こんなに味が違うの!?コーヒーの深炒り・浅炒り『ハルのコーヒー』Vol.4 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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こんなに味が違うの!?コーヒーの深炒り・浅炒り
『ハルのコーヒー』Vol.4 

実家を出てひとり暮らしをはじめたコーヒー初心者の「ハル」。おいしいコーヒーを淹れられるようになる!を目標に、回り道しながらも日々奮闘しています。コーヒーのスペシャリスト、「天の声」に見守られながら歩むハルのコーヒー道。はじまりはじまり。

前回のおさらい

みなさんこんにちは、ハルです!
前回ドリッパーの種類、その違いは?では、いろんなドリッパーを知りました。そして形によって抽出のスピードがだいぶ違ったり、その違いがコーヒーの味にも影響するとわかってびっくり。で、最初のものと違う2つ目のドリッパーもGET〜銀色スタイリッシュ♡

そして今回「天の声」からいただいたミッションは「以前とは違う豆をもう一度用意する」というものでした。以前と違う豆かぁ…確かにお店にはいろいろな豆が並んでいたし、どんなふうに違うのかな。気になります。前回はずらっと並んだコーヒー豆に圧倒されてしまったけれど、今回はもうおどおどしないんだから!と決意して、いざお店へ。

豆に書かれたラベルをチェックしながら、背筋を伸ばしてコーヒー豆と対峙します(笑)。でもいろいろあって…やっぱりコーヒーの種類はよくわからない…なんでこんなにあるの…けど、習うより慣れろ(座右の銘)!

ふと目に留まった「タンザニアキボキリマンジァロ」というお豆をセレクト。
タンザニアはアフリカにある国で、キボは地名で、キリマンジァロが銘柄で、キリマンジァロは、アフリカ最高峰の山の名前、とお店の人が教えてくれて、ほぅ〜なんだか、地理の勉強してるみたい(笑)
「挽き具合は、ペーパーフィルター用でお願いします!」

え?これってコーヒー?!なんかハーブティーみたい…

前とは違う新しいコーヒー、楽しみで帰り道は自然に急ぎ足になっちゃいました。ただいま〜。
早速、コーヒーの袋を開けると、ふんわりといい香り。先日教えていただいた方法で「ちゃんと」淹れてみることにします。紙フィルターセットして、お湯はゆっくりと注いで…

いただきま〜〜す。
と、おおおおおお!?

え、ちょっとまって。
淹れ方は間違ってなかったはず。ちゃんとキッチンスケールの上で分量までちゃんと計って入れたんだし。ドリッパーも最初のと同じのを使ってるし速度も大丈夫なはずなんだけど、なにこれ?!なんか、フルーツとか酸っぱい系のハーブティーみたいな…え。これ紅茶なんじゃないのコーヒーなの?
こんなコーヒー初めて飲んだんですけど。

焙煎の違いを知る

(天)ハルさん、ハルさん、大丈夫ですそれもコーヒーですよ。ハルさん、きっと比較的浅炒りの焙煎の豆を選んだのですね!

(ハル)天の声さん…よかったこれコーヒーですよねT^T そして浅炒り?焙煎?なんですね?

(天)はい。焙煎とは、生豆を炒ること。コーヒー豆ってコーヒーの木の「種」の部分なので、火を通す必要があるんです、生豆に熱を加えて、飲める状態のコーヒー豆にするのが「焙煎」です。
ステーキでも、ミディアムとかレアとかありすよね?コーヒーにも熱の加え方によっていろんな段階があって…その浅い焙煎の方を選んだのでは、って思います。

(ハル)な、なるほど!ステーキの焼き具合の違いみたいな感じに、コーヒー豆も焼き具合に違いがあるんですね!

焙煎度合いによって味や香りがずいぶん違う

(天)コーヒー豆は焙煎度合いによって味や香りがずいぶんちがって来るんです。茶褐色の色をした浅炒りのものから、黒に近い色の深炒りのものまでいろいろあるのですが、ハルさんの飲んだコーヒーは結構豆の色も薄いですよね?

(ハル)はい、もう粉にしてもらってますけど、確かに上の色に近かった感じです。そうか、このコーヒーは浅炒りのお豆さんだったのですね…最初のコーヒーは真ん中くらいだったのかな。

(天)そうですね。家庭用として売られているものの多くは中炒りなので、親しみのあるのは真ん中くらいのものだと思います。
もちろん、アイスコーヒー向けに深炒りのものも売られてますし、今回ハルさんが買ったものみたいに、商品の豆の特徴を生かすために浅く焙煎しているものもありますね。

(ハル)最初のものと全然違う感じでびっくりしちゃいました。なんかハーブティー飲んでいるみたいな。

(天)ハーブティー!なるほどローズヒップのイメージかしら。コーヒーの味わいとして表現するときは、その酸味も含めてフルーティーって言い方をしますね。この感じが好きな人も多いんですよ。

この豆をどのくらいの焙煎具合にするかは、腕のみせどころ!

(ハル)…なるほどです。ステーキと同じように、焙煎具合で好みはすごい分かれそうですね。これってちなみに、豆の種類によって焙煎を変えたりもするんですか?

(天)はい、します。豆をどのくらいの焙煎度合いにするかは、焙煎屋さんやメーカーの腕の見せどころでもあって、例えばレストランでも「このお肉はこのくらいの焼き加減で食べて欲しい」っていうのがあるように、豆の美味しさを一番良く引き出すためにはこのくらいの焙煎、というように豆の焙煎度合いを決めているんです。自分の望む味わいにするために、こだわりを持って施しています。

さっそく飲み比べてみよう

(天)違いは飲み比べてみるのが一番!3種類のコーヒー粉を用意したので、飲みくらべてみましょうか。

(ハル)わぁ、ありがとうございます!
粉にしても色味の違いはうっすら感じますね。どれからいこうかな。

(天)こういうときは、深炒りから試してしまうとちょっと違いが分かりにくくなってしまうので、浅炒りの方から試していきましょうか。

浅炒りを飲んでみた

(ハル)淹れた感じの色は、ちょっと薄いかな。紅茶みたいな感じもする。香りは…ジャジャン!

植物?実みたいな、ちょっと青っぽい…お花でこんな香りのものがあったなって思いました。そして味わい、なんていうか果汁?コーヒー飲もうと思ってこの味を想像しないというか、やっぱり浅炒りは結構びっくりしちゃいますね。

(天)そうですね。浅炒りのコーヒーは舌に重くなく軽やかな味になります。いわゆるアメリカンコーヒーって言われるのはこんな感じですよね。
豆によっては豆の持つ本来の酸味が引き出されてフルーティーに感じることも。

中炒りを飲んでみた

(ハル)今度は中炒り。一般的に出回ってるタイプということで、確かに見た目も珈琲屋さんでよく飲むいつものコーヒーな感じ。
味わいはどうでしょうージャジャン!

(ハル)香りは浅いときよりちょっと重めな感じ。コーヒーらしい感じの香り。味は、さっきの浅炒りよりもとんがりがなくて、まろやかさを感じました。ちょっと フルーティーな感じもありつつ、苦みも感じないことなくて、もともと知ってるコーヒー。

(天)はい。多くの人が飲み慣れてるのが中炒りのコーヒーですね。

深炒りを飲んでみた

(ハル)そして深炒り。まずは香りを嗅いで…
ってうそ、この香り知ってる!なんか海苔みたい。焼き海苔の香りに似てるかも。もしくはスモーク感?
そして味わいは、んんんんん♪

これぞコーヒーって感じ。苦いけれど、コーヒーを買って飲んだって充実感を感じるというか、コーヒー専門店とかで出てきそうな味で、ホッとしちゃいました。

(天)焼き海苔!なかなか日本人らしい表現で面白いですね。苦みや香ばしさを一番感じやすいタイプなのは間違いないです。ちなみに、どんなコーヒーでも深く焙煎すれば苦みは強くなり、苦み以外の特徴がわかりにくくなってしまうので、ちょうど良い焙煎度を見極めるのも職人の腕の見せどころですね。

好きな味を見つける、そして食べ合わせで考える

(ハル)それにしても、炒り方でこんなに味わいが変わるんですね。

(天)同じ豆でも焙煎度合いが違うとこれだけ大きく味わいが違うんです。それを感じてもらえたようでよかったです。豆の種類が違うとまた味わいって全然変わってくるんですけど、焙煎度合いはコーヒーの味わいを決める大きな要素。
好きなコーヒーを探す手がかりになるものになるし、自分の好みの焙煎度合いを見つけておくと良いですね。

(ハル)好きな焙煎度合いかあ、今回3つ飲んでみて、わたし結構深炒りなのが好きなんだなって思いました。

(天)新しい味の魅力発見ですね!昔ながらの「ザ・喫茶店」といった風情のお店は、看板ブレンドもコク深タイプだったりしますね。そういうお店が好きな方は深炒りが好きかもしれません。もちろん一緒に食べるものとの相性にもよるので、中炒りくらいの薄さが好きっていう人も、チョコレートを渡すと深いのが美味しいって言われたり。炒り方の違い、食べ合わせもいろいろ試してみると楽しいですよ。

次回はコーヒー豆の保存について

(天)さてハルさん、新しく買ってきたコーヒーもあるし、そろそろ気にして欲しいなと思うのが「コーヒーの保存」について。ということで次回までのミッションはこちら!

(ハル)ほ、保存!気にしてなかった!
う、梅ちゃんはどうしてるんだろう、とちょっと聞いてみたらこんな写真来た。

(梅ちゃん)俺、袋のまま折って開かないように軽く輪ゴムつけてる。…それでキッチンの棚に置いている感じ。ダメ?

い、いやわかんない!いい気もするけど何が正解?!

さて次回のハルのコーヒーは、コーヒーの保存、ちゃんと!。買ってきたコーヒー豆をおいしく保つには、いくつか大切なポイントがあるのです。そしてハルがやってみたかった保存方法とは?!
どうぞ次回もお楽しみに!

今回の天の声

UCCコーヒー博物館 学芸員
コーヒー鑑定士
香月麻里

96年にUCCコーヒー博物館・学芸員職に就く。98年日本人女性3人目のコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)となる。2007年からUCCコーヒーアカデミー専任講師としてコーヒー作法~フードペアリングの授業を担当。

▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!


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