嫌気発酵コーヒーづくり-UCCハワイコーヒー農園から- | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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嫌気発酵コーヒーづくり-UCCハワイコーヒー農園から-

Ole Ua, ‘Ole Anuenue (No Rain, No Rainbow)は、ハワイのことわざで「雨が降らなければ虹はできない(困難な事のあとには、きっと良いことがある)」という意味。虹が美しいハワイにあるUCC直営農園からみなさまへ、ハワイの今をお届けします。

嫌気(けんき)発酵コーヒーをご紹介します

アローハ!今月はUCCハワイ農園で取り組んでいる嫌気発酵コーヒーについてご紹介したいと思います。

嫌気発酵とは、収穫したコーヒーチェリーの精製方法のひとつで、酸素のない条件下(嫌気条件)で、微生物である酵母による発酵処理をする精製方法のことです。UCCハワイ農園では、昨年からこの「嫌気発酵コーヒー 」の取り組みをスタートさせました。

嫌気発酵コーヒーの製造方法

それでは、具体的な製造方法をご説明しましょう!
通常、収穫されたコーヒーチェリーは外皮をむいた後に水洗いをしますが、嫌気発酵コーヒーにはこの水洗い工程がありません。

チェリーからコーヒー豆を取り出したあと、周りについたベトベト(ミューシレージと呼びます)をあえて残した状態で酵母を投入します。

その後、2~3日ほど密閉した容器で保管をして、

あとは通常プロセス同様に乾燥をさせていきます。
乾燥する時は、通常のものよりも頻繁に攪拌をしてあげることが非常に重要!密閉容器を開けた時には、まだ豆の周りに糖分や水分が多く残っているので、攪拌が不足してしまうとカビなどの発生リスクが高まってしまうのです。
(下写真は撹拌のようす)

豆の周りについたミューシレージには多くの糖分が含まれており、それが酵母の栄養となって発酵処理が進みます。
お酒やヨーグルト、納豆などの発酵食品でも、発酵プロセスの前後では味わいに変化が生まれますよね。コーヒーもそれと同じ原理で、この発酵のプロセスを経て新しい味がつくられていきます。
乾燥が完了した状態が下の写真。

手前が嫌気発酵コーヒーで、奥が通常品です。手前の嫌気発酵コーヒーは見た目も赤みがかっていてひと手間加えられている印象ですね。

あくまで個人的な感想ですが、イチゴのようなフレーバーとネクタリンのような甘さが感じられるコーヒーに仕上がってきています。
昨年に続き今年も行っている、農園で収穫されたコーヒーを使ったオリジナルの嫌気発酵コーヒーづくり。日本では、『UCCカフェメルカード』などで2022年7月から数量限定で販売していましたが、すでに完売しているそう(すみません!)。次回販売は未定ですが、また、飲んでいただける機会があればと思います。

人気の収穫体験ツアー

UCC ハワイでは「農園見学ツアー」、ハワイ州で唯一の「焙煎体験ツアー」に加え、「収穫体験ツアー(季節限定)」の3種類のツアーで、日本からのお客さまをお迎えしています。
以前「焙煎体験ツアー」はご紹介しましたので、今回は「収穫体験ツアー」をピックアップしたいと思います。

ハワイ島を産地とするコナコーヒーの収穫時期は、主に7月から12月までです。
2月頃に「コナスノー」と呼ばれる白いコーヒーの花が咲き、受粉、結実。そして熟れて真っ赤になった実を、高さ3mほどの木からすべて手摘みで収穫を行います。
これは100~150年前に日本から移民してきた日系人が、試行錯誤の末にベースを築いた収穫方法。今も受け継がれるその収穫方法を体験をしてもらおうとツアーにしたものが、「収穫体験ツアー」です。

実際に「ピッカー」と呼ばれる収穫労働者が使用している「専用のバスケット」や、高い位置の実を採る為の「カギ」と呼ばれる先端がフックのようになった枝も使用してもらいます。

約10分間ですがピッカーになりきって赤く熟した実だけを一粒ずつ、指を使って実をひねり、バスケットに入れて集めます。
10分後には、収穫した量(重さ)をはかりで計ります。
体験ツアーなのでさすがに何時間も出来ませんが、たった10分間だけでも炎天下のもとで立ったままの作業を体験頂くことで、その労働の大変さを実感できることでしょう。

ちなみに、プロのピッカーたちは、朝7時から午後3時までで、100kg以上、中には200kg近く採る人もおり、とった量(重さ)でその日の手当てが決まります。

10分程度の体験ツアーで実際に体験された方の平均的な収穫量は、赤い豆で約500g〜1kg程度。仮にそのペースを7時間続けたとして、収穫量は50kgにも達しません。また1kgのコーヒーチェリーは焙煎豆に換算するとわずか150g程度ですので、普段のコーヒーのありがたみがより身に沁みますね。

体験後には、コナコーヒーのアイスコーヒーやアイスクリームで疲れをとる方も。またツアーに参加した方は、4oz(113g)、約10杯分量の焙煎されたコーヒー豆のお土産をお持ち帰りいただけます!

注:2022年9月現在、「葉さび病」等の関係から一時的にツアーは、催行されていませんが、今後再開予定ですので、どうぞご期待ください。
それではまた来月お会いしましょう、マハロ〜!

UCCハワイ ⼩林(代表)&三⽊よりお伝えしました。

▼前回の農園レポートはこちら!


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