Vol.1では『【Team UCCの挑戦】至高の1杯へ、WSCを目指す旅の始まり』として、この大会について、またそこに挑戦する中井とチームメンバーたちをご紹介し、Vol.2では『磨き、探し、昂め合う』として、本格的に動き出したチームの様子をお伝えしました。
今回は、本番を目前に控えた中井とメンバーたちの「今」をお届けします。
INDEX
とにかく練習、ひたすら練習
使う豆、焙煎や抽出の方法、シグネチャードリンクのレシピ、プレゼンテーションの内容などはほぼ固まり、今は実演練習のまっただなか。すべてを時間内に、そして魅力的に伝えるための挑戦が続きます。
コーヒーのためにも「時間は厳守」
参加者にとって時間は大きな課題のひとつです。もしプレゼンテーションが制限時間の15分を超えてしまうと、1秒につきマイナス1点となり、16分を超えると失格になってしまいます。また抽出の時間が変わることで、コーヒーの味も変わってしまいます。さらに、本番は何が起こるかわかりません。万が一アクシデントがあっても、動じることなく時間内におさめる力も必要になります。
プレゼンテーションを支える「心」と「英語力」と「表現力」
プレゼンテーションは、すべて英語。もともと英語がまったくできなかったという中井ですが、「自力で作った文章は覚え方も気持ちの入り方も違う」と勉強を重ね、ニュアンスが伝わるように内容を考え抜きました。でも実際にやってみると課題が山盛りに!
「伝えたいことがありすぎて、最初は20分くらいになってしまって(笑)」
無駄なところを削ったり、凝縮させたりしてブラッシュアップ。加えて、話しながら同時に抽出作業もスムーズに運ばなければなりません。サポートするメンバーたちにも時間をはかってもらい、気づいたことをアドバイスしてもらいながら練習を重ねていきます。
気持ちと身体を整えて
練習の一方で、中井が大切にしているのがモチベーションの維持です。
「思うようにいかない時には、どうしても落ち込んでしまうので、そういうときにはうまく気分転換するようにしています」
また身体のコンディションにも、今まで以上に気を配っているとのこと。
「とくに喉の調子には気をつけなければと思っています。15分間のプレゼンテーションを何度も練習するので、喉がカサカサになってしまうんです。ちゃんとケアして、当日ベストのコンディションで迎えられるようにしたいですね」
環境の違いへの想定、万が一への備えも
この日の練習は神戸で行われましたが、開催地は東京。国内なので時差はありませんが、それでも環境が変化することで、想定するべきこと、対応しなければならないことが生じます。
電気の周波数も水質も、土地によって違う
実は、いつも練習している神戸と開催地の東京では、電気の周波数が違います。神戸は60Hz、東京は50Hz。そうなるとコーヒー豆を挽くグラインダーの動き方や焙煎するときの熱量も変わるため、現地での調整が必要になるのです。
また、水質もコーヒーの味に影響する大切な要素ですが、大会には水が持ち込めないため、本番で使う現地の水での調整が必要になります。
持ち物チェックは念入りに
持ち物は全員でチェックし、丁寧に梱包します。万が一、壊れたときのことも考えておかなければならないので、荷物はかなりの量になります。スーツケースに換算すると、大きなサイズで10個以上になるとのこと。
チームの気持ちをひとつに
時間を重ねるごとにチームの一体感も増してきたようで、緊張感の中にも明るい笑顔が溢れています。メンバーそれぞれに、今の気持ちを聞いてみました。
宮川 卓
道具の準備や、設備関係でのバックアップをしています。本番まで残り時間が短いので、「チームのためにできることはなんでもやるぞ!」という気持ちで、中井さんが当日ベストのコンディションになれるようにサポートしていきたいと思っています。
小林 孝博
当日、本番で使用する豆を焙煎します。僕はめちゃ緊張しいで、責任やプレッシャーも感じていますが、同時に「落ち着いてがんばるので、中井さんも楽しんでください!」という気持ちもあります。
春に始まって、あと2週間。なんだか一瞬だったなと思います。ここからは、本当においしい一杯のために、やれることせいいっぱいやるだけという気持ちです。
轟木 美和
競技会に関することは社内報で知ってはいたのですが、実際に参加したことはありませんでした。
週の半分は東京で仕事をして、週の半分は神戸でサポートという日々でしたが、店舗にいるだけでは知ることがなかったこともたくさんあり、本当にいい経験になっています。
チームの空気は、精神的にもきっと影響を与えると思うので、和気藹藹とした雰囲気が作れるように心がけたいと思います。
五藤 菜月
中井さんの素晴らしいところは、豊かな発想、すぐに「やってみよう!」ってなれる行動力やスピード感です。私は一番年下なのですが、私が言ったことをちゃんと聞いて受け止めてくださるのもありがたいです。
本番直前まで一緒にいることになると思うので、やるべきことをやりきって、中井さんが楽しんでベストを尽くせるようにサポートしたいと思っています。
中井 千香子
本番、抽出するのは私ですが、サポートしてくれているメンバーから学ぶこともたくさんあり、全員でプレゼンテーションを作り上げているという感じです。
たとえば轟木さんや五藤さんは、今まで競技会を経験したことがない中、新鮮な視点で見てくれるので、忘れていた初心を思い起こさせてくれるんです。
不安もありますが、これまで積み上げてきたことがどのくらい伝わるか、楽しみにもなってきました。本番前はあまり特別なことはせず、できるだけ「普段の自分」でいられるようにしたいなと思っています。
私は、もともと人前で何かするのがとても苦手だったんです。でも高校生の時、それって「いいところ見せたろ」って思ってしまうからなんだなと気づいて。大学では音楽を勉強していたので人前で演奏する機会も多かったんですが、「かっこつけたらあかんな」と。
それでも本番ではきっと緊張すると思いますし、人って緊張すると素が出てしまいますよね。
でもそうなってもかえってよかったって思えるくらい、自分らしくあれたらいいなと思っています。
「至高の一杯」への旅は、いよいよクライマックスへ
「ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ(WSC)」は、9月29日(金)、東京ビックサイトにて開催されます。心から楽しみ、また楽しんでいただくために…いよいよクライマックスを迎える「至高の一杯」への旅。
こちらの記事でも、華やかな本番の様子や、中井とチームメンバーたちの奮闘ぶりなどをお届けしていきたいと思います。
全員が力を出し切れるよう、ぜひ応援してください!
【WBC詳細】 SCAJ2023 ステージA(東京ビッグサイト西展示棟4ホール) 9月29日(金) 10時〜16時 ※出場者の競技順(タイムスケジュール)は前日の決定になります。
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