コーヒーのメンテナンス、カットバック -UCCハワイ農園から- | My COFFEE STYLE MAGAZINE

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コーヒーのメンテナンス、カットバック -UCCハワイ農園から-

Ole Ua, ‘Ole Anuenue (No Rain, No Rainbow)は、ハワイのことわざで「雨が降らなければ虹はできない(困難な事のあとには、きっと良いことがある)」という意味。虹が美しいハワイにあるUCC直営農園からみなさまへ、ハワイの今をお届けします。

木を若返らせるための作業「カットバック」

アローハ!今月はコーヒー木のメンテナンスとして非常に重要な「カットバック」という作業についてご紹介します。

毎年たくさんのコーヒーチェリーを生み出すコーヒーの木ですが、年齢とともにその生産量は落ちていってしまいます。そのため定期的にメンテナンスをして木を若返らせてあげる必要があるのです。メンテナンスの方法はいくつかありますが、中でも最も一般的なものが「カットバック」と呼ばれる手法です。

上の写真のように地面から30cmほどの高さで木を切り倒してしまうことを言います。
えっ、そんなことをして大丈夫なの?と思った方、安心して下さい!
(私も初めてカットバックをした時はドキドキでした…)

切ってから3か月もすると上の写真のような状態まで新芽が伸び、若返りに向けて着実に成長していることがわかります。コーヒーの生命力にはいつも驚かされます!
ただ、このままだと養分が多くの幹や枝に分散してしまい、品質低下に繋がるので、新芽の中から状態の良い枝を3本ほど残し、残りはこの段階ですべて取り除いてしまいます。

特にコナ地域はコーヒー栽培に適した環境が揃っているため、他のコーヒー産地よりもコーヒーの成長速度が早いと言われています。
上の写真はカットバック1年後の様子。個体にも寄りますが、1mを超える高さまで成長します。量は少ないのですが、この年にはコーヒーチェリーを収穫することもできるんですよ!

4年サイクルでカットバックをします

カットバック作業をするとコーヒーの木の見た目は少し寂しくなってしまうのですが、コーヒーの品質保持や、年間の生産量を安定させるためにも欠かせない作業です。

上の写真は、カットバックを行う前の状態。

そしてカットバックした後がこちらです。

カットバックをするタイミングとしては、チェリーの収穫が終わりストリッピング作業(1月号参照)が完了した2月~3月頃が目安です。
1本ずつ木を確認をしながら、カットバックを入れるかの判断を全エリアで行う方法もあるのですが、 UCCハワイでは害虫コントールや作業の効率などを考慮して、エリアごとに計画的にカットバックを行います。

農園内のすべての木は4年サイクルで更新される計画で、いつご来園頂いてもどこかのエリアではカットバックが行われているはずです。農園にお越しの際はぜひ「今年のカットバックのエリアはどこですか~?」とスタッフに聞いてみて下さい!

火山とコナコーヒー

ここからは、UCCハワイの関連情報をお伝えします!

UCCハワイ農園は、ハワイ州ハワイ島(通称ビッグアイランド)に位置します。そのハワイ島で有名なのは、コナコーヒーに加えて、標高4205mのマウナケア山から見上げる夜の満天の星空と、今も活動中のキラウエア火山見学です。
火山とコーヒー。無関係のように思えますが、実はコーヒーも火山がもたらしたものと言えるのです。

火山土壌が上質のコーヒーを作り出す

火山がコーヒーを作った?と意外に思われるかもしれませんが、上質なコーヒーの木が育つために最適な土壌が火山土壌と言われていて、コナコーヒーと並び3大コーヒーと言われるブルーマウンテンとキリマンジャロも、火山による良質な土壌無くしては語れません。

上の写真は農園から見たフアラライ山ですが、コナコーヒーの生産地域は、マウナロアとフアラライという2つの火山から流れた溶岩台地に位置しています。
どちらも、過去2~3百年内に噴火した溶岩が流れて作られた台地で、地球の歴史から見ればつい最近できたもの。このハワイ島の新しい土壌には、コーヒーの木に必要な栄養分がたくさん含まれているのです。

左・ハワイ コナコーヒーの袋。右は2012年に発行されたアメリカ合衆国造幣局の特殊硬貨プログラム「アメリカ・ザ・ビューティフル25セント硬貨 America the Beautiful Quarters Program」の硬貨。どちらもハワイの火山がデザインされたものです。

ハワイアンが信じる、火の神「ペレ」の神話

キラウエア火山は今も活動中。
2018年5月、ハワイ島南東部の住宅地の車道からオレンジ色の溶岩が噴火したニュースをご存知の方もいらっしゃると思います。「神」を信仰しているハワイアンの人たちにとってキラウエア火山は「ペレ」という火の女神の住み家であるという「神話」があり、溶岩も彼女の体の一部だと考えられています。

なので、冷えて小さくなった溶岩の破片をハワイ島から持ち出すと(女神ペレの体を分離したとして)ペレの怒りで不幸が訪れると信じられています。

ハワイ島では、火山は見学だけにして、日本に持ち帰るのはコナコーヒー農園でのお土産だけにしましょうね。

それでは皆さん、マハロー!

UCCハワイ ⼩林(代表)&三⽊よりお伝えしました。

▼前回の農園レポートはこちら!