今回はUCCコーヒーアカデミーの村田講師に、冷めると味わいが変わる理由や、冷めても美味しく楽しむための豆選び・淹れ方を聞きました。抽出器具による味わいの違いや、冷めてしまったときの温め直し方もご紹介します。
INDEX
なぜコーヒーは冷めると味わいが変わるのか
まずは、コーヒーが冷めると味わいが変わったように感じる理由について聞いてみました。温度が下がることで、香りや甘味、酸味、苦味の感じ方はどのように変化するのでしょうか?
冷めることで見えてくる、コーヒーの味わい
コーヒーは冷めると味わいが変わったように感じます。これはなぜなのでしょうか?
大きく関係しているのが、「香り」と、私たちが味や香りを感じる仕組みです。
コーヒーには800種類以上の香気成分が含まれています。温度が高いときは、こうした香りの成分が空気中へ放出されやすいため、淹れたてのコーヒーからは豊かな香りを感じられます。
一方、温度が下がると香りの放出は穏やかになります。また、人の味覚や嗅覚も温度の影響を受けるため、少し冷めることで、甘味や酸味、香りの感じ方などが変化し、同じコーヒーでも異なる風味の印象として感じられることがあります。

ということは、「冷める=美味しくなくなる」わけではないのでしょうか?
そうですね。温かいときには、香りに隠れていた甘味や果実のような風味も、冷めてくるとより感じ取りやすくなります。そのため、温度によって風味のバランスや印象が変わり、「温度が下がってからのほうが美味しい!」と感じるコーヒーもあるんですよ。
ただ、さらに温度が下がってくると、苦味や渋みが相対的に強く感じられることもあります。
つまり、冷めることでコーヒーの成分が急激に変化しているというより、香りの放出の仕方や私たちの知覚が変わることで、「味が変わった」と感じているということです。
家でできる“冷めても美味しい”淹れ方のコツ
冷めても美味しい一杯を楽しむには、豆選びだけでなく淹れ方も大切なのだそう。特別なテクニックは必要なのでしょうか? 家でも実践できるポイントを聞きました。
まず気になるのは「豆選び」
冷めても美味しく楽しむなら、どのようなコーヒー豆を選ぶとよいのでしょうか?
ひとつの目安として、中炒り〜少し深炒りくらいのものがおすすめです。
ただ、焙煎度だけで決めるというより、甘味・酸味・苦味の「バランス」に注目してみてください。「苦味を楽しむ」タイプよりも、味わいのバランスがよいコーヒーのほうが、温度が下がってもバランスを保ちやすいと思います。
反対に、焙煎が深すぎて焦げたような風味が強いものなどは、冷めたときに苦味や渋み、えぐみが目立ちやすくなる傾向にあります。
UCCの商品でおすすめはありますか?
「UCC GOLD SPECIAL PREMIUM カフェヌーヴォー【期間限定】」と「UCC ゴールドスペシャル まろやかブレンド」ですね。どちらもホットで美味しいのはもちろんですが、温度が下がってきても美味しく楽しめるコーヒーだと感じています。

→ UCC GOLD SPECIAL PREMIUM カフェヌーヴォー【期間限定】のご購入はこちら
→ UCC ゴールドスペシャル まろやかブレンドのご購入はこちら
淹れたてから少しずつ温度が下がっていくなかで、味わいがどう変化するのかを確かめながら飲んでみるのもいいですよ。
コーヒー豆は挽いたものを買っても大丈夫でしょうか?
もちろんコーヒー粉でも楽しめますが、より良い状態で飲むなら、できれば豆のまま用意して、飲む直前に挽くのがおすすめです。
コーヒー豆は挽くと表面積が大きくなり、酸素などの影響を受け酸化しやすくなります。コーヒーは酸素・高温・湿気・紫外線が苦手なので、保存するときはそれらを避けることも大切。
基本は冷暗所で、しっかり密閉して保存しましょう。冷蔵庫で保存する場合はほかの食品の香りが移りやすいため、密閉容器やジッパー付きの保存袋などを活用してください。
一番大切なのは「雑味を出さないこと」
冷めても美味しいコーヒーを淹れるために、心がけた方がいいことを教えてください。
「雑味を出さないこと」が大切だと思います。できるだけ雑味や濁りが少なく、すっきりとした味わいのコーヒーに仕上げることを意識してみてください。

なるほど。では、雑味を出さないために意識した方がいいことはなんでしょう?
まずは挽き目ですね。細かく挽きすぎないことが大切です。ペーパードリップなら、「中細挽き」をひとつの目安にするとよいでしょう。

コーヒー豆は細かく挽くほどお湯と接する表面積が大きくなり、成分が出やすい状態になります。細かすぎると必要以上に成分を抽出してしまい、雑味につながることがあります。
冷めたときにも美味しく飲むことを考えるなら、過度に抽出しないことですね。
ドリップの際に意識することはありますか?
お湯の温度ですかね。おすすめは92〜96℃くらいです。沸騰した直後、100℃に近いお湯をそのまま使うのは避けてみてください。
温度が高すぎると、苦味や雑味につながる成分まで抽出しやすくなります。反対に低すぎても、コーヒーの味わいをバランスよく引き出しにくくなります。
沸騰したお湯を少し落ち着かせてから使う。まず気軽に実践できるポイントだと思います。
冷めたコーヒーを飲み比べてみた!
ここまで教えてもらったポイントのなかで、もうひとつ気になったのが「抽出器具」です。
ペーパードリップとフレンチプレスでは、冷めたときの味わいにも違いがあるのでしょうか? 実際に同じ豆を使って抽出し、温度が下がってから飲み比べてみました。

冷めてもすっきり!ペーパードリップ
まずは、ペーパードリップから。冷めた状態で飲んでみると、いかがですか?
後味がきれいですね。温度が下がっても嫌な感じはあまり感じません。後味もすっきりしていて、このまま美味しく楽しめます。

ペーパーフィルターを使う抽出は、微粉やコーヒーの油分がコーヒー液の中に入りにくいのが特徴です。
そのため、すっきりとしたクリーンな味わいになりやすく、冷めたときにも雑味が目立ちにくいんです。

フレンチプレスは冷めるとどうなる?
では、同じ豆をフレンチプレスで淹れたものはどうでしょう?
冷めた状態で比べると、飲んだあとに少し渋さを感じますね。ペーパードリップに比べてえぐみも少し強く、後味には苦味が残ります。また、フルーティな酸味とは少し違う、油分の変化によるものと考えられる酸っぱさも感じます。

同じコーヒー豆でも、これほど違いが出るんですね。
そうですね。フレンチプレスは金属製のフィルターを使うので、ペーパードリップと比べてコーヒーの油分や細かな粉が液体に残りやすくなります。
もちろん、コーヒーオイルを含んだ豊かな質感を楽しめるのは、フレンチプレスならではの魅力です。ただ、「冷めてから飲む」という点に注目すると、今回の飲み比べでは、ペーパードリップのほうが後味がすっきりとしていて、温度が下がっても美味しく楽しめました。

ゆっくり時間をかけて一杯を楽しみたい日は、ペーパードリップを選んでみるのもいいですね。
冷めたコーヒーを美味しく再加熱する方法
淹れたてのコーヒーを楽しんでいたものの、気づけばすっかり冷めてしまった……。そんなときは、電子レンジを使って手軽に温め直すことができます。
目安は、電子レンジ500Wで1分ほど。短時間で温められるので、仕事や家事の合間など、時間をかけずにもう一度温かいコーヒーを楽しみたいときにもおすすめです。
また、UCCコーヒーアカデミー公式YouTubeでは、UCCコーヒーアカデミーの講師が、冷めたコーヒーの温め直し方を実際に検証しています。電子レンジだけでなく、湯煎などの方法も試しながら、それぞれの仕上がりを比較しています。
「冷めたコーヒーは、どう温め直すとおいしく楽しめる?」と気になった方は、ぜひ動画もあわせてチェックしてみてください。
ゆっくり飲むからこそ見えてくる、コーヒーの豊かさ
コーヒーは温度が下がることで、香りや甘味、酸味、苦味などの感じ方が変化します。「冷める=美味しくない」と考えず、温度による味わいの変化を楽しんでみるのもおすすめです。
豆選びや淹れ方を工夫したり、冷めたら温め直したりしながら、自分好みの楽しみ方を見つけてみてください。
今回教えてくれたのは・・・

UCCコーヒーアカデミー講師
村田果穂(むらた みほ)
UCCコーヒーアカデミー専任講師。UCC直営店舗でバリスタ、店舗運営を経験し、「ジャパン ブリューワーズ カップ 2014/2015」準優勝をはじめ、コーヒーの抽出・品質評価・競技の分野で幅広い経験を持つコーヒースペシャリスト。
COE(Cup of Excellence)国際審査員として世界各地のコーヒーの品質評価に携わるほか、SCA認定Qグレーダーインストラクター、SCA認定トレーナーとして、コーヒーの品質評価や専門知識・技術に関するトレーニングを行い、国際資格取得を目指すプロフェッショナルの育成にも携わる。
現在はUCCコーヒーアカデミーの講師として教育に携わる一方、コーヒーの買い付け、品質評価、製品開発など、産地から一杯のコーヒーに至るまで幅広い領域で活動。2020年11月より、YouTube「UCCコーヒーアカデミー」のMCを務める。
(部署名・役職は取材当時の情報です)
「UCCコーヒーアカデミー」で会いましょう!
→ UCCコーヒーアカデミー のサイトへ
監修:UCC COFFEE MAGAZINE編集部
今すぐおいしいコーヒーを淹れたい!と思ったら…
UCCの人気商品のほか、コーヒーに関連するアイテムが勢ぞろい!ポイントもたまっておトクにお買い物できる「UCC公式オンラインストア」へぜひアクセスしてみてくださいね。

