カップの底に未来が見える!?トルコ式コーヒーのお話

春のアイコンのひとつ、チューリップ。ふんわりと愛らしい姿は、見るだけで明るい気持ちにさせてくれます。オランダのイメージが強い花ですが、原産国はトルコ。そしてトルコと言えば、独特な飲み方をする伝統的なコーヒーがあります。

今回は占いもできるトルコ式コーヒーのお話を。

トルコ式コーヒーとは?

コンスタンチノープル(現:イスタンブール)に世界初のコーヒーハウスと言われている『カフェ・カーネス』が登場したのは、ヨーロッパにカフェができるよりも1世紀以上早い、1544年のことでした。

トルコ式コーヒーは、英語で「ターキッシュ・コーヒー」。コーヒーファンの間では比較的よく知られた飲み方ですが、実際に飲んだことがある方は、まだまだ少ないかもしれません。

簡単に説明すると、「ジャズベ(CEZVE)」、または「イブリック(IBRIK)」と呼ばれる、小さなひしゃく型の抽出器具を使ってコーヒーを煮出し、粉を濾さずに上澄みを啜って飲むものです。

トルコ式コーヒーの作りかた

コーヒーは焙煎度の深めのものを用意し、小麦粉のようなごく細かいパウダー状まで挽きます。分量は一人分あたり8~10gが目安。砂糖は火にかける前に好みの分量を先に加えます。トルコ語で言えば「チョク(たくさん)」「オルタ(中くらい)」「アズ(少し)」「サデ/シェケルスズ(砂糖なし)」といった具合に。

ジャズベに杯数分のコーヒーの粉、好みの量の砂糖を入れたら、1杯分60~70cc(小ぶりのカップ1杯分)として水を加え、弱火にかけます。

スプーンでまぜながら煮出してゆくと、徐々に泡が出来てくるので、「沸騰させては火からおろす」という工程を2~3回繰り返します。細かな泡が浮かび上がれば出来あがりです。

トルコ式コーヒーの飲みかた

粉は濾さずに、そして泡を消さないようにカップにそっと注ぎ、粉がカップの底に沈むのを待ってから上澄みをいただきます。まったりとした味わいで、コーヒー豆の個性を余すことなく楽しめる飲み方です。

粉を濾さずに飲む理由

「濾す」コーヒーの歴史は浅い?

フィルターで濾したコーヒーを飲むことに慣れた私たちにとって、粉の混ざったコーヒーの飲み心地は賛否両論かもしれません。

しかし、コーヒーの長い歴史から見ると、粉を濾す抽出方法の歴史はまだ浅く、フランスでネル地の袋を使って濾した1710年頃がはじまりと言われています。

その後、1763年にパリで輪を取りつけたネル地の袋を、器の中に浸してからコーヒーを抽出させるポットが発明されました。さらに1800年頃、ドゥ・ベロワというパリの大司教がドリップポットを設計し、ようやくコーヒーの粉を漉して飲むスタイルを普及させていったのです。

残った「粉」が重要なのです

こうした歴史を経て、ペーパードリップや手軽なコーヒーメーカーが数多く登場した現代になっても、なぜトルコでは変わらずコーヒーの粉を漉さずに飲むのでしょうか?

上澄みを飲み干したカップの底には、ドロリとしたコーヒーの微粉末が残るのですが、トルコでは、このカップの底に溜まったコーヒーの粉で「占い」をします。

つまり、コーヒーは単なる飲み物というだけではなく、未来の成り行きを訪ねる相手として、日々の生活の中で気持ちの拠りどころになっているわけですね。飲んだ後にもお楽しみがあるってちょっと素敵ですね。

トルコ式コーヒー占い

やり方は簡単。飲み終えたコーヒーカップにソーサーを被せてからひっくり返し、カップの底に指をのせてお祈りをします。器が冷めたら、カップの底から広がったコーヒーの粉の模様を見て占います。

UCCコーヒー博物館に展示されている資料によると・・・

■全体に流れている →好調に展開、周囲からの協力に期待が持てる
■底に固まったまま →じっと我慢の時、他人との論争は避ける
■取っ手の方に流れていたら →大きな幸運に恵まれる 直感力、想像力が冴える
■取っ手と反対の方に流れていたら →健康に要注意
■飲み口の方に流れていたら →直感を過信せず、結論を急がずじっくりと考える

なんだとか。

世界を旅して、カフェ巡りをする、各国のコーヒースタイルを楽しむ…そんな日々が戻ってくるまでには、もう少し時間がかかりそうですが、いつかトルコを訪れる機会があれば、ぜひトルコ式コーヒーを飲んで、コーヒー占いも体験してみてください。

コーヒーが教えてくれるのは、どんな未来でしょうか?

こちらの記事では「トルコ式コーヒー」のほか、様々なコーヒーメニューをご紹介しています。

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