唐津焼のコーヒーカップでゆったりコーヒータイム–和の器を楽しむ Vol.2– | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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唐津焼のコーヒーカップでゆったりコーヒータイム
–和の器を楽しむ Vol.2–

老舗の喫茶店の中にはカップにこだわるお店もあるように、コーヒーの楽しみ方のひとつとして器を吟味してみるのもいいでしょう。和の器第2弾の今回は日本の名陶からファンの多い「唐津焼」をご紹介します。比較的新しいイメージの唐津焼も素敵です!

口当たりのいい、陶器のコーヒーカップをマイカップに

毎朝のコーヒーは、どんなカップで飲んでいますか?いつも使う、自分用のお気に入りがある方もいるでしょう。あるいは…お客さまのカップは少し上質なものを用意していても、自分の普段遣いのカップはあまり凝ったものではない方もいるかもしれませんね。
「コーヒータイム」は心を落ち着けたり、リフレッシュに欠かせない大切な時間です。そんな時間だからこそ、カップにもこだわってコーヒーを楽しんでいただきたい!
今回は、和の器第2弾・名陶「唐津焼」コーヒーカップのご紹介です。忙しい朝でも上向きな気分で楽しめるような、趣のあるカップたち、ぜひご覧ください。

素朴で力強い土ものの美しさ

唐津焼は、土もの(陶器)の中でも、ざっくりとした粗い土を使った素朴で力強い器で有名です。かつては茶陶として受け継がれてきた唐津焼ですが、今ではさまざまな生活の道具としての器が作られています。
唐津焼の魅力は「作り手八分、使い手二分」と言い、器に料理を盛りつけたり、お茶を入れてはじめて作品が完成します。毎日使ってこそ、本当の器の良さが味わえるというわけですね。

登り窯「鏡山窯」(きょうざんがま)

唐津の歴史と唐津焼

唐津焼の産地は九州北西部、佐賀県の玄界灘に面した自然豊かな地です。

唐津は玄界灘を望む港町です。

(写真左上・唐津城 右上・鯨組主 中尾家屋敷 左下・曳山展示場 右下・七ツ釜 )

九州の北西部、玄界灘を望む海沿いに、古代より唐(から)など大陸への玄関口(津・港)として栄えてきた唐津。多彩な文化が育まれ、豊かな自然によって多くの恩恵がもたらされています。

唐津焼は1580年代に、岸岳城城主・波多氏の領地で焼かれたのが始まり(諸説あり)。その後に豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に朝鮮陶工を連れて帰り、朝鮮の技術を取り入れることでますます盛んになりました。この頃、焼き物のことを総称して「からつもの」と呼んでいたほどだったそうです。

江戸時代、藩の御用窯だった唐津焼は明治以降に一時衰退したのですが、人間国宝の中里無庵が古唐津の技法を復活させたことで次第に窯元の数も増加しました。今や現代的な感覚の作家も多くなり、市内には約70の窯元があります。

唐津焼は種類が多いのが魅力

唐津焼は、ほかの産地に比べて種類が多く、土の性質や釉薬、技法によって分けられます。主な6種類をご紹介します。

 

斑唐津(まだらからつ)
素地に含まれる鉄分と燃料の松灰が溶けて青や黒の斑点が出来ます。白濁した藁灰の釉薬を用いるもので、白唐津とも呼ばれています。

朝鮮唐津
白と黒の釉薬を使って高温で焼き、釉が溶け合う部分が見どころの唐津焼。二色のコントラストが美しさのポイントです。
 
絵唐津
草、木、花、鳥、人物や線文・幾何学模様などを鉄絵具で描いて釉薬をかけて焼いたもので、日本ではじめて絵付けを施した器と言われています。

黒唐津
鉄分を多く含んだ釉薬をかけて焼いたもので、鉄分の量や焼成の度合いによって飴色、柿色黒褐色から漆黒まで発色は幅広い色彩になります。
 
粉引唐津(こひきからつ)
鉄分の多い粘土を使い、白い化粧土をかけ、さらに木灰釉などの透明な釉薬をかけて焼いたもの。唐津焼では比較的に新しい技法です。

三島唐津
朝鮮の李朝三島の技法を受け継いだ器なので三島唐津と呼ばれています。素地に印花紋、線彫など文様を施して化粧土を塗り、余分な化粧土を削りまたはふき取り仕上げをして釉薬をかけて焼いたもの。江戸時代に生産が始まりました。

唐津焼のコーヒーカップ

茶陶として発展した唐津焼ですが、近年は、ふだん使いの器を中心に作る新しい感性をもった作家さんも増え、唐津の土を用いながらも色彩もデザインもおしゃれな器がつくられています。

ここでは数多い窯元の中から新しさや美しさを追求して作陶している窯元に、コーヒーカップを紹介してもらいました。

絵唐津カップ&ソーサー 
“絵唐津”では野に咲く名もなき草花を描きます。受け皿を四方から押して四角くするなどデザインにこだわりながらも、素朴さを失わないようシンプルな印象にまとめられたカップです(熊本千治作)。

斑唐津彩泥カップ&ソーサー
青く色付けした泥漿(粘土を水でペースト状に溶いたもの)を塗り重ねて波模様を表現する彩泥技法は、30年の長きにわたり熊本千治の定番的技法です。全体には“斑唐津”という伝統的な乳白色の釉薬を使い仕上げられています(熊本千治作)。

掛け分けカップ&ソーサー  Blue
上下で違うトーンの青い釉薬を使い水平線を挟む海の景色を表現しました。上半分の釉薬は口当たりが良いようにしっとりとした質感の釉薬、下半分には土の肌合いを感じさせるようなサラリとした質感の釉薬で仕上げています(熊本象作)。

三島唐津カップ&ソーサー
“三島唐津”と呼ばれるスタンプ技法で細やかな模様を全面に施したカップです。唐津焼の中では最も長い工程と技術を必要とします(熊本千治作)。

マグカップ スパイラル
白い土と黒い土の二つを張り合わせてロクロで回転を加えながら成型すると、二つの土が混ざり合い表面にらせん状の模様が表れます。ランダムに混ざり合う偶然の景色が楽しいカップです(熊本象作)。

掛け分けマグカップ  Blue
同タイプのカップ&ソーサーと同じく、上下で異なる質感の青い釉薬を掛け分けて海の景色を表現。安定感のあるシンプルな筒形に合わせました(熊本象作)。


器協力 唐津焼窯元 赤水窯
古くから伝わる古唐津に代表される “わび・さび”好みの味わいにとらわれることなく、毎日によりそう陶器作りを目指しています。「現代の暮らしの中で作り手の顔の見えるものが少ない。誰が作ったものか思い浮かぶものを身の回りに置いていただきたい。」とご主人の熊本 千治さん。赤水窯は息子さんの象さんと2人で制作していますが、以前喫茶店を営んでいたこともあり、コーヒーカップも充実しています。
※ご紹介している器は在庫状況により売り切れの場合があります。 

(唐津の土を使い、新しい色彩やフォルムを生み出している2代目・熊本象さん。)

唐津の地に、カップを見に行く

別名「舞鶴城」と呼ばれる唐津城と、城下町の風情を今に残す唐津の街。落ち着きのある観光地で、芸術や美食、絶景、文化に触れてみませんか。

例えば、玄界灘でとれるおいしい魚をいただくのもいいでしょう。また、唐津湾沿いに弧を描くように植林された広大な松林「虹の松原」は、日本三大松原の一つに数えられるほどの見事な景観です。

豊穣の秋祭 「唐津くんち」は毎年11月2~4日に開催される唐津神社の秋季例大祭で唐津には欠かせない行事です。祭りに使われる14台の曳山は、どれも迫力があり、神社前に一同に揃う様は圧巻です。この行事を含む「山・鉾・屋台行事」はユネスコ無形文化遺産に登録されています。曳山は祭り期間以外でも曳山展示場で見ることができます。

そして、たくさんの唐津焼の窯元をゆるりと散策しながらお気に入りの「器」を選べば、特別な思い出になるはずです。
唐津焼のコーヒーカップでおいしいコーヒーをぜひ。自分好みのコーヒーカップが、毎日に何よりの癒やしを与えてくれるでしょう!

(観光写真提供) 佐賀県観光連盟 / 唐津観光協会
(器・写真協力) 唐津焼窯元 赤水窯
(登り窯写真協力) 唐津焼窯元 鏡山窯

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