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国としての基本情報
南米大陸北西端の国「コロンビア共和国(以下、コロンビア)」。探検家クリストファー・コロン(別名コロンブス)がアメリカ大陸を発見したことにちなみ、「コロンの地」を意味する名が国名となりました。
北はカリブ海、西は太平洋に面し、エクアドルやペルー、ブラジル、そして運河で有名な中米のパナマが周辺諸国です。
日本の約3倍もの広さを持つ国土は、東部と西部それぞれに大きな特徴があります。標高が低く、ブラジルに繋がる密林「アマゾン熱帯雨林」が広がっている東部。一方で、西部には太平洋の海岸線に平行して南北にアンデス山脈が連なり、標高の高い地域で上質のコーヒーが生産されています。
植民地支配の歴史を経て形成された、多様性に富む人々と文化
国内には首都のボゴタを中心に5,000万人超の人々が住んでいます。約7割の国民がカトリック教徒で、スペイン語が公用語となっています。
もともと、コロンビアはネイティブアメリカンのコミュニティが形成されていた国でした。後にスペインによる植民地支配を受け、1810年に独立。現在の国の形になったのは1903年にパナマが分離独立してからです。
このような背景から、国民のルーツはさまざまで、特にヨーロッパ系と先住民系のルーツを持つ人が多いと言われています。また、コロンビアは政治的戦略の要所でもあったため、アフリカ系や中東系など移民も多く、多様性に富む人々の音楽や衣装もまた多種多様です。
主食のコメのほか「アレパ」と呼ばれるトウモロコシ粉で作られたパンもよく食べられています。チーズと小麦粉を混ぜ、丸めてボール状に揚げる「ブニュエロ」はコロンビア人の定番のおやつです。
コーヒーの歴史など
18世紀後半に栽培スタート
国内で栽培が始まったのは18世紀後半です。
商業的な栽培地は北部の「サンタンデール」ですが、コーヒーの世界的な需要増加に伴い、生産エリアが拡大されました。現在では主にアンデス山脈に沿う形で北部・中部・南部と大きく3つのエリアで栽培されています。
コーヒーがもたらした観光スポット
2011年には「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」として、アンデス山脈に広がる中部の生産地の一部が、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。
アンデス山脈の厳しい環境において、100年以上もの間、人々の努力によって持続的にコーヒー栽培が行われ、独自の文化が築かれたことが評価されたそうです。
このエリアのキンディオ県モンテネグロの町にあるコーヒーのテーマパーク「国立コーヒー公園」は、年間100万人以上が来園する人気観光地となっています。
コーヒー大国のおもてなしは、やっぱり「コーヒー」
コーヒー農家に限らず、どのお宅を訪問しても、必ずコーヒーでもてなしてくれるのがコロンビア流です。コロンビアの人々は、やや濃いめのしっかりとしたボディと、ふくよかな甘みを好む傾向にあります。
近年は栽培・生産のみならず、自国のコーヒーを味わおうと、カフェも多く展開されるようになりました。特に都市部では、品種や精選、抽出方法、ペアリングなど、こだわりの1杯を楽しめる環境も整ってきています。
採れるコーヒーの特徴
コロンビア国内の年間総生産量は、75.6万トンと世界第3位(22/23クロップ、USDA調べ)。アラビカ種の代表的な産地の一つであり、安定した品質で知られています。
主に以下の産地でコーヒー豆が作られています。
・シエラネバダ(北部)
・アンティオキア(中部)
・キンディオ(中部)
・ウイラ(南部)
・ナリーニョ(南部)
地域で異なる自然環境と栽培方法
北部、中部、南部の各栽培地域では、自然環境や栽培方法が異なります。
北部
標高が比較的低く気温が高いため、他の地域より日照時間が長めです。コーヒーの木に直射日光が当たりすぎて豆の品質が下がらないようにする工夫として、地形を利用したり、背の高い木「シェードツリー」を植えたりして日陰を作り、栽培しています。
中部
1年を通じて雨季と乾季が繰り返し起こるため、収穫時期が複数発生します。主な収穫時期は9月から12月、「ミタカ」と呼ばれるやや少量の収穫は4月から6月です。
南部
北部と対照的に標高が高く、昼夜の寒暖差が大きい地域です。豆は硬くなり、酸味をしっかりと蓄えます。
味わい・等級
1927年に、国内のコーヒー生産者が設立した「コロンビアコーヒー生産者連合(通称FNC)」は、世界有数のコーヒー輸出団体です。そのFNCが傘下に置いている「セニカフェ」は、コーヒーの研究機関として、コーヒー豆の品種改良や、良質な品種の国内頒布を管理しています。
栽培の歴史は「ティピカ種」から始まり、その後「ブルボン種」も導入されました。現在ではセニカフェの研究が実り、耐病性・多収性に優れるカスティージョ種が広く栽培されているため、地域ごとにコーヒー豆の大きさや形には差がありません。ただし、土地が広大で栽培地区によって生育環境が大きく異なるため、同一品種でも味わいにバリエーションがあります。
<各地方、各地区で栽培されるコーヒー豆の味わい>
■北部地方
ナッツやチョコレートのようなフレーバーで、どっしりとしたタイプ。
最北部「シエラネバダ」地区
アルワコ族など先住民が多く暮らす地域。穏やかなナッツ系やスイートスパイス系の味わい。
■中部地方
バランスの良い酸味とフルーティかつハーブのような香り。
北西部「アンティオキア」地区、中西部「キンディオ」地区
甘みとボティのバランスが良く、どっしりとした骨格の中に穏やかなベリー感や、柑橘系の爽やかな余韻が感じられる。
■南部地方
鋭い酸味と柑橘の香り。
南部「ウイラ」地区
国内最大の産地。甘みと酸味のメリハリがあり、ミントの爽やかさやフレッシュな果実のみずみずしさが印象的。
最南部「ナリーニョ」地区
ブラッドオレンジのように濃厚で、円熟した酸味や糖蜜のようなとろみのある甘みも際立っている。
等級について
ふるいにかけてコーヒー豆の大きさを決める「スクリーンサイズ」と、虫食いや傷のある豆「欠点豆」の混入率でグレード分けされます。最高等級の「スプレモ」や「エクセルソ」などは他国と比べてもスクリーンサイズが均一で、形も美しく整っています。
農事調査室から「地元農園とともに、最高品質の美味しさを追求しつづけます」
室長の中平は、中部のアンティオキア県モンテベージョにて、最高品質のコーヒー栽培が可能な農園の所有者ハイメ氏と出会いました。この農園は2,000mを超える山の傾斜地に広がっており、ガリバー旅行記で登場する空飛ぶ島「ラピュタ」を意味するスペイン語“ルパタ”の名を冠しています。
2018年には品質の優れた有望品種の栽培を共同で開始するなど、ルパタ農園と農事調査室は、美味しさを追求する取り組みを続けています。また、この農園で栽培されたロットはUCCが仕入れ、「UCCドリップポッド」のカプセルとして毎年限定販売していますので、ぜひチェックしてみてください!
UCC 農事調査室 主要原産地に出向き、コーヒーの栽培状況などを調査・研究しています。 担当 日比 真仁、中平 尚己、井上 隆裕
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