スペシャルティコーヒーの生産国として注目を集める「ホンジュラス」 −コーヒーベルト・コレクション− | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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スペシャルティコーヒーの生産国として注目を集める「ホンジュラス」 −コーヒーベルト・コレクション− 

コーヒーの木は、赤道をはさんで北緯25度・南緯25度の間の「コーヒーベルト」と呼ばれる地帯で栽培され、生産国は60カ国以上に上ります。生産地ごとに異なるさまざまなブランドや、その特徴や味わいについてご紹介します。

生産国としての基本情報

グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグアと国境を接する、中米のホンジュラス共和国(以下、ホンジュラス)。北はカリブ海に、南はわずかに太平洋と面している国土は、日本の1/3程度の大きさです。この国土に、東京都23区の人口とほぼ同様の975万人が住んでいます。

スペインから独立後、メキシコへの併合を経て、グアテマラやコスタリカなどの周辺国と共和国を結成。のちに1838年に完全独立を果たしました。首都は西南部にあるテグシガルパ、公用語はスペイン語です。国内では伝統的にカトリックが信奉されていますが、信教の自由が憲法で保障されています。

ホンジュラスの貿易では総輸出額の1/3が衣料品で、主な貿易相手国は総輸出額の50%を占めるアメリカです。農業では伝統産業であるコーヒー栽培が大きな割合となっています。加えて、アメリカ資本によるバナナ栽培もホンジュラスの重要な産業のひとつです。

各地で開かれるコーヒー祭り

多くのコーヒー農家では、スパイスや砂糖と一緒にフライパンで生豆を炒め、焼きあがった豆をそのまま挽いて飲む習慣があります。スパイスや砂糖と炒める理由は、加熱によりコーヒー豆からにじみ出る油分がフライパンに付かないようにするための工夫です。

また各地ではコーヒー祭りが催され、地域らしい味わいやスペシャルティコーヒーの多様な味わいを楽しむ文化が少しずつ成長しています。

コーヒーの歴史など

コーヒー栽培は18世紀から始まっていましたが、小規模農家によって標高の高いエリアで少量作られているだけでした。当時は、コーヒーよりもバナナのほうが外貨獲得の主な手段となっていたのです。

20世紀に入ると、アメリカの支援を受けてコーヒーの生産量が増加。さらに80年代から90年代にかけてコーヒーの生産を奨励する法案が成立したことで、約20年で生産量が2倍に。バナナの生産量と肩を並べるほどに増加しました。

2000年以降、スペシャルティコーヒーの生産にも力が注がれた結果、オークションで90点を超えるロットも生まれています。現在は約100万人の雇用がコーヒーによって生み出されているとも言われており、その割合は国民全体の10%以上にのぼります。

採れるコーヒーの特徴

生産量は約37万トンと中米地域で最も多く、全世界では7位。
栽培品種は「ブルボン」「カトゥーラ」「カトゥアイ」などで、銘柄としては、中米で最初に産地呼称制度を取り入れた「マルカラ」が有名です。ほかに有名な地域は、サンタバルバラ、コパンです。

国土の70%以上が900m以上の高地。
コーヒー栽培のための好条件を備えたホンジュラスの大地

国土の70%以上を山地が占めており、その割合は中米随一です。山地の約半分が900m以上の高原と、コーヒー栽培のポテンシャルが元々高かったため、20世紀後半からはアメリカの支援もあり急成長しました。

高原部は乾雨季のある温暖な気候で、5〜7月と9〜10月に2度雨季が訪れます。収穫は雨季の重なる11月から3月に行われるため、ウォッシュドプロセスが選択されるとともに、天日乾燥と機械乾燥を併用します。

中米では毎年6月~11月がハリケーン・シーズンのため、しばしば大型ハリケーンによる被害を受けてきました。特に1998年は、10月に発生したハリケーン「ミッチ」によってコーヒー生産の80%が失われたともいわれています。それほどに、ハリケーンはコーヒー栽培にとって脅威となる存在なのです。

味わい・等級

味わいは地域によって異なります。豆の形は、生産性や耐病性が期待される品種が全土に普及しているため、どの地域でもほぼ同じです。

コパン:
チョコレートのような甘さ、クリーミーなボディ、甘い余韻が続きバランスが良い

オパラカ:
繊細でバランスが取れた酸味、トロピカルフルーツの味わいと柑橘系の余韻

モンテシージョス:
フルーティで甘い香り、明るい酸味と柑橘系の味わい

コマヤグア:
甘くフルーティな香り、クリーミーで柑橘系の余韻

アガルタ:
キャラメルのような香り、トロピカルフルーツの味わいと甘い余韻

エルパライソ:
甘い香りとソフトなボディ、柑橘系の味わいと長い余韻

豆の等級は、標高によりSHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)、HG(ハイ・グロウン)に分けられます。

農事調査室から「高い技術でコーヒー栽培に情熱を注ぐ現地の生産者と共に、ホンジュラスの素晴らしいコーヒーをお届けします

ホンジュラスはコーヒー栽培において、中米の中では後発ではあります。
しかし標高の高いエリアが多く土壌も肥沃なため、非常に高いポテンシャルを持っています。

UCC農事調査室では、同国西端のグアテマラとエルサルバドル国境に位置するオコテペケ県の小規模生産者組合「COCAFELOL」と2019年に契約を結び、複数の有望な品種を小ロット生産する取り組みを開始いたしました。
コーヒークライシスを機に結成されたこの組合は、各組合員が高い技術とモチベーションを持つ素晴らしい組織であり、大切なパートナーとして協業を続けています。

日本の皆さまに素晴らしいコーヒーを届けられるよう、これからも生産者の皆さまと長く良好な関係を続けていきます!


UCC 農事調査室
主要原産地に出向き、コーヒーの栽培状況などを調査・研究しています。
担当
日比 真仁、中平 尚己、井上 隆裕 

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「UCCカフェメルカード」は、全国で22店舗(2023年1月現在)を展開しているUCCのコーヒー専門店です。お店のテーマは「MEET YOUR BEANS 私好みのコーヒーに出会う場所」

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