農園のサステナブル活動 −UCCハワイコーヒー農園から− | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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農園のサステナブル活動 −UCCハワイコーヒー農園から−

Ole Ua, ‘Ole Anuenue (No Rain, No Rainbow)は、ハワイのことわざで「雨が降らなければ虹はできない(困難な事のあとには、きっと良いことがある)」という意味。虹が美しいハワイにあるUCC直営農園からみなさまへ、ハワイの今をお届けします。

UCCハワイ農園のサステナブルな取り組みについて

アローハ!今年も早いものでもう師走ですね。1年以上にわたってご紹介してきましたUCCハワイの農園情報ですが、一旦、今月で終了となります。これまでご覧頂いた方々、本当にありがとうございました!今後も新着トピックを発信することもあると思いますので、引き続きよろしくお願いします。

これまでの記事の総集編にもなるのですが、今月はUCCハワイ農園のサステナブルな活動についてご紹介したいと思います。
サステナブルな農業とは、地球の未来を見据えて持続的に農業を続けていけるように、環境や人に配慮した仕組みを取り入れた農業のこと。
農業をするために森林を切り開いて野生生物の住処を破壊してしまったり、農業活動で発生する環境汚染物質を十分に処理しないなどの行為は、将来的な農業の可能性をも潰してしまう、サステナブルではない例として挙げられます。

UCCハワイでは、世界規模での環境問題に対応していくことと同時に、実際に身近で発生している農業の持続性を脅かすような課題に対しても継続的に取り組むことが重要だと考えています。代表的な3つの取り組みについてご覧ください。

1.コーヒーの木の植え替え

1つ目はコーヒーの木の計画的な植え替えです。過去の記事でも紹介しましたが、UCCハワイ農園は今年で開園33年を迎え、栽培されている木々の老齢化が課題になっています。
数年~10年ほどは今のままでも栽培はできるのですが、だんだん木の勢いが落ちていくことで、将来的に農業を持続できない可能性があるのです。
数十年スパンでの長期計画にはなりますが、将来にわたり安定した農業を続けていくため、毎年少しずつ若い苗木への植え替えを進めています。

2.シェードツリーの活用

2つ目は農園内でのシェードツリーの活用です。
コナ地域では、地球温暖化の影響による気温上昇に伴って、ひと昔前よりも収穫時期が前倒しになっています。
コーヒーは気温の高い地域で育つイメージがありますが、高すぎる気温もコーヒーの生育には障害となってしまい、特に標高の低いエリアでは今後コーヒーを作ることができない可能性さえあると言われています。

そこでシェードツリーと呼ばれる木々を使ってコーヒーに日陰を作ってあげることで直射日光を遮り、コーヒーが生育しやすい環境を作ってあげるのです。
コーヒーに日影を作るため、コーヒーよりも生育が早く背の高いものが、シェードツリーに採用されます。わたしたちの農園ではスパニッシュシダーやモンキーポッドを使い、今のうちから気温上昇に対応できる環境整備を進めています。

上の写真はスパニッシュシダー。

こちらはモンキーポッドです。

3.農業廃棄物の有効利用

最後にご紹介するのが農業廃棄物の有効利用です。

コーヒーを栽培する過程では少なからず農業廃棄物が発生しますが、その代表的なものがチェリースキンです。
コーヒーはチェリーの中の種を利用するため、その周りのスキンは剥ぎ取られて基本的には捨てられます。しかし、スキンは酸性成分や微生物の栄養となる有機物を含むので、そのまま放置してしまうと環境汚染や腐敗などにつながるリスクがあるのです。
そこでUCCハワイ農園では、工程で発生するチェリースキンを1か所に集め、微生物で分解を促しながら土壌とミックスし、有機物を含むリッチな土作りに活用しています。そうしてできた土は、先にご紹介した苗木の植え替えに使用。若い苗木の生育をサポートします。

このようにさまざまな農園活動を連動させていくことで相乗効果が生まれ、未来につながるサステナブルな農業ができるのだと考えています。
以上、今月は農園のサステナブルな活動についてご紹介いたしました。

コナコーヒーカルチャーフェスティバル

ここからは、ハワイ島の情報です。
毎年11月初旬にコナコーヒーの収穫を祝って50年前から行われている「コナコーヒーカルチャーフェスティバル」についてお届けします。

ハワイのカルチャーも、コーヒー仕様に。

こちらのフェスティバル、当初はコーヒーに特化したイベントを2~3日間の期間で行われていたそうですが、しばらくしてコーヒーを中心にしてハワイ文化も体験できる「カルチャーフェステイバル」として名称も変更されました。それによって開催期間も10日間に拡張され、さまざまなハワイ文化を体験できるイベントへと発展。
とはいえ、コーヒーにまつわるイベント。ハワイならではのカルチャーもコーヒー仕様で登場します。

例えば「ハワイアンキルト」というものをご存知でしょうか?べッドやクッションのカバーにハワイの植物や生き物をキルトのデザインで表現していくハワイの伝統工芸ですが、これがコーヒーフェスティバルでは、「コナコーヒーハワイアンキルト」になり、モチーフは、コナコーヒーの実だったり葉っぱだったり、他のハワイアンキルト展では見ることのできない独特のデザインになっています。

また、ハワイの花や植物で作れらた「ハワイアンレイ」。
みなさんもハワイの空港でもらったり、フラダンスの人が首からかけているのを見たことがあると思いますが、こちらもコナコーヒーカルチャーフェスティバルでは、「コナコーヒー・レイ」となり、実物のコーヒーの赤い実や焙煎された茶色い豆を使ってレイを編み込んでいきます。
せっかく摘んだコーヒーの実を飲むコーヒーにしないのは、ちょっともったいない気もしないではありませんが、いつも見ているレイとは、また違った美しさがあります。

そして「コナコーヒーレシピコンテスト」では、コナコーヒーを飲み物としてではなく食材として料理に利用。

コーヒーのスープや見たこともないデザートに仕上がっています。

コナコーヒー農園の点在する“ホルアロア”という小さな町は、アートギャラリーでも有名ですが、町の 「アートセンター」は、コーヒーの豆や木・飲み物をさまざまなデザインや絵・形にして表現する芸術家たちの発表の場となります。

普段手に入らない農家のコーヒーも販売!

コナコーヒーの販売もあります。このフェスティバルは、普段お店を持っていないコーヒー農家の方たちが、自分の農園でとれたコナコーヒーを製品にして販売する唯一の場。聞いたことのない名前の「コナコーヒー農家産コーヒー」を手に入れることもでき、フェスティバルの期間中は、小さな町が世界中から訪れた人々で賑わいます。

コナコーヒーを飲料としてだけでなく、文化にして発表する機会でもあり、ぜひ日本の方たちにも体験していただきたいイベントです!


これまで1年にわたりご紹介したUCCハワイ農園の活動、いかがだったでしょうか。少しでもハワイやUCCハワイ農園、コーヒーについて興味を持っていただけたなら幸いです。
UCCハワイでは、インスタグラムなども定期更新していますので、いつでもお気軽にコメントをお送りください!

徐々に海外への渡航制限も緩和され、直近1~2年に比べるとかなりハワイにも来ていただきやすい状況になってきたように感じます。ぜひハワイにお越しの際には、UCCハワイ農園のご検討を。スタッフ一同、みなさまのご来園を心よりお待ちしております!

それではまたお会いできる時まで~ マハロ!

UCCハワイ ⼩林(代表)&三⽊よりお伝えしました。

▼前回の農園レポートはこちら!


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