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「ドリップコーヒー」とは何か?器具も淹れ方も広がり続けるコーヒーの世界

2019.07.03
ここ何十年かでエスプレッソ系のメニューを出すカフェチェーン店が増え、「カフェラテ」や「カプチーノ」などのメニューもすっかりお馴染みになりました。そんなお店でたまに見かける「ドリップコーヒー」の表記。ん?コーヒーってそもそもドリップしているものだよね?なぜわざわざ『ドリップ』を掲げるのか不思議に思ったりしたことはありませんか?

今回は「ドリップ」について…少し掘り下げて解説していきます。

そもそも、ドリップコーヒーって何?

ドリップ(Drip)は「滴る(したたる)」などを意味する英語です。つまり、「ドリップコーヒー」とは、主にハンドドリップやフィルターを使うコーヒーマシンなど、“コーヒーにお湯を注ぎ、お湯の重みだけで成分を抜き出す方法”で抽出したコーヒーを指しています。

エスプレッソも、マシン内部ではコーヒーにお湯を注いで淹れているわけですが、圧力をかけながら短時間で抽出するため、出来上がりはコーヒーの油分をしっかりと混ぜ込んだ濃厚な液体になります。

つまり、同じコーヒーでも、かなり違った味わいのものであることをわかりやすく伝えるために、エスプレッソベースのメニューがメインのお店の場合、ハンドドリップなどで淹れたコーヒーメニューをあえて「ドリップコーヒー」と分けて書いているのだと思います。

コーヒーの淹れ方は大きく「透過法」「浸漬法」の2つに分けられる

コーヒーの器具は、形も使い方も様々なものが存在しますが、「コーヒーとお湯の接触方法」という切り口で見てみると、大きく2つのパターンに分けることができます。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

■透過法(とうかほう)

ペーパードリップやネルドリップなど、コーヒーの粉にお湯を注ぎ、お湯がその重みで通過する間に“ろ過”して成分を抜き出す淹れ方です。短時間で抽出が完了するため、比較的スッキリした味わいになります。お湯が落ちていく限られた時間の中で、いかにコーヒーの持ち味を抜き出せるかが鍵です。

■浸漬法(しんしほう)

サイフォンやカフェプレスなどは、コーヒーの粉をお湯の中に浸しながら少し時間を置くことで、成分をお湯の中に浸みださせて抽出します。コーヒーの粉がお湯に完全に浸るため余すことなく成分を抜き取りやすい分、雑味も出やすくなりますが、しっかりしたコクのある味わいになります。もちろん、工夫次第では、透過法でもボディ感のあるコーヒーにしたり、浸漬法で軽く飲みやすいコーヒーを淹れたりすることも可能です。

 

ちなみに、先ほど解説したエスプレッソは、このどちらにも当てはまらないように見えますが、お湯がホルダー内に詰めたコーヒーを通過しながら抽出する淹れ方なので「透過法」。アウトドアなどで人気のパーコレーターは、コーヒーとお湯が接触したまま器具の中を循環するため、「浸漬法」にあたります。

 

「フィルター」で味わいが変わるドリップコーヒー

同じコーヒーを使ったとしても、使う器具の特徴によって、その味わいは驚くほど変わります。例えば、透過法の中でも最もポピュラーといえるペーパードリップだけを見ても、味わいを変化させる要素がいくつも含まれています。だからこそ、コーヒーには、自分好みの味にチューンナップする楽しさがあるのです。

ここでは、フィルターによる違いを簡単にご紹介しましょう。

 

紙製(ペーパー)フィルター

ドリップコーヒーの中でも最も手軽でポピュラーな抽出方法の紙製(ペーパー)フィルターは手に入りやすく、使い捨てもできるので衛生的。ハンドドリップ初心者はまずペーパーフィルターからスタートすることをおすすめします。

金属フィルター

紙製(ペーパー)フィルターと比べると高価なものが多いですが、使い捨てではないため、しっかりメンテナンスすれば使用できるメリットもあります。また、コーヒーの成分がダイレクトに抽出されるため、コーヒー本来の味を味わうことができるのも、特徴です。

布(ネル)フィルター

フランネルという織物で作られた布製フィルターのこと。ドリッパーを使わず、布の自然なたわみを見極めながらお湯を注いでいきます。おいしく淹れるにはかなりの技術が必要なため、喫茶店で熟練のマスターなどが使っているシーンが浮かぶ方も多いかもしれません。

起毛した布が微粉を濾しとるため、滑らかな舌触りの液体に仕上がります。お手入れが少し大変ではあるものの、コーヒー愛好家からは「最高の抽出方法」として愛されています。

 

今なお増え続けている抽出方法

コーヒーは、古くからさまざまな器具が開発されている飲み物ですが、今なお新たな器具・淹れ方が開発され続けています。固定概念に縛られないこの自由さも、人々を惹きつけている理由かもしれません。

ペーパードリップやエスプレッソマシン以外の抽出器具も、いくつかご紹介しましょう。

サイフォン

フラスコの中で温まった空気がお湯を押し出すことでロートへ上がり、抽出された後にフラスコへ落ちていく、サイフォン。コーヒーが出来上がっていく様子をガラス製の道具越しに眺めることができるため、演出効果は抜群です。さらに、器具の中心にセットされているのはネル(布)フィルターなので、舌触りが滑らかでクリアな味わいになります。

フレンチプレス

ガラスポットの中にコーヒーとお湯を入れ、少し時間を置くことで抽出します。最後、フィルター部分を押し沈めて粉が浮いてこないように押さえながらカップに注いで出来上がりです。ミルクなどと相性の良いコーヒーに仕上がるのは、金属メッシュなフィルター部分によってコーヒーの持つ油分が濾されずに液体側と合流するため。テクニックもほぼ必要ないので、家淹れ初心者にもおすすめです。

エアロプレス

その名の通り、空気の圧力を利用してギュッと成分を押し出すように短時間で抽出する淹れ方。2000年代に入ってから、発明されました。基本、紙のフィルターですが、専用の金属フィルターもあり、工夫次第で自分の一杯を追求できる器具です。近年は、エアロプレスのみで競う抽出大会も開催されています。

ウォータードリップ(水出し)

専用の器具を使って水を点滴状に落としながら時間をかけて淹れる方法もあれば、長時間コーヒーを水の中に漬け込んだ後に濾す淹れ方もある、ウォータードリップ(前者は透過法、後者は浸漬法といいます)。温度変化がない分、コーヒーそのものの特徴が素直に引き出される淹れ方といえるでしょう。

パーコレーター

直火にかけられる専用の道具を使ってコーヒーを抽出する、パーコレーター。火にかけられたお湯がポットの中を循環し、コーヒーと何度も接触することで抽出されるため、味わいが強いコーヒーに仕上がります。山や川などのアウトドアでコーヒーを味わいたい方におすすめです。

クレバー

まず、専用のドリッパーにペーパーフィルターとコーヒーを入れます。その後、適量のお湯を注いでふたをしたら少し置き、最後に底の弁を開けてサーバーへ一気にコーヒーを落とすという抽出方法です。一見よくあるドリッパーのようですが、カフェプレス同様漬け込んで抽出するため、どちらかと言えば「浸漬法」に分類されます。

ペーパードリップとカフェプレスの良いとこ取りの味わいが出せるか……試行錯誤してみるのもまた一興です。

 

淹れ方と器具を自分なりに組み合わせて、自分好みの一杯を

コーヒーにはさまざまな抽出方法があり、それによって、見た目も味わいも大きく変わります。最近はコーヒーだけではなく、抽出方法を選べるお店や、こだわりの器具で淹れたコーヒーを提供しているお店も増えました。気が向いたときには、ぜひいつもと違うオーダーをしてみてください。

家淹れ派の方も、いつもと違う淹れ方や器具にもチャレンジして、自分好みの一杯にチューンナップしてみるのも、おもしろいでしょう。新たな家淹れの楽しさが見つかるかもしれません。

 

▼ コーヒーを家で淹れたくなったら・・・

 

 

 

 

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