ペーパーフィルター・布フィルター・金属フィルターなど、さまざまあるフィルターの特徴や違いなどを把握して、味わいの変化について知っておくことが大切です。
今回は、各コーヒーフィルターの特徴、違い、メリットやデメリットなどをまとめてご紹介します。
自分に合ったフィルターを見つけて、日々のコーヒーライフをより豊かなものにしていきましょう!
INDEX
コーヒーフィルターの素材は大きく分けて3種類
コーヒーのドリップに使用するフィルターを大きく分けると、以下の3種類があります。
- 紙素材の「ペーパーフィルター」
- 布素材の「ネルフィルター(布フィルター)」
- 金属素材の「ステンレスフィルター(金属フィルター、メタルフィルター)」
もっともポピュラーなのが、スーパーなどでもよく見かけるペーパーフィルター。手に入りやすいので、ハンドドリップ初心者でも手軽にチャレンジできますね。
一方で、ネルフィルターやステンレスフィルターはまだまだ馴染みがない方も多いかもしれません。
ネルフィルターは、理由は後述しますが、手間暇かけて淹れたい「こだわり派」向きのフィルターです。
ステンレスフィルターは、紙や布にはない味わいが楽しめることに加え、使い捨てではなく繰り返し使えるのも魅力です。
それぞれのコーヒーフィルターの特徴や違い、家淹れにおけるメリット・デメリットを見ていきましょう。
定番のおすすめコーヒーフィルター
UCC「コーヒーフィルター(1~2人用) 40P」
初心者の方にもおすすめの、台形コーヒーフィルターの定番商品です。
漂白タイプの白いペーパーフィルターです。
無漂白のフィルターの場合、紙独特のニオイや色がコーヒーに移ることもありますが、こちらの商品のように漂白タイプのペーパーフィルターは、漂白されることで色が白くなっており、紙のニオイも少ないのが特徴です。
また、塩素系の漂白剤を使わず、酸素漂白を行っています。漂白剤のニオイもないため、コーヒーの味に悪い影響を与えないフィルターです。
価格はオープン価格。1~2人用のほか、2~4人用、4~6人用と異なるサイズもラインナップしています。
自然な風合いの「無漂白」タイプ、竹を使った「バンブー入り無漂白」タイプもあります。
【特徴】
- 台形ペーパーフィルターの定番
- 紙のニオイがコーヒーにうつりにくい漂白タイプ
- 漂白剤不使用の「酸素漂白」
商品ページ:コーヒーフィルター(1~2人用) 40P(UCC)
Kalita(カリタ)「KWF-155」
カリタ独自の「ウェーブ型ドリッパー」に対応した、ユニークな形のペーパーフィルターです。
底が平らになっており、底に空いた3つの穴からコーヒーが抽出される仕組みのドリッパーです。
ウェーブ型ドリッパーは、ドリッパーとペーパーとの接触面が少なく、お湯がフィルター内にたまらないため、すみやかにコーヒーを抽出できるのが特徴です。雑味のないすっきりとした味わいが楽しめます。
もし、お湯を偏った位置に注いでしまっても、底が平らになっているので、お湯が粉に均一になじみやすい構造です。
手軽に美味しくコーヒーを淹れられるので、初心者にもおすすめのペーパーフィルターです。
1~2人用サイズで価格は330円(税別)。2~4人用サイズの「KWF-185」もあります。
【特徴】
- カリタ独自の「ウェーブ型」ドリッパーに対応
- 抽出速度が早く、雑味のないすっきりとした味わいになる
- テクニック不要で、初心者にも扱いやすい
商品ページ:KWF-155(Kalita)
HARIO(ハリオ)「V60ペーパーフィルター01M」
ハリオが販売する、円すい形ドリッパー用のペーパーフィルターです。
ドリッパー終端部から出たペーパーフィルターの先端から、コーヒーが抽出される構造です
ネルドリップのように、フィルターから直接コーヒーが落ちるようになっています。
コーヒー粉の層が縦に厚くなるため、抽出時にお湯が粉に触れる時間が長くなります。
これにより、コーヒーの味と香りをしっかり抽出できます。
注湯スピードによって、濃い味からすっきりした味まで、コーヒーの味わいを調整できるのも利点です。
「V60ペーパーフィルター01M」は、パルプ100%の「みさらし(無漂白)」タイプ。
紙本来の自然な風合いが楽しめます。紙のニオイが気になる方は、湯通ししてから使用するのがオススメです。
【特徴】
- ハリオの「円すい形ドリッパー」用のペーパーフィルター
- コーヒーの味と香りをしっかり抽出でき、味わいの調整もしやすい
- 紙本来の風合いが楽しめる「みさらし」(無漂白)タイプ
商品ページ:V60ペーパーフィルター01M 40枚(HARIO)
HARIO(ハリオ)「DPW-1」
ハリオのネルドリップ用ドリップポット「ウッドネック」用のろ過器です。
木のぬくもりあふれる取っ手がついた、ベーシックな商品。ネルフィルター(布フィルター)、ガラス製ドリッパー、コーヒーサーバーがセットになっているので、これからネルドリップを始める方にぴったりです。
特徴は、きめ細やかなネルフィルター。コーヒーがゆっくりと濾過されるので、豆本来の持つ酸味や苦味、コクをしっかりと抽出できます。
1~2杯用で、価格は1,050円(税別)。3~4杯用サイズもあります。
布だけを交換する際は、「ウッドネックろ過布 FD-1(3枚入り)」も用意されています。
【特徴】
- ハリオのドリップポット「ウッドネック」用のろ過器
- ネルドリップ初心者にも使いやすい、ベーシックな商品
- きめ細やかなネルで、豆本来の味をしっかり抽出
商品ページ:ドリップポット・ウッドネック 1人用(HARIO)
KINTO(キントー)「SLOW COFFEE STYLE コーヒージャグセット 300ml」
ステンレスフィルターで手軽に家淹れできる、キントーの「コーヒージャグセット」。
ジャグ(サーバー)とブリューワー(フィルター受け)、ホルダー、ステンレスフィルターが1つになっているので、これだけでコーヒーの抽出が可能です。
ステンレスフィルターの特徴である、コーヒーの味や香りをしっかりと抽出して味わいたい方にオススメの商品です。
ジャグには、杯数に応じて湯量を測れる目盛りがついていて機能的です。
ホルダーにもコーヒー粉の量を測れる目盛りがデザインされているほか、ドリップ後のフィルターを置くこともできます。
シンプルながらスタイリッシュなフォルムと、落ち着いた色合いは、コーヒータイムをおしゃれに演出してくれます。
容量300ml(1~2人用)で、価格は3,800円(税別)。600ml(3~4人用)もラインナップされています。
【特徴】
- ステンレスフィルターを使って家淹れができるセット
- 湯量やコーヒー量を測れる目盛りなどがデザインされ、機能的
- スタイリッシュなフォルムと落ち着いた色合いがおしゃれ
商品ページ:SLOW COFFEE STYLE コーヒージャグセット 300ml(KINTO)
【種類別】コーヒーフィルターの特徴と違い
ペーパーフィルター(紙素材)の特徴
ハンドドリップで使う代表的なフィルターと言えば、紙製の「ペーパーフィルター」。このペーパーフィルターを用いてハンドドリップすることを「ペーパードリップ」と言います。
ペーパーフィルターの特徴は、すっきりとした味わいを楽しめること。これはフィルターの細かい繊維がコーヒーオイル(コーヒーの持つ油分)や雑味を適度に濾しとるためです。
ペーパーフィルターをセットする「ドリッパー」は、製造メーカーやブランドによって形状が異なります。そのため、ドリッパーと同じブランドが販売しているペーパーフィルターを使うことが理想的です。
フィルターを販売していないブランドのドリッパーを使う時は、しっかりと隙間なく合わせられるようなフィルターを選びましょう。
また、ペーパーフィルターは、淹れるコーヒーの量によって、1~2人用、4~6人用のようにサイズも様々なものがあります。
手持ちのドリッパーに合わせつつ、必要なサイズ感のものを揃えましょう。
ペーパーフィルターの器具はスーパーや100円ショップなどでも販売されているため、手に入りやすく、布製のネルフィルターや金属のステンレスフィルターに比べて、初心者でも手軽に始められるのが特徴です。
また、ドリッパーを洗う手間はあるものの、ペーパーフィルター自体はコーヒーのかすと一緒にまとめて捨てられるので、扱いやすく衛生的です。
ペーパーフィルターは、比較的安価で購入しやすいですが、一度きりの使い捨てなので、都度購入する手間やコストはデメリットと言えるかもしれません。
ペーパーフィルターの使い方
ドリッパーにしっかりと密着させるようにペーパーフィルターをセットします。
この時、ドリッパーから浮いていたり、サイズ感が合っていないと、安定したドリップができないので注意しましょう。
セットする前にフィルターの接着面をしっかりと折ることで、フィルターが開きドリッパーの壁と密着しやすくなります。
ペーパーフィルターはコーヒーを淹れるたびに1枚ずつ使用しますが、数十枚単位で売られていることが多いため、使うまでは適切に保管しておきましょう。
紙という特性上、湿気やニオイを吸着しやすいため、コーヒーの味わいにも影響が出てしまいます。密封して保管するようにしましょう。
また、頻繁にコーヒーを淹れるのであればペーパーフィルターは取り出しやすいところに置いておきたいもの。
最近は専用のペーパーフィルターケースなども販売されているので、保管用ケースとして活用しても良いですね。
ペーパーフィルターを使ったコーヒーの淹れ方はこちら。
ハンドドリップの淹れ方|自宅でもコーヒーをおいしく淹れるコツや必要な器具を解説
ネルフィルター(布素材)の特徴
「ネルフィルター」は、フランネルという手触りが柔らかい布で作ったフィルター(布フィルター)です。
このネルフィルターを使ってドリップする淹れ方を「ネルドリップ」と呼びます。
ネルフィルターで淹れたコーヒーは、抽出されたコーヒー液の中の微粒子が、ネルの起毛面にとどまって液体側に落ちるのを防ぎ、より「舌触りが滑らか」になるのが特徴です。
ネルフィルターはハンドル付きの輪っかに装着し、手持ちで淹れるタイプがポピュラーです。
1日に何杯も淹れる店舗などでは、専用器具に直接ネルフィルターをセットして淹れたりもします。
フィルターのサイズも1~2人用から業務用コーヒーマシンで使用される8~10人用のものまで、さまざまなものがあります。
ちなみに、お湯を器具の内部で上下させて抽出する「サイフォン」も、中心にあるフィルター部分は、ネルフィルターと同じ「フランネル」が使われています。
ネルフィルターのメリットは、まず口当たりの滑らかなコーヒーが淹れられること。
また、ペーパーフィルターだと紙のニオイが気になるという方もいますが、ネルフィルターは最初にしっかりとお手入れしてから使えば、フィルターの素材そのもののニオイが気になることは少ないのも特徴です。
使い捨てのペーパードリップと比べて、長期的に見れば経済的といえますが、反面、お手入れの手間がかかります。
新品のネルフィルターを使用する前には、煮沸をして布の糊を落とす作業が必要だったり、コーヒーを抽出し終えた後も毎回煮沸や水洗い、保管などに留意する必要があります。
また、繰り返し使用可能ですが、布が目詰まりしてきたら交換する必要があります。
使用後にしっかりお手入れをしても、コーヒーの脂肪分などが付着して布目が詰まってしまうためです。
交換時期の見極めは、コーヒー液がスムーズに流れなくなってきたり、抽出に時間がかかるな、と思ったら換え時です。
ネルフィルターの使い方
購入後、下ろしたてのネルフィルターは、使用する前に軽く水洗いし、コーヒー液で20分程度煮ておきましょう。
付着している糊や汚れなどが落ちて、コーヒーとなじみやすくなります。
湯を注ぐ前には、コーヒー粉の中央を少しくぼませると注ぎやすくなります。
ネルフィルターを使った後は、煮沸をしてニオイを取り除きます。
その後、蓋つきの容器に水を入れてネルフィルターを浸し、冷蔵庫で保管することで、布に残った油分が酸化するのを防ぎます。水は、毎日取り換えてください。
ネルフィルターを使ったコーヒーの淹れ方はこちら。
ネルドリップとは?おいしい淹れ方・味の違い・必要な器具などを解説
ステンレスフィルター(金属素材)の特徴
「ステンレスフィルター」とは、その名のとおり、ステンレス製の金属でできたフィルターです。
コーヒーオイルがフィルターに吸着されることなく抽出されるので、コーヒーそのものの香りや味わいが、よりダイレクトに味に反映されます。
ステンレスフィルターの一般的な形状は、ドリッパーとフィルターを兼ねた円すい型のものです。
2杯用、4杯用、などサイズがいろいろあり、メッシュの細かさや価格も商品によって異なります。
ステンレス製なので、しっかりと水洗いできて錆びないので衛生的です。
また、洗って何度も使えるため、ペーパーフィルターに比べて高価ですが、長期で見ると経済的です。
また、ステンレスフィルターは、ペーパーやネルと比べて目が粗いため、フィルターの目を通過したコーヒーの微粉も一緒にドリップされます。
コーヒーオイルなどの成分がフィルターで濾しとられることなく液体側へ混ざり、コーヒーの持つ特徴を味わい尽くせるのは、ステンレスフィルターならではのメリットと言えるでしょう。
ステンレスフィルターで淹れたコーヒーは、飲む時に少しザラっとした舌触りがあります。
滑らかな口当たりのコーヒーがお好みの方や、感触が気になる人にとっては、デメリットになるかもしれません。
ステンレスフィルターの使い方
ステンレスフィルターの場合、ドリッパーは必要ないのですが、全体の細かな目からドリップされたコーヒーが沁みだしてくるので、「受け」になる専用コーヒーサーバーがあるのが理想です。
計量したコーヒー粉を入れたら、フィルターに直接かからないようにお湯を注ぎましょう。
使い終わったステンレスフィルターは、コーヒーかすを捨てた後、残ったかすを流水で取り除き、洗剤をつけて洗います。
力加減によっては破損の可能性もあるので、そっと洗いましょう。
フィルターの目の中に洗剤が残らないよう、よく洗い流してからしっかりと乾燥させます。
コーヒーの粉でフィルターが目詰まりを起こすこともあるので、使用後はなるべく早めのお手入れが必要です。
フィルターを上手に使い分けて、さまざまな味わいのコーヒーにトライしよう
定番のペーパーフィルターのほか、味わいが異なるネルフィルターやステンレスフィルターなど、「フィルター」ひとつとってもコーヒーの楽しみ方はさまざまです。
たとえば、ペーパーフィルターで思ったような味にならない場合は、ネルフィルターやステンレスフィルターを試してみるのも良いかもしれません。
手軽に挑戦できるペーパーフィルター、コーヒーの滑らかな舌触りが楽しめるネルフィルター、コーヒーの持つ香り成分まで抽出できるステンレスフィルター。
あなたは、どのフィルターに挑戦してみますか?
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