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「エスプレッソ」ってどんなコーヒー?
ペーパードリップで淹れるコーヒーと、同じコーヒーとは思えないほど濃厚なエスプレッソ。初めて飲んだ時、その量の少なさとコーヒーの濃さに驚いた人も多いかもしれません。教えてくれた宮前が「コーヒーソースのようなもの」と言うのもうなづけます。
エスプレッソは、細かく挽いたコーヒー粉に圧力をかけて一気に抽出する、イタリア生まれのコーヒーです。1杯あたりのコーヒー量は、使うコーヒーや目指す味わいで変わりますが、6~12g程度。抽出されるコーヒーの量は25~35mlです。
エスプレッソを淹れるカップは、フランス語で“小さなカップ”という意味の「デミタス」と呼ばれます。
ちなみにペーパードリップの場合、1杯あたり12g前後のコーヒーを使って140~160ml程度のコーヒーを抽出します。使うコーヒーの量はそこまで大きく変わらないのに、エスプレッソの出来上がり量は、ペーパードリップのおよそ5分の1。いかにコーヒーの成分がぎゅっと濃縮された液体かがわかりますね。
「乳化」がポイント。エスプレッソの抽出方法。
では宮前講師に簡単に抽出方法を説明してもらいましょう。
業務用のエスプレッソマシンを使う手順で説明しますね。
まず専用のミルを使ってコーヒー豆をパウダー状に挽き、ポルタフィルターに詰めていきます。
コーヒー豆は極細(ごくぼそ)に挽くので、酸化を防ぐために抽出する直前に都度挽きます。
そしてタンパーと呼ばれる器具を使い詰めた粉の表面をしっかりと固め、すばやくマシン本体へセットしたら、高いポンプ圧をかけて短時間で抽出していきます。
隙間なく詰めたコーヒーの粉の間に、圧力をかけながらお湯を通過させることで、本来分離するはずの水分と油分、つまり「熱湯」と「アロマオイル」がしっかり混ざり合います。この現象を「乳化」と言いますが、ペーパードリップとは大きく異なる点ですね。
おいしいエスプレッソは「クレマ」に注目!
コーヒーのうまみや香りがぎっしり詰まったエスプレッソ。おいしさの決め手のひとつが表面いっぱいに浮かぶ泡の層「クレマ」です。
上手く抽出できたエスプレッソの表面には、きめ細やかで厚みのあるクレマができます。香りを閉じ込め、液体を保温し、エスプレッソ自体の口当たりをまろやかにする効果もあります。
クレマの出来は、抽出の善し悪しをはかるバロメーターにもなります。きめ細やかなクレマは、スプーンでかき混ぜてもすぐに消えません。それが良くわかるのが、お砂糖を入れたとき。お砂糖がすぐに沈むことなくクレマの上にのり、やがてゆっくりと吸い込まれるように沈んでいくのです。
たっぷりと砂糖を入れて。エスプレッソをおいしく飲む方法
エスプレッソはどのように味わうもの…?ストレートで飲み干すのがイタリア流?それともミルクを入れるもの?
まるでコーヒーのエキスを味わうようなものなので、ペーパードリップで淹れたコーヒー感覚で飲むと、思った以上に苦く感じられるかもしれません。
飲み方は、好みもありますが、コーヒースプーン2杯くらい(8~9g)の砂糖を入れるのがおすすめです。コクというか、味に厚みが出てきますよ。
30mlの液体に対してスプーン2杯分の砂糖は多く感じられるかもしれませんが、これがイタリアで日常的に飲まれているスタンダードな味わい方。初めて「エスプレッソ」にチャレンジする方にこそ試してほしい飲み方です。
エスプレッソ自体の量が少ないし、すごく熱いわけでもないので、イタリア並みに入れると、溶けきれないお砂糖がカップの底にジャリッと残るんですね。それをスプーンですくって食べると、カラメルのような味わいでおいしいですよ。
イタリア料理は塩分が強め。ふだんの食事で糖分を摂るシーンが日本ほど多くない中で、砂糖を加えたエスプレッソを飲むという文化が根付いています。イタリアでは、アルコールも提供するコーヒーショップ「バール」が人気ですが、店内の立ち飲み用のカウンター「バンコ」で、仕事前や昼食後にサッと注文してエスプレッソを飲む人も多いんですよ。
エスプレッソのアレンジメニュー「カプチーノ」
エスプレッソをフォームミルクでアレンジしたものが「カプチーノ」。エスプレッソ単体で飲むよりも馴染みがあるかもしれません。厚みのある専用のカップで提供されることが多いカプチーノは、口当たりが良く、エスプレッソとミルクとの相性も良いので、エスプレッソのおいしさをマイルドに味わます。
ちなみにイタリアでは、朝食にバールで甘いパンとカプチーノをいただくスタイルが定番です。
エスプレッソにフォームドミルクを注ぎ入れながらさまざまな模様を表面に描くデザインカプチーノを楽しめるお店も増えました。バリスタの見事な技で、リーフやハートなど、素敵な絵柄で提供されると、気分も上がりますね。
最近では3Dラテアートも人気ですよね。
エスプレッソでとっておきの時間を
最近では家庭用のエスプレッソマシンも登場し、抽出時のパワーは業務用ほどではないものの、おうちでも比較的手軽にエスプレッソやエスプレッソを使ったアレンジメニューが楽しめるようになりました。
とはいえ、本格的なエスプレッソを味わいたいと思ったなら、バリスタがいるカフェにもぜひ足を運んでみてください。技を磨いたバリスタがオーダーごとに丁寧に抽出するエスプレッソは格別。ペーパードリップとは一味違う魅力にハマってしまうかもしれません。
UCCでは、今回教えてくれた宮前も勤務していた、ミラノスタイルのイタリアンバール「カフェラ」を京都、大阪、神戸で展開しています。豊かな香りと力強い味わい、滑らかな舌触り…ぜひ、おいしいエスプレッソでとっておきの時間をお過ごしください。
今回教えてくれたのは・・・
宮前 みゆき Miyuki Miyamae UCCコーヒーアカデミー講師 2000年、高校卒業後、「UCCカフェコンフォート熊本交通センター店」でのアルバイトをきっかけにバリスタを目指す。2004年、JBC(エスプレッソ部門)全国大会準決勝進出後、入社。2007年度JBCにおいて、史上最年少、初の女性選手として優勝。同年、日本代表としてWBCに出場。総合4位、個別部門ではベストカプチーノ賞を受賞。
「UCCコーヒーアカデミー」で会いましょう!
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