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コーヒーオイルとは?豆の油脂分の役割とオイルを含むコーヒーの楽しみ方

2019.12.13
カップの中の液面に浮き出した油や、コーヒー豆の表面のテカリが気になったことはありませんか。その正体は「コーヒーオイル」。今回は、謎多き「コーヒーオイル」について解説します。

そもそも「コーヒーオイル」って?

コーヒー豆の表面のテカテカ油、カップの中の液面に浮かぶ油膜…コーヒーを淹れたり飲んだりする時に気になったことはありませんか?「飲んでも大丈夫なの?」と身体への影響を不安視する声を聞くこともあります。

この正体は、コーヒーの油脂分、つまり「コーヒーオイル」が浮き出たもの。焙煎する前の「生豆(なままめ)」と呼ばれる状態のときは、およそ油っ気など感じられない見た目ですが、実はコーヒーはもともと油脂分を含んでいて、コーヒー焙煎豆中では約15%を占めると言われています。

コーヒー豆を焙煎すると、熱が加わることで生豆に含まれている水分が蒸発します。すると水蒸気の圧力が豆の組織を急激に破壊し、体積にして約1.4~1.7倍ほどに膨張します。もろくなった結果、コーヒー豆の表面に細かな亀裂が生じて内側に閉じ込められていた油脂分がにじみ出す…これが、コーヒー豆のテカリの正体です。

コーヒーオイルがもつ役割とは?

コーヒーオイルがしみ出すメカニズムとして、焙煎プロセスを解説しましたが、コーヒー豆は熱の加え方によって、浅炒りから深炒りまで焙煎度が進んでいきます。そして焙煎度が深くなるほど、コーヒー豆は膨張し、もろくなり、コーヒーオイルもより滲み出してきます。色の濃い=焙煎度の深いコーヒーほど、表面がつやつやとしているのはそのためです。

そして淹れ方にもよりますが、深炒りのコーヒー豆は、コクのあるどっしりとした口当たりになり、焙煎が浅めのコーヒー豆はスッキリとした軽やかな口当たりになります。コーヒーの味は、各成分が焙煎によって変化することで形成されるわけですが、コーヒーオイルも飲んだ時の印象を左右する要素のひとつなのです。

また、コーヒーオイルは香味成分が多く含まれているため「アロマオイル」と呼ばれることも。「浮いていて良いの?」と訝しく思われてしまうことさえあるコーヒーオイルは、実はコーヒーの味わいや香りに大きな影響を与えている、重要なキーマンなのですね。

抽出方法がコーヒーオイルの印象を変える

いつもコーヒーを飲んでいるけど、「油脂分が気になったことはないなぁ」という人と、「実は結構気になっていたんだよね」という人がいるとしたら、それは抽出方法が違うのかもしれません。コーヒーを淹れる時に使う抽出器具によっても、液体側へ入り込むコーヒーオイルの量は変わってきます。

たとえば「ハンドドリップ」で淹れていても、使用するフィルターの素材が、コーヒーオイルの量にも影響します。

一般的によく使われているペーパーフィルターは、紙の細かな繊維が油脂分を吸着し、フィルター内に留めることで、軽い味わいのコーヒーに仕上げてくれます。また、金属製のフィルターを使用すると、油脂分は濾しとられることなく液体側へ落ちてゆき、コーヒーオイルがダイレクトに感じられる深みのある味わいになります。

ほかに、家庭でもよく使われる器具では、フィルター部分が金属になっているカフェプレスなども、コーヒーオイルをより楽しめる淹れ方のひとつです。

エスプレッソの美味しさを支えるコーヒーオイル

イタリア生まれのエスプレッソはその濃厚な味わいが魅力ですが、ここでもコーヒーオイルが非常に重要な役割を果たしています。

口当たりがまろやかで美味しいエスプレッソは、表面に赤褐色のきめ細かな「クレマ」と呼ばれる泡の層があるのですが、実はこれ、コーヒーオイルが乳化した姿です。「乳化」とは、本来混ざり合うことのないもの同士が均一に混ざり合うこと。エスプレッソ専用のマシンを使い、高い圧力をかけながらコーヒーオイルと湯水の乳化を促し、クレマが生まれるのです。

エスプレッソに、焙煎が深い豆が使われているのは、コーヒーオイルをたくさん含んでいることも理由の一つなのですね。

注意したいのは「酸化」

コーヒーに限ったことではありませんが、油脂分は酸素に触れることで酸化し、食品の場合、味わいにも影響がでます。コーヒーの場合も、密封されておらず保存状態が悪かったコーヒーは、コーヒーオイルが酸化してしまっている可能性も。一見わからなくとも、豆や粉から酸化臭がしたり、コーヒーの風味が著しく落ちていたりした場合、飲むのは控えた方が良いでしょう。

コーヒーは乾物のように扱いがちですが、油脂分が含まれることを知ると、生鮮のように扱わなければいけない理由も納得ですよね。最後まで美味しく味わうためにも、豆でも粉でも正しく適切に保管し、早めに飲みきるよう心がけましょう。

鮮度を保つコーヒー豆の保存方法|粉の保管場所・期間・豆の選び方まで

コーヒーオイルを意識して楽しんでみる

コーヒーの持つ油脂分、コーヒーオイルのこと、なんとなくわかってきましたか?では、家淹れでより美味しく味わうための工夫も紹介しましょう。

家淹れのおすすめは「カフェ・オ・レ」

コーヒーオイルは、乳脂肪分ととても好相性。前述したエスプレッソも「カプチーノ」や「マキアート」など、ミルクを組み合わせたアレンジメニューにすると、クレマのまろやかなコクがミルク感をしっかりと受けとめ、美味しさの幅が何倍にも広がります。

ただ、家淹れでエスプレッソやスチーム(蒸気)で泡立てた牛乳を作るのは、専用器具が無い限り難しいので、より手軽に自宅でも楽しむなら、温めた牛乳を合わせるカフェ・オ・レがおすすめです。

美味しいカフェ・オ・レを作るコツは、ミルクに負けない濃厚なコーヒーを使うこと。しっかりとしたコクや味わいのコーヒーを抽出する時に、コーヒーオイルをしっかりと引き出すこともポイントにしてみてください。フレンチプレスなどを使ってフレンチロースト以上の焙煎深めのコーヒー豆を選んでみてください。

お家で作れる本格カフェ・オ・レの作り方はこちらでも詳しく紹介しています。

自宅でできる本格カフェオレの作り方|ホットカフェオレやアレンジレシピも

濃厚な味わいのお菓子とペアリング

また、コーヒーそのものの工夫だけではなく、相性の良い食べものと合わせて、フードペアリングを楽しんでみましょう。

フードペアリングとは、相性の良い組み合わせを考え、それぞれの良さを引き出す楽しみ方です。ワインでも食事とワインの相性の良さを結婚に例えて、「マリアージュ」と言いますよね。

コーヒーオイルを多く含むしっかりめのコーヒーには、おなじくしっかりめの食べものが合います。たとえば、バターやクリームを使ったスイーツ、チョコレートのコク深さやほろ苦さを味わえるチョコレートケーキ、クリームチーズをたっぷり使ったベイクドチーズケーキなどはいかがでしょうか。ちなみに、グァテマラ産の深炒り豆をフレンチプレスで淹れて、ガトーショコラと組み合わせて食べるのが、MAGAZINEスタッフの今のお気に入りです。

ぜひ「濃厚感」をキーワードに、自分にとってのベストな組み合わせを見つけてみてください。

コーヒーオイルの存在を、うまく活用しよう

コーヒーに含まれる天然成分、コーヒーオイル。

これまで気にかけていなかったという方も、コーヒーオイルについて少し理解を深めてもらえたでしょうか?今後のコーヒー豆の選び方や楽しみ方の参考になることを願っています。

 

 

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