「和」と珈琲 -日本人とコーヒーのちょっといい関係-

「珈琲」という文字、誰が作ったの?
あんこに合うコーヒーは?

…などなど、今回は「和」と珈琲の関係をお話してみたいと思います。

最初にコーヒーを飲んだ日本人は?

復元された長崎の「平戸オランダ商館」

日本にコーヒーが伝わった年は、実ははっきりとはわかっていません。
ですが、1641年に、長崎の出島にオランダ商館が移され、そこへ駐在していたオランダ人と接することのできた、当時の役人・通訳をしていた人・遊女などは、コーヒーを供されていたのではないか、と考えられています。

初めて見る、黒く苦い飲みもの、当時の日本人に会えたら、飲んだ感想を聞いてみたいものですね。

「珈琲」という文字、誰が作ったの?

コーヒーが日本に入りってからは、「かひ」「かひぃ」という音にあてた「可否」「可非」などの文字が、コーヒーを表す表現として文献にも数多く残されています。

なかでも、現在も使用されている「珈琲」という文字。これを考案したのは、江戸時代を生きた蘭学者・宇田川榕菴(うだがわようあん)と言われています。

宇田川榕菴は、蘭学の他、西洋の「植物学」を日本へ紹介した人物で、コーヒーの木の枝に実った赤い実の様子が、当時の女性が髪に飾っていた「かんざし」に似ていることから「珈琲」という文字を発想したのだとか。「珈」は髪に挿す花かんざし、「琲」はかんざしの玉をつなぐ紐のこと。「洋」の植物に「和」のエッセンスを感じ取り、文字として残したその創造性には驚かされますね。

また「珈琲」という文字には、「コーヒー」「COFFEE」などの、ほかの綴りにはない深みや味わいも感じられる気がします。ちなみに、宇田川榕菴は「日本近代科学の生みの親」とも言われている人で、「酸素」や「水素」など、化学変化を表す身近な日本語も数多く作っています。もしも彼がいなかったら、UCCの社名も「UCC上島可否会社」だったのかも…!?

「和」の器と合わせてみる

お箸やスプーンなどのカトラリー同様、コーヒーのように、直接食器に口をつけて食するものは、その感触によって受ける印象が変わります。

いつもつるんとした磁器のコーヒーカップを使っている人は、たまには和の器でコーヒーを楽しんでみては。

日本には各地に焼き物の産地があり、生み出される器の質感や風合いも様々、「和の器」と一括りにできないほどのタイプがありますが、つるんと滑らかな磁器と比較すると、総じて、厚めでぽってりとしたフォルムのものも多く、持った手からもふんわりとした温かさや優しさが感じられます。

肩の力を抜いて飲みたい、普段着のコーヒータイムには、そんな和の要素をまとった器を選んでみるのもおすすめです。

「和」のお菓子と合わせてみる

コーヒーとの最強ペアリングとして、ぱっと浮かぶ一番手は、やっぱりチョコレート。しかし!!「和」の甘いもの代表「あんこ」も、これまたコーヒーとの相性が抜群に良いのはご存知ですか?

緑茶やほうじ茶が、あんこの繊細な甘みをどんな時もしっかり受けとめてくれる包容力のあるパートナーだとしたら、コーヒーは、その強い香りと複雑な味わいであんこと混ざり合い、かつ、豆と砂糖だけで形作られたあんこの持ち味をより引き出して広い世界を見せてくれるパートナー(…と言いたい)!

さらに和菓子のタイプによって合わせるコーヒーを選べば、その見える世界もまた変わってきます。
羊羹やきんつばのように、あんこそのものを楽しむ和菓子なら、少し深めに焙煎されたブラジルや、マンデリンのように一癖ある風合いものと合わせてみては。ほっこり…というよりは、元気をくれるような組み合わせです。

また、どら焼きやお饅頭のように、あんこを包む生地の味覚が先に届く和菓子なら、その生地との相性も考えて、ブラジルでも焙煎浅めのものにしてみるなど。あなたの好きなあんこスイーツと相性の良いコーヒーを探してみてくださいね。

ちなみに、CAFE@HOMEシリーズには、その名も「フォーアンコスイーツ(あんこのためのコーヒー)という、あんこと合わせるために創ったブレンドも!

この先もずっと

かつての日本人がおっかなびっくり口にした黒い液体は、「和」と調和…なんてことを今さら考えるまでもないくらい、いまや私たちの日常に溶け込み、なくてはならないものになりました。

世界中の人々の生活を潤してくれるコーヒーですが、気候変動による生産地の変化、そこで働く人の問題など、この先も考え続けるべき課題があります。いつまでも美味しいコーヒーが飲み続けられる世界でありたいものです。

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