「エアロプレス」は使って楽しい!淹れて美味しい♪空気圧で抽出するドリップ方法を紹介!【教えて、コーヒーアカデミー!】 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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「エアロプレス」は使って楽しい!淹れて美味しい♪空気圧で抽出するドリップ方法を紹介!【教えて、コーヒーアカデミー!】

2000年以降に開発された抽出器具「エアロプレス」のことが丸わかり。 UCCコーヒーアカデミーの今田講師の解説で、「空気圧」で抽出するエアロプレスの淹れ方や特徴などを紹介します。

“空気で押す” ドリップスタイル「エアロプレス」

ペーパードリップやネルドリップ、サイフォン、エスプレッソ…コーヒーにはさまざまな抽出方法がありますが、そのひとつ「エアロプレス」という器具を使った抽出方法を知っていますか?

一見するとコーヒーの抽出器具とは思えない、注射器のようなピストン型の器具「エアロプレス」は、2000年以降に開発された抽出方法で、空気圧を利用しながら素早くコーヒーを抽出できるのが特徴。
ハンドドリップで淹れるよりもぐんとスピーディーに、またフレンチプレスよりも繊細な味わいを楽しめる「エアロプレス」の魅力をお届けします。

大会の開催も!愛好家の多い「エアロプレス」の特徴

2005年に完成したエアロプレスについて、どのような器具なのか今田さんに話を聞きました。

エアロプレスは、アメリカのフリスビーメーカー「エアロビー」が開発したので、「エアロ」と名付けられました。2020年4月からは、アウトドア向けのコンパクトな「エアロプレスゴー」も発売されています。
エアロプレスが海外で知られるようになった背景には、ノルウェー出身のバリスタ「ティム・ウェンデルボー」氏の活躍があります。
ウェンデルボー氏は、世界一のバリスタを決める競技大会「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)2004」のチャンピオンで、コーヒー界の神様とも呼ばれている人物。
そのレジェンドが、エアロプレスの大会を初めてノルウェーで開きました。のちに大会は世界規模にまで成長し、2008年より世界大会が開催されるまでになったんです。
コーヒーを淹れる所作なども含めて評価されるWBCなどとは違い、“誰が最も美味しくコーヒーを淹れたか”を、和気あいあいとした中で審査するという、とてもカジュアルなコンテストです。

ちなみに、エスプレッソやハンドドリップ、サイフォン以外の様々な抽出器具がある中で、専門の大会が開かれているのは、エアロプレスだけなんですよ。

空気を間に入れて、自分で押す!スピーディーな抽出方法

エアロプレスは「空気圧で抽出」しますが、実際に体験してみると「自分の力でコーヒーを抽出してる!」と思わせてくれる魅力があります。
エスプレッソがポンプの圧力で抽出するのに対し、エアロプレスは空気を自分で押して抽出。なにより、スピーディーな抽出が最大のメリット!素早く抽出することで、雑味の少ないコーヒーが味わえます。

円形の紙製フィルター+横穴からの抽出。酸味を活かしやすい器具

また、今田さんによると、「円形の紙製フィルターを使うことと、そのフィルターをセットするキャップ部分にも特徴がある」のだそう。
円形の紙製フィルターが、コーヒーの油脂「コーヒーオイル」を適度に取り去るので、すっきりとした味わいに仕上がります。加えて下の画像のキャップにも注目を。赤丸で囲んでいる横穴がポイントです。抽出する時、粉を円形の紙製フィルターで漉しますが、一部のわずかな粗い粒子はフィルターを通ることなくキャップの横穴に流れます。するとコーヒー液はやや濁りますが、あっさりしすぎない、コーヒーオイルをほどよく含んだおいしいコーヒーができあがるというわけです。

抽出するときのお湯の適温は80~90℃程度とほかの器具と比較するとやや低め。エアロプレスは、良い酸味を持ったコーヒーの味を引き出しやすい器具といえます。

手入れが簡単!持ち運びもしやすくアウトドアにも向く

そしてもうひとつの嬉しいポイントは、円形の紙製フィルターと残りカスをポンッと簡単に捨てられるので、お手入れがラクということ!加えてプラスチック製で軽量。耐久性もあり、コンパクトに持ち運びができるので、アウトドアで使う人もいるそうです

今田講師が解説!エアロプレスで淹れるコツ

ここでは今田講師による解説で、エアロプレスで淹れるコツを紹介します。
コーヒーを飲みたい時に素早く、美味しく淹れられて、片付けも簡単。アウトドアでも気軽に使えるエアロプレスを使って、さっそく淹れてみましょう!
まずは器具をご紹介します。

器具の説明

(1)チャンバー:コーヒーの粉とお湯を入れる筒状の器
(2)ブランジャー(ピストン):チャンパーの内側から押し出すピストン
(3)キャップ:円形の紙製フィルターとセットで使用
(4)円形の紙製フィルター :コーヒーの抽出用フィルター
(5)ろうと:粉やお湯をこぼさずにチャンパーへ入れられる便利ツール
(6)メジャー :コーヒー粉を計量
(7)バドル:お湯と粉をなじませる

1.円形の紙製フィルターをセットして、チャンパーに取り付ける

付属の円形の紙製フィルターをキャップにセットします。

チャンパーの底にキャップを回しながら、キュッと閉めて取り付けます。この状態で、カップに乗せておきます。

2.湯煎であたためる&円形の紙製フィルターのリンス

1のチャンパーにお湯を注ぎ、円形の紙製フィルターにお湯を通してリンスします。カップに落ちたお湯は捨てます。

3.コーヒーの粉を計り、お湯を入れます

メジャーすりきり1杯分(14~15g)をチャンパーに入れます。ろうとを使うと粉をこぼさずに入れられますよ。

プランジャーは計量カップ代わりに使えます。満タンまでお湯を入れると、カップ1杯分が(200ml)計れます。ちなみに出来上がり量はマグカップ1杯分程度になります。

チャンパーに注ぎ入れます。

4.ブランジャー(ピストン)で蓋をして、蒸らす(第1攪拌)

パドルでお湯と粉をなじませるようにして、コーヒーの粉に含まれるガスを抜きます。この工程を「第1攪拌」と呼びます。プランジャーで蓋をした時に少し引き上げるようにすると、筒内が密閉状態になり、コーヒー液の流出が止まります。ルールはありませんが、大体20秒を目安に粉をお湯に浸し、蒸らします。

この時、チャンパーの中は下の写真のようにガス(空気)と粉、コーヒー液が3層に分かれます。

5.コーヒーの味をお湯に移す(第2攪拌)

蒸らしが終わったらもう一度パドルで上下にかき混ぜ、粉とお湯が均一に混ざり合った状態にして、コーヒーの味をお湯に移します。この工程が「第2攪拌」です。
ポイントは、粉をお湯の中に沈めるイメージで混ぜること。ここで味の善し悪しが決まります!

6.体重を乗せてプランジャーを押す

腕を固定して、体重を手のひらにかけてプランジャーをゆっくり押し出します。
「シューッ」と音が鳴ると、コーヒー液を出し切った合図。ここでストップしてもOKです。コーヒーの成分をしっかり出したい場合は、パンチャーの底までプランジャーを押しましょう。

7.カスを捨てる

6で抽出は完了です。キャップを緩めて外し、プランジャーを押して円形の紙製フィルターごと捨てます。ポンッと外れて簡単!器具に付着したカスは、お湯で洗い流します。

ワンポイントアドバイス!エアロプレスを片付ける時に

チャンパーとプランジャーは重ねて収納できますが、1つアドバイスを。
プランジャーのパッキンがチャンパーの中に長時間入っていると変形する場合があります。パッキンが変形すると抽出しにくくなる恐れがあるため、プランジャーを押し出した状態で片付けましょう。

こちらコーヒーアカデミーのYoutubeでもわかりやすく解説しています。
ぜひチェックしてみてくださいね!

コーヒーライフがもっと楽しくなる!エアロプレスの魅力

今回教えてくれたのは、UCCコーヒーアカデミーの今田講師。ティム・ウェンデルボー氏に会いに行くほど「めちゃくちゃハマっています」と語る講師に、エアロプレスの魅力について聞きました。

エアロプレスが大好きな理由は、”人力で抽出”しているからです。
正確には「空気圧で抽出」なんですが、僕は「空気を挟んだ人力抽出」だと思っていて。体重を使って押し込む動作が「自分の力で素早く抽出しているぞ!」と感じられるので、気に入っています。

何杯も淹れなくてはいけない時でも、エアロプレスならスピーディーに淹れられて、パッと用意できる点も嬉しいですね。
お手入れがラクでコンパクト設計で扱いやすいのですが、カップ付きの新商品「エアロプレスゴー」は、アウトドア専用に作られていて、こちらもおすすめですよ。

いつでもどこでもすぐにおいしくコーヒーが淹れられる、そんな手軽さが嬉しいですよね。皆さんも新しい抽出方法を楽しんでみてください!

今田 束  Tabane  Imada
UCCコーヒーアカデミー講師
・UCCコーヒーアドバイザー
・UCCコーヒー鑑定士
・(ブラジル)コーヒー鑑定士
・UCCコーヒー抽出士
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