世界各国からの“コーヒーの長旅”を支える責任感[COFFEE CREATOR’S FILE 13 村田夏帆] | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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世界各国からの“コーヒーの長旅”を支える責任感[COFFEE CREATOR’S FILE 13 村田夏帆]

「一杯のコーヒーができるまで」…そこにはUCCのコーヒークリエイターたちの「おいしい事実」があります。

「責任重大な輸入業務の窓口です」

「原料輸入部はUCC製品全体に関わる部署なので、責任と同時に大きなやりがいを感じています」と言う村田夏帆。この日も、ジャマイカから届いたブルーマウンテンの生豆などの荷下ろし(デバンニング)作業に立ち合いながら、倉庫の担当者との打ち合わせに余念がありませんでした。そんな村田の仕事にかけるモチベーションの源とは——。

わたしは原料輸入部に所属して、UCC製品に使用する「コーヒー原料」を海外から仕入れて、国内の各工場に納品するまでの管理を担当しています。

コーヒー原料というのは、コーヒーの生豆はもちろん、インスタントコーヒーやコーヒーエキスなどを含むコーヒー製品の原材料のこと。UCC製品に関しては、商社から国内で購入する契約分以外はすべて、わたしたち原料輸入部が現地の生産者やサプライヤーと直接やりとりをして、仕入れから納品までを一貫管理しています。

UCCグループ全体において、全国の工場や支店から受注したコーヒー原料の納入手配から品質管理に至る工程を請け負っているのが原料輸入部です。
「生豆の品質管理」に関しては、先に公開している「COFFEE CREATORS FILE」で登場した同じ原料輸入部の山道理弘が仕切っています。村田が担当しているのは「仕入れから納品」のプロセスになります。

原料輸入部では、コーヒー原料だけでなく、エスプレッソマシンなどのコーヒー関連の機器の輸入も請け負っているので、扱う品目がとても多く、異動当初は、業務に慣れるまでたいへんでした。「自分にできるかな」と不安に思うこともありましたが、上司や先輩に教えていただいて、日々経験を積みながら仕事をしています。

海外サプライヤーとのやりとりから、船便のスケジュール管理まで

幼少の頃から海外での生活が長かったという村田。「大学ではスペイン語を専攻していたので、英語はそれほど得意ではないのですが、学生時代から『海外とやり取りする仕事がしたい』と考えていました」。いまはその目標通りに日本と海外とを結ぶ役割を担っています。

海外とのやりとりは基本的には英語でのメールが主体になります。内容は多岐に渡りますが、たとえば、ジャマイカからブルーマウンテンの生豆を輸入する場合、ジャマイカの輸出業者と売買契約を交わして、その契約に基づき船積みされる貨物の商品代金を支払い、貨物が日本に到着するまでの船のスケジュール管理など、仕入までのスケジュールを調整します。

また必要に応じ、輸出国での輸出通関~貨物の輸送~日本への輸入通関業務を請け負うフォワーダー(代行業者)への各種の手配依頼や折衝を行います。各諸手続きの申請方法にも細かな違いがあるので、法令を遵守すべく、その都度、各方面に確認を取りながらの作業になります。

輸入業務に必要な書類(請求書、パッキングリスト、船荷証券、原産地証明書等)の確認したあとは、海外への送金や船便の運行状況をチェックしたり、船の入港日や貨物の倉庫への搬入手配の状況を確認したり、保険会社に貨物の通知をしたり…。

そうした流れが何本も同時進行しているので、毎日が確認と報告と催促の連続です。なかなか思うようにいかないことも多いのですが、お願いしたものがちゃんと輸入できた時はホッとします。そんなときはコーヒーが一段とおいしく感じますね(笑)。

輸入された生豆は最適な状態で管理

UCCが各生産国から輸入するコーヒー豆は、横浜港、名古屋港、神戸港で荷揚げされ、いったん倉庫で保管されたのちに、全国の工場へ届けられます。神戸で一時保管を担当するのは、UCCと長年お付き合いいただいている川西倉庫株式会社さま。創業100年以上になる物流業の老舗です。

船便で輸入されたコーヒーの生豆は、農水省の植物検疫を受けた後で倉庫に保管されます。コンテナから貨物を取り出す工程は「デバン作業(デバンニング)」と呼ばれますが、コーヒーの麻袋は1袋が60〜70キロ、樽は70〜80キロもあるのでたいへんな作業です。

生産国から届いた生豆入りの麻袋

川西倉庫さまでは、生豆をコンテナから降ろす「デバンダー」という機械で作業の軽減化と安全を担保してくださっています。

ちなみにこのデバンダーは、麻袋をひとつずつ取り出すことができる高性能なもので、日本国内にもまだ3機しかない設備だそう。

日本国内に3機しかないデバンダー
デバン作業(デバンニング)
ジャマイカから届いたブルーマウンテンの樽はひとつずつ手で

それぞれ正確に重さが測られた生豆は、倉庫で一時保管され、各工場へ出荷されることになります。

川西倉庫さまには、コーヒーの保管に最適な温度(約15℃前後)と湿度(約60%)を保った定温庫があり、この数年、UCCのコーヒー豆の保管を担当してくださっている杉田さまもコーヒーの扱いにとても詳しいので、わたしもいままで教わることがたくさんありました。

↑ 川西倉庫株式会社 杉田光隆さま(左)

たまに工場への出荷量が予定と変わることもあるのですが、こちらの急なお願いにも嫌な顔一つせず対応してくださるので、本当に頭が上がりません。

「世界中の人々の協力があってこそ」

原料輸入部に配属されたときに「輸入」という仕事をイチから勉強しました。わからないことがあれば上司に聞いたり、自分で本を読んだり、輸入に関わるセミナーに出席したりして勉強したのですが、仕事をしながらわかってきたことがあります。

それは、「輸入」というのは一方方向のモノの流れではなく、「モノとお金と書類の流れ」が複雑に絡み合う世界だということです。

そして、原料輸入部の仕事を続ける中で、コーヒーの輸入には本当に多くの人が携わっているということを肌で知りました。
現地の生産者やサプライヤーはもちろん、日本の物流関係や倉庫会社の方々の協力も欠かせませんし、デバン作業を見ていてもわかるのですが、川西倉庫の皆さまは、たいへん手間のかかる作業にも関わらず、貨物内容を一つずつ丁寧に確認してくださいます。

そうしたたくさんの方々の協力があって、お客さまにUCCのおいしいコーヒーが届けられているのだと思います。

オフィスの中だけで仕事をしていると、「品質のいいコーヒー豆が納期内に到着するのは当たり前だ」と考えてしまいがちです。でも、その「当たり前」には多くの方の協力があるのを忘れないようにしたいと思います。

現在の仕事にはすごくやりがいを感じていますし、まだまだ足りない部分もあって毎日反省してばかりです。でも、大学でせっかくスペイン語を勉強していたので、今後は「スペイン語圏の生産者の人たちともやりとりができればいいな」と思っています。

愛用のコーヒーグッズは

「家で愛用しているドリッパーは、カリタの3つ穴式です。ダブルウォールタンブラーはコーヒーが冷めにくいのでおすすめです」

心に残る、最高のコーヒーは?

「入社後に研修で働いた店舗で、生まれてはじめて買ったレギュラーコーヒーが『エルサルバドルのエルモリート』です。甘味があって、バランスがよくて、すごく飲みやすい。もともとブラックコーヒーは苦手だったのですが、『エルモリート』を飲んでから意識が変わりました」。

SCM本部 原料輸入部 主任
村田夏帆(むらた なつほ)
2018年入社。最初に配属されたのは、コーヒーの焙煎豆を扱う原料営業部(東京本部)。その後、得意の語学を買われ、2019年12月から約1年間、海外営業を手がけるUCC International(株)に出向。2021年1月から現職。UCCが直輸入するすべての生豆やインスタントコーヒー原料の仕入れから在庫管理までの一連の工程を担当する。

(部署名・役職は取材当時の情報です)

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