希少価値の高い「ハワイコナ」の産地 アメリカ合衆国「ハワイ」 −コーヒーベルト・コレクション− | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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希少価値の高い「ハワイコナ」の産地 アメリカ合衆国「ハワイ」 −コーヒーベルト・コレクション−

コーヒーの木は、赤道をはさんで北緯25度・南緯25度の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯で栽培され、生産国は60カ国以上に上ります。生産地ごとに異なるさまざまなブランドや、その特徴や味わいについてご紹介します。

生産国としての基本情報

言わずと知られた人気リゾート・ハワイは、アメリカ合衆国の50番目の州。太平洋の中央に位置し、8つの主要な島と、100以上の小島から構成されています。観光で最も有名な州都ホノルル市があるのは、オアフ島。ハワイ諸島の中でも最も大きく若い島がハワイ島、通称「ビッグアイランド」です。(ハワイ島の面積は日本の岐阜県とほぼ同じです)

キリマンジャロ、ブルーマウンテンに並ぶ世界3大コーヒーのひとつと称されることもある「ハワイコナ」は、このハワイ島コナ地区で生産されるコーヒーの名称です。

また、ハワイの州花は「マオ・ハウ・ヘレ」と呼ばれるハイビスカスの一種で、黄色い花をつけるハワイの固有種です。他にもよく知られた「プルメリア」をはじめ、南国ならではの多種多様な鮮やかな花を見ることができます。

「人種のるつぼ」から人口減少傾向へ転じた事情

人口は州全体で約130万人。ホノルルのあるオアフ島だけで約100万人で、ハワイ島は約20万人となっています。

ハワイでは1800年代に大量の移民を受け入れたことで、数多くの人種・民族がコミュニティを形成して生活しています。日系移民は良く知られていますが、同時期に中国人、フィリピン人、ポルトガル人の移民も多かったとされ、結果として人種のるつぼとなりました。

ハワイの食料自給率は約10%と低く、野菜や乳製品、肉類のほとんどはアメリカ本土からの輸入で賄っています。その他、日用品なども輸送コストがかかるため、物価は非常に高いとされます。とくに近年は不動産価格が高騰しており、アメリカ本土から移り住んできた若者などが、生活が苦しくなり本土に戻るということが起きているほか、移民も減少傾向にあります。そのため、直近7年連続で人口が減少しています。

伝統の魚料理からパンケーキまで、多彩な食文化

ハワイの伝統料理で有名なのが、ダイス状にカットした魚を調味料に漬けた「ポキ」をどんぶりにしたポキ丼。いわばハワイ版の海鮮丼で、中でもハワイ語でマグロを意味する「アヒ」を使ったアヒポキが人気です。他にも魚では、ハワイ語でシイラを意味する「マヒマヒ」がよく獲れ、フライなどにして食べます。

その他、ロコモコ、アサイーボウル、ガーリックシュリンプ、マラサダ、スパムむすび、パンケーキなど多様な人種構成から生まれた多彩な食文化は、日本人を含め観光客にも人気です。

コーヒーの歴史など

1825年、ブラジルのリオからオアフ島にコーヒーノキが持ち込まれ、栽培が始まったとされています。もともとハワイ島ではサトウキビの大規模プランテーションが盛んで、1800年代は日系を含む各国の移民が生産を下支えしていました。一方でコーヒーは、生産量は少ないものの個人農家が家族経営で栽培を続けていました。

その後、生産コストの増加と、砂糖価格の上昇抑制が原因でサトウキビ栽培は衰退し、主要な農産品としてコーヒーが残ることとなりました。1910年頃にコーヒー栽培を手掛けていた農家は、80%以上が日本人移民だったとされています。

1970年以降にはハワイの観光業が発展し始め、相対的にコーヒー生産の魅力が薄れたため、コーヒー農家の後継ぎが減少し、農園が閉鎖される事例も出始めました。現在でもその傾向は変わらず、対照的にハワイ産のコーヒーの希少性は年々高まっています。

採れるコーヒーの特徴

ハワイ州におけるコーヒーの生産面積では、ハワイコナの栽培地であるハワイ島コナ地区が約40%と最も広く、2番目はカウアイ島となっています。ハワイ島では、コナ地区の他に、カウ、ハマクア、プナなどのコーヒー産地があります。

ハワイ島は活火山であるキラウェアやマウナロアを有する火山島で、土壌は溶岩と火山灰を多く含み、ミネラル分が豊富で、水はけも良いコーヒー栽培に適した土地柄です。

伝統的にアラビカ種ティピカが多く、明るく柔らかな酸味と滑らかな口当たりが特徴です。

高値で取引される「先進国のコーヒー」

ハワイ州全体での生産面積は2,900ha程度で、年間生産量はわずか約2,000t(うちハワイコナ地区は1,000t強)。これは世界のコーヒー生産量の、わずか0.05%未満です。

また、先進国アメリカにあってさらに物価・人件費の高いハワイでは、他の生産地よりも生産コストが遥かに高くなります。生産量の少なさと相俟って、希少性は高まり、そのため他のアラビカ種の生豆の市価に比べて大幅な高値で取引されています。

恵まれた環境と徹底した品質管理が生む一大ブランド「ハワイコナ」

コナ地区は標高250〜800m程度と他の生産地と比べて高くはないものの、肥沃な火山性土壌に加え昼夜の寒暖差、日照条件など、栽培に理想的な条件が揃っています。

栽培される品種は、90%以上がクラシカルなティピカです。

ハワイコナの名称は、ハワイ州農務局の厳しい検査を合格した、高品質の生豆のみが呼称を許されています。コーヒー豆の麻袋ごとに等級・コード番号などが記された「品質証明書」が発行され、麻袋に付けられたラベルと照合することで、輸出後も生産履歴が辿れるというしっかりとしたトレーサビリティ体制が整えられています。

毎年1〜3月頃に一斉にコーヒーの白い花が開花すると、一帯に雪が降り積もったかのような美しい景観が広がることから「コナスノー」と呼ばれ、親しまれています。

味わい・等級

アラビカ種ティピカがメインなので、楕円形の豆でやや大粒。トロピカルフルーツを思わせる明るく柔らかな酸味と、滑らかな口当たりが特徴です。

欠点混入率とスクリーンサイズによって、エクストラファンシー、ファンシー、No.1、プライムの4つの等級に分けられます。

農事調査室から「UCC直営農園を通してコーヒー栽培の次世代技術の開発に取り組んでいきます」

1989年に直営農園を開設して以来、UCCはハワイコナと深いつながりを持っており、コナマラソンやコナカルチュラルフェスティバルに協賛し、地域を盛り上げています。また、UCC直営農園では観光客のみなさんに見学してもらえるように開放している他、農園併設のキオスクでは直営農園産のコーヒーをご購入いただけます。

最近ではこれらの取り組みに加えて、土壌改良による生産性改善や、食品安全を担保する世界的な認証の取得、衛星リモートセンシングの実証実験、ハワイでは珍しい品種や精製方法の導入など、様々な実験的な取組みを行っています。

農事調査室では、世界各国の産地で得た知見をハワイの直営農園に導入し、ブラッシュアップした技術を世界に還元していけるような体制を目指して日々の取り組みを続けています!

UCCハワイの取り組みについては、UCCハワイの担当者から、1年間毎月届いた現地レポート、「UCCハワイ農園から」もぜひご覧ください。


UCC 農事調査室
主要原産地に出向き、コーヒーの栽培状況などを調査・研究しています。
担当
日比 真仁、中平 尚己、井上 隆裕 

生産地ごとのコーヒーを味わってみたくなった方へ
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「UCCカフェメルカード」は、全国で22店舗(2023年1月現在)を展開しているUCCのコーヒー専門店です。お店のテーマは「MEET YOUR BEANS 私好みのコーヒーに出会う場所」

UCC直営農園産のコーヒーや、コンテスト入賞ロット、産地・農園指定のコーヒー、UCCの知恵と技術を駆使して創作するブレンドコーヒーなど、良質で個性豊かなコーヒーを幅広く取り揃えています。

年間通して、世界各国のコーヒーをお求めいただける店舗ですので、こちらの記事を読んで産地ごとの違いを味わってみたくなった方は、ぜひ店頭にも足を運んでみてください。コーヒー選びに迷っても、知識豊富なスタッフが丁寧にアドバイスしますよ!

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