【Team UCCの挑戦】vol.4 ついに本番。旅の目的地で見つけたものとは。 | コーヒーと、暮らそう。 UCC COFFEE MAGAZINE

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【Team UCCの挑戦】vol.4 ついに本番。旅の目的地で見つけたものとは。

WSC 2023、ついに開催!

9月29日、東京ビッグサイトにて、3年ぶりとなる「WSC(ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ)」がついに開催されました。2019年の日本大会優勝者であるUCCの中井千香子、そして「Team UCC」のメンバーたちが目指してきた場所です。

4月からお届けしてきた【Team UCCの挑戦】も今回でひと区切り。
Vol.1
『至高の1杯へ、WSCを目指す旅の始まり』ではこの大会について、そしてそこに挑戦する中井とチームメンバーたちをご紹介し、続くVol.2『磨き、探し、昂め合う』では始動したチームの様子を、Vol.3『本番目前。至高の1杯を目指す旅は、いよいよ最終段階へ』では本番直前のチームの意気込みをお伝えしました。

最終回となる今回は、競技会の模様をレポートしつつ、大きな挑戦を終えた中井とメンバーたちのコメントをお届けします。

SCAJ 2023の賑わいの中で

WSC 2023は、9月27日から4日にわたって開催された「SCAJ ワールド スペシャルティコーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2023」の3日目に行われました。これは日本スペシャルティコーヒー協会が主催する、アジア最大のスペシャルティコーヒーの祭典で、29日の来場者数は例年を大きく上回る19,476人。WSCの舞台となったのは、その会場の一角に開設されたイベントスペースですが、200席ほどのオーディエンス席もほぼ満席となる盛況ぶりでした。

抽選で決まった「1番目」

サイフォンコーヒーはアジアで盛んということもあり、今回、中井の他に参加したのは、香港、中国、タイ、台湾のサイフォニストたちです。

順番は本番前日の抽選で決まりますが、中井が引いたのはなんと「1番」。リハーサルも早朝となり、気忙しくなりますが、「優勝したJSC(全日本)のときも1番だったので、良い順番かも」と前向きにとらえたという中井。 開会式で紹介されると笑顔で登場し、拍手に応えました。

入念な準備を

出番を迎えた競技者には、抽出に入る前に15分の準備時間が与えられます。器具の搬入やセッティングなどを行うためです。背後で大きなタイマーが動き、1名のヘッドジャッジと、技術を評価する2名のテクニカルジャッジが見つめる中、中井も次々と器具を運び込みます。

競技開始、積み重ねが花開く15分間

そしていよいよ本番。プレゼンテーションをしながら抽出から提供までを行う競技のスタートです。15分間で淹れるのは、3杯のブレンドコーヒーと、3杯のシグネチャービバレッジ。これらを3名のセンサリージャッジが味わい、評価します。

中井が手をあげて競技とともに15分のカウントが始まります。
競技中に流す音楽は、出場者自身が用意することができます。この音楽はは雰囲気作りにも一役買いつつ、15分という限られた時間内でプレゼンをする競技者にとって、進行時間をはかる目安にもなるのです。

コーヒーの多様性とサイフォンの可能性にフォーカス

中井のプレゼンテーションは、桜色のアイテムを用いたり、グラスにコーヒーの花を仕込んだりと、視覚的な明るさ、華やかさも印象的なものでした。具体的にはどのようなコーヒーだったのか、本人から紹介してもらいましょう。

「今回の私のテーマは【Coffee Diversity & Modern Siphon Coffee】。
日本語にすると【コーヒーの多様性と近年のサイフォンコーヒー】です。

これまではアラビカ種というコーヒーが主流で使用されていましたが、今は、様々な種のコーヒーが注目されています。そこで今回私は、アラビカ種に加え、ユージノイデス種、リベリカ種、ラセモサ種という、近年注目を集めているコーヒーを使用しました。いずれもとても個性的です。

また、その魅力を引き出すための抽出方法はいろいろありますが、私はコロナ禍が少し下火になったころから、サイフォンの新しい抽出方法をたくさん試してきました。今回はそれを披露させていただき、サイフォン1台でも多様な抽出方法が選べることをお伝えしたいと思いました。

ブレンドにはアラビカ種とユージノイデス種を使用し、サイフォンの新しい抽出方法でおいしさを引き出しました。コーヒーは温度帯によって味や香りが変わるので、1杯の中に違う温度帯で淹れたコーヒーが入るようにすることで、より豊かで深みのあるブレンドになるように工夫してみました。

シグニチャードリンクは、サイフォンのコーヒーをベースとしながら、4種全てのコーヒーを使用しています。コーヒーベースであれば違う素材を使っても良いのですが、私はあえて、コーヒーに由来するもののみで作成しました」

「理解を深めてほしい」タブレットも活用

それぞれのジャッジの前に置かれたタブレットにも、中井のこだわりがありました。

「抽出温度を表したグラフや、テイストコメント、シグニチャードリンクの構造を説明した資料などを入れたものです。ジャッジの方々は、競技者が提供するコーヒーの味わいについてメモを取ったりしなければなりません。でもできるだけリラックスして、楽しみながら理解を深めていただきたかったので、プレゼンテーションをサポートするツールとして用意してみました」

結果は準優勝!

的確なスピード、かつ和やかに、そして本当のお客さまに接するように、という心がけ。猛特訓した英語。自分らしさ。それらが発揮された15分間。チームリーダーの半澤は、

「トップバッターで周囲からの期待やプレッシャーもあったと思うが、毎日見ていたどの練習をも超えてくるものだった」

と語ってくれました。

結果は、準優勝!台湾のChia Cheng 氏に続いて世界第2位となりました。
サイフォンを模した銀のトロフィーを手にした中井に、この特別な1日を振り返ってもらいました。

応援に感謝!

「今、正直ほっとしています。1番目ということもあって、バックステージではバタバタと準備に追われ、もう勢いでステージに上がって行った感じでした。自国開催とはいえ早い時間だったので、それにもかかわらずたくさんの方が応援に来てくださり、とても嬉しかったです。
横断幕や私の写真が印刷された応援うちわを作ってくださった方もいらして、ちょっぴり恥ずかしかったですが(笑)、緊張が和らぐのを感じました」

かけがえのない15分間

「私にとっては2回目の世界大会ですが、英語でのプレゼンテーションは挑戦でもあり、もっともっと勉強が必要だと思うこともありました。

でも、ただ一方的に伝えるだけではなく、話しかけたり、コーヒーの香りを試していただいたりしながら一緒に楽しんでいただけるように、また、決めていたプレゼンテーション以外の事も臨機応変に組み込みながら進められるように心がけて、自分らしく、かけがえのない15分間を過ごすことができたと思います」

競技でのライバルたちは、終われば最高の親友

「他の競技者の方たちとの交流も有意義でした。競技ではライバル同士ですが、終われば最高の親友です。中にはワールドブリューワーズカップで出会った人もいます。これからもどこかで会いたいと思いますし、機会があれば、一緒に仕事もできればいいなと思っています」

力を出し切ったチームメンバーたち

Team UCCのメンバーと!

中井以外のメンバーたちも全力で動きました。宮川は会場への荷物の運び込みやセッティング。小林は競技に使う豆の焙煎。轟木はプレゼンで使う食材の仕込みやツールの確認、磨き上げ。そして五藤はバックヤードに入って中井をサポート、などなど。本番までたいへんな数日間でしたが、それぞれが力を出し切って大会を終えることができたようです。

求められた「臨機応変!」

チームリーダーとして皆をまとめていた半澤に話を聞いてみました。

「本番が近付くほどに、現場の中で変化していくことが多く、準備が意味をなさないほどの臨機応変を求められました。

たとえば、複数の変圧器を試して最適なものを選んだり、色々な焙煎の仕方やブレンドを試しながら、実際の競技会の会場の水に合わせた最適な抽出の仕方を検討したりと、アドリブで解決していく瞬発力、体力の重要性を実感しました」

まるで「Coffee Diversity」のように

「今回、中井さんが『Coffee Diversity』をキーワードに、様々な種類のコーヒーを用いてその多様性を表現しましたが、それはこのチームにも重なるところがありました。
普段の仕事もまったく違うメンバーが、中井さんを中心に、自分たちの個性や専門性を出し合い、混じり合うことでひとつの形になったチームだったと思います」

ゴールというより新たな始まり
旅はこれからも続く

今回の挑戦は、中井とメンバーたちにとって、どんな意味を持つものになったのでしょう。中井は、

「最後の最後まで、最高に美味しい1杯にたどり着くよう試行錯誤をしました。でもここで終わりというのはもったいないと思います。競技時間の15分では伝えきれなかったこともたくさんあるので、これから少しずつシェアしていきたいと思いますし、このチャレンジはゴールではなく、これからがもっと大切なフェーズになっていくと思います」

と語り、半澤もまた、

「終わった安心感もありますが、今回の取組みで少しずつ見えた新しいコーヒーの可能性を、普段の仕事に落とし込み、研究開発に活かしたい気持ちです。

『至高の1杯』に近づけたのかどうか…その手応え、実感はこれからに託されていると思います。観る人、飲む人が幸せになるようなコーヒーが、私の思い描く『至高の1杯』です。
それは競技会の、あの場の中にだけ納まるものではなく、今回の挑戦で得られたことを色々な場面に還元し、多くのお客さまに届けることでこそ証明できるものだと思います」

と語ります。
どちらからも、この挑戦から多くの収穫があったこと、同時にこの日がさらなる旅へのスタートになったことが伝わってきました。

ここまで応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました。関係者一同、心から感謝しております。今年のWSCは終わりましたが、おいしいコーヒーを求める旅に終わりはありません。中井は

「またチャンスがあればチャレンジしたいです…いや、チャンスは自分で掴むもの!」

と頼もしいコメントも残してくれました。この挑戦に携わった全員が、ここで培った発見とともにそれぞれの挑戦を続け、お客さまに幸せを届ける『至高の1杯』を追究していくことでしょう。
これからの活躍にもご期待ください!


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(1:09:10あたりからパフォーマンスが始まります)


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