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コーヒータイムの名脇役「器」のお話|コーヒーカップの歴史や選び方を解説

2019.06.26
コーヒーを飲む幸せな時間は、「器」無しには成り立ちません。美味しさを際立たせ、飲むときの気分を盛り上げてくれるコーヒーカップは、コーヒータイムを彩る名脇役。今回は、そんな「コーヒーの器」の歴史や選び方をご紹介します。

伊万里の湯呑みがヨーロッパ貴族のコーヒータイムに

コーヒーを飲む文化が最初に発達したのはイスラム圏。取っ手のない小ぶりのカップが使用されていたようです。やがて、17世紀初頭にはコーヒー文化がヨーロッパの王侯貴族へと伝わりますが、当時のヨーロッパはまだ磁器を焼く技術を持っていませんでした。そこで、中国の磁器や日本の湯呑みが海を越え、ヨーロッパ貴族のコーヒータイムを彩ることになったのです。

18世紀になり、ヨーロッパで初めて磁器の焼成に成功したのが、名窯「マイセン」です。以来、マイセンでは「伊万里」や「柿右衛門」など日本のデザインを手本にしたカップが盛んに作られるようになり、やがてフランスやイギリスなどでも、各地で工夫が凝らされたデザインの磁器が誕生するようになりました。

▲ マイセン窯 取っ手のないカップ&ソーサー「UCCコーヒー博物館」所蔵 

カップに取っ手がつけられたのはなぜ?

取っ手がつけられるようになったきっかけは、実ははっきりとはわかっていません。マイセン窯では、1715年頃に左右に取っ手がついたカップ&受け皿が作られています。ヨーロッパにはビアジャグなど取っ手がついた器が既に存在していたことなどからも、ヨーロッパ窯がコーヒー用の器にも取っ手をつけたのではないかと考えられています。

▲ マイセン窯 カップ&ソーサー「UCCコーヒー博物館」所蔵

コーヒーカップの選び方次第で、味や香りが変わる

▲ 形や大きさも様々なカップ&ソーサー(奥は、飲み口が髭を押さえる仕様になっている髭の人用カップ)いずれも「UCCコーヒー博物館」所蔵

大きさの違い

コーヒーカップは容量によって大きく分類することができます。

① スタンダード
容量が120~140cc程度のもの。喫茶店等で提供される標準的なサイズ。

② デミタス(フランス語でデミ=半分、タス=カップ)
スタンダードの約半量が入り、フルコースの食事の際に用いられる。

③ モーニング
少し多めの160~180cc程度入るもの。

④ マグカップ、カフェ・オ・レボウル
用途によりサイズは変わるが、多くはモーニングよりも容量は多め。

素材の違い

素材が違えば、飲み口に触れたときの感触やカップを持ったときの質感も変わり「五感で味わう」という点で印象が変わってきます。

① 陶器
厚みがあり、あたたかみが感じられる。特に厚みがあるものは冷めにくい。

② 磁器
透き通るように白く滑らかな磁器は
コーヒーの水色(すいしょく)が映える。

③ ガラス
中身が見え、デザイン性が高いものも。耐熱ガラスはホットにもアイスにも。

④ ホーロー
独特の質感が好まれる。保温性、保冷性が高く、コーヒーが冷めにくい。

⑤ ステンレス
割れない&錆びないのでアウトドアなどで使用されることが多い。

形の違い

飲み口の広がり方や深さといった“器の形の違い”が、コーヒーの香り方にも影響を与えます。

例えば、シャンパングラスのように底から飲み口に向かって広がるラッパ型のカップの場合、香りが拡散しやすくなります。一方、フルートグラスのように飲み口が狭い直線的な形のカップで飲むと、香りがカップの中に留まりやすく、カップに鼻を近づけるほどに香りを強く感じます。

あなたが普段使っているカップはどんな形状ですか?異なる形状のカップを使っていつも飲んでいるコーヒーの印象がどう変わるかをチェックしてみても面白いかもしれませんね。

おいしさを左右するのは「温度」。カップは温度の番人!?

味の印象を大きく左右する要素のひとつに「温度」があります。人が心地良さを感じる飲み物の温度は、体温のプラスマイナス25℃前後と言われています。つまり、冷たいものなら4~6℃くらい、温かいもので68~70℃くらいが適温ということになります。

コーヒーの飲み頃の目安と言われているのは、ホットなら68~70℃、アイスコーヒーなら4~6℃くらい。

飲むタイミングで飲み頃の温度帯に仕上げるためには、作っている間の温度変化を意識したり、カップを温めておくこと(アイス用のグラスなら冷やしておくこと)も大切です。

95℃前後のお湯で抽出されたコーヒーがカップに注がれる頃にほぼ適温になるとして、ここでもし温めていない冷えたままのカップに注いだらどうなるでしょうか?コーヒーの温かさはカップに奪われ、温度は急激に下がってしまいます。

飲み頃の美味しい温度で飲む、あるいはお客様へお出しするために、カップは必ず温めておきましょう。カップだけでなく、受け皿(ソーサー)やスプーンも温めておくことで、保温性はさらにアップ。「おいしく飲んで欲しい」という心配りが、コーヒーの温かさも保ってくれるわけですね。

楽しさ・美味しさを演出してくれる「器」選び

毎日のコーヒータイムに、親しい友達とゆっくり過ごすときに、ちょっとしたおもてなしに…。シチュエーションに合わせてカップを選んでみると、いつものコーヒータイムがより豊かになります。

また、自分がどんな味わいを好むか、もしくはコーヒーの持つ個性をより引き出すことを考えてカップを選ぶこともできそうです。コーヒーの楽しみ方としては少々ハイレベルかもしれませんが、次にカップを選ぶ時の参考にしてみてください。

カップにこだわったら、ぜひコーヒーの淹れ方にもこだわってみましょう。

自宅でできるコーヒーの淹れ方|器具別の抽出方法や知っておきたい豆知識

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