しかし、初めて使う場合には、使い方や、もしものトラブルなどで困惑してしまうかもしれません。
特に、最近はオフィスやホテルなどへの導入も多いため、基本的な使い方は知っておきたいところですね。
今回は、知っておくと便利なコーヒーメーカーの使い方やお手入れ方法などを解説していきます。
多くの種類があるコーヒーメーカーの中でも「ドリップ式コーヒーメーカー」と「ミル付きコーヒーメーカー」のメジャーな2種類にスポットを当てました。
この記事をきっかけに、ぜひコーヒーメーカーを使ってみてくださいね。
INDEX
ドリップ式コーヒーメーカーの基本的な使い方
まずは、すでに挽いて粉状になっているコーヒー粉を抽出する「ドリップ式コーヒーメーカー」について、基本的な使い方をご紹介します。
<準備するもの>
- ドリップ式コーヒーメーカー
- ペーパーフィルター(紙フィルター)
- コーヒー(すでに挽いてあり粉状になったもの)
- 水
- コーヒーサーバー・ドリッパー(コーヒーメーカー付属品)
- 計量スプーンなど
1. ペーパーフィルター、コーヒー粉、水を順にセットする
まず、ペーパーフィルターの継ぎ目部分を折ります。
円錐型フィルターなら脇の継ぎ目を折り、台形型フィルターなら底と脇の継ぎ目を互い違いに折りましょう。継ぎ目を折ったら、ペーパーフィルターをドリッパーにセットします。このとき、しっかりと密着させることがポイントです。
次に、淹れる量のコーヒー粉を計量し、ペーパーフィルターに入れます。コーヒーを均一に抽出するため、粉の表面は平らにならしておくようにします。
そして、給水タンクに水を入れます。自動計量のタイプなら目分量で入れておけば淹れたい杯数分で落としてくれますが、最初に量って入れるタイプなら、目盛りなどに合わせて正しい量を入れます。
また、蓋があるものは、蓋をしっかり閉じておきましょう。
■ コーヒー粉の分量について
まずは、コーヒー1杯(約140cc)あたり、コーヒー粉10~12gで淹れてみましょう。この分量を基準にして、もっと濃いめか薄めかなど好みに合わせたり、豆の種類によって変えてみたりと調整できますよ。
また、コーヒー粉の計量はキッチンスケールを使うのが最も正確です。付属の計量スプーンではかることもできますが、メーカーごとに容量が異なるので注意が必要です。一度は、計量スプーンすりきり一杯が何gなのかを確認しましょう。
2. コーヒーサーバーとドリッパーをセット、抽出設定を行う
コーヒーサーバーやドリッパーを正しいポジションにセットし、電源をONにします。
コーヒーメーカーによっては、「杯数」や「コーヒーの風味」などの設定ができます。一度に約6杯分のコーヒーを抽出できる大容量コーヒーメーカーや、濃いめか薄めかを選べる濃度調節機能付コーヒーメーカーというものまであります。マイルド、ミディアム、ストロングといったお好みのコーヒー風味が簡単に設定できるのは嬉しい機能ですね。
シチュエーションや好みに応じて、設定を行いましょう。
3. スタートボタンを押す
スタートボタンを押すと、コーヒーの抽出が始まります。抽出されている間は機械音が聞こえます。音がしなくなったら抽出完了、サーバーにコーヒーが落ちきったら出来上がりです。
4. 電源をOFF
コーヒーがすべてサーバーに落ちたことを確認したら、電源をOFFにしてコーヒーサーバーを取り出します。(自動的に電源がOFFになるコーヒーメーカーもあります)
あとはカップにコーヒーを注いで、淹れたての味わいをお楽しみください。
保温機能の備わったコーヒーメーカーもありますが、コーヒーは長時間経つと風味が飛ぶので、できるだけ早めに飲むのがおすすめです。
ミル付きコーヒーメーカーの基本的な使い方
続いて、コーヒー豆から挽く「ミル」が付いた「ミル付きコーヒーメーカー」の使い方を見ていきましょう。大きく分けて「全自動式」と「半自動式」がありますが、基本手順はドリップ式コーヒーメーカーと同じです。
全自動式コーヒーメーカーの場合
全自動式コーヒーメーカーとは、コーヒー豆を挽くところから抽出までを全自動で行うタイプです。
1. コーヒーメーカーの所定の場所(ミル部分)に、杯数分のコーヒー豆を入れましょう。
自動計量タイプか、入れた分だけ使い切るタイプかを確認して必要量を入れてください。
2. 「豆」の設定をしましょう。
コーヒー豆からでもコーヒー粉からでも入れられるコーヒーメーカーの場合は、豆か粉かを選択する必要があります。
3. 挽き方(粉の粒度)を設定しましょう。
コーヒー豆の挽き方を調整できるコーヒーメーカーの場合は、「中挽き」「細挽き」など、好みに応じて選択できます。他の条件が同じなら、細かく挽くほど濃く苦味が強くなり、粗く挽くほど軽く酸味寄りの味になります。
コーヒー豆の挽き方による特徴は、こちらの記事で詳しく解説しています。お気に入りの挽き方を見つけてください。
4. あとの工程は、ドリップ式コーヒーメーカーの手順1~4と同じです。
ただし、コーヒー粉は自動でできるので、触らないでください。
半自動式コーヒーメーカーの場合
半自動式コーヒーメーカーとは、コーヒー豆を挽く作業と挽いたコーヒー粉をドリッパーに移す作業を手動で行うタイプです。
1. コーヒー豆を挽きましょう。
ミルに淹れたい杯数分のコーヒー豆をセットし、飛び散らないよう蓋をしっかり閉めスイッチオン。押し続けるものや、ワンプッシュで良いものなどあります。
刃が回って豆を挽くタイプのミルの場合、豆が好みの挽き方になるまでスイッチを押し続けてください。
2. コーヒー粉が出来上がったら、ドリッパーへ移しましょう。
3. あとの工程は、ドリップ式コーヒーメーカーの手順1~4と同じです。
おいしいコーヒーを淹れるのに欠かせないコーヒー豆
コーヒーメーカーの使い方を押さえたら、コーヒーの原点であるコーヒー豆について理解を深めましょう。おいしいコーヒーを淹れるためのはじめの一歩です。
コーヒー豆は、育った産地によって風味に特徴があります。
フルーツのような甘みと酸味があるもの、しっかりとしたコクがあるものなど、コーヒー豆の個性はとても豊かです。
コーヒー豆の名前に産地名がそのままついている場合も多いので、お好みの産地を見つけておくと選びやすいですよ。
産地別のコーヒー豆の特徴や選び方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
色々試してみて、お気に入りのコーヒー豆を見つけてください。
「クエン酸」を使ったコーヒーメーカーの簡単なお手入れ方法
コーヒーメーカーを長く使うには、お手入れが必要です。ドリッパーやサーバーなど、取り外せるパーツは使った後は必ず洗浄しましょう。
また、使っていくうちに、給水経路に水垢が詰まってしまうことがあります。その際に効果的なのが「クエン酸洗浄」です。
以下の手順を参考に、お手入れしてみてくださいね。
- 水500mlに対して10g程度のクエン酸を入れ、よく混ぜ溶かしクエン酸水を作る
- 給水タンクにクエン酸水を入れ、コーヒーやフィルターなどはセットせず、抽出する
- 真水で2~3回抽出してすすぎを行う
※給水タンクが詰まっている場合には、クエン酸水で12時間ほど浸け置きをする方法もあります。クエン酸洗浄で効果が見られない場合は、浸け置きもお試しください。
コーヒーメーカーを使う上での注意点
コーヒーメーカーは水と電気を使う機械なので、当然感電やショートには気を付けなければなりません。
どの製品でも「やってはいけないこと」はほぼ共通しているので、コーヒーメーカーを使用するにあたり、最低限下記のことは覚えておきましょう。
ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使う場合はお手入れ必須
コーヒーメーカーで、ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使ってコーヒーを淹れること自体は問題ありません。しかし、使用後のお手入れを怠るとトラブルの原因となり得ます。
これらの水でコーヒーを淹れた後は、コーヒーメーカーの内部にミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が白い水垢として付着します。そして、剥がれた水垢がお湯や蒸気の出口を塞ぐと、コーヒーが濾過されないなどのトラブルを起こすこともあるのです。
お手入れはこまめに行うようにし、汚れがひどい場合は、前述したクエン酸洗浄を行ってみましょう。
使用後すぐのお手入れはやけどの恐れあり
コーヒーメーカーを使用した後は本体が熱くなっているので、すぐに片付け・お手入れをしようとすると火傷をする恐れがあります。
電源をOFFにしても、しばらくそのまま冷めるのを待ってから片付けるようにしてください。とくに給水タンクの蓋は、熱いお湯や蒸気が飛び散る可能性があるので、触らないようにしましょう。
給水タンクに目盛りより多い水を入れてはいけない
目盛りの「満水」より多い量の水を入れると、抽出時にコーヒーがコーヒーサーバーからあふれ、本体に水をかけるのと同じ状態になってしまいます。
満水の目盛りを確認したうえで水を入れるようにしましょう。
本体に水をかけると故障の原因に
本体に水をかけると、感電・ショート・故障の原因になります。また、給水タンクの取り外しできないタイプのコーヒーメーカーを逆さまにして水を抜こうとすると、本体内部に水が入ってしまい、これもまた感電やショート、故障を起こすおそれがあります。いずれも行わないようにしてください。
コーヒーメーカーを動かしているとき以外は電源をOFFにし、コンセントを抜いておくのが安全です。
コーヒーメーカーで起きがちなトラブルと対処法
コーヒーメーカーの使い始めや、使い続けていると起こりうるトラブルとその対処法をご紹介します。
臭いや濃さなどコーヒーのおいしさに関わるトラブル。
ミルや抽出がうまくいかないといった機械のトラブル。
こういった起こりうるトラブルの対処法を知り、快適なコーヒータイムを送りましょう。
プラスチックの臭いがする場合
使い始めは、メーカー本体やパーツの素材に使われているプラスチックの臭いなどが気になることがあります。
使用するうちに臭いは消えていきますが、初回使用時はコーヒー粉やフィルターを使わず、水だけで1、2回抽出しましょう。消えない場合は、クエン酸洗浄を試してみてください。
コーヒーが薄い、もしくは濃い場合
せっかくならお好みのコーヒーを飲みたいですよね。できあがったコーヒーが濃かったり薄かったりした場合の対処法を確認しましょう。
■ コーヒー粉の量と挽き方を確認する
コーヒー粉の量が適切でない可能性があります。この場合はコーヒーメーカーの取扱説明書に従い、適切な量のコーヒー粉を入れるのが第一の対策です。
コーヒー粉を量る計量スプーンは、ブランドによって容量が違います。コーヒーメーカーと異なるブランドのものを使っていると、正しく計量しているつもりでも、結果的にコーヒー粉が過少もしくは過多となっているかもしれません。
スプーンだけに頼らず、キッチンスケールなどを使って、付属のスプーンがどのくらいを量れるのか一度調べてみると良いですね。
また前述の通り、挽き方によっても味が変わります。ミル付きコーヒーメーカーの場合、微調整が可能なら、調整してみましょう。
■ コーヒーメーカーの抽出口を確認する
もしくは、コーヒーメーカーの抽出口が詰まっている可能性があります。
お湯の出口である抽出口が詰まっていると、うまく抽出が進みません。抽出口や蒸気口などのお手入れも行ってみてください。
コーヒーの抽出スピードが遅い場合
コーヒーが落ちてこない場合、あるいは抽出スピードが遅くなった場合は、コーヒー粉や水垢でお湯の出口が詰まってお湯が落ちにくくなっている可能性があります。コーヒー粉が詰まっている場合は取り除きましょう。汚れがひどければ、クエン酸洗浄を試してみてください。
ミルが動かない場合
コーヒー豆を挽くミルが動かない場合は、内部にコーヒーの粉が詰まっているか、もしくは蓋がきっちり閉まっていないままスイッチを押している可能性が考えられます。
内部の粉をブラシで取り除き、蓋を閉めてミルを動作させるようにしてください。ちなみに、ミルを水洗いするとサビの原因となる場合もあるので避けてください。
コーヒーメーカーを連続して使えない場合
一度コーヒーを淹れて、すぐに次のコーヒーを淹れようと思っても、コーヒーメーカーによっては連続運転ができません。使った後、一定時間冷ましてから次の抽出を行うようにしましょう。
使い方とお手入れの基本を守って、コーヒーメーカーを楽しもう
コーヒーメーカーは、手軽においしいコーヒーを味わえる、家淹れの強い味方です。使用方法を守って適切にお手入れしながら、コーヒータイムの相棒として末永く付き合いたいものですね。
ご自分に合ったコーヒーメーカーの選び方は、こちらの記事をぜひ参考にしてください。全自動式コーヒーメーカーの選び方や具体的な商品をご紹介しています。