コーヒーの香りには、リラックス効果や脳をスッキリさせるリフレッシュ効果があることは有名ですね。
でも、その香りが段階に応じて変化していくことはご存知でしょうか?
コーヒーをおいしいと感じるときに、味覚と共に欠かせない要素である「香り」。そこには、どんな秘密が隠されているのでしょうか?
今回は「香り」をテーマに、コーヒーをもっと楽しむためのとっておきの情報をご紹介します。
コーヒーの香りは4種類に変化する
生豆(なままめ)の状態から焙煎、抽出、そして口に含んだとき。
コーヒーの香りは、加工過程から抽出という段階において次第に変化していきます。このことから、コーヒーの香りは4種類に変化するといわれています。
それぞれの段階における香りは、品質を見極めるための重要な評価基準にもなっているのです。
1. 生豆の香り
焙煎する前の段階の生豆(なままめ)は、植物的な青い香りが特徴です。
生豆の段階で“カビ臭”や“発酵臭”などがすると、「よろしくない香り」「不快な香り」と評価されます。
そのような豆は、焙煎され抽出液になってからもその香りがそのまま味わいに反映されてしまうので、生豆から購入する場合はその香りにも注意しましょう。
2. 焙煎したコーヒー豆を挽いた時の香り[フレグランス fragrance]
コーヒー豆がその一生のうちで最も香りを発する瞬間は、焙煎された豆がミルなどで粉砕され、粉状になったとき。
その香りは、フレグランスと呼ばれます。
コーヒー豆には、コーヒーの油分(アロマコーヒーオイル)が詰まったたくさんの小さな孔(あな)があり、豆が砕かれることで、その良い香りがパッと放たれるのです。
3. コーヒー抽出後の液体の香り[アロマ aroma]
コーヒーを注いだカップからフワッ…と漂うなんともいえない良い香り。この香りが、アロマです。
お湯の熱によってコーヒーそのものの持つ成分がほぐれ、気体となって立ちのぼるときに発生する香りです。
4. 抽出したコーヒーを口に含んだ時の香り[フレーバー flavor]
コーヒーを口に含むと、その味わいとともに鼻を通り抜ける香りを楽しむことができます。これが香りの最後の段階、フレーバーと呼ばれるものです。
ナッツのような、カラメルのような、麦芽のような、柑橘類のような…など、その香りはいろいろな言葉に置き換えて表現されます。
多くの人を魅了するコーヒーの「香り」
「コーヒーの花は、コーヒーの香りがするって本当ですか?」
そんな質問が寄せられたことがありました。しかし、花からはもちろん、コーヒーの実からもあの魅惑的な香りは漂ってはきません。
コーヒーの香りは、焙煎し化学反応することではじめて生まれます。
コーヒーの香り成分は800種類以上!複雑で玄妙な香りが魅力
コーヒーは、生豆に熱を加えることで複雑な化学反応がおき、豆の中にいろいろな香気(こうき)成分が形成されます。
その種類は、現在報告されているものだけでも800種類以上!
豆の焙煎方法や焙煎時間などの違いが香気成分の発生反応の違いとなって、さまざまなコーヒーの風味が生まれるのです。
ちなみに、コーヒーの香気成分については謎が多く、未だすべてが解明されたわけではありません。
そんな計り知れないところも、コーヒーの魅力につながっているのかもしれませんね。
アルファ波が増える?コーヒーの香りが持つ効果・効能
もしコーヒーに香りがなかったら、これほどまでに愛される飲み物にはなっていなかったかもしれません。
コーヒーの香りに関する近年の研究では、コーヒーが香ることで「脳の情報処理能力が高まる」、「リラックス度合いを示すアルファ波が増える」などといわれています。
リラックスしながら、頭もすっきりリフレッシュ!仕事の合間や試験勉強中など、一息つくときに飲みたくなる理由はこんなところにあるのかもしれません。
コーヒーの香りを保つ保温のコツ
「冷めたコーヒーはおいしくない!」と感じることもありますよね。
それは、コーヒーが冷めてしまったことで香りが感じにくくなり、おいしさが半減してしまったのかもしれません。
コーヒーをおいしいと感じられる温度の下限は60℃。「コーヒーをおいしく飲むコツ」は「コーヒーの適温を保つこと」でもあるのです。
コーヒーの香りを保つための、保温のコツをご紹介します!
コーヒーの香りを保つ3つのコツ
- 保温力の高いカップを使う(底の厚いカップがおすすめ)
- 器を温める(カップだけでなくソーサーも温めておくと保温力がアップ)
- フタ付きのカップを使う(香りが失われにくくなる効果あり!)
コーヒーの香りを知ってリラックスタイムをもっと特別なものに
コーヒーの香りが過程に応じて4段階に変化すること、未だ謎が多い複雑で玄妙な香りの魅力、香りを保つためにコーヒーを保温するコツについてご紹介しました。
コーヒー豆を挽き、じっくり抽出してカップに注いで飲む。これだけで、
- 豆を挽く時の「フレグランス」
- 抽出中の「アロマ」
- 味わいの「フレーバー」
という、3段階の香りを楽しむことができます。
感覚を研ぎ澄まして、ぜひコーヒーの香りの移り変わりにも注目してみてください!
コーヒーの「香り」を知って、よりスペシャルなくつろぎタイムを過ごしてみてくださいね。