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コーヒーの味は豆の焙煎度で大きく変わる!焙煎度別の特徴や違いとは

2019.04.03
コーヒーの味を決定づける要素の一つが「焙煎」。

「浅炒り」や「深炒り」といった言葉は聞いたことがあるものの、焙煎度合いによって何が変わるのかは知らない、方が多いかもしれません。

コーヒーの味を決める焙煎について理解しておくと、自分の好みや飲み方に適したコーヒー豆を選ぶことができるようになります。今回は、焙煎度合いによる違いや特徴を解説します。

そもそもコーヒー豆の「焙煎」とは?

 

「焙煎(ロースト)」とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことです。

 

焙煎前の生豆は淡緑色で、コーヒーらしい味も香りもなく、そのままでは飲むことができません。この生豆を焙煎することで、いつも見ているような茶色っぽい豆となり、コーヒー独特の風味が生まれます。

 

コーヒー独特の風味は、豆に含まれる成分が加熱されて化学変化を起こすことで生まれます。元は青臭い生豆も、焙煎することで香ばしさや苦味・酸味が生成され、コーヒーらしい風味となるのです。

 

さらに、加熱時間や熱の加え方によって引き出される風味が変わるため、コーヒーの美味しさは焙煎に大きく左右されます。もちろん淹れ方なども大切ですが、焙煎は生豆の選び方に次いでコーヒーの味を決める重要な工程といえるでしょう。

 

コーヒー文化の大きなうねりとなったサードウェーブ以降、焙煎は注目を集めている分野。

 

焙煎士の技術を競うロースティングの大会が世界的に開催されていたり、コーヒーを焙煎して販売するロースター(焙煎所)が増えていたりと、「いかにコーヒー豆の良さを引き出すか」という焙煎そのものに高い関心が寄せられています。

 

 

 

コーヒー豆の焙煎度合いによって何が変わるのか?

 

 

▲生豆(左)と焙煎後の豆(右)

 

コーヒー豆の焙煎は、どれだけ火を通すかによって「浅炒り」「中炒り」「深炒り」に大別されます。一般的に浅炒りでは酸味が強く、深炒りでは苦味が強くなるのが特徴。

 

豆の色も徐々に変化し、焙煎度合いが深くなるほど薄い茶色から黒色に近づいていきます。

 

こういった焙煎による風味や色の変化には、主に「メイラード反応」と「カラメル化」、「分解」という化学反応が関係しています。

 

 

メイラード反応

「糖」と「アミノ酸」があるときに起こる反応のことです。155℃程度で最も活発に反応が進み、「メラノイジン」という茶色い物質や旨み・香ばしさの元となる物質が生まれます。

 

ご飯のおこげやパンの耳、焼いた肉などが香ばしくておいしいと感じるのは、この反応によるものです。

 

カラメル化

「糖」を180℃程度まで加熱すると起こる反応です。茶色い物質や甘い香り・独特の苦味を持つ物質が生まれます。プリンのカラメルソースやキャラメル、べっこう飴などが、カラメル化を利用している商品の代表例です。

 

分解

生豆に含まれる「クロロゲン酸」や「ショ糖」という成分は、加熱されると酸味のある物質に分解されていきます。クロロゲン酸は165℃、ショ糖は100℃程度から分解され、これがコーヒーの酸味をつくり出します。

 

焙煎が浅い段階では分解によって生まれた酸味が目立ちますが、徐々にメイラード反応やカラメル化による香ばしさ・苦味が増えていきます。

 

さらに深く焙煎すると豆の色は黒くなり、コーヒーらしい濃厚な味わいとともに強い苦味が出るというわけです。

 

実際はこれらの化学反応が複雑に進み、焙煎するときの温度や時間によって反応の進み具合は異なります。これによって、単に酸っぱい・苦いだけでは表現できない複雑なコーヒーの風味を引き出すことができるのです。

 

 

 

【浅煎り〜深煎りまで8段階】コーヒー豆の焙煎度合い別の特徴

 

 

焙煎度合いは全部で8段階に分かれています。好みはもちろん、豆の品種や淹れ方、飲み方によって適切な焙煎度合いが違うので、それぞれの特徴を知っておくとよいでしょう。

 

 

1.ライトロースト

最も焙煎が浅く、うっすらと焦げ目がついている状態。香りやコクが不十分で、飲用になることはほとんどありません。

 

2.シナモンロースト

シナモン色になる程度まで焙煎したもの。まだ生豆の青臭さが残り、一般的には飲用に適しません。

 

3.ミディアムロースト

ここから中炒りとなります。茶褐色で酸味が強く、苦味は弱いのが特徴。アメリカン・タイプの軽い味わいになります。

 

4.ハイロースト

ミディアムよりやや深い炒り方。酸味とともにやわらかい苦味や甘味が感じられるコーヒーとなります。家庭や喫茶店で飲まれることの多い焙煎度合いです。

 

5.シティロースト

シティロースト以降は「深炒り」となります。色は鮮やかなコーヒーブラウンで、バランスのとれた酸味と苦味が特徴。最も標準的な焙煎度合いといえ、ハイローストと並んで多くの家庭や喫茶店で親しまれています。最近ではエスプレッソ用として使用されることもあります。

 

6.フルシティロースト

色はダークブラウンで、表面に油がにじんできます。酸味よりも香ばしさや苦味が強く感じられ、アイスコーヒーやエスプレッソに適した焙煎度合いです。

 

7.フレンチロースト

濃い焦げ茶色となり、強い苦味とコク、独特の香りが楽しめます。カフェオレやウィンナーコーヒーなど、ヨーロピアンスタイルのアレンジメニューに適しています。

 

8.イタリアンロースト

最も焙煎が深く、色は黒に近い状態。強い苦味と濃厚な味わいが特徴的で、エスプレッソやカプチーノ向きです。

 

 

 

自分の好みに合ったコーヒー豆を選ぶためにおさえたいポイント

 

 

焙煎度合いはコーヒーの風味に深く関わるため、できれば好みや淹れ方、飲み方に適したものを選びたいところです。では、どうすれば求める焙煎度合いのコーヒー豆を手に入れられるのでしょうか?

 

まずは、豆の焙煎度合いをしっかりと意識しながらコーヒーを飲んでみることが大切です。喫茶店で好みの味に出会ったら店主に焙煎度合いを聞いてみたり、焙煎度合いが明記されているお店を利用したりするとよいでしょう。

 

焙煎度合いに注目してみると、一般的な販売店でもいくつかの焙煎度合いの豆が売られていることに気がつくはずです。実際に飲み比べながら、自分好みの焙煎度合いを探してみてください。

 

 

ロースターでこだわりの豆を見つける

よりさまざまな焙煎度合いを試したい、こだわりの豆を入手したいという方は、ロースター(焙煎所)でコーヒー豆を選ぶのもおすすめです。

 

サードウェーブのムーブメントを受けて増えているロースターでは、一般的な販売店よりも幅広い焙煎度合いのコーヒー豆を扱っています。中には、オーダーを受けてから焙煎をしてくれるお店もあります。

 

ロースターにはプロの焙煎士がいますので、自分に合った豆について相談するのもよいでしょう。喫茶店を併設したロースターであれば、実際にコーヒーを味見しながらお気に入りの豆を探すことができます。

 

コーヒー豆は焙煎から時間が経つと味が落ちてきてしまいますが、ロースターで購入すれば、焙煎したばかりの豆を入手できるというのもメリットです。

 

また、最近ではロースターが焙煎した豆をネット通販で販売している場合もあります。お近くにロースターがなければ、そういったものを利用するのもよいかもしれません。

 

自宅で焙煎に挑戦してみる

コーヒーの生豆を仕入れ、自宅で焙煎するという方法もあります。コーヒー豆の持つ個性に合わせてプロ並みの焙煎を施すには高い技術が必要ですが、自分で焙煎すること自体は決して難しくありません。

 

金物店などで売られている手網やフライバンがあれば、自宅でも簡単に焙煎ができます。また、家庭用の焙煎機も販売されているので、より本格的に焙煎をしたい方はチャレンジしてみるとよいでしょう。

 

自宅で焙煎すれば、自分好みの焙煎度合いに調節できることはもちろん、普段コーヒーを飲むペースに応じて、必要な量だけ焙煎することが可能です。何より、手間をかけて自分で焙煎したコーヒーを飲めるという楽しみがあります。

 

コーヒー豆を自宅で保存する際に気をつけたいポイント

コーヒー豆は、「紫外線を浴びる」「酸素に触れる」「高温・多湿」によって鮮度を落とします。鮮度を保つためには、高温多湿を避けた日の当らない場所で、できるだけ空気の入らない容器を使って保存することが大切です。

 

ただ、しっかり密閉できる容器に入れていても、パッケージを開封した時点で空気や湿気が入り込みます。容器を開け閉めするたびに劣化や酸化が進むので、開封後は早めに飲みきるのがおすすめです。

 

また、未開封であっても温度差が激しい場所や直射日光が当たる場所は避け、冷暗所で保存しましょう。

 

コーヒー豆を保存する場合は「豆」のままか、挽いて「粉」になった状態か、いずれかで保存するわけですが、保存条件が同じなら、鮮度がより保てるのは「豆」の状態です。

「粉」は「豆」をミルで細かく挽くした状態のこと。つまり「豆」の時よりも空気に触れる表面積が増えているため、酸化のスピードも早くなります。コーヒーを開封した後は、粉の状態なら7〜10日、豆のままでも30日程度で飲みきるよう、心がけてください。

 

また、コーヒー豆を「常温」「冷蔵」「冷凍」で保存する場合、それぞれ気をつけるべきポイントがあります。

 

未開封の状態で、数日で飲み切れる量の場合は常温保存でも大丈夫です。風通しが良く15℃以下の場所で保存するのがおすすめです。

 

冷蔵庫で保存する場合、コーヒーが食品のにおいを吸ってしまうため、必ず密閉容器や袋に入れましょう。また、冷蔵庫の中でも開け閉めが頻繁ではない場所に保存するのがベストです。

 

すぐに飲まない場合は冷凍保存がおすすめですが、冷凍庫は内と外の温度差が大きいため、水滴もつきやすくなります。コーヒーは湿気を苦手とするため、なるべく出し入れはせず、1度に使う分ずつ小分けにして保存し、使う分だけ取り出すようにするとよいですね。

 

徹底解説!コーヒー豆の正しい保存方法|風味を損なわず、最後までおいしく味わおう

知れば知るほど奥が深い「焙煎」の世界

すでに焙煎されたコーヒー豆ばかり見ていると忘れがちになりますが、焙煎はコーヒーの味に大きな影響を与える重要な工程です。豆の品種や淹れ方はもちろん、焙煎度合いにもこだわってみると、よりコーヒーの奥深い世界を知ることができます。

 

サードウェーブの流れにより、焙煎は決して工場だけで行われるものではない、身近な存在となりました。

 

これまで焙煎について意識していなかった方も、ロースターから豆を購入したり、自宅で焙煎にチャレンジしたりして、ぜひ自分好みの焙煎度合いを見つけてください。

 

 

 

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