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前回のおさらい
みなさんこんにちは、ハルです!
前回は、コーヒーの味わい表現について、6種類のコーヒーで体感しました。フルーティーとか、ナッツのようなとか、飲み比べをしながら言葉を頼りに味わってみると、確かにそんな味を感じるのです。「味のかくれんぼ」って天の声さんが言っていたように、コーヒーの中に潜むいろいろな風味を見つけられたのは嬉しかったなあ。そして今回はフードペアリング♪
食べ物とコーヒーを組み合わせてベストな味わいを探してみましょう、と言われたのでむっちゃテンション上がってます!おいしいもの食べれる会♡
コーヒーと食べてみたいもの持ってきて、と言われたので、最近コーヒーを飲み始めたという友達の梅ちゃんをさそって、チョコレートと、天津甘栗と、羊羹を買ってきました〜。
フードペアリングしてみよう
ハルさん、そして梅ちゃんこんにちは〜。おいしそうな食べ物、ありがとうございます。今日は3人でお茶会ですね!
(ハル)天の声さんこんにちは!すでにおいしそうなコーヒーの香り!
(梅)こんにちは、飲み比べ初めてなのですっごい楽しみにしてました!
(天)よろしくおねがいしますね。
コーヒーは用意しておきました。今日はこれらのコーヒーとフードペアリングしていきましょう!
(天)それではまず、一度コーヒーを少しずつ飲んでみて…味の違いを感じつつ、自分の好みのコーヒーはどれか教えてもらえますか?
(ハル・梅ちゃん)はーい!
(ハル)飲んでみました。わたしは…「コロンビア(深炒り)」が好みでした!なんかホッとする味わい。梅ちゃんはどうだった?違い感じられた?
(梅)うん、こんなに飲み比べたの初めてだけど、全然味違うのにびっくりしてるよ。好きなの1つ選ぶとしたら…オレは「ブラジル」が好みかなあ。
(天)好みの味わい見つけられましたね。それでは、フードペアリングをはじめましょうか。まずはチョコレートからです!
鉄板のおいしさ!チョコレート&コーヒーでフードペアリング
(天)チョコレートとのペアリングを試してもらいたいコーヒーは…そうですね「ブラジル」と「コロンビア」と「コロンビア(深炒り)」の3種類で試してみましょうか。ペアリングの順番は、まずコーヒーを飲んで味を確認してから、チョコレートをちょっとかじる。そしてコーヒーを飲む、の順番で。
最初に飲んだコーヒーの味から、食べ物の素材が加わることで味わいがどう変わるのかを感じてみてください。チョコレートもコーヒーもどちらの味も引き立つコーヒーを見つけられるでしょうか?
(ハル)ふむふむ。じゃあまずは「ブラジル」から飲んでみますね。
あーーーうーん、なんだろう。「ブラジル」をそのまま飲んだ時よりも、チョコレートをあわせることで、より酸味が強く感じられる気がする。
(天)すごい!ハルさんだいぶ舌がこなれてきてますね。
梅ちゃんはどうでしたか?
(梅)うーん「ブラジル」は確かに、チョコレートの甘さがあるからか逆の味が強調されるような気がする…けどオレさっき「ブラジル」が好きって言ったじゃないですか。でも、チョコレートと一緒に飲むなら、「コロンビア(深炒り)」の方がおいしいって思っちゃったんですよ、ちょっとびっくりしてます。
好みが変わっちゃった感じ。
(ハル)あ、わたしもチョコレートと「コロンビア(深炒り)」がむちゃくちゃ合ってると思った!同じだね〜。
(天)いいですね!このチョコレートには「コロンビア(深炒り)」が相性が良いと、わたしも思いました。チョコレートとコーヒーって誰もが知っている鉄板の組み合わせですが、チョコレートの良さが生きてくるコーヒーは、どちらかというと深炒りなんです。
そしてチョコレートにもいろんな味がありますけど、例えば抹茶チョコだと、もともとお茶っぽさを持つ「コロンビア(深炒り)」はよく合いますし、今回の「ブラジル」は中炒りですけどこれが深炒りになったら、アーモンドチョコレートが良く合います。
(ハル)あ、こないだ天の声さんから「ブラジル」の風味を表現するのに “ローストナッツの香ばしさ(ナッツ感)”って教わりました!「ブラジル」にそもそもナッツ感があるから、アーモンドチョコレートで響き合うということ…なのですね!
(天)そのとおりです!
(梅)わあ、ハルちゃん…やるなあ。
季節の味、栗のコーヒーフードペアリングは…
(天)さあ次は秋の味覚ですよ。甘栗でフードペアリングしてみましょう。
(梅)天津甘栗たくさん持ってきました!出します。
(ハル)栗を一生懸命むいていると、なんかシーンとしますね(笑)
(梅)だね、…夢中になっちゃう(笑)ええと、どのコーヒーとあわせましょう?
(天)では、コロンビアとブラジルとマンデリンで飲んでみてください。どっちが勝つわけでもなく、うま〜く味わいがまとまるのはどれでしょう。
(ハル)うーーん、言語化難しいですけど、「コロンビア」だと野菜ジュース感というか…なんだかチグハグ感がある。
(梅)うん「コロンビア」だと、なんかまとまってない感じがする。「ブラジル」の方が合う気がするなあ…。「マンデリン」は…う〜んむつかしい。
(天)ちょっと栗は味がフラットでわかりづらかったかもしれないですね。種明かしをすると、合う方向性としては栗やお芋とかアーモンドなどの味は、ブラジルがよく合うんです。
(天)もうひとつ一般的な種類ではないのですが… 「ジャバロブ」も用意してみたので、こちらも試してもらいましょうか。梅ちゃんは「ジャバロブスタ」を飲むのは初めてですか?
(梅)初めて、だと思います。あまり種類とか意識したことがないけど…まずこのまま飲んでみますね。あ!香りからすでにちょっと違う。
(ハル)こないだわたしも初体験で、ジャバロブスタの味わいにびっくりしたところ!…って梅ちゃん、目が見開いてるよ!!
(梅)うわーこれ、玄米茶っぽい…実家で飲んでる玄米茶みたい!
(ハル)うんうん麦茶?って思う。…日本のお茶なら栗と味わいは合うのかな?あーーーでも少し香りが消える感じがするかも?
(天)栗の風味にコーヒーが覆いかぶさって、飲まれちゃう感じですかね。フードペアリングとしてはコーヒーが勝ってしまってるってことでしょう。
羊羹にぴったりの味わいをみつけた!
(天)次は羊羹ですね。羊羹は「ブラジル」でしょうかねー
(ハル)あ、「ブラジル」と羊羹、むっちゃあいます!おいしい〜!たのしい〜!他のはどうだろう?
(梅)オレ、「モカ」がすごい良いと思った。引き立て合ってると言うか、羊羹の風味を延長している感じ?…ちょっと飲んでみてください!
(天)モカ、ああ!いいですね。この羊羹の甘味がそれほど強くない分、最初に甘さがすっと流れて、モカのやわらかい香りが引き立ってくる感じがしますね。違う味になって、おいしさに花が開いていると感じます。
これは梅ちゃん、発見でしたね。モカ、とってもよく合うとわたしも思いますよ。
甘いものだけじゃない。味の変化を楽しむ組み合わせ
(天)それではちょっと別のものもあわせてみましょうか。チーズとお煎餅を用意してみたんです。
(ハル)チーズですか?コーヒーとチーズって考えたことなかったかも!これはどのコーヒーとあわせてみましょうか。
なにこれミルキー!チーズの味がとろける〜
(天)チーズと一緒に飲むなら、コーヒーは冷めないうちに飲みたいですね。「キリマンジァロ」だとたぶんちょっと弱いと思うので…ミルキー感みたいにふわっと浮いてくる感じがするのは、さてどれでしょう。
(ハル)わあ天の声さん、これすごいです!今たまたま飲んだんですけど「コロンビア」がすごいっ。「コロンビア」とチーズがあわさってびっくりするほどミルキーになる!!
(梅)ほんとだ!口の中が牛乳みたいになってるよ!
(天)見つかりましたね〜。「コロンビア」の味わいは同じ酸味でもヨーグルトのような酸という表現をするのです。チーズも乳酸系の酸を持っていますが、似た者同士を掛け合わせることによって相乗効果が広がるという、そういう事例のひとつですね。
(ハル)感動的な味わいです〜
(天)お煎餅はモカとあわせてみましょうか。
(ハル)薄い醤油の味わいが、最初は酸味を感じたコーヒーも、そこまで気にならなくなる印象があります。
(天)酸味が酸味で中和される感じはありますね。醸造されたお醤油の酸味が、モカの発酵臭とよく合っているなと感じます。
印象に残った組み合わせは?今度家でもやってみたい!
いやあ、コーヒーの味がいろいろあることは知っていたし、もちろん食べ物もいろんな味があるわけだけど、組み合わせでこんなふうに味が変化したり、違う感じ方をするなんて思ったことなかった。
わたし、ハルのベストペアリング、をひとつだけピックアップするとしたら…チョコレートと「コロンビア(深炒り)」。コーヒーだけでもふわっとした癒し感のある感じなのに、チョコレートと合わさるとぐっとまろやかになって…シアワセがあふれて感動しかない!
(ハル)梅ちゃんはどれが印象に残った?
(梅)オレは、羊羹とモカ!羊羹に合わせるならお茶でしょ?って今まで無意識に思っていたのに、コーヒーとこんなによく合うなんて、それだけで驚きだよね。
新しい世界をみるには思い切ってやってみなくちゃなあ〜なんて思っちゃった。
(天)コーヒーを選ぶときって自分の好みで選びますよね。でも飲み合わせてみるとこんなふうに際立つ組み合わせってあるんです。だから今度スイーツを買うときには、家にどういうコーヒーがあったかな?って考えて選んでみてください。
また、お菓子などをお持たせするときに、一緒におすすめのコーヒーを選んで持っていく、なんていうのも粋でおすすめですよ。基本は、重た目の味わいのスイーツには、深炒りやボディ感を感じるコクのあるコーヒー、軽めのスイーツであればライトな味わいのもの…って選ぶと失敗しません。
自分のコーヒーの好みを認識して、どんな食べ物と合わせて飲むのか考える。そして食事のあとなのか、ティータイムなのかなどいただくタイミングを考えると、コーヒー選びはもっともっと奥深いものになりますよ。
次回のハルのコーヒーは
(天)さて、ちょっとハルさんにお願いがあるのですが…
(ハル)え!なんでしょう!なんでもやりますっ
(天)実はですね、今度SCAJという大きなコーヒーのイベントがあるんです。そこでイベントを体験してきてもらいたいんです。いろいろな世界のコーヒーが集まるし、ハルさんにとっても新しい発見があると思います。
(ハル)むっちゃ楽しそうなイベントじゃないですか!そんなの行くに決まってます(笑)
(ハル)行くからにはちゃんといろいろ見てきたいし、天の声さんにもしっかり感じたことをレポートしたい!楽しみだなあ〜
ということで、次回のハルのコーヒーはSCAJの様子をレポートします。世界各国のコーヒーのことや、スペシャリティコーヒーのことについて。ハルの目線でみるSCAJをどうぞお楽しみください。
今回の天の声
UCCコーヒー博物館 学芸員
コーヒー鑑定士
香月麻里
96年にUCCコーヒー博物館・学芸員職に就く。98年日本人女性3人目のコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)となる。2007年からUCCコーヒーアカデミー専任講師としてコーヒー作法~フードペアリングの授業を担当。
▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!
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