少しずつ日常に彩りを加えていく北欧スタイルのクリスマスには、心地よい「家時間」を楽しむためのアイデアがたくさん詰まっています。
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ヒュッゲという言葉から知る、北欧スタイルクリスマス
人と人がふれあい、リラックスした時を楽しむ。そんな居心地のいいひとときを、デンマーク語で「ヒュッゲ(Hygge)」と呼びます。
日照時間の短く寒さの厳しい北欧の冬。愛する家族や友人と部屋で「ヒュッゲ」な時間を過ごすことは、長く暗い冬を幸せに乗り越えるための大切なスピリットです。
12月に入りクリスマスのカウントダウンが始まると、北欧諸国の人々はいつも以上に「ヒュッゲ」を大切にします。そして以前マガジンでも紹介しましたが、コーヒーの消費が多い北欧では、「フィーカ」と呼ばれる風習も。
甘いものと一緒にコーヒーを飲みながらひと息つく「フィーカ」もまた、「ヒュッゲ」な時を大切にする北欧ならではの文化ですね。
手づくり雑貨でほっこり。ハンドメイドのクリスマス。
手仕事を守る民芸運動が盛んなスウェーデンでは、日本と同じように、子どもたちが小さいころからナイフや本格的な工具の使い方を学ぶのだそう。ハンドメイド文化が日常に溶け込む北欧の人々は、身の回りのものにちょっと手をかけるだけで、寒い冬を心あたたまる季節に変えることができます。
キャンドルのやわらかな光に包まれ、木や布・紙で作られた手づくりの小物で、少しずつ部屋をクリスマス仕様にしていく。そして、あたたかいコーヒーとおいしいお菓子を用意して、大切な人たちと笑顔あふれる時間を過ごす——。
そんな北欧の「ヒュッゲ」に満ちた豊かなクリスマス。さあコーヒーを片手に、日々の小さなしあわせを一つひとつ積み上げていきましょう!
クリスマスツリーに飾る、特別なオーナメント
北欧では12月になるといたるところでクリスマスマーケットが開かれます。クリスマスマーケットを訪れて、ツリーに飾るお気に入りのオーナメントを見つけるのも、冬の楽しみのひとつ。
マーケットには木製の小物やキャンドル、編み物やフエルト細工のギフトなど、あたたかみのある手づくりの品々が並び、その中から、毎年ひとつずつオーナメントを買い足していくことで、その年の思い出を形に残すという楽しみ方をする人もいるそうです。
マーケットで今年のお気に入りのオーナメントを選び、集めていくのも楽しそうですが…今回は手づくりのオーナメントにチャレンジしてみましょう。
オーブン粘土でつくるハンドメイドオーナメント
家庭用のオーブンを使ってつくる「オーブン粘土」で、焼き物のような質感のしっかりしたオーナメントをつくります。
専用のニスなどを使えば簡単な食器もつくれる「オーブン粘土」ですが、オーナメントならクッキーを作る要領で、思うより簡単です。
市販のオーブン粘土を3〜5mmに伸ばし、クッキー型で型抜きして2日間乾燥させます。
その後、家庭用オーブンで焼き、冷ましたらアクリル絵の具や水性マーカーで絵を描きます。仕上げに専用のニスを塗り、低温で焼き付ければ完成です(ニスはお好みで)。
伝統的な鳥や馬など、北欧のモチーフをイメージして描いてみました。サンタクロースやツリーの絵など、子どもと一緒に作っても楽しそう。
ちょっとした柄のズレや歪みが趣のある味わいとなって、ほっこりとした温もりを感じられるのはハンドメイドならでは。カラフルな色で仕上げたオーナメントをひとつひとつ飾りつけていくと、次第にクリスマス気分も盛り上がってきますね。
ぶつかると「カラカラ」と音のするしっかりした質感の素材なので、一つひとつラッピングしてクリスマスギフトにも。
オーナメントは、紙や布・松ぼっくりなど身近な素材で作りやすいアイテム。何をハンドメイドするか迷ったら、まずはツリーのオーナメントにチャレンジしてみましょう。
サンタクロースのお手伝いをする妖精「ニッセ」
サンタクロースのお手伝いをする妖精「ニッセ」のことは知っていますか?
真っ白な白い髭のおじさんぽい風貌で赤いとんがり帽子をかぶった「ニッセ」は、幸せを呼ぶ北欧の妖精。中でも家に住む「ニッセ」は「フースニッセ」と呼ばれ、大切にすると家を守ってもらえるという言い伝えもあるのだそうです。
ちなみにフィンランドでは地の精や家の守神を意味する「トンットゥ」と呼ばれていて、サンタさんへの手紙の整理や、プレゼントの準備などをするかたわら、子供たちの様子を観察してサンタクロースへ報告もするのだとか!
なんともおちゃめで、クリスマスの飾りとしてもかわいい妖精の「ニッセ」。
フエルトや余り布、木片などを使って手づくりしてみましょう。大きなとんがり帽子と白い髭がポイントです!
余り布でつくるほっこり「ニッセ」
布とフエルトボールを使って作ってみました。同じ形でつくったつもりでも、ひとつひとつ性格が違いそうな趣が出るのもハンドメイドの面白さですね。
詰め綿の代わりに抽出後のコーヒー粉を入れると、ちょっとした棚などの消臭にもなります。
できあがったニッセをどこに飾ろうかな、と家を見渡して食器棚の中へ。
扉の向こうにニッセがいると、いたずらをしているみたいでちょっとほっこりしちゃいます。こうして日常に少しずつ幸せを取り入れることが、ヒュッゲな時間を楽しむ秘訣なのかもしれません。
クリスマスをカウントダウン!アドベントキャンドル
アドベントは「待つ」という意味。スウェーデンでは、12月に入るとクリスマスまでの4週間をキャンドルでカウントダウンします。
リースや、トレイの上に木の実などを置いたキャンドルホルダーに4本のキャンドルを用意。12月の最初の日曜日に1本目のキャンドルに火を灯し、次の日曜日に2本目、4番目の日曜日に最後のキャンドルに火を灯します。
4本目のキャンドルを灯すころには、日を重ねて1本目のキャンドルは短くなっていて、4本のキャンドルの長さに時間の経過が見られます。
リビングルームに置かれたキャンドルの長さで12月の時の流れを感じる暮らし。
慌ただしくすぎていく12月だからこそ、毎日キャンドルの火を灯す余裕を持ちたいものですね。
数字を書いてキャンドルカレンダーに
1本のキャンドルに数字を入れてキャンドルカレンダーにするアイデアも。
毎日その日の数字のところまで火を灯して、クリスマスまでをカウントダウン。太いキャンドルを選ぶと時間がなかなか進まないかもしれませんが、みんなで「もう少し!」なんて言いながら火を灯していくのは楽しそう。
ちなみにロウは油性ペンでは書けません。今回は水性マーカーの「ポスカ」を使いました。
北欧の「ヒュッゲ」な時間に欠かせないキャンドル。キャンドルの炎はそのゆらぎを見ているだけで、すうーっと心が落ち着きます。みんなで同じ炎を見ながら、おいしいコーヒーとともに過ごす時間は格別。クリスマスまでの毎日をキャンドルと共にカウントダウンしていきましょう。
あたたかな素材で作られたウェルカムリース
日本でも玄関にヒイラギの葉などでできたリースを飾る方は多くいますが、デンマークの家々の軒先でよく見られるのは、木の実やスパイスを使った素朴でシックな雰囲気のリースなのだとか。円形の形は「終わりがなく永遠に続く」ことの象徴。どんぐりやハーブの花などナチュラルな素材でつくられたあたたかみのあるリースは、訪れた人を快く迎え入れ、人との絆を深めてくれそうですね。
コーヒー豆を使ったハンドメイド作家のリース
コーヒー豆もまた、ナチュラルな素材です。コーヒー豆の香りと温かさを楽しむリースを作っている“ W ” 創造花と乾燥植物 さんのハンドメイドのリースをご紹介します。作品のタイトルは「Donut wreath:コーヒー豆のリース」。
直径11〜12cmの手のひらサイズのリースは、木の実やクリスマスモチーフで装飾されていてとってもステキです。
作家の“ W ” 創造花と乾燥植物 さんよりコメントをいただきました。
コーヒー豆のロスを何とかしたい!と作り始めた豆シリーズ。
焙煎を始めたばかりで失敗して売れなくなったものや、美味しく飲むには時間が経ってしまった豆、手が滑って床に落としてしまった豆など、いろいろな理由で不要になった豆を集めて作品にしています。
豆一粒一粒を重ねて作ったコーヒーの香りがほんのり漂うリースは、相性の良い胡桃とシナモンと合わせました。鮮やかな赤い実とグリーンに、ちょっぴりラメを添えて特別にクリスマス感をプラスしています。
コーヒーが好きで、コーヒー豆のビジュアルが好きで、コーヒーのある風景と人とのつながりが好きです。実は体質的に飲めない日も多々あるのですが、飲めない時があるからこそ愛情を込めて制作に取り組んでいます。
小さなしあわせを、コーヒーと共に
寒く厳しい冬の季節、家の中では心も体もあたたかくすごしたいものですね。日本では「師走」と呼ばれる忙しい月ですが、ひと仕事終えたらお気に入りのカップで温かいコーヒーを淹れ、「フィーカ」の時間を楽しみましょう。
クリスマスの小物を眺めながら楽しむ、「フィーカ」は、ほっと心をあたためてくれるひとときです。
手づくりの雑貨には愛着が宿り、きっと来年もまた箱から出して飾りたくなることでしょう。どこにもない、世界にたったひとつの雑貨が持つ、ほっこりとした温もりこそがハンドメイドの魅力。そして、そんな雑貨に囲まれながら、親しい人と過ごすヒュッゲな時間も忘れずに。
心に余裕を持つことが、きっとあたたかな毎日を生み出してくれる。コーヒーを片手に、大切な人と大切な時間を楽しんでくださいね。
God Jul!(クリスマス、おめでとう!)
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