヒーの香りが変わってしまうのですね。じゃあキムチも遠ざけてなくてはっ
(天)そうですね、キムチの隣は危険かも(笑)
(ハル)それにしてもコーヒーの入ったガラスキャニスターがお部屋の棚に並んでるって、インテリアとしてはすっごくかわいかったのに…冷蔵庫に入れちゃうのなんだかもったいないなあ(涙)。
冷凍庫に入れるときは極力出し入れをしない
(ハル)ちなみに、冷凍庫でもいいんですか?凍結させちゃえばその方が劣化は防げそうですよね?
(天)冷凍庫でも大丈夫です。冷凍庫保存の場合は、出し入れをなるべく避けるようにしてください。水分はコーヒーの宿敵とお伝えしましたが、冷凍庫だと冷蔵庫より室温との温度差が大きくなるので、出し入れの時に結露が発生しやすいのですね。
結露の水分がコーヒーに負担をかけることになってしまうのです。
(ハル)なるほど…出し入れに気を遣うとなると冷蔵庫より大変そう。
(天)開封すると出し入れも多くなるでしょうから、買ってきて開封前には冷凍庫に入れておき、開けたら冷蔵庫保存にする、なんて使い方もいいですね。
あるいは飲む分だけ小分けにして冷凍しておけば、取り出すたびに空気に触れることもなくなるので、劣化を避けられてオススメです。
保存失敗=劣化速度が早くなる
(ハル)今までぜんぜん気遣いしていなかったコーヒーの保存方法なのですが、もしコーヒーの保存が失敗しちゃった場合って…腐ったりするのですか?
(天)コーヒーは腐敗はしませんね。けれど油分を含んでいるので酸化をしてしまうのです。
オイルなども長期保存で腐ったりはしませんが、酸化して質が落ちることもありますよね。あれと同じで、コーヒーもちゃんと保存をしないと劣化…つまり風味の悪いものになっておいしく飲めなくなってしまうのです。
正しい保存の方法は、焙煎後から始まるコーヒーの劣化をなるべく遅らせるためにあるのです。
(ハル)じゃあ、焙煎したてのコーヒーが一番おいしいのですか?
(天)厳密にはそうとも言えなくて…、コーヒーは焙煎すると、コーヒーの中にガスが残っているのですが、新鮮なうちはそのガスが多く、淹れる時にコーヒーの成分を抜き出すのを阻んでしまい、とてもアッサリした味になってしまうのです。ガスが適度に出たところがいいですね。
店頭に並んでいる袋入りの商品は飲み頃のものが並んでいますので、購入後がなるべく早めに飲んでもらいたいですね。
(ハル)わかりました。買ってきたコーヒーを劣化させないようにちゃんと保存してなるべく早く飲む!実践します。
賞味期限もちゃんとチェック!開封後の保存期間はとっても短い
(天)そしてコーヒーにも賞味期限があります。ハルさんはコーヒーのパッケージに書かれている賞味期限は気にしていましたか?
(ハル)わ、ぜんぜん気にしていませんでした…今までは勝手に長期間持つものだと思っていました。賞味期限ってどのくらいあるんですか?
(天)袋を開けてしまったら粉の場合は、だいたい1週間から10日ですね。
(ハル)そんなに短いの?!わたしの手元にあるコーヒー、急いで飲まなくちゃ!
(天)ちなみにUCCでは豆の場合は、開封してから約1ヶ月を目安とお伝えしています。
(ハル)豆なら1ヶ月…でも今パッケージを見てみたら、わりと先の日付が書いてありました。これは未開封だからですか?
(天)そうです。UCCでは、未開封なら賞味期限を1年としています。
実はコーヒーの入ってるパッケージは、コーヒーの保存のためによく考えられたもので…密閉性があって光を通さないし、袋の中で発生したガスを外に出す機能とがついているものもあり、いくつもの機能を持ち合わせています。
パッケージを開けた瞬間に密閉性も失われてますし、そこからのコーヒーの劣化が始まるので保存を特に意識してほしいのです。
(ハル)パッケージにそんな秘密が隠されていたなんて!
(天)さきほどキャニスターの中にパッケージのまま入れて欲しいってお話しましたけど、もし袋から出して移し変えると、そのタイミングでコーヒーが空気中の酸素に触れてしまいますよね。
それを避けるために、高性能な袋のまま入れて欲しいという意図もありました。
(ハル)なるほど〜。パッケージを開けてしまってからは特に保存が大切なのがよくわかりました。でも、冷蔵庫にキャニスターごと入れてあると…ついつい1週間なんてすぐ経ってしまいそう。
なんか、冷蔵庫を開けるたびに声で教えてくれるキャニスターとかあればいいのになあ…
(天)ハルさん…ハルさんの発想はいつも奇想天外で驚きます。まだそういうキャニスターに出会ったことはないけれど…毎回冷蔵庫開けるたびに話しかけられるのはどうなのかしら…
どちらにしても、自分の家だったらどのくらい使うのかを考えて、使う分だけをこまめに買うと、いつも新鮮な香りとおいしさを楽しめますよ。
(ハル)ですよね。でも今回豆の方が長持ちするってわかったので、粉じゃなくて豆を買うようにしたいなと思いました!
(天)いいですね!豆を挽く香りも格別ですから、ぜひ家で豆を挽いてみてください。
次回はコーヒーミルについて
豆を買うのなら、豆を挽く道具が必要です。次回はコーヒーミルについてお話ししましょう。
ということで次回までのミッションはこちら。
(ハル)ガリガリコーヒーを挽く道具ですね!なんか一気に本格的な感じがしますね。いろいろな種類があるって知らなかったので、少し調べてみたいと思います。
次回のハルのコーヒーは、「コーヒーを挽く。いろいろなミル」。
コーヒーミルの種類や、適した挽き具合についてお届けします。ガリガリ挽く豆の香りは格別ですよ〜どうぞ次回もお楽しみに!
今回の天の声
UCCコーヒー博物館 学芸員
コーヒー鑑定士
香月麻里
96年にUCCコーヒー博物館・学芸員職に就く。98年日本人女性3人目のコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)となる。2007年からUCCコーヒーアカデミー専任講師としてコーヒー作法~フードペアリングの授業を担当。
▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!
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