手順画像付き解説で失敗なし!コーヒー抽出後の粉を使うエコな「コーヒー染め」の方法とリメイク例をご紹介 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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手順画像付き解説で失敗なし!コーヒー抽出後の粉を使うエコな「コーヒー染め」の方法とリメイク例をご紹介

先日街で「1枚ずつコーヒーで染めたTシャツ」というのを見かけました。どれもわずかな色のゆらぎ感があって、自然な風合いがなんともおしゃれ。ふと、家にある古い衣類も、もしかしたら「コーヒー染め」でいい感じになるかもしれない!?と思い立ち、「コーヒー染めリカバリー大作戦」を実行!
初めてコーヒー染めに挑戦する方にも、手順にそって詳しく解説します!

エコでナチュラルな風合いが魅力
「コーヒー染め」とは?

草や木などから天然の色素を抽出して染めるのが草木染め。コーヒー染めとは、コーヒーの色素を使って染めることです。白いシャツにコーヒーをこぼして絶望的な気分になった経験があるはいますか?コーヒーのシミはなかなか落としにくいものですが、「シミが取れにくい」イコール「染まりやすい」ということでもあります。

コーヒーを飲み終わった後に出るコーヒー抽出後の粉を使えるのもエコですし、染める素材によって濃いコーヒー色になったり、ベージュのような薄い色に仕上がったり。…どれもわずかな色のゆらぎ感があって、自然な風合いがなんともおしゃれ。ひとつとして同じものがなく、ほっこりしたテイストに仕上がるのも手染めの魅力です。

コーヒー染めに必要なもの

  • コーヒーの抽出後の粉
  • 豆乳か牛乳、水(豆乳か牛乳:水 は 1:1で使用)
  • ミョウバンや塩など(色止め用)
  • 染めたいもの Tシャツ、ハンカチやタオル、靴下、和紙など(コットン素材かシルクなど自然素材のものを用意してください)
  • 浸けておくための容器、大きめの鍋、トングなど

コーヒー抽出後の粉が少ないと薄い液になってしまうので、事前に3日分を冷蔵庫に貯めておきました。12gのメジャーで3杯分を1日量とすると、トータルでコーヒー粉100〜120g程度。それを抽出した後の粉を使用しています。
また染める衣類や布は、事前に洗濯をすませておきます。新品を染める時もノリがついているので一度洗い落としておきましょう。

着古したランニングシャツやいらなくなった綿のバッグ、もう履かない白い靴下に、色を変えたいピンクの靴下(好奇心で茶色の靴下も)、若草色のTシャツなど、白以外のものも染めてみました!果たして仕上がりは…?

コーヒー染めの基本的な手順

染める方法はシンプルで、基本的には下記の工程になります。

1)布にタンパク質をつけて乾かす
2)コーヒー液に浸して染色
3)ミョウバンや塩などで色止め
4)すすいで干して乾かす

それでは手順ごとに紹介していきます。何度か挑戦したので、いろいろな布が混ざった画像になっていますが、ご容赦ください!

1)布にタンパク質をつけて乾かす

衣類を牛乳液(または豆乳液)に浸したあと乾かします。
ここで使っているのは、牛乳1リットルに対して水1リットルです。

この工程が無くても染めることはできますが、牛乳や豆乳のタンパク質を布に染み込ませることで、色が定着しやすくなります。ただし、まんべんなく浸透しないままに乾いてしまうと、染めた時に大きな染めムラができてしまうので注意。

できるだけ液を布に均等に浸して乾かしましょう。心配な時は液を薄めにつくって2〜3回この工程を繰り返してください。

2)コーヒー液に浸して染色

大きな鍋に2Lの水を入れ、3日分のコーヒー抽出後の粉(12g×3杯×3日分のコーヒー抽出後の粉)を入れて煮出します。

最初はその中に直接衣類や布を投入していたのですが、すすぐ時に布に細かいコーヒー抽出後の粉が絡んで大変だったので、次からはコーヒー抽出後の粉を濃く煮出してから、ザルで濾し、コーヒー抽出液を作ってから布を浸すようにしました。

コーヒー液はインスタントコーヒーでつくることもできます。使いきれずに古くなったインスタントコーヒーがある場合は、コーヒー染めに利用してもよさそうですね。

濃い液をつくるほど、しっかりと色がつきます。コーヒー染めではいきなり濃く染まりすぎることはないので、できるだけ濃い液をつくるのがオススメです。

温度は高いほうが良く染まります。煮立たせない程度に熱くして鍋の中で染めました。時間は10分ほどでOK。コーヒー液は布がしっかりと浸せる量を用意しましょう。

3)ミョウバンや塩などで色止め

今回は塩を使いました。そのまま鍋に塩を投入しても良いのですが、別の容器で色留めをすると、残したコーヒー液で他のものを染められます。

今回はコーヒー液を再利用したかったので別の容器に塩水を作りました。塩はたっぷりと。舐めたらしょっぱい!!となるくらいの塩分量に。

4)すすいで干して乾かす

塩水から取り出して、しっかりとすすぎます。ある程度すすいだら洗濯機の「すすぎ」→「脱水」を利用しても。

すすぎ終わったら干して乾かします。濡れている時は濃く見えていても乾くと薄くなっていきます。もう少し濃く染めたかった…という場合は2度染め、3度染めをすることでしっかりとした色になります。乾いた後にもほんのりとコーヒーが香るのが、コーヒー好きにはちょっと嬉しいですね!

ムラができた失敗作とその原因

こちらの靴下、濃い目の豆乳液に浸して、手で絞って乾かしたところ、液がかなりムラについたまま乾いてしまったようです。布が厚地だったのも難しかった要因かもしれません。豆乳液も脱水機でちゃんとしぼるか、あるいは薄めにつくって何度も豆乳液に浸す工程を繰り返すことでムラは防げそうです。
2度染めもしてみましたが、一度ムラになると消えることはありませんでした(涙)

リメイク作品をご紹介!

では、完成したコーヒー染め作品をご紹介します。

キレイに染まると嬉しくて、楽しくて、次から次へといろいろなものを染めてみたくなります。衣類だけでなく紙や革製品も趣のある風合いに変化!

ランニングシャツ

何度か着て薄汚れた色になってしまったランニングシャツ。画像は染めていないものとの比較です。コーヒー染めをしたものは、2度染めをしてしっかりとした色がついています。

靴下

ピンク色の靴下は、ピンク感はしっかり残りつつ、少し落ち着きのある色に返信。ナチュラルなほっこり感のある雰囲気になりました。

厚手で均等に絞れなかったためかムラになってしまった靴下。左が元の白、中が1度染め、右が2度染めです。

Tシャツ

若草色だったTシャツは、ほんのりとムラ感が残るいい風合いに。量販店で購入したTシャツが、世界で1つだけのものになったのが嬉しい。

豚のバックスキンを使ったポーチが2つあったので、1つをコーヒー染めにしてみました。もともとタンパク質が含まれている革は、牛乳に浸すステップは省き、少し浸けただけでもしっかり色がつきました。味わい深い風合いに。

紙をコーヒー染めにしてみたら、古い地図のようなアンティークな雰囲気になりました。もちろんタンパク質をしみこませる工程は無し、コーヒー液に浸すだけでOKです。濡れると破けやすくなるので浸し過ぎないように注意。ハケなどでコーヒー液を塗るくらいでも染まりそうです。

愛着のわく、世界に1つだけのオリジナル作品に

今回染めたランニングシャツは、もうだいぶ古く、捨てようと思っていたものでした。けれど不思議なもので染め直してみると愛着が湧き、ていねいに畳んでまた引き出しにしまいました。

なんとなく着にくかったTシャツも、ほんのりゆらぎ感のあるナチュラルな風合いが愛らしく、自分にとって大切な1枚に昇格。靴下も、ポーチもバッグも、コーヒーで染めたアイテムは特別なもののように感じられます。

コーヒー抽出後の粉を再利用する、エコな「コーヒー染め」ですが、古いものをリメイクして、捨てずに愛着を持って使うという意味でもサステナブルな方法だと改めて思います。染めてみるまでどんなふうに完成するかわからないのも、また楽しい!

コーヒー染めで、世界で1つの自分だけのオリジナル作品づくり、ぜひ試してみてくださいね。


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