健康を、おいしく。毎日を“整える”ために。[COFFEE CREATOR’S FILE 32 有木真吾+森本栞] | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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健康を、おいしく。毎日を“整える”ために。[COFFEE CREATOR’S FILE 32 有木真吾+森本栞]

「一杯のコーヒーができるまで」…そこにはUCCのコーヒークリエイターたちの「おいしい事実」があります。

新しいコーヒーの価値を求めて——有木真吾

私たちが所属するR&D本部では、「コーヒーにどのように新たな付加価値を生み出せるか」というテーマに挑戦し続けています。そのため、コーヒーの「おいしさ・機能性・環境・新技術」といったさまざまな観点から研究を進めています。

そうした研究成果のひとつとして、コーヒーの機能性に着目して開発したのが、今回発売した「TOTONOU by BLACK無糖」。このコーヒーには、「コーヒー由来トリゴネリン」という成分が豊富に含まれています。

トリゴネリンは一般的にはあまり馴染みのない成分かもしれませんが、カフェインやクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)に続く重要な機能性成分です。私たちはこれを「コーヒーの第3の健康成分」と位置づけています。

「TOTONOU by BLACK無糖」は、1本あたり150mgのトリゴネリンを含有しており、UCCの他のコーヒー飲料製品と比較しても高い含有量となっています。

トリゴネリンは、もともとは、フェヌグリークという、スパイスに用いられるマメ科の植物から発見された成分です。

少し大きな話になりますが、研究というのは、過去のデータや論文などの知見を積み重ねながら、まだ誰も踏み入れていない未開の地を開拓していくようなことだと思っています。

そういう意味では、今回のトリゴネリンの研究は、分からないことや前例のないことも多く、まさに手探りの連続でした。その分、確実にやりがいのある研究だったと感じています。

機能性表示食品としてのコーヒーに求めるもの——森本 栞

私にとって研究とは、コーヒーの可能性を広げる探究を起点に、さまざまな分野の知恵や技術をつないでいくことだと思っています。

そうして生まれた一杯のコーヒーが、誰かの日常の中で新しい発見や楽しさにつながっていく。そんな価値ある体験をお届けしていくことこそが、私の役割だと感じています。

私たちが一貫して問い続けてきたのは、「おいしさは前提として、機能性表示食品としてのコーヒーに人々は何を求めるのか」という点でした。

トリゴネリンを豊富に含むコーヒーが、どのようなシーンで飲まれ、どのような健康課題に応え得るのか――その具体像を明らかにすることに重きを置きました。

こうした視点のもと、ヒト臨床試験のプロトコル(試験計画)を設計し、トリゴネリンの摂取量や摂取期間と効果の関係について仮説を設定。さらに、得られた結果から想定されるヘルスベネフィットについても検証を進めました。

研究を続ける中で明らかになってきたのは、とくにBMI23以上の高めの方において、トリゴネリンが安静時エネルギー消費量(*)の向上をサポートする可能性があるという点です。

なお、BMI23以上の方は日本人の約半数を占めるとされており、決して一部の人に限られたものではありません。日常的な健康管理を意識する多くの方にとって、身近なテーマといえます。

(*)安静時エネルギー消費=ヒトは安静に過ごしている状態でもエネルギーを消費します。日常のエネルギー代謝の約70%を占め、加齢とともに低下するとされています。生命維持に最低限必要な基礎代謝に加え、食事によって増大するエネルギーなども含まれます。

安静時エネルギー消費量の実測値推移の図

ヒト試験では、BMIが高めの方において、プラセボ食品を継続摂取した人よりもコーヒー由来トリゴネリン含有食品を継続摂取した人の方が、摂取8週後の安静時エネルギー消費量が有意に高くなりました。

【試験デザイン】
被験者:20~29歳の成人男女(18.5≦BMI<30)のうちBMIが高め(23≦BMI<30)の男女20名(被験食品摂取群:9名、プラセボ食品摂取群:11名)
試験内容:コーヒー由来トリゴネリンを150mg含有する被験食品の8週間継続摂取(対照群(プラセボ)は、プラセボ食品の継続摂取)
SCR(摂取開始前)と4週、8週における27C、19C環境下での安静時エネルギー消費量を測定(図は27°C環境下の推移として)
*:p<0.05(対照群との比較)、8週のデータは一部補完を行い算出
SCR:スクリーニング検査のこと
<引用文献>薬理と治療、第51巻、11号、p1713-p1729(2023)より作図(システマティックレビューの対象となった1報を事例として提示しています。)

研究者である前に

私たちの部署では、コーヒー成分の機能性や安全性に関する調査や研究を行うだけでなく、その分析結果を論文にまとめたり、特許の出願や消費者庁への機能性表示食品に関する届出も行います。

「TOTONOU by BLACK無糖」の開発に関して個人的に大変だったのは、機能性表示食品の制度が2025年4月に変わったことですね。消費者庁に提出する書類の内容を変更・更新する必要があり、大変な思いもしました。

他にも、トリゴネリンが人の体内でどのように働くのか。吸収率はどのくらいなのか。そして、安静時のエネルギー消費にどれほど関わっているのかについても豊富に報告されているわけでは無い、というのが実情でした。

そのため、本当に科学的なエビデンスとして成立しているのかを、一つひとつ丁寧に確かめていく必要がありました。小さな発見と実験で得られたデータを積み重ねながら、トリゴネリンの機能性を証明していく。そんな数年間でした。

振り返ってみると、大変なこともたくさんありましたが、研究者としてこのプロジェクトに関われたことをとても幸せに思っています。

ただ、私は一人の研究者である前に、週末にはゆっくりコーヒーを淹れて楽しむ、そんな一人のコーヒー好きでもあります。

だからこそ、自分が開発に携わったコーヒーは、おいしくて、思わず自然に手が伸びてしまうような一杯であってほしい。私たちの研究成果はバトンとなり飲料設計チームにつなぎ、さらに多くの人の手を経て、おいしい一本のコーヒーとしてお客さまの元へ届いていく。

その点、「TOTONOU by BLACK無糖」は間違いなくおいしいコーヒーに仕上がったと思っています。まずは“コーヒー由来トリゴネリン”という言葉だけでも、覚えていただけたらうれしいですね(笑)。(有木)

プロジェクト始動当初、私たちは研究テーマを設定するにあたり、「コーヒーに含まれる成分と健康」に関する論文を徹底的に読み込み、その内容を整理・共有することからスタートしました。対象は、細胞試験、動物試験、さらにはヒト臨床試験にまで及び、理解を深めるには相応の労力を要しました。教科書を片手に基礎から学び直す日々が続き、「学生時代にもっと勉強しておけばよかった……」と感じることもありましたが、当時チーム内で“1000本ノック”と呼んでいたこの積み重ねは、今ではかけがえのない経験となっています。

私は学生時代、薬学部で味覚に関する研究に取り組んでいました。「将来は医療や福祉の分野で社会に貢献したい」という思いを抱く中で、本プロジェクトを通じて、皆さまの健康に寄与する商品づくりに携わることができ、大きなやりがいを感じています。

アルバイトではコーヒーショップで働いていました。その頃から、コーヒーはとても身近な存在だったと思います。最初は「ただ苦い飲み物」という印象だったんですけど(笑)、抽出器具や生産地によって味がまったく違うことに驚いて、そこからコーヒーの奥深さに気づき、どんどん好きになっていきました。

そんなコーヒーが好きな研究者として、自分の研究成果が製品となり、多くの方に手に取っていただけることをとてもうれしく思っています。

今回の製品は、すでに健康に良いと知られている成分をコーヒーに添加したものではありません。コーヒーがもともと持っている成分に着目し、その潜在的な価値を見出したという点で、自信を持っておすすめしたい製品です。(森本)

心に残る、最高のコーヒーは?

「大学の研究室で飲んでた(スプレードライの)インスタントコーヒー」と書かれたボードを持っている男性

研究室では作業の合間にコーヒーを飲んでいた記憶があります。研究室にあったインスタントコーヒーが、僕の原点かなと思います。

「新入社員間修でのんだあまいエスプレッソ」と書かれたボードを持っている女性

UCCに入社して社員研修で飲んだエスプレッソが印象的でした。適切に抽出されたエスプレッソは、砂糖が入っていないのに「こんなに甘いんだ!」とびっくりしたのを覚えています。

愛用のコーヒーグッズは

(有木)
「妻の友人の結婚式の引き出物でいただいたカップです。自分たち夫婦が新生活を始めたときに使い始めて、いまでも毎朝これでコーヒーを飲んでいます」

(森本)
「学生時代に旅行したベトナムで購入したバッチャン焼きのカップです。ずっと大事に使っているんですが、今では、双子の息子がこれでミルクを飲む姿を見る時間が、愛おしく感じられます」

R&D本部 研究開発部 係長
有木真吾(ありき しんご)
2017年入社。学生時代は分子生物学を学ぶ。コーヒー由来トリゴネリンの機能性を探究し、「TOTONOU by BLACK無糖」の研究開発をリード。

(部署名・役職は取材当時の情報です)
R&D本部 研究開発部 主任
森本栞(もりもと しおり)
2018年入社。学生時代は薬の苦味について研究。入社後、コーヒーに含まれる成分の健康機能性に関する基礎研究に尽力。

(部署名・役職は取材当時の情報です)

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