コーヒー発祥の地「エチオピア」 −コーヒーベルト・コレクション− | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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コーヒー発祥の地「エチオピア」 −コーヒーベルト・コレクション− 

コーヒーの木は、赤道をはさんで北緯25度・南緯25度の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯で栽培され、生産国は60カ国以上に上ります。生産地ごとに異なるさまざまなブランドや、その特徴や味わいについてご紹介します。

国としての基本情報

アフリカ大陸の北東部に位置する内陸国「エチオピア連邦民主共和国(以下、エチオピア)」は、別名「アラビカ種の起源」と呼ばれる、コーヒー発祥の地です。
首都は標高2,400mのアディスアベバ。エリトリアやジブチ、ソマリア、ケニアを含む周辺地域の形から「アフリカの角」と呼ばれています。

国土面積は日本の約3倍。平均標高約1,700mのエチオピア高原(アビシニア高原)が国土の半分を占めています。
また、アフリカ大陸を南北に貫く巨大な谷「グレートリフトバレー(大地溝帯)」によって、高原は東西に二分されます。コーヒーの産地が多いのは南西部ですが、北東部のハラールでも古くから生産されています。

エチオピア人の誇り「植民地支配を受けなかった国」

人口は約1億1,787万人と、アフリカ大陸の中ではナイジェリアに次ぐ人口規模です。オロモ人、アムハラ人、ティグライ人、ソマリ人といった約80の民族からなる多民族国家で、公用語にアムハラ語、オロモ語、英語などが使われています。

イタリアによる植民地支配を受けた1936年~1941年を除いては、独立を維持したエチオピア。19世紀にアフリカで数々の国が植民地化される中でも独立を保ち続けたことから、国内では「一度も植民地になったことがない国」と信じられており、誇り高い国民の心のよりどころとなっています。

国民食「インジェラ」とコーヒーセレモニー「カリオモン」

エチオピアの人々の主食は「インジェラ」。粉末にしたイネ科の穀物「テフ」を水と混ぜて3日間かけて発酵させ、クレープ状に焼き、具材をつまんで食べる国民食です。独特の香りと乳酸菌による強い酸味が特徴で、肉や野菜を辛く煮込んだスパイシーなシチュー「ワット」などとともに味わいます。
ほか、ヤギ肉料理や牛の生肉料理、スパイスをたっぷり使った刺激的な料理も有名です。

エチオピアのコーヒーの歴史など

“コーヒー”の語源説

キリスト教圏では「世界で初めてコーヒーを見つけた」とされる、山羊飼いカルディの伝説の地として知られているエチオピア。世界中で飲まれているコーヒーはエチオピアではじめて発見され、アフリカ大陸から世界へ広がっていきました。

南西部のカファ地方で、世界で初めてアラビカ種が発見されたことから、カファの名がコーヒーの語源になったという説があります。

コーヒーの代名詞「モカ」

エチオピアほか中東・イエメンのコーヒー豆を指して「モカ」と呼びますが、その名はイエメンの港名・モカ港に由来します。かつてイエメン産コーヒーとあわせてエチオピア産もモカ港を経由して輸出されていました。

また、コーヒー業界の習わしとして、エチオピア産は「エチオピア・モカ」「モカ・ハラー」などと呼ばれています。古くは、主にバニーマタル地方のイエメン産コーヒーを「モカ・マタリ」と呼ぶなどして区別されていました。

コーヒーでおもてなし「カリオモン」

また、エチオピアのコーヒー文化を語る上で欠かせないのがコーヒーセレモニー「カリオモン」です。「カリ」は「コーヒー」を、「オモン」が「一緒に」を意味する言葉で、さながら日本の茶道のように客をもてなす、エチオピア流のコーヒーのお作法です。女性が中心となって行うコミュニケーションツールとして古くから大切にされてきました。

なお、エチオピア大統領宮殿内の日本庭園には、コーヒーセレモニーを行えるコーヒーハウスが建てられています。カリオモンは、エチオピアを語るうえで欠かせない重要な食文化なのです。

採れるコーヒーの特徴

アフリカNo.1の生産国

2020年のエチオピアのコーヒー生産量は、年間58万トンで世界第5位。アフリカ大陸内ではトップを誇ります。アフリカで2位のウガンダ(世界9位)が29万トン、アフリカ3位のタンザニア(世界17位)が6万トンと比べると、エチオピアの生産量の多さが際立っています。

代表的なブランドは6つ。
・ハラール
・シダモ(イルガチェフェ、グジ含む)
・リム
・ジンマ
・カファ
・レケンプティ

6ブランドのほかにも、南部のオロミア州ジンマ地方にある手つかずの自然森「ベレテの森、ゲラの森」では、品種改良がなされていないコーヒーが自生しており、これらの森で収穫されるコーヒーは「フォレスト・コーヒー」と呼ばれています。

また、21世紀に入ってから、オークションで高値が付くなどして注目が集まった品種「ゲイシャ」は、エチオピアの ゲシャ村 が原産で、名前の由来にもなっています。

標高約1,700mの高地で栽培されるガーデンコーヒー

エチオピア高原の標高は平均1,700m、高いところでは2,000mを超えるエリアでも栽培されています。
農園ではなく、「ガーデンコーヒー」と呼ばれる、庭先にコーヒーの木を植える小規模生産者の多いことが特徴です。品種が混在しているため、豆の形・大きさにもばらつきが生まれます。

味わい・等級

一般的に、エチオピア・モカはコーヒーチェリーの果肉を付けたまま天日乾燥させる伝統的な精製方法「ナチュラル」が導入されています。乾燥に2週間以上を要しますが、雨季と乾季がはっきりとわかれているエチオピアでは、コーヒーの収穫期に乾季を迎えるので、「ナチュラル」でも品質が安定しています。「ナチュラル」で精製されたコーヒーはベリーや赤ワイン、スパイスなどの風味が感じられます。

また、「ナチュラル」に比べて多くはありませんが、果肉を剥き水洗したのちに乾燥する「ウォッシュド」という製法も用いられています。「ウォッシュド」で精製したコーヒーは、ブラックティーやジャスミンなどの繊細な風味になります。

生豆の格付けである等級は、欠点豆の混入率によって決まります。欠点豆とは、味わいに悪影響を及ぼすとされているカビ豆、虫食い豆、未成熟豆などのことです。等級が良い順にG1(グレード1)、G2…と分けられます。輸出規格はG5までです。

農事調査室から 「コーヒーを通じてフォレスト・コーヒーの環境保全と地元経済のサポートを続けていきます」

農事調査室の室長・中平は、2003年から始まったJICAによる支援プロジェクトに、コーヒーの技術専門家として参加いたしました。もともと多くの自然林を有していたエチオピアですが、農地拡大などの影響で森林減少の一途をたどり、わずかに残った自然林の多くがベレテ・ゲラ地域にあります。

この自然林に多くのコーヒーの木が自生していたため、どうすれば消費国に高く買ってもらえるかという視点で、技術指導を行いました。その成果として、周辺の農家の生計を向上させることができ、結果として自然林の保護にも繋がっています。さらにUCCでは、この森林コーヒーを継続して購入することで、現地を支えています。コーヒーをサステナブルなものにしていくために環境保全と農業を上手く両立できるよう、これからも生産国の支援を行っていきます!

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森林保全プロジェクト|UCCのサステナビリティ | コーヒーはUCC上島珈琲


UCC 農事調査室
主要原産地に出向き、コーヒーの栽培状況などを調査・研究しています。
担当
日比 真仁、中平 尚己、井上 隆裕 

生産地ごとのコーヒーを味わってみたくなった方へ
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「UCCカフェメルカード」は、全国で22店舗(2023年1月現在)を展開しているUCCのコーヒー専門店です。お店のテーマは「MEET YOUR BEANS 私好みのコーヒーに出会う場所」

UCC直営農園産のコーヒーや、コンテスト入賞ロット、産地・農園指定のコーヒー、UCCの知恵と技術を駆使して創作するブレンドコーヒーなど、良質で個性豊かなコーヒーを幅広く取り揃えています。

年間通して、世界各国のコーヒーをお求めいただける店舗ですので、こちらの記事を読んで産地ごとの違いを味わってみたくなった方は、ぜひ店頭にも足を運んでみてください。コーヒー選びに迷っても、知識豊富なスタッフが丁寧にアドバイスしますよ!

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