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前回のおさらい
みなさんこんにちは、ハルです!
前回いろいろなコーヒーミルでは、手動や電動のいろいろなコーヒーミルを見てお気に入りをひとつゲットしました。そして挽き立てのコーヒーで抽出した時にできる、新鮮な挽きたての豆ならではのふくらみ…「ぷっくり(下写真)」に惹きつけられました(なんかかわいい)。
この「ぷっくり」は、抽出の「蒸らし」をして出てきたガスがふくんらだ状態、とのこと。うん、蒸らし?…コーヒーって蒸らすの?! と驚いていたら天の声さんからいただいたのが「自分で蒸らしをやってみよう」というミッションでした。
まずは自分で「蒸らし」をやってみる
習うより慣れろ、座右の銘ですから(笑)。さっそくやってみましょう〜 。
蒸らしてみようっていうのはつまり、コーヒーを淹れている最初の方に「蒸らし」のプロセスを入れるってことですよね。
「蒸らす」んだから、フタすればいいかな?
…まずはいつも通りコーヒーとお湯をセットして…と。「蒸らす」ってどのくらいお湯をかければいいのかな?まずはこんな感じで…
それで「蒸らす」のですよね。蒸らす…蒸らす…って念じて蒸れるわけじゃないだろうし、蒸気とか逃げないほうがいいですよね?とすると…フタ?フタすればいいかな?フタになるちょうどいい大きさの平らなもの探して…あった!お皿!
よしっ!よく蒸れるのよ〜 ……… 。
おーい、コーヒーさん蒸れました?…もう蒸れてるのかな。
まだ乾いてるところあるけどこれでいいの?というか変化が全然見えないのですがっ。出来ている気もするけど、何が正しいんだか全然わからない(ついでに蒸らす意味もわからない)。あ、なんか冷めてきてる?!
「蒸らし」が必要なわけとは
(天の声)ハルさん、ハルさん、初めての蒸らしおつかれさまですっ。冷めてますね?!冷めない方がいいです!
(ハル)あ、天の声さん!冷めない方がいいのですね。っていうか蒸らしって何分したらいいんですか?フタするのは合ってます?フタはお皿でもOK?お湯の量も聞きたいです!っていうかそもそも蒸らしってなんですか?蒸らしってなんのためにするのですかーーーー!!!
(天)ハ、ハルさん、落ち着いて…。とりあえず蒸らし、フタは必要ないです。蒸らしの意味は…ええと、ひとつひとつ説明していきますね。
焙煎時、コーヒー豆には二酸化炭素(ガス)が発生
まずは蒸らしの意味から。
コーヒーの「蒸らし」とは、ひとことで言うと「ガス抜き」作業、なんです。
先日コーヒーの深炒り浅炒りでみてもらったように、コーヒーは生豆を焙煎してつくりますよね。コーヒーは焙煎すると、生豆の時よりも少し膨らみ、二酸化炭素が発生します。顕微鏡で見ると、蜂の巣ほど規則正しい構造ではないのですが、小さな孔(あな)がたくさん並んだ多孔質(たこうしつ)になっていて、その孔(あな)に二酸化炭素が詰まっている状態になります。
(ハル)なるほど、こんな感じですか?
(天)そうです!そんな感じのイメージです。
二酸化炭素はお湯の浸透を邪魔する
例えば、お風呂でシャンプーをするとき、乾いた髪に直接シャンプー剤をつけたりせず、一度お湯をかけて髪の毛全体を濡らしてからシャンプーをしますよね。その方が断然シャンプーと髪の毛の馴染みがよくなって洗いやすくなるからです。お湯とコーヒーの関係も同じようなものなのです。
二酸化炭素が詰まったままのコーヒーの粉にお湯をかけても、気体である二酸化炭素が邪魔をして、コーヒーにお湯が浸透しません。お湯が浸透しないと、粉の中にある成分が溶け出す前にお湯が通過してしまい、成分を出しきっていない薄い味わいのコーヒーになってしまいます。
なので、まず乾いたコーヒーの粉に少量のお湯をかけて濡らすことによって、二酸化炭素を追い出す必要があるわけです。これが「蒸らし」です。
(ハル)こういうことですね。
コーヒー粉全体にお湯を行き渡らせよう!
そしてお湯をかける時には必ず「全体」にむらなく行き渡るように注ぎましょう。砂場やコンクリートの上で水を流したところをイメージしてみてください。水は一度流れて道ができると、次もその道の方を通りたがりますよね?
蒸らしも同様です。最初に一部分だけを蒸らすような注ぎ方をして乾いたところが残ってしまうと、次にお湯を注いだとき、湿ったところばかりをお湯が通過してしまい、おいしい成分を全体から十分に引き出せないままになってしまうのです。
(ハル)天の声さん、ありがとうございます。二酸化炭素を追い出すために一度粉を湿らせるんですね。それで、あのぷっくりができるのかー。理解しました。
(天)一気にお話ししてしまいましたが、「蒸らし」の必要性を理解できたら、何度もやってみて感覚を掴むのがいいかもしれませんね。
「蒸らし」の基本の手順
(天)それでは正しい蒸らし方のポイントを2つほど。
・ポイント1
1杯分あたりの粉の量を10〜12gとしたら、お湯の量は20ccくらい。サーバーへぽたぽたと落ちるか落ちないかくらいの少量で、全体を均一に湿らしていきます。ちょろちょろとコーヒーが落ちてきてしまったら、ちょっと注ぐ量が多かったかなと思ってください。注ぐというよりも、表面全体に優しくお湯を乗っけるイメージで。粉の表面を平らにしておくのもポイントですね。
・ポイント2
お湯が全体に行き渡ったら、そのまま20秒ほど蒸らしていきます。
豆が挽きたての場合、中に含まれている二酸化炭素が多いので粉がモコモコと膨らみやすくなります。その場合は膨らみがおさまった頃が蒸らし終わりのタイミングですね。
粉の様子をよく見て蒸らす時間を調整してみてください。
(ハル)蒸らしはお湯の量、そして蒸らす時間がポイントなんですね。アドバイスをもとに、早速実践してみます!
ハルの「蒸らし」リベンジ!
まずは全体を均一に濡らすのでしたよね。ぐる〜っと…
おおっと!下からジョロジョロ出ちゃってる〜。お湯、かけすぎた?!…む、むずかしいかもこれ。
気を取り直してもう一回。
そおっと、優しく、粉にお湯を乗っけるイメージで…
(ハル)ううう、天の声さんの蒸らしのようにはならないですT^T
(天)すぐには難しいですよね。大丈夫ですよ、いつも意識して淹れていたらきっと上手になりますから、これからもチャレンジしてみてくださいね!
飲み比べてみましょう!
(天)蒸らしの大切さは一度飲み比べてみるとよくわかるかもしれません。
「蒸らし」をしていないで淹れたコーヒーと、きちんと「蒸らし」をしたコーヒーを用意してみたのでちょっと飲み比べてみてください。
左が蒸らしをしなかったもの、右がちゃんと蒸らしたものです。
(ハル)おお!ありがとうございます!では早速「蒸らし」をちゃんとした方からいただきますね。うん、ちゃんとおいしいです!これともうひとつがどう違うかですよね…
(天)ふふふ。
(ハル)では今度は「蒸らし」をしていないコーヒーをいただいて、と。
(ハル)あ!ああああ、なるほどです。そういうことですか。なんか、薄い感じ。これは成分がちゃんと出ていないということなんですね。
(天)そうです。単体では気づきにくくても、飲み比べてみるとやっぱり違いがわかりますよね。
コーヒーの真価が出るのはちゃんと「蒸らし」をした時なんです。せっかくなのだから一番美味しい状態でコーヒーは味わいたいですよね。ぜひちゃんと「蒸らし」をしてコーヒーのおいしさを存分に引き出してあげてくださいね。
次回はアイスコーヒーについて
(天)ところでハルさん、だいぶ気温も上がって暑さを感じられる日々になってきましたね。となると、アイスコーヒーのおいしい季節!ハルさんはアイスコーヒーどうやって作っていますか?
(ハル)え…アイスコーヒーですか。冷めちゃったコーヒー飲むことはありますけど、あえてアイスコーヒーを作ったことはないです。喫茶店でもなんだか頼むのは邪道っていうか…あ、これは単なる個人の思い込みと思いますが(汗)飲むのはホットコーヒーオンリーでした。頼んだ記憶がないかも。
(天)そうでしたか。それだったら本格的な夏になる前に、アイスコーヒーの魅力を知ってもらわなくてはですね。ハルさん、次回のミッションはこちらです!
(ハル)アイスコーヒーをつくる、ですね。っていうかアイスコーヒーつくるって、ドリップしたコーヒーを冷ませばいいんですよね?って違うのかしら。
次回までに作っておきます〜!
次回のハルのコーヒーは、「おいしいアイスコーヒーをつくる」。
夏に向けて、アイスコーヒーの作り方を一緒に予習しておきましょうね。どうぞ次回もお楽しみに!
今回の天の声
UCCコーヒー博物館 スタッフ UCCコーヒーアドバイザー
堀江 美穂
99年よりUCCコーヒー博物館勤務。2020年からUCCコーヒーアカデミー専任講師として授業を担当。
▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!
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