ここでは「クレバーコーヒードリッパー」独特の構造、味わいの特徴、メリット・デメリットなどを解説します。
また、本記事では、「クレバーコーヒードリッパー」の抽出に必要なアイテム、抽出の手順やコツについてもご紹介しています。これから「クレバーコーヒードリッパー」を始めてみたい方は、じっくりとご覧ください。
INDEX
『クレバー コーヒードリッパー』ってなに?
『クレバー コーヒードリッパー』の「クレバー」は、英語で「賢い(clever)」という意味があります。
その名の通りクレバー コーヒードリッパーは、とてもよくできたコーヒードリッパーで、「底」の部分に秘密があります。
一般的なコーヒードリッパーとクレバー コーヒードリッパーの違いとは?
クレバー コーヒードリッパーの秘密をご紹介する前に、まずは一般的なコーヒードリッパーとの違いについてみていきましょう。
一般的なコーヒードリッパーの場合は、底部に小さな穴がいくつか開いており、上からお湯を注ぐと、その穴からコーヒー液が流れ落ちる仕組みとなっています。
一方、クレバー コーヒードリッパーは、底部にシリコンラバー製の「弁」が付いています。この「弁」は、テーブルの上など平らな場所に置くだけでは閉じたままの状態となっているため、コーヒーをセットしてお湯を注いでも底穴からコーヒー液が滴ることはありません。
コーヒードリッパー内部でコーヒー粉がお湯に浸り、十分に抽出ができたタイミングで、カップやサーバーの上へ”ストン”と置きます。すると底部の「弁」が開き、コーヒードリッパー内部に溜まっていたコーヒー液が一気に落ちていく仕組みになっています。
台湾で生まれたクレバー コーヒードリッパー
ちなみに、この『クレバー コーヒードリッパー』が生まれたのは、おとなりの国・台湾です。2009年に、E.K.Int’l社から発売されました。
クレバー コーヒードリッパーが発売されるとコーヒー愛好家たちの間でたちまち注目の的となり、テクニック不要で誰でもおいしいコーヒーが淹れられる、独自の構造を持ったコーヒードリッパーとして話題になりました。
このクレバー コーヒードリッパーは、日本でも徐々に浸透しているアイテムなので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
その他のコーヒードリッパーの種類や特徴については、こちらの記事も参考にしてみてください。
コーヒードリッパーの選び方|種類・形状・特徴や人気ドリッパーを解説
クレバー コーヒードリッパーは「浸漬法」
コーヒーの抽出方法は、いろいろとありますが、コーヒーとお湯の接触パターンで分類すると、「透過法(とうかほう)」と「浸漬法(しんしほう)」の2種類になります。
「透過法(とうかほう)」とは?
お湯がコーヒーの粉を通過していく間に成分を抽出する方法で、主にペーパードリップを用いることが多いです。透過法のメリットは、ハンドドリップで手軽にコーヒーを淹れることができることです。抽出時間が短いので、すっきりとした味わいになりやすいという特徴もあります。
「浸漬法(しんしほう)」とは?
コーヒー粉をお湯に浸け込んで成分を抽出する方法で、サイフォンやフレンチプレスなどを使用します。浸漬法のメリットは、時間をかけてゆっくり抽出するため、濃厚な味に仕上げられることです。
また、浸漬法で淹れたコーヒーは、香りも豊かになるため、喫茶店などではこの方法を用いているところが多い傾向があります。
クレバー コーヒードリッパーは、見た目はペーパードリッパーのように見えますが、一定時間コーヒーの粉をお湯に浸すため、実際は「浸漬法」にあたります。
ここがスゴイ!ぜひ覚えたい『クレバー コーヒードリッパー』の特徴
ここまでクレバー コーヒードリッパーの仕組みをざっと説明しましたが、もう少し詳しく特徴を解説していきます。クレバー コーヒードリッパーの特徴を把握しておけば、よりおいしいコーヒーを淹れるコツも掴みやすくなることでしょう。
1. 誰でも簡単においしいコーヒーを抽出できる
『クレバー コーヒードリッパー』は、手順をきちんと守るだけで、誰でも安定した味のコーヒーを淹れることができるのが、最大のメリットです。
クレバー コーヒードリッパーへお湯を注いだ後は、そのまましばらく放置しておいても大丈夫です。つきっきりでお湯を注ぐ手間もかかりませんので、その間にカップをお湯に浸して温めたり、お砂糖やミルクを用意したりなど、ほかの作業をしながらコーヒーを淹れることも可能です。
逆に言うと、このような特徴がクレバー コーヒードリッパーのデメリットになる場合もあります。コーヒーの量、浸け込む時間が同じならば、誰が淹れてもほぼ同じコーヒーになるため、個性が出したい場合には使いにくいかもしれません。
ただ、クレバー コーヒードリッパーは、最初からサーバーの上などに置いて弁を開いた状態にすれば、普通のドリッパーのように使うことも可能です。クレバー コーヒードリッパーと一般的なドリッパーの2通りの使い方ができるという、まさに「クレバー」な器具なのです。その日の気分、状況に応じて、使い分けてみるのも良いかもしれません。
2. コクがあるのに、クリアな味わいのコーヒーになる
『クレバー コーヒードリッパー』は、一定時間漬け込むように淹れるため、コーヒーの成分がしっかり抽出されやすく、コクのある味わいになります。
また、ペーパーフィルターで濾過しますので、余計な油分や微粉も取り除かれるため、すっきりとクリアな味わいに仕上がりやすくなるのが特徴です。
クレバー コーヒードリッパーを使うだけで、コクがあり、かつ、飲みやすいバランスが取れた味のコーヒーになりますので、初心者に向いているアイテムかもしれませんね。
同じ浸漬法でも、フレンチプレスの場合は、ペーパーよりも目の粗い金属製のフィルターを通しますので、コーヒーオイルやコーヒーの微粉なども液体側に含まれています。
そのため、フレンチプレスを使うと、クレバー コーヒードリッパーで淹れたコーヒーよりも濃厚な味わいとなります。コーヒーの味をしっかり感じたい方は、フレンチプレスのほうがおすすめかもしれません。
3. クレバー コーヒードリッパーはお手入れが簡単
クレバー コーヒードリッパーは、お手入れが簡単で、片付けが楽という特徴もあります。使用後にペーパーフィルターを外すことで、コーヒーかすをきれいに捨てることができます。ペーパーフィルターを捨てたら、中性洗剤などで本体部分を洗うだけなので、普通のドリッパーと同じようにお手入れが可能です。
ネルドリップは慎重にフィルターのお手入れをしなくてはなりませんし、フレンチプレスはコーヒーの粉の処理が面倒で時間がかかってしまいます。これらの器具と比べたら、クレバー コーヒードリッパーはかなり簡単にお手入れできるので、片付けをさっと済ませたい方にとっては重宝することでしょう。
ただし、ドリッパー下部で「弁」の役割をするシリコンラバーと、それを支えているリリースリングに関しては、定期的に分解清掃が必要です。また、シリコンラバーは消耗品なので、ずっと使用していると、劣化してコーヒーが漏れてしまうことがあります。漏れた状態で使用すると、コーヒーの味にも影響が出てしまいますので、すぐに新しいものに交換したほうが良いでしょう。
“クレバー コーヒードリッパーデビュー”に必要な器具とは?
『クレバー コーヒードリッパー』に挑戦してみたいと思ったら、まずは以下の器具を揃えておくと良いでしょう。
- 適切なサイズのクレバー コーヒードリッパー
- 台形のペーパーフィルター
- コーヒーサーバーもあるとベター
これから始めてみたい方に向けて、必要な器具とその準備についてご紹介します。
クレバー コーヒードリッパーはネット通販や専門店で入手可能
『クレバー コーヒードリッパー』は、歴史が浅いため、まだ「どこでも売っている」状況にはなっていません。
そのため、どこで手に入れたら良いわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
最近では、コーヒー専門店の一部で取り扱いしているところもありますので、問い合わせてみると良いでしょう。
お近くにコーヒー専門店がない場合には、インターネットの通販サイトを利用してみると良いかもしれません。Amazonなどの通販サイトでも取り扱いしていますので、チェックしてみてください。
購入時は適切なサイズを選ぼう
『クレバー コーヒードリッパー』を買う際には、適切なサイズを選ぶようにしてください。サイズ選びを間違えてしまうと、量が少なすぎたり、あるいは多すぎたりしてコーヒーを無駄にしてしまうことにもなりかねません。
1〜2杯用のSサイズと1〜3杯用のLサイズがあるので、自分が普段よく淹れているコーヒーの量を考えて、それに合ったサイズのクレバー コーヒードリッパーを選びましょう。
必須の器具は「台形のペーパーフィルター」
『クレバー コーヒードリッパー』が入手できたら、後はペーパーフィルターも揃えましょう。コーヒーサーバーも用意しておけば、より便利になります。
ペーパーフィルターは、メーカー各社から発売されている「台形」のものを用意します。スーパーやコンビニなどでも手に入りますし、オンラインストアで販売されているものでも構いません。
UCCコーヒーフィルターの場合は、Sサイズで「2~4人用」、Lサイズで「4~6人用」の量となっています。クレバー コーヒードリッパーのサイズも考慮して適切なものを選んでみてください。
クレバー コーヒードリッパーは、角度が鋭角な台形となっているものが多いので、メーカーによってはぴったり合わないペーパーフィルターもあるかもしれません。その場合には、お持ちのクレバー コーヒードリッパーの角度に合うように、端を折るなどして、少し工夫してみてください。
ペーパーフィルターの種類や使い方については、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
おすすめのコーヒーフィルター|ペーパー・ネル・ステンレスの違いと特徴
コーヒーサーバーもあれば、より便利!
コーヒーサーバーは必須ではありませんが、一度の抽出で2杯以上淹れたいときには、サーバーも使ったほうが便利です。
ちなみにクレバー コーヒードリッパー底面の内径(95mm)よりも口径が小さい場合には、サーバーを使わずに、マグカップで代用できます。お好みのブランド、飲む杯数に合わせて、適切な容量のものを選んでみてください。
『クレバー コーヒードリッパー』で抽出する4つのステップ
クレバー コーヒードリッパーやペーパーフィルターなどの器具が揃ったら、いよいよドリップです。
フィルターと粉のセットから抽出までの手順を4つのステップに分けて、解説します。さらに、クレバー コーヒードリッパーでおいしく淹れるためのちょっとした注意点についても触れていきます。
1. クレバーコーヒードリッパーにペーパーフィルターと粉をセット
まず最初に、クレバー コーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットします。その際には、ペーパーフィルターの底面と側面を互い違いに折り、ドリッパーにフィットさせましょう。
次に、セットしたペーパーフィルターの中へ、コーヒーの粉を投入します。
カップ一杯分(約140cc)あたり、10~12gが適量です。
クレバー コーヒードリッパーで淹れる場合には、豆の挽き方は「中細挽き」から少し粗めの「中挽き」くらいがおすすめです。一定時間お湯に浸すため、細かく挽きすぎた豆だと、雑味が出やすくなるからです。
2. お湯を注いだら30秒蒸らす
次に、お湯を注ぎます。
このとき、クレバー コーヒードリッパーはテーブルなど平らな場所に置くようにしてください。「弁」を閉じたままの状態でお湯を注ぐのが大事なポイントです。
お湯の温度は、95℃前後が目安です。沸騰したらすぐに注がずに、少し置いておくと良いでしょう。クレバー コーヒードリッパーの場合は、お湯の注ぎ方で味が大きく影響がないので、注ぎ方にあまり神経質になる必要もありません。ドリップポットがなければ、ヤカンや電気ケトルから直接お湯を注いでもOKです。
入れたい杯数分のお湯を注ぎきったら、そのまま30秒ほど蒸らします。少し蒸らすことで、コーヒーのうま味や香りがより出やすくなるのです。この際に、電子はかり(スケール)を使うと、湯量を正確に量ることができますので、お持ちの方は用意しておいてください。
3. 浮いているコーヒー粉を沈めるようなイメージで優しく混ぜる
蒸らし終えたら、スプーンを使ってお湯とコーヒーの粉を優しく混ぜましょう。
浮いている粉を沈めるようなイメージで、混ぜるのがコツです。
混ぜる理由は、ペーパーフィルターの中にあるコーヒーの粉をまんべんなく浸出させることで、コーヒーの成分を余すことなく抽出できるからです。ちょっとした手間をかけるだけで、コーヒーの味がよりおいしくなりますので、ぜひ試してみてください。
混ぜ終わったら、3分半放置します。
その間は付属の蓋を閉めておき、決してドリッパーを動かしたり、傾けたりしないようにしてください。ただ静かに待ちましょう。
4. サーバーにセットし、コーヒー液を抽出!
3分半経ったら、いよいよコーヒー液を落とします。サーバーの口に、クレバー コーヒードリッパーをフィットさせて置くのがポイントです。そうすることで、コトンと「弁」が開いて、ドリッパー内に溜めていたコーヒー液が勢いよく落ちていきます。この瞬間は、普通のドリッパーでは体験できませんので、ぜひ楽しみながら鑑賞してみると良いでしょう。
抽出が終わったらクレバー コーヒードリッパーを外して、最後にカップにコーヒーを注くだけです。これだけで、簡単においしいコーヒーのできあがりです!
前述のようにサーバーを使わず、マグカップなどの上に乗せて、直接コーヒーを落としても構いません。マグカップに直接注いだほうが洗い物が少なくなるというメリットがあります。
マグカップなどに直接抽出する場合は、カップの容量を確認しておきましょう。カップのサイズが小さすぎてしまうと、コーヒーが溢れてしまいますので、注意してください。
『クレバー コーヒードリッパー』でワンランク上の家淹れを!
手順を守れば、誰もがおいしいコーヒーを淹れられるのが『クレバー コーヒードリッパー』の魅力です。揃える器具も少なく、お手入れも比較的簡単なので、初心者や手軽さを重視する方にはクレバー コーヒードリッパーが向いている方法かもしれませんね。
クレバー コーヒードリッパーを使えば、特別なテクニックがなくても、深いコクと飲みやすさを兼ね備えた味わいに仕上がります。あなたの家淹れコーヒーをちょっぴりランクアップしてくれる賢いアイテムなので、ひとつ揃えておけば大活躍してくれることでしょう。
クレバー コーヒードリッパーのほかにも、自宅で簡単においしいコーヒーやエスプレッソを淹れる方法があります。詳細はこちらの記事をチェックしてみてください。
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