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前回のおさらい
みなさんこんにちは、ハルです!
前回は、コーヒーゼリーの可能性を探る!ということで、いろんな産地の豆からコーヒーゼリーをつくり、ゼリーでブレンド体験をしました。面白かったな〜。
そして今回はコーヒーカップについてのお話です。
まずは、自分のお気に入りのカップをご紹介しますね…と言っても、いつも使っているものです。白くてふつうですけど、たっぷり入るのがお気に入りポイント♡
これは「マグカップ」ですよね。マグカップってコーヒーのための器なのかな。
でもわたし紅茶もこれで飲んでる(汗) …うーん、天の声さんの言っていた、紅茶とコーヒーのカップの違いって何なんだろう?
カップの形状でコーヒー用、紅茶用って決まっているの?
(天の声)ハルさんこんにちは。使いやすそうなカップですね。
さて、今日はコーヒーを飲むカップについて。まず、お話にあったティーカップとコーヒーカップの違いについてからお話ししましょうか。
(ハル)天の声さん、よろしくお願いします!
(天)実はコーヒーの器にはそれほど決まりはないのですが、紅茶は貴族の文化だったこともあってカップにもいろいろなルールがあります。
紅茶専用のカップと言われるものは一般的に背が低くて飲み口が広くなっているんです。例えばこんな形のもの。
(ハル)わぁ、きれいなカップ。うんうん、紅茶ってこういう浅く作られたカップで出てきますね!確かにお店でこういうカップでコーヒーを出されたことはないかも。
(天)この器にコーヒーを注ぐと液が明るく見えて、コーヒーとは違うもののように感じます。味が薄い飲みものと勘違いされちゃうので、コーヒーにはこの浅さのカップを選ばない方がいいですね。
(ハル)なるほど、確かにです。
(天)もちろん伝統的なメーカーのカップの中にも紅茶とコーヒー兼用のカップというのもあります。ただ「紅茶用」に開発されたシェイプというのもあるので、そこはちょっと気にしてみたいところです。
(ハル)そうですね。コーヒーを飲むのにわざわざ紅茶専用のカップを選ばなくてもいいですよね。適したカップでいただきたい…ということはコーヒーにも専用カップがあるんですか?
コーヒーのカップの種類
(天)コーヒーには実は紅茶ほどルールがあるわけではないのですが、いくつかコーヒーの専用カップとして名付けられているものを紹介しますね。
(ハル)お願いします!
一般的な「レギュラー」、サイズが小さい「デミタス」
(天)レギュラーカップって言葉聞いたことありませんか?
(ハル)あーあります。レギュラーサイズ、とか。
(天)レギュラーサイズ、とも言われますね。「レギュラー」と呼ばれるカップはだいたい140mlのコーヒーが飲めるサイズのカップ&ソーサー。とても一般的なコーヒーカップの形状です。それに対して70ml程度のものは「デミタス」と呼ばれます。
(ハル)デミタス、小さいですね、かわいい。
(天)デミタスの語源はフランス語ですが、半分のサイズのカップという意味。デミが「半分」タスが「カップ」です。…なので、余談ですけど「デミタスカップ」ではなくて「デミタス」って呼んでくださいね。
(ハル)なるほどです!カップカップになっちゃいますね(笑)。
そして、レギュラーサイズの140mlの半分だから70mlということなんですね。
(天)はい。ちなみにお皿がついているカップの中で一番格式が高いカップがデミタスです。正式な晩餐など、コース料理の最後でコーヒーをいただくときは、必ずデミタスが使われているのですよ。
(ハル)へぇ〜今度気にしてみます(…って、いつそんな機会が!←心の声)。
カジュアルに楽しめるマグカップ
(ハル)コーヒーを飲む器でお皿のついていないカップもありますよね。
(天)はい、ハルさんのお気に入りのカップもそうですね。180mlやそれ以上に大きいものもありますが、マグカップは カジュアルにコーヒーを楽しむカップですね。ちなみに「マグカップ」は和製英語で、英語で正式には「マグ」です。形としてはビールジョッキなどから派生してきたものなんです。
(ハル)ビールジョッキ、ですか!
(天)はい、お皿のついたカップは貴族とか上流階級の暮らしで使われていたカップの流れをくんでいて、マグカップは一般庶民の人々の暮らしの中から生まれてきた器なんですよ。
(ハル)どうりでマグカップは頑丈なものも多いし、やっぱりわたし普段はマグカップの方が気兼ねなく使えていいなー(笑)
エスプレッソ、カプチーノ、カフェオレ用のカップも
(ハル)あ、あと以前カフェオレを教えていただいた時に、専用カップのカフェオレボウルについても説明してもらいましたけど、コーヒーの種類によってもカップって変わりますよね。
(天)そうですね。カフェオレボウルだけじゃなく、例えばエスプレッソのカップは、ぐいっと飲めるようにサイズも小さく、形は三角錐をしています。
カプチーノカップもミルクの泡がカップの底に残らないような形状に考えられていますね。
コーヒーの味にあわせて考える、カップの選び方
(ハル)専用のカップはわかりやすいのですけど、カップっていろんな形があるじゃないですか。選び方や選ぶ基準というか、考え方ってあるんですか。
(天)はい、ありますよ。選ぶカップで味の感じ方も変わってきますから、特徴を捉えて、コーヒーの味わいにあわせてカップも選ぶといいですね。
(ハル)ええっカップで味が変わる!?それは考えてもなかった。どういうことでしょう。
形状で味を際立たせる
(天)よくシャンパングラスと、カクテルグラスを例に説明するのですが、この2つは大きく形状が違いますよね。シャンパングラスは円筒形で、カクテルグラスはラッパ型です。
円筒形のものは香りがたまり、香りを強く感じるけれど、ラッパ型のものは香りが拡散していくのでゆるく感じます。
だから、円筒形の方が飲んだ時に苦味を強めに感じやすいんです。そしてラッパ型の方は酸味を拾いやすくなります。
(ハル)なるほど〜 味の感じ方が変わる=味が変わるってことですね!
(天)同じようにコーヒーカップも円筒形とラッパ型で味が変わってきます。
なので、味にこだわるパティシエも、このチョコレートケーキにコーヒーを合わせるなら、苦味を感じてもらいたいから飲み口のすぼまった筒型のカップを。のように、どう味わってほしいかを考えて選んでいらっしゃるとか。
(ハル)なるほどー!そうすると、コーヒーの酸味が好きな人は、比較的広がりのあるラッパ型のカップを選ぶと良いかもってことですね。
(天)はい、その通りです。ぜひ試してみてください。
カップで季節感を出す
(天)あと、カップを選ぶ時に考えてもらいたいのは季節感。例えば白っぽいカップにシルバーのスプーンをあわせると夏っぽく感じられますし、秋冬だと、ゴールドが気分に合います。色でも季節感が表現できるんですよね。
素材も、温かみを感じる土を使った焼き物だったら秋冬におすすめ…土物は木の芽の芽吹く頃もいいですね。そして夏は磁気の硬質なものが欲しくなります。
(ハル)おおお、天の声さん、おしゃれです。参考にしたいです。
いろんな人のカップを見てみたい!
いや〜コーヒーカップがこんなに奥深いものだって知りませんでした。
カップの形で味の感じ方まで変わってしまうなんて!それにいろんなルーツがあったり、色も形も素材の種類も本当にいろいろあるんだなぁ。いったいみんなはどんなコーヒーカップを使ってるんだろう?
と思って、ちょっとコーヒー好きな友達、梅ちゃんに聞いてみた。
そしたら送られてきたのがこれ。
ふお〜らしいわ〜♡
うんうん、コーヒーカップってその人らしさがすっごい出るものなのかもしれないなあ。自分のお気に入りのカップって、あるだけでほっこりしちゃうし。
友達の使ってるカップ、送ってもらいました!
そこから俄然興味が出てしまって、いろんな友達に連絡してしまいました。
「ねえねえ、みんなのお気に入りのコーヒーカップを見せて〜」って。
みんなからたくさんのカップが送られてきましたよ〜さあご覧ください。
みんなのカップ、いい!やっぱりその人らしさが出るし、その人の歴史やくらしが見え隠れするし、ああ、あの人はこういうカップでいつも飲んでるんだなんて、みんなの顔を浮かべながら見るとまた、感慨深かったりして。
オンライン会議だと、時々手元のカップが見えることがありますよね。カップのひそやかな自己主張もすてきかも。
私も新しいお気に入りのカップ、欲しくなっちゃったな。
次回のハルのコーヒーは
(天)お友達のカップも素敵ですね。ぜひカップから広がるコーヒーの魅力も意識してみてくださいね。
(ハル)はい!今回はいろいろ発見でした。食器を選ぶのは好きですし、人生の楽しみがひとつ広がった感じです〜新しいコーヒーカップ選ぶの楽しみ、って最近は暑くなってきてアイスコーヒーばかりだけど(笑)
(天)暑い日が続きますし、アイスコーヒーの美味しい季節ですよね。そうそう、次回はアイスコーヒーにアイスクリームをトッピングしたアレを研究してみませんか?
(ハル)アイスクリームのアレ?あー!わかりました、コーヒーフロートですね!
(天)はい。コーヒーフロート、お好きですか?
(ハル)大好きです!
(天)よかった。いろいろアレンジして可能性を探ってみましょう。
(ハル)むっちゃ楽しみです。一度家でもつくってみますね(食べたい)。
冷たいコーヒーにアイスクリームのおいしさってほんと罪♡ 好き。
そして天の声さんの言うコーヒーフロートの可能性って、一体どういうことなんだろう…超絶Bigサイズのアイスクリームを使うとか(そんなわけないか・汗)。
次回は、「いろいろなアイスクリームで、進化系コーヒーフロート」
ちょっとめずらしいコーヒーフロートもご紹介します。どうぞお楽しみに!
今回の天の声
UCCコーヒー博物館 学芸員
コーヒー鑑定士
香月麻里
96年にUCCコーヒー博物館・学芸員職に就く。98年日本人女性3人目のコーヒー鑑定士(クラシフィカドール)となる。2007年からUCCコーヒーアカデミー専任講師としてコーヒー作法~フードペアリングの授業を担当。
▼前回の『ハルのコーヒー』はこちら!
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