INDEX
「コーヒーは自由な飲み物」
UCCのCMにサイフォニストとして登場している村田は、店舗経験で育まれたさまざまなドリップスタイルを得意とするUCCコーヒーアカデミー講師。現在は講師のほか、動画コンテンツのMCをしたり、独自のルートでホンジュラスの農園から買い付けた生豆を製品化するなど、既成の枠にとらわれない活動が社内でも注目を集める1人です。
UCCコーヒーアカデミーの講師として私が気をつけているのは、受講生の皆さんの知識や技術、ライフスタイルに合わせたわかりやすい説明を心がけるということ。
一般の方からプロの方まで、「コーヒーを学びたい!」という受講生の熱意に負けないよう、こちらもコーヒーの勉強が欠かせない毎日ですが、YouTubeで動画配信(UCCの公式チャンネル「UCCコーヒーアカデミー」)を始めて気づかされたことがありました。
それは、コーヒーは、私がこれまで思っていた以上に「自由な飲み物」だということです。
動画は、ありがたいことに、本当に多くの方に見ていただいています。ですので、自宅でおいしいコーヒーを淹れるためのちょっとしたコツや、コーヒー豆の保存方法、コーヒーの抽出カスの再利用法、というようなすごく身近なネタも取り上げるようにしています。
また、インスタントコーヒーに関するテーマもすごく人気で、発信しているこちらが驚いてしまったほど。いままでは講師として人にコーヒーを教えるという立場上、ハイクオリティーなレギュラーコーヒーばかりに目がいきがちでしたが、「インスタントコーヒーの手軽さもコーヒーの魅力のひとつなんだ」と改めて再認識しました。コーヒーはそれだけ振り幅が広くて、自由に楽しめる飲み物だということですよね。
YouTubeの動画では、これからもコーヒーの世界を偏りなく発信していくつもりです。少しでも皆さんのコーヒーライフを楽しく彩るためのお手伝いができればいいなと思っています。
“失敗”のおかげで知ることができたコーヒーの魅力
10代の頃は紅茶派だったという村田がコーヒーに興味を持ったのは学生時代。アルバイト先の喫茶店でコーヒーのおいしさを知り、コーヒーに関わる人やその世界が好きになったと言います。
2004年に入社してから、2016年にUCCコーヒーアカデミー講師として働くようになるまで、私は店舗で働いていました。入社2年目から店長を任され、より多くのお客さまと接するようになる中で、「コーヒーのことをもっと知りたい!」と思うのも自然な流れだったように思います。
社内の抽出大会「UCCコーヒーマスターズ」に初めて参加したのは2006年。この時は、ありがたいことにチームでは優勝を飾れたのですが、個人参加の部では大失敗をしちゃったんです。
実は個人の部でも予選は1位で通過していた村田。彼女が決勝の舞台でやってしまった「大失敗」とは…。
あの時は、コーヒーをドリップした後の演出として、アレンジコーヒーの仕上げに綿菓子を使おうと考えていました。ほんのりとした甘みも足せますし、カップに乗せた綿菓子にコーヒーを注ぐとフワッと消える様子も幻想的で、入社2年目の私としては100点満点の自信作でした。
ところが、本番で肝心の綿菓子を控室に置き忘れてしまった。気づいた時にはもう遅くて、競技が終わったあとは悔しくて大泣きです(笑)。
でも、あの失敗のおかげで「コーヒーをもっと勉強しよう」と思うようになったのも事実。2年後の大会では個人の部で優勝することもできましたし、「ジャパンブリューワーズカップ2014/2015」では準優勝することができました。あの失敗には、むしろ感謝したほうがいいかもしれません。
コーヒーは、挽き方や淹れ方を変えれば味わいも変わります。そのうち豆そのもののクオリティについても知りたくなって、個人的に「Qグレーダー」の資格も取りました。
「バリスタ」がコーヒーを淹れる職人を指すのに対し、QグレーダーとはSCA(スペシャルティコーヒー協会)が定めた基準で、コーヒーを評価できるとCQI(Coffee Quality Institute)が認定した国際資格です。また村田は、UCC社内でも数人しかいない「COE(カップ・オブ・エクセレンス)」という国際的なコーヒーの品評会の審査員資格も有しています。
旅先で偶然に出合った最高品質のコーヒー豆
コーヒーへの興味は尽きず、プライベートの旅行でも生産国を回るようになりました。出張を含めると、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、ジャマイカといった中南米諸国のほかにも、ヨーロッパや台湾、韓国にも行きましたが、何度も訪れている国はホンジュラスです。
はじめてホンジュラスを訪れたのは2017年。もともと高品質な豆の生産国として知られていますが、私はCOEに興味があったので「行ってみようかな」と思っていたんです。そのタイミングで、 UCCのスイスバリスタチャンピオンもホンジュラスにコーヒーを探しに来るというので、一緒に農園をまわることにしました。
その時にお邪魔したのが「エル・プエンテ(「橋」という意味)」という名の農園でした。4代目の農園主はマリサベルさんという女性。彼女が明るくて優しい方で、初めて会った時からファミリーのように迎えてくれて、温かい気分になりました。
コーヒーの味には作り手の人間性が出ると言います。よく管理された農園を見れば、手間暇かけて丁寧に栽培しているのがわかりましたし、現地で焙煎されたコーヒーを飲んだら感動もののおいしさ。完熟した果実のような華やかな香りとフルーティな酸味がありながらも、余韻は甘く、クリーンなアフターテイストを感じ「本当にきれいな味のコーヒーだなぁ」とびっくりしたんです。
それから、1人で行くときには、彼女の家に泊めてもらうようになり、いまでは本当の家族みたいに付き合ってもらっています。先日も「今度はいつくるの?」っていうメールをもらいました。
「エル・プエンテ」農園が栽培する豆のクオリティに感激した村田は、UCCでも製品化することを決意。現在は、UCCコーヒーアカデミーでも取り扱うほか、専門のロースターに卸したり、UCCのドリップポッド専用カプセルでも少量ながら発売に漕ぎつけました(限定品「ホンジュラス エル・プエンテ農園」)。
コーヒーの“いま”をもっと多くの人に伝えたい
これまでは、店舗のスタッフとして、UCCコーヒーアカデミーの講師として、私なりにコーヒーの魅力を伝えてきたつもりですが、いま、もう少し挑戦したいことがあります。
それはもっと海外のトレンドにも目を向けるということ。
抽出大会の世界大会などに行ってみると、抽出の技術はもとより、豆の品質から精製、焙煎に至るまで、関係者のアイデアがぎっしり詰まっていて、いつも驚かされます。
数年前から日本でもゲイシャという品種がカフェでも飲めるくらい知られるようになってきましたが、これももともとは抽出競技会の世界大会などでブレイクしたコーヒーでもあります。
ですので、もうちょっと語学をがんばって、世界の最新のトレンドを受講生の皆さんやYouTubeを見てくださっている皆さんにもお届けしたいですね。もちろん、いまUCCの店舗で働いているスタッフにも。私自身、お店にいた頃は「コーヒーのことをもっと知りたい」と思っていましたから。
そうやって、コーヒーの世界を広げる「エル・プエンテ(橋)」として、皆さんの役に立てたらいいなと思います。
愛用のコーヒーグッズは
ジャパンブリューワーズカップでも使用したクレバーのドリッパーは、プライベートでも愛用する逸品。「一見、普通のドリッパーに見えますが、底の部分が独特な構造になっていて、お湯を注いで十分に抽出したあとでサーバーにポンと乗せればコーヒー液が一気に流れる仕組みです」。ビギナーにもおすすめ。
心に残る、最高のコーヒーは?
プライベートで初めて訪れたホンジュラスで出会ったエル・プエンテ農園のコーヒー。華やかで甘さのあるコーヒーは多くの人を虜にする。「農園主のマリサベルとは個人的な付き合いもさせてもらってますが、自分で豆を買い付けて、製品できた思い入れのあるコーヒー」です。
UCCコーヒーアカデミー講師 村田果穂(むらた みほ) 2004年入社。神戸のコーヒー博物館に併設された店舗「コーヒーロード」の店長などを経験しつつ、「ジャパンブリューワーズカップ2014/2015」にて準優勝を果たし、COE(カップオブエクセレンス)国際審査員の側面も持ち合わせるコーヒーのスペシャリスト。「CQI認定 Qアラビカグレーダー」「マイルドコーヒー クオリティコントロールスペシャリスト」などの国際資格も取得。 UCCコーヒーアカデミー講師として活躍するだけでなく、コーヒーの買い付けや製品開発も行う。2020年11月からはYouTubeコンテンツ「UCCコーヒーアカデミー」のMCを担当。 (部署名・役職は取材当時の情報です)
UCCの「おいしい事実」
COFFEE CREATION スペシャルサイトへ
村田がMCを務めるUCCコーヒーアカデミーのYouTubeチャンネルはこちら!
今すぐおいしいコーヒーを淹れたい!と思ったら…
UCCの人気商品のほか、コーヒーに関連するアイテムが勢ぞろい!
ポイントもたまっておトクにお買い物できる「UCC公式オンラインストア」へぜひアクセスしてみてくださいね。