すべてのコーヒー豆をチェックする“品質管理の番人”[COFFEE CREATOR’S FILE 10 山道理弘] | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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すべてのコーヒー豆をチェックする“品質管理の番人”[COFFEE CREATOR’S FILE 10 山道理弘]

「一杯のコーヒーができるまで」…そこにはUCCのコーヒークリエイターたちの「おいしい事実」があります。

コーヒー豆の品質を保つ“番人”として

UCCが輸入するすべてのコーヒー豆の品質検査を行う「コーヒー鑑定士」。現在、そのトップに立つのは、原料輸入部・品質検査室に勤務する山道理弘です。日々、コーヒー豆と真摯に向き合い、厳正なチェックを繰り返す山道のこだわりとは——。

UCCが輸入するコーヒー豆は、生産国からの買い付けが決まった段階ですでに高い基準を満たしています。しかし、UCCでは、事前にサンプルの豆を取り寄せ、厳正な品質管理を行なうことで、さらにクオリティの高い生豆だけを仕入れる体制を整えています。その「サンプル豆の品質管理」の責任者が山道です。

1日で約30種類のコーヒー豆を評価

次から次へとチェックを待つサンプルの生豆が届きますので、それらを豆ごとに焙煎して、カッピング(コーヒーの味や香りの評価)をするのが私たち「コーヒー鑑定士」の仕事です。多い時では1日に約30種類の豆の品質を確かめます。

「コーヒー鑑定士」とは、コーヒー豆に関するあらゆる知識や、焙煎やブレンドの技術を身につけた者が取得できる資格制度。山道が持っているのは、世界一のコーヒー産出国・ブラジルの鑑定士資格「クラシフィカドール」で、UCC社内でも取得者はわずか数名という極めて難しい資格です。

コーヒー豆の品質を保つ“番人”

コーヒー豆はとてもデリケートな農作物です。豆の種類や産地によって味が違うのはもちろん、その年の作柄や管理方法によっても味が変わってくる。同じ農園で採れた同ランクの豆でも、日照時間や降雨量が違えば味は変化しますし、保管状態の良し悪しも味や風味に大きく影響してきます。

私たち「コーヒー鑑定士」の仕事は、そうした微妙な味の違いをチェックして評価すること。当然、「UCCの基準を満たしていない豆は仕入れられない」と判断しますので、いわばUCCのコーヒー豆の品質を保つ“番人”のような役割でしょうか。

“レジェンド”から受け継いだこと

いまではUCCのコーヒー豆の品質管理を任されている山道ですが、ある人物との出会いが彼を「コーヒー鑑定士」として成長させてくれたと言います。

社内で8番目の「カップテイスター」に

私は、入社後は中央研究所(現・UCCイノベーションセンター)で分析の仕事を経て、缶コーヒーを製造する兵庫飲料工場に6年間在籍したのですが、ちょうど5年目の時にUCC社内で「カップテイスター」(※)の制度ができました。

その時に、私をイチから鍛えてくれたのが松原(敏雄)さんという、それまでUCC製品の味の設計を一手に担ってきた“レジェンド”のような方です。松原さんは、当時ブラジルにあったUCCの検査機関を立ち上げた人でしたし、当然、カップテイスターの1号認定者だったのですが、本当に指導が厳しくて(笑)。最初はかなり怒られました。

たとえばカッピングをする際でも、「酸味がある」だけではもちろんダメで、「どのくらいの強さで、どういう酸味だ?」と矢継ぎ早に質問が飛んでくる。でも、そうやってマンツーマンで指導してもらったおかげで、私は社内で8番目のカップテイスターになることができました。いま思えば、とてもぜいたくな時間だったと思います。松原さんは2005年に亡くなりましたが、知識や技術だけじゃなく、コーヒー豆への向き合い方など、本当に大切なことをたくさん教えていただきました。

「カップテイスター」(※)=UCC独自の社内制度で、コーヒー生豆の売買に際して、産地、銘柄ごとの品質を鑑定するために行う味覚検査をするための資格。香り、酸味、甘味、苦味、コクや欠点となる異臭・異味の有無など、さまざまな味の要素をチェックする能力が求められる。

焙煎とカッピングに全神経を集中させる

こちらに届いたサンプルの生豆を鑑定するため必要なのは、「目視評価」と「味覚や嗅覚を使った官能評価」です。目視チェックでは、コーヒー豆のサイズや、割れた豆や枝などの夾雑(きょうざつ)物が混入していないかを調べますが、官能チェックでは生豆を焙煎・抽出してそれぞれの豆の味や風味を評価していきます。

焙煎は豆の個性がもっとも出やすい度合いに加熱するのが大事なポイント。この時にわずかでも焙煎度が違うと、鑑定結果にも誤差が生じてしまうのでとても気を使う作業です。

実際に味や香りを評価するカッピングでは、それぞれのサンプル豆につき、抽出したコーヒーを6杯ずつ用意します。チェックするのは8項目(香り・苦味・甘み・酸味・渋味・力強さ・安定感・後味)。同時に、カビ臭や発酵臭などの「オフフレーバー」と呼ばれる欠点がないかも調べます。

カッピングは毎日20〜30種類行うので、スピードと正確性が求められます。もちろん味覚と嗅覚を鋭敏に保つ必要があるので、必ず午前中に行います。普段の生活でも「コーヒー鑑定士」はタバコは厳禁ですし、平日はお酒も飲みません。体調管理にも気を使いますし、口の中や鼻の中を火傷すると適正な評価ができなくなるので、熱い食べ物や飲み物にも気をつけています。

多い時は1日で300杯以上のカッピングを行う山道ですが、毎朝の日課は奥様が淹れてくれたコーヒーを飲むことだとか。「朝、コーヒーを飲むと、頭がすっきりしますし、『よし、今日もがんばるぞ』という気持ちになれますよね」。

次世代に向けたメッセージ

いま私は「コーヒー鑑定士」として、UCCが製品化するすべてのコーヒー豆の品質評価をしていますが、一番大切にしているのは「ブレないこと」です。私が少しでも甘い評価をつければ、その時点でUCCの全製品のクオリティが下がってしまうわけですから。

これは師匠の松原さんがよく言っていたことですが、コーヒーの味には正解もなく、結論もありません。でも、私たちが気を抜いてしまうと、社内全体に迷惑をかけてしまいますし、何よりお客さまをがっかりさせてしまう。ですから、いっさい妥協はなし。少しでも評価に迷ったら、必ずバツ印をつけるようにしています。

子どもの頃から「がんこな性格だね」と言われます。でも、今の仕事では役に立ってるのかもしれませんね(笑)。

いま、私は社内の若い「カップテイスター」を育てて指導する立場にもありますが、知識や技術だけでなく、コーヒーに対するブレない気持ちも受け継いでいってもらえたらと思います。

愛用のコーヒーグッズは

「カップテイスター(クラシフィカドール オブ UCC)」の資格を取得したときに授与されたカッピングスプーンとエプロン。

心に残る、最高のコーヒーは?

「乗っていた車が泥道でスタックして困っていた時に、助けてくれた農園主の家で飲んだコーヒーが抜群でした。でも、残念なことに農園の名前もコーヒー豆の品種も覚えてないんです。私の中の“幻のコーヒー”です(笑)」

SCM本部 原料輸入部 担当課長
山道理弘(やまみち まさひろ)
1991年入社。中央研究所(現UCCイノベーションセンター)を経て、兵庫飲料工場で缶コーヒーなどの品質管理を担当。96年に六甲アイランド工場へ異動後、コーヒーアドバイザー、コーヒー鑑定士、カップテイスター、CQI認定Q グレーダーの資格を取得。その後、六甲アイランド工場や富士工場での品質管理責任者を経験し、2012年より現職。UCCが輸入するすべてのコーヒー豆の品質管理を行う総責任者である。

(部署名・役職は取材当時の情報です)

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