コーヒーに含まれるカフェインには、身体にさまざまな良い効果をもたらす反面、人によっては摂り過ぎに注意が必要な場合もあります。
どれくらいの量までカフェインを摂取していいのか、事前に知っておくと安心ですね。
今回は、カフェインの適切な摂取量や、コーヒーに代わるカフェインの少ない飲み物などをご紹介します。
INDEX
カフェインの代表的な効果・効能とは?
カフェインはコーヒー豆や茶葉、カカオなどに含まれており、これらを主な原料とする食品や飲料は、必然的にカフェインの量が多くなります。
「カフェイン=眠気を抑えるもの」というふうに捉えられがちですが、カフェインは、日常生活で高いパフォーマンスを発揮するためのサポートをしてくれる成分でもあるのです。
活発な身体活動をサポートするカフェインの効果
カフェインには活発な身体活動をサポートする成分が含まれており、私たちの身体にさまざまな効果・効能をもたらしてくれます。その代表的なものは次の4つです。
- 眠気を抑制する覚醒作用
- 疲労感を減少・抑制する興奮作用
- 身体の血流を促す血管拡張作用
- 老廃物の排出を促す利尿作用
これら以外にも、認知症の最大の原因とされるアルツハイマー病や、手足の震えや筋肉の硬直によって身体の動きに障害が現れるパーキンソン病の予防に効果・効能がある可能性も示唆されています。
参照元:全日本コーヒー協会
妊娠中のカフェイン摂取は、どのくらいまで大丈夫?
妊娠中はカフェインの摂取量に気をつけている方が多いと思いますが、どのぐらい摂取しても大丈夫なのでしょうか?
以下は、食品安全委員会が公表しているカフェイン摂取量と飲料に換算した表です。
妊娠中のカフェイン摂取は、コーヒーカップ1杯程度が無難
妊娠中の場合の「人体に悪影響のない最大摂取量」は、1日あたり300mgです。
これは、1杯237mlのマグカップにおよそ130mgのカフェインが含有されていると想定した場合の数値になります。
普段200〜300ml程度の容量のカップでコーヒーを飲んでいる方は、妊娠中は、1日1杯程度に留めておくのが妥当だと言えるでしょう。130〜150mlのカップであれば、1〜2杯程度が目安です。
ただし、日頃使用している容器やカフェで提供されるコーヒーの容量によってカフェインの含有量は異なるので、この数字は参考値としてご活用ください。
カフェインの過剰摂取には要注意!
カフェインには様々な効果が期待できる一方、過剰摂取すると精神症状を引き起こす場合があるので注意が必要です。
特に気をつけておきたいのは、カフェインはコーヒー以外にも含まれているという点です。
紅茶、緑茶、抹茶、エナジードリンクの他、ガム、サプリメント、医薬品などにも添加されているので、知らないうちにカフェインを摂取している可能性があることを覚えておきましょう。
■危険な症状がある場合はすぐに病院へ!
カフェインを過剰摂取すると、めまいや吐き気、下痢といった症状をはじめ、興奮や不安などの症状を引き起こす場合があります。こうした症状が現れたときは、ただちにコーヒーの飲用を中止し、医療機関で受診するようにしてください。
このような事態を避けるためには、食品や飲料に含まれるカフェイン量や、適切に摂取するための飲む時間、タイミングについて理解しておくことが大事です。
コーヒーの飲み方、カフェイン摂取量の目安については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
「デカフェ」は妊娠中でも安心して飲める?
「妊娠中、カフェイン量を控えなければいけないけど、コーヒーを飲みたい…。」
そんなときの救世主が、カフェインを含まない、もしくは極わずかしか含まない飲み物です。
「カフェインレス」「デカフェ」「カフェインフリー」「ノンカフェ」といったいろいろな種類があり、それぞれカフェインを含む量が異なります。
カフェインレス
日本では、カフェインを90%以上取り除いたものを「カフェインレス」と表示することができます。
最近では、カフェインを97%もカットしたカフェインレスのコーヒー豆やインスタントコーヒーなども販売されています。
ノンカフェイン
原料にカフェインが含まれていない飲み物のことで、麦茶やハーブティーなどが該当します。
カフェインの摂取量に特に気を付けている方は、ノンカフェインの飲料を選ぶことをおすすめします。
デカフェ、カフェインフリー
「カフェインフリー」は、カフェインを取り除いた飲み物全般のことを指します。「デカフェ」とも呼ばれます。
「ノンカフェイン」とは異なり、微量のカフェインが含まれており、海外などでは、焙煎したコーヒー豆のカフェイン含有量が0.1%以下といった一定の基準が定められています。
日本の場合は明確な基準がありませんので、成分表示などをしっかり確認してから購入するようにしましょう。
カフェインレスコーヒーってどうやって作られる?
妊娠中でも飲みやすいカフェインレスコーヒーは、主に、焙煎前の「生豆(なままめ)」と呼ばれる段階で、カフェインを除去してつくられます。
代表的な2つの製造方法をご紹介します。
1. 水抽出法
生豆を水に浸し、溶け出たカフェインを特殊フィルターなどで除去する製造方法で、スイス式水抽出法とも呼ばれます。
比較的コストの安い一般的な製法ですが、香りや味成分が抜けやすいというデメリットがあります。
2. 二酸化炭素抽出法
コーヒーの生豆を高圧の二酸化炭素で抽出してカフェインを除去する方法です。
豆に負担をかけずにカフェインだけを狙って取り除くため、香りや味の成分を逃しにくいというメリットがあります。カフェインレスコーヒーでも通常のコーヒーと同じ豊かなコクと香りを楽しむことができることから、最近ではこの方法で抽出された商品が多く売られています。
カフェインを含まないコーヒーの開発も進められている
これらのほかにも、カフェインを溶かす薬品を使って取り除く方法などがありますが、人体に影響のある薬品を使うため、日本では禁止されています。
また、生豆から取り除くのではなく、最初からカフェインを含まない(もしくは少ない)品種のコーヒーの栽培方法についても、研究がすすめられています。
妊婦さんにもおすすめ!カフェイン量をおさえた飲み物
妊娠中のカフェイン摂取量に気を付けたい妊婦さんはもちろん、体質や健康上の理由からカフェインを控えている方もいらっしゃると思います。そんなときでも上手に付き合える飲み物をご紹介します。
カフェインレスコーヒー
カフェインレスコーヒーは、カフェインを90%以上除去したコーヒーです。
コーヒーの味や香りを損なわないように作られているため、コーヒー好きの妊婦さんや授乳中のママさんにもおすすめです。
たんぽぽコーヒー
たんぽぽコーヒーは、その名の通り、たんぽぽを原材料にしたノンカフェインの飲み物です。
焙煎してないものは「たんぽぽ茶」とも呼ばれます。見た目や風味はコーヒーにそっくりですが、味は濃い麦茶やほうじ茶に似ています。
ルイボスティー
ルイボスティーは、「ルイボス」という植物を原材料にした、ノンカフェインのお茶です。
ミネラルが豊富に含まれており、香りが良く、癖が少ない味なので、妊婦さんや授乳中のママにも人気があります。
ローズヒップティー
ローズヒップティーは、野ばらが咲いた後の果実を原材料にしたノンカフェインのハーブティーで、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
鮮やかな赤色で香りも良く、ゆっくりとくつろぎたいときにぴったりの飲み物です。
麦茶
麦茶は、自宅に常備されている方も多い、ノンカフェインの飲み物です。
飲みやすいので水分補給におすすめ、ミネラル豊富なので体にも良いというメリットもあります。
■濃い目の麦茶と豆乳でミルクコーヒーのような味わいに
濃い目に煮出した麦茶に豆乳を混ぜるとまろやかなミルクコーヒーのような味わいになります。
どうしてもミルクコーヒーが飲みたい!というときに、ぜひ試してみてください。
カフェイン摂取量を管理して、妊娠中もおいしいブレイクタイムを!
カフェインの量をしっかりと管理すれば、妊娠中でもコーヒーを楽しむことができます。
さまざまなカフェインレス飲料の違いや、カフェイン摂取量のコントロール方法を学んで、おいしいブレイクタイムを楽しんでくださいね。
また、カフェインを制限したい時でも楽しめる飲み物はいろいろあります。この機会に、自分好みのお茶やハーブティーを見つけてみてはいかがでしょうか?
健康に気を配りながら、おいしく楽しいブレイクタイムをお過ごしください。
【監修】UCCイノベーションセンター