今回は、陶芸による世界に一つだけのコーヒーカップ作りに挑戦。参加者のほぼ全員が初めてという陶芸体験を通して、陶器のコーヒーカップの特徴や魅力、オリジナルカップならではの楽しみをたっぷりとお伝えしていきます。
INDEX
器によって味わいが変わるコーヒー
コーヒーの味わいや香りは、カップの形や大きさ、素材によって微妙に変化します。
たとえば形状では、飲み口の広さ・大きさで香りに違いが感じられます。飲み口がすぼまったものは、香りがたまるので強く感じ、広がったものは香りをより拡散するのでゆるく感じます。
また、素材についても、陶器、磁器、ガラス、ホーローなど、保温性などの機能面や触れたときの感触・持ったときの質感も様々です。
では、手に馴染む厚みに温かみを感じる陶器のコーヒーカップには、味わいにどんな特徴があるのか、作陶に入る前にちょっと知っておきたい点です。
陶器のコーヒーカップの魅力
今回、私たちの陶芸体験をサポートしてくださったのは、シンプルながらも力強いフォルムと温かみのある作品が特徴の陶芸家、宮崎恭子さん。50年以上陶芸に携わってきた宮崎さんに、陶器のコーヒーカップの魅力を伺いました。
コーヒーの温かさが、長持ち
「磁器と陶器の違いをご存知ですか?磁器は粒子の細かい石の粉から作られ、繊細な形に向いているため、保温性があまり高くありません。
一方、陶器は粘土などで作られ、粒子が粗いため、器に自然と空気が含まれます。この空気が断熱材として機能し、温かさが長持ちします。」
「また、陶器カップは程よい厚みがあり、熱が手に伝わりにくいため、快適にホットコーヒーを楽しめるんですよ。」
なるほど。「陶磁器」と一括りにしていましたが、保温性にも違いがあるんですね。
ほっとする手触りの良さ
「陶器の魅力の一つは、その手触りです。ぽってりとした厚みと手になじむ感触が、陶器ならではの温かみをもたらします。形が少し歪んでいても、それが手作りの良さとして感じられるのもポイント。日本人の感覚に寄り添い、ほっとするひとときを提供してくれます。」
自然な土から生まれる独特の質感が、コーヒーを一口飲むたびに心地よさをもたらし、コーヒータイムをより豊かにしてくれる、と宮崎さん。
確かに、耐熱グラスで飲むのと比べてみたら、その温もりの感覚、よくわかります。
取っ手あり・なしを使い分け
「コーヒーカップには、取っ手の有無が選べます。欧米では取っ手付きが一般的で、持ちやすく、作業をしながらでも飲みやすいです。一方、日本では取っ手なしの湯呑み的な使い方も好まれます。取っ手のないカップを両手で包み込むように持つことで、陶器ならではの温かみを感じながら飲むことが好まれてきました。どちらもいいところがありますね。」
取っ手付きは作業中、取っ手なしはリラックスタイムに使うなど、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめだそうです。
宮崎さんが選ぶコーヒーカップとは?
そんな宮崎さんのお好みのコーヒーカップって、どんなものなのでしょう?
「以前は、丸みを帯びた縁がすぼまった形が好みでした。そのほうが、香りを閉じ込めてくれるし、より保温性に優れていると思ったんです。
でも、最近では飲み口が広がった縦長の形も気に入っています。香りもふわっと広がりやすく、口にぴったり沿ってくれるので飲みやすいから。」
その時々、コーヒーの楽しみたいと思うポイントに合わせて選べるのも、陶器のカップの魅力的なところなのですね。
初めての陶芸体験レポート
さて、いよいよ陶器のコーヒーカップづくりに取り掛かります。
今回は、MAGAZINEスタッフの3人が、チャレンジしてみました。
期待と意気込みとちょっぴり不安の入り混じるなか、三者三様の器作りがスタートです。
1:土を練る
マガジンスタッフA
陶芸は失敗しても、そこから新しい魅力が生まれることもあるから緊張しないで!
宮崎さん
その言葉に少し肩の力が抜け、心から陶芸を楽しもうという気持ちに切り替わった一同。宮崎さんの指導のもと、まずは土を練ることからスタートします。
ところが、これが思ったよりも力がいる作業で、手にずっしりとした感覚が伝わってきます。
マガジンスタッフH
宮崎さん
陶芸と聞くと、最初から土を器の形に整えていくことを想像していましたが、土をまず練るところから始まるというのも新発見。
熟練してくると、土から空気を抜く“菊練り”という練り方ができるようになるそうです。ここから、成形がスタートしていきます。
2:成形!初心者向きの“たたら”板作り
マガジンスタッフA
粘土を指先で伸ばしながら形を整えていく“手びねり”。土を薄く伸ばして、コーヒーカップに合う厚みにカットし、型に巻きつけながら成形していきます。
粘土を水でゆるく溶いた接着剤のような役割をする“ドベ”を使用しながら、板状の粘土を筒状に成形し、カップの底や取っ手をつけていきます。
宮崎さん
マガジンスタッフA
マガジンスタッフH
3:やってみたかった「ろくろ」にも挑戦
宮崎さん
マガジンスタッフY
宮崎さん
ろくろの上で回っている土に手をおくと、冷たさと柔らかさが伝わってきて、手の中で少しずつ形が変わっていく感覚が面白いです。宮崎さんにそっとサポートしてもらいながら、少しずつ手元でカップの形ができあがっていきます。
マガジンスタッフY
宮崎さん
宮崎さんのアドバイスに勇気付けられたスタッフ。そこからは思い切って形を変えてみたり、少しデザインを工夫してみたりと、自由に作業を楽しむことができました。
4:作陶を終えて
マガジンスタッフH
宮崎さん
作業が進むにつれ、全員がますます陶芸の世界に引き込まれていきました。土をこねて、形を整え、デザインを考える過程はとても充実感があり、自分だけの器が少しずつ出来上がっていく喜びはひとしおです。
マガジンスタッフA
宮崎さん
焼き上がりまでにはまだ数日かかりますが、手元に届くまでのワクワク感も陶芸の楽しみのうち、ですね。
作り手らしさ溢れるマイカップが完成!
そしてついに、出来上がったカップがみんなの手元に届きました!
みんなの出来栄えは?思い通りのカップが出来上がったかな?
ドキドキの発表会です。
マガジンスタッフA
それぞれが、とっても味わい深いデザインですね。私のは、作っていたときは「取っ手がちょっと太過ぎるかな?」と気になっていたんですが、出来上がってみるとフィット感があって、まさに私好み!デスクで、ゆったりとしたコーヒータイムを楽しめそう。
マガジンスタッフH
マガジンスタッフY
それぞれ、器の出来上がりに、納得したり、驚いたり。でも共通しているのは、その満足感。美味しいコーヒーを注ぎ入れる瞬間が、待ちきれない様子です。
自分だけのコーヒーカップで楽しむ特別なひととき
自分の思い通りのコーヒーカップを作るプロセスの楽しさ、そして、出来上がったカップで飲むコーヒーの格別な美味しさは、なんともワクワクに満ちた体験でした!宮崎さんがおっしゃっていたように、作っている最中には気になった、ちょっとした歪みや凹みも愛おしく、コーヒーをいっそう味わい深くさせてくれます。
皆さんも機会があれば、ぜひオリジナルのコーヒーカップ作りに挑戦してみてください。楽しいものづくり体験の思い出ごといただくコーヒーが、この秋冬中、あなたの心を温めてくれるはず!
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